MODEROID ガンバルガー
コアメカ編グッドスマイルカンパニー MODEROIDシリーズ
定価:6800円(税込み)
20年以上の時を経て変形合体可能なガンバルガーがキット化!
町はでっかいおもちゃ箱!
1991年に放送開始されたTOMYがスポンサーのテレビアニメ、『絶対無敵 ライジンオー』は人気を博し、その続編の新アニメが展開されることとなった。(注1)その番組が、1992年に放送された『元気爆発 ガンバルガー』である。前回のライジンオーでは学校が主な舞台だったが、今作ではスケールアップし、町が舞台となっている。町のいたるところからロボが発進するシークエンスは30年経過した今でも色あせることのない迫力あるバンクとなっている。
ロボットのほうも競合他社であるタカラの勇者シリーズやバンダイの戦隊シリーズに対抗するため、前回のライジンオーよりもパワーアップ。コアメカ3体がそれぞれアニマルモードと人型ロボットモードに変形し、さらにその3体が合体して巨大ロボット、ガンバルガーになるというものだった。(注2)さらに、2号メカと3号メカも登場し、さらにそれらと最強合体をするという気合の入れようであった。
ここまでの気合の入れようであったが、同年ではバンダイの『恐竜戦隊 ジュウレンジャー』や『美少女戦士 セーラームーン』がミリオンヒットを記録しており、これらに押される結果となってしまった。また、裏でライジンオーも展開していたためかライジンオーからのファンはOVAに流れてしまった人もおり、エルドランシリーズのなかではガンバルガーはパッとしない立ち位置となってしまっている。
とはいえ、そのおもちゃの機構はすさまじいものなっている。今回のコラムは2021年になってグッドスマイルカンパニーが展開したプラスチックキット、MODEROIDのガンバルガーを紹介しよう。
注1 テレビシリーズの裏で、ライジンオーもOVAで展開していた。また、ガンバルガー17話ではライジンオーがチョイ役で出演している。
注2 このコアメカはゴウタイガーが2200円、マッハイーグルが3000円、キングエレファンが2600円の価格でばら売りでも発売された。
ロボットみ~っけ!
野球の試合に参加するため忍者修行をさぼろうとしていた霧隠虎太郎が父の霧隠藤兵衛に追われるところから物語は始まる。虎太郎を捕まえるため、藤兵衛が投げつけた爆弾が近くの岩で炸裂。しかし、その岩は魔王ゴクアークが封印されていた岩だった。
封印が破られ活動を開始したゴクアークの前に、エルドランが現れた。エルドランはゴクアークを再び封印の岩に閉じ込めた。しかし、ゴクアークの封印を維持するため、自身も動けない状態となってしまう。一方のゴクアークは、封印される直前、配下のヤミノリウス3世を放つ。ヤミノリウスを追うため、エルドランもガンバルガーにヤミノリウスを追跡させるのだった。
そんなことはつゆ知らず、虎太郎、流崎力哉、風祭鷹介の3人は野球に向かう道中、コアメカの3体が出現したのだった。物珍し気に3人がコアメカに乗り込むと、エルドランがメッセージを送ってきた。
エルドラン「私はエルドラン・・・。私は太古の昔より地球を守ってきた戦士、エルドラン。私は今、暗黒魔王との戦いのため、動くことができない。子どもたちよ、君たちが私の代わりに大魔界の魔の手からこの地球を守ってほしい。そう、大魔界から地球を守るのだ!頼んだぞ、地球の子どもたちよ!」
ライジンオーの時からの恒例であるいつもの無責任な押し付けをすると、コアメカのコンソールからガンバーブレスが出現、彼らの手首に装着された。ガンバーブレスが装着されると、虎太郎たち3人は超能力スーツをまとい秘密のヒーロー、ガンバーチームに変身!ヤミノリウスが大魔界より呼び出した魔界獣、ジョキラーの前に立ちはだかった。
操縦に慣れない3人だったが、ガンバーブレスに装着されているカードを上下逆にセットすればロボットが変形することに気づく。さらに、鷹介は虎太郎のゴウタイガーに備え付けられているガンバーコマンダーを利用するとコアメカ3体が合体し、ガンバルガーになることを発見する。
ガンバルガーに合体した3人は、ガンバーソードでジョキラーを倒すのだった。
虎太郎「とおりゃあああああああ!」
ジョキラーを倒した3人だったが、ヤミノリウス3世は虎太郎の父親を犬に変えてしまう。さらに、3人にも正体がばれると犬になってしまう呪いをかけ、立ち去って行った。ここに大魔界とガンバーチームの戦いの火ぶたが切って落とされたのだった。
ガンバースーツ装着、コアロボ発進!
ガンバルガーは、トラ型のロボットから変形するゴウタイガー、鷹型のメカから変形するマッハイーグル、象型のロボットから変形するキングエレファンが合体して完成するロボットである。ガンバーチームは、ガンバーブレスを使用し、「フラッシーング」の掛け声でガンバースーツを身にまとった後、「スクランブル」の掛け声とともにガンバーブレスにカードを差し込むと各メカが発信する。
スクラーンブル!
ロールオーバーで画像が変わります
ゴウタイガーは公園や商店街内の「虎吉」の倉庫の中、キングエレファンは団地や線路下の立体駐車場、マッハイーグルは2丁目の交差点の真ん中、または青空インターチェンジ料金所(高速内)から発進する。この発進位置は鷹介の持つガンバーコマンダーの操作によって青空町内ならどこでも自由に発進位置を変えることができる。
各メカが発進すると3人は操縦用のメカ、ガンバーバイク、ガンバージェット、ガンバーバギーに乗り、各メカの操縦席と合体する。
これがアニマル状態の3機である。
各人のパーソナルカラーで彩られた3機のメカ
この3機がガンバーブレス内のカードの上下を入れ替えることで人型のファイターモードに変形することができる。コクピットの3人が「ミラクルチェンジ」の掛け声とともにガンバーブレス内のカードの上下を入れ替えるとファイターモードに変形する。
虎太郎「ミラクルチェーンジ!」
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ゴウタイガー変形完了!
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力哉「ミラクルチェーンジ!」
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キングエレファン変形完了!
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鷹介「ミラクルチェーンジ!」
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マッハイーグル変形完了!
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コアロボ変形完了!
当時品のおもちゃでも同様の変形をこなすことができるし、MODEROIDでも劇中の変形を行うことができる。コアロボ1体ずつの様子を次のセクションでは見ていこう。
炸裂!ガンバー忍法
まず、ガンバルガーの太もも・腹部・胴体を構成する虎太郎の乗るゴウタイガーを見ていこう。
虎太郎の乗るゴウタイガー
後ろ足の黄色いラインや肩アーマーはシールで再現
ゴウタイガーは、当時品に比べてアニメ寄りのプロポーションを再現できるようになっている。下半身部分は、見栄え重視のパーツに差し替えることができよりアニメに近い雰囲気にすることができる。
さらに、往年のTOMY版と同じくガンバルガーのたてがみをつけた状態でも飾ることができる。背中にゴウキャノンを装備することも可能で、この状態にしておけば余剰パーツなしで遊ぶことができるようになっている。
ファイターモードに変形すると、このようになる。
3機のコアメカの中で一番可動範囲が広い
ファイターモード時は、ゴウキャノンかアニマルモードの頭部パーツのどちらかを背中に取り付けることになる。筆者は昔のおもちゃの方式を採用し、アニマルモードの頭部を取り付けている。
3機のコアメカのなかではゴウタイガーが一番広い可動範囲を誇る。プロポーションはライジンオーの剣王に近い。膝や肘が曲がるし、腰を回転させることも可能。手には武器のゴウサーベルを持たせることも当然可能である。
ゴウサーベルはアニマル形態時のしっぽになるため余剰パーツが出ない
ゴウタイガーのアニマル状態時の目の部分は塗装が施されており、股関節のジョイントはライジンオーと同じ真鍮線でできた軸が内蔵されている組み立て済みパーツである。この箇所はガンバルガー時と共用であるため強度が求められることから、組み立て済みのパーツを採用している。股関節を引き出せば可動範囲が向上する。
続いてマッハイーグルである。
鷹介の乗るマッハイーグル
巨大な翼と複雑なギミックを持つ
ガンバルガーの上半身と背中にかけてを構成する機体だが、この機体の中には様々なギミックが隠されている。当時品でもこのマッハイーグルはギミックが一番詰めこまれているため、3000円と一番値段が高かった。
MODEROID版では尻尾の部分にジョイントパーツをはめ込みスタンドで浮遊させて飾ることも可能である。また、翼は上下に可動し、回転させることも可能である。翼パーツには合体用のスライドギミックも採用されている。
マッハイーグルが変形するとこのような形になる。
変形ギミックの影響により、足の可動と肘の可動ができない
マッハイーグルが単体で変形すると、肘の可動がなく、足も前に出したりすることができない。10センチにも満たないサイズで変形機構を盛り込んだための弊害で、ゴウタイガーのような劇中のダイナミックなポーズをつけることはできない。当時品と違い、マッハイーグルの武器であるマッハアローに腰のフロントアーマーが付けられており、これを腰部に装着することで足がばらけないように工夫されている。また腕の変形は、一度下腕部を取り外し白いパーツの下の穴に取り付ける方式で変形を実現している。
上半身に翼が装備されていることもあり、上に重心があるので自立することはできない。ロボットモード時には専用のディスプレイ用の棒を背中に取り付けて支えにする必要がある。
このパーツがないと自立できないのが残念
武器はアニマル状態の尾部がマッハアローとなり、飛び道具で戦う。
力哉の乗るキングエレファンもアニメ同様のプロポーションで再現されている。
スライド機構が多く採用されている力哉のキングエレファン
キングエレファンの頭部の目には彩色が施されている。キングエレファンにはファイターモードに変形するためにスライド機構が多用されており、簡単にばらけないように篏合がきつくなっている。そのくせ、内部にいろいろなパーツを仕込まなければならないため、組み間違いには十分気を付けよう。
ファイターモードへの変形は、後ろ足をスライドギミックで腕にし、前脚を収納して変形させる。前脚には回転ギミックが採用されているが、その際に抜けないようにジョイントがカギ穴状に作られており外れにくく作られているのがポイントである。
ファイターモードは力強い形状を再現している。
パワータイプのキングエレファン
スライド機構の影響で可動範囲は狭い
キングエレファンもマッハイーグルと同様に可動範囲が狭い。肘関節と膝関節が存在しないため劇中のようなポーズを取らせることはできないのである。変形についてはロボットの手のパーツが象の顔の裏に取り付けられるようになっており、余剰パーツが出ないように工夫されている。
キングエレファンアニマル時の顔の裏に拳パーツを取り付ける
ガンバルガーの角パーツも取り付けることが可能
この手のパーツにキングトマホークを持たせることも当然可能である。
この武器は唯一アニマルモードで使用しないので余剰パーツになる
難点はキングエレファンは左右分割するため少しばらけやすいことである。
キングエレファンとマッハイーグルの可動がほぼ死んでいるが、これは平均身長8センチと小さいため、可動を仕込むことは非常に困難だったためだろう。変形機構はアニメそのままなので変形モデルと考えればよいだろう。
この3機が合体することでガンバルガーなる。次のコラムではこのガンバルガーの合体機構と組み立て上の注意点を述べたいと思う。
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