MODEROID ガンバルガー
合体編グッドスマイルカンパニー MODEROIDシリーズ
定価:6800円(税込み)
20年以上の時を経て変形合体可能なガンバルガーがキット化!
高難度! 2段変形×3体合体!by開発者
ガンバルガーはエルドランシリーズの中でもコメディ色が強く、コミカルな描写が多かった。変形バンクも複数個作られており、それぞれのバンクにひと手間加えた変則バンクも結構多用されていたりで視聴者を飽きさせない工夫がなされていた。にもかかわらず、やはりライジンオーの人気に押され気味でエルドランシリーズでも商品化に恵まれなかった作品でもある。
ガンバルガーの製品は、当時のDXトイのほかにシーエムズコーポレーションがサンライズメカアクションでアクションフィギュアを発売。しかし、造形はともかくとして関節パーツのもろさがネックとなってしまった商品である。その後、グッドスマイルカンパニーがMODEROIDを出すまで商品化に恵まれていない。
この商品化に恵まれなかった理由は、その構造の複雑さからでもあろう。ガンバルガーは単体のコアメカすべてが変形するし、その上ほかの同クラスの2機ともパズルのように合体して最強形態になるなど、複雑怪奇なキャラクターなのである。その複雑怪奇さと相対的な人気の低さから商品化になかなか恵まれないでいた。
MODEROID版では、最強合体をも視野に入れこの複雑怪奇な変形機構をプラモデルという商品形態で落とし込むために様々な工夫がなされている。2段変形×3体合体で合計7体のロボットを製作することになるため、その商品化は困難を極めるのだった。今回のコラムではどのようにガンバルガーが商品化されたのかも含めて迫っていこう!
ガンバルガー・ミラクル合体~必殺技
ガンバルガーはゴウタイガー、マッハイーグル、キングエレファンの3機が合体して誕生するロボットである。黄色・赤・青の3色を使っているカラフルなメカでエルドランシリーズ恒例の巨大な翼を持つ。上から順にマッハイーグルが頭部・胸・腕を、ゴウタイガーが太ももから腹の部分を、キングエレファンが脚部を構成する。その合体シーンを見ていこう。
虎太郎が「ガンバルガー、ミラクル合体!」の掛け声とともにゴウタイガー内にあるガンバーコマンダーにカードを挿入し、ボタンを押すことで合体が開始される。
虎太郎「ガンバルガー、ミラクル合体!」
まずゴウタイガーから変形していく。腕部が背中側に折りたたまれ、脚部を縮めて頭部を収納する。MODEROID版では腕部の移動は付け替えで再現している。
ロールオーバーで画像が変わります
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2番目に変形するのはキングエレファンである。キングエレファンの上腕部をスライドさせて縮め、アニマルモード時の前脚部と合わせせる。そして胴体を縮めてキングエレファンの頭部を外し、背中のガンバルガーの脚部をキングエレファンの脚部に取り付ければ脚部が完成する
本当はキングエレファンがポーズを取るのだが、MODEROIDでは再現不能
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続いてマッハイーグルが変形する。腰の部分から割れて左右の腕を形成し、胸部の中からガンバルガーの頭部が出現する。
頭部はゴウタイガーと合体した後に出現するがMODEROIDでは先に取りだす
頭部の収納は2.5cm×2.5cmという狭い空間内で行われている
クリアランスもギリギリである。
ロールオーバーで画像が変わります
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バンクでは描かれていないがゴウタイガーとキングエレファンを接続し、その後マッハイーグルとゴウタイガーを接続する。ゴウタイガー側にはジョイントが仕込まれており、そのパーツを起こしてマッハイーグルと合体する。さらにマッハイーグルの胸パーツとゴウタイガーの胸パーツ同士でも接続する。
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その後、ガンバルガーの角パーツが劇中バンクではにょきっと生えてくる。MODEROID版ではキングエレファンの裏側に取り付けていた角パーツをつける形になっている。(注1)
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天空の雲の中からガンバルガーがゴウタイガーの頭部パーツを取り出し、胸に装着する。そして翼を展開すればガンバルガーが完成する。
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ガンバルガー、完成!
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このプロセスを経て合体したガンバルガーの姿がこれである。
この姿でも十分まとまっているガンバルガー
各コアメカをそのまま合体させても十分まとまった姿となっている。ただ、この状態だとゴウタイガーとマッハイーグルの接続が少々心もとない。後ろから少し力が加わればばらけてしまうのである。そこで、その難点を克服するのとさらに劇中の姿に近づけるため、見栄え重視パーツが用意されている。まず、合体用の形態からゴウタイガーの腕、膝アーマー、ゴウタイガーの後ろ足パーツを取り外し、マッハイーグルのアニマルモード時の頭部パーツ、キングエレファンの胸アーマーを取り外す。その後、腰アーマー、内側の脛パーツ、背中カバー、大きめの拳パーツを取り付けば見栄え重視のガンバルガーとなる。
この形態にすればアニメの形状を完全に再現できる
また、合体の強度も上がるため筆者はこの状態で飾っている
合体遊びを重視するならば必要最低限の差し替えで済むし、余剰パーツが出てしまうがアクションと劇中の形状を優先する場合とで選べるのがMODEROID版のガンバルガーの良いところと言える。
ガンバルガーの必殺技はガンバーファイナルアタックである。MODEROID版のガンバルガーでもある程度この技を再現できるので見てみよう。
まず、キングエレファンの頭部をシールドとして使用し牙部分から相手を捕縛する光線を発射する。
敵メカを捕縛した後、盾を地面に突き立て亀裂を生じさせその亀裂からガンバーソードを取り出す。最初石化しているガンバーソードは炎をまとい、石化を解除しながら剣になる。
虎太郎「行くぞおお!」
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炎をまとったガンバーソードを持ち相手を切りつけるガンバーファイナルアタックを繰り出す。
虎太郎「ガンバーファイナルアタック!」
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敵魔界獣が爆散!ガンバーソードにまとっている炎をキングエレファンの牙で拭うとガンバルガーは勝ち名乗りを上げる。
虎太郎「元気爆発!」
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虎太郎「ガンバルガー!!」
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このように、劇中の合体遊びや必殺技遊びがはかどる仕様となっている。ただ、肩の引き出し関節はさすがに仕込めなかったようで同社のMODEROID ライジンオーよりは可動範囲が劣っている。
注1 当時のDX版のおもちゃでは頭部にそのまま収納されており、外側に展開することで角を出現させる。
組み立てガンバレ篏合1000倍
このように、完成後に合体遊びができアクションもそこそこ取らせることができるのには秘密がある。まず、ライジンオーよりも組み立て済みパーツが増えた。股関節はもちろんのこと、マッハイーグルの変形のために金属軸を用いた組み立て済みパーツが2個付属する。この真鍮線を使って体の内部に仕組まれた細いレールに沿って体を移動させることが可能となっている。
この細いレールを金属軸が沿って動くことで安定した変形を実現!
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また、POM素材も関節部にふんだんに使われている。このPOM素材は塗装することができないので注意しよう。
また、スライド機構も増えており、ゴウタイガーの太ももの伸縮、キングエレファンの腕部分の伸縮、上半身と下半身の伸縮、翼の伸縮、肩アーマーの伸縮など様々な箇所がスライドするようになっている。そのため、パーツ同士の嵌め合わせが非常に硬く設定されている。接続軸も太くなっているし、一度組み立ててしまうと簡単には分解できないようになっている。
しかし、そのせいで一度組み間違えてしまうと分解がほかのキット以上に大変な作業になってしまう。筆者は組み間違いを何度かしてしまい、パーツをいくつか破損してしまった。特に気を付けたい箇所はマッハイーグルのアニマル形態時の組み立て、ガンバルガーの腕部の組み立て、キングエレファンの上半身と下半身の組み立ては気を付けよう。この箇所はスライド機構や内部の合体機構がひしめき合っており一度パーツをすべて組んでから挟み込む仕組みになっている。後ハメ加工も難しいほど隙が無い構成となっているのである。
メカスマブログでも勧められていたが、パーツの分解時はパーツオープナーを購入しよう。これがあれば分解が容易となり、パーツの破損も回避することができる。このパーツオープナーはほかのキットにも使用できるのでうっかり組み間違いの多い筆者には必須ツールとなっている。
このガンバルガーは開発当初からグレートガンバルガーへの合体も考慮に入れて開発されている。今後紹介するリボルガーとゲキリュウガーと合体させればグレートガンバルガーになるという仕様なのである。今後もMODEROID ガンバルガーシリーズを追っていくので乞うご期待!
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