ROBOT魂 ユニコーンガンダム

ユニコーンモード 定価:2980円(税込)

デストロイモード 定価:3675円(税込)

デストロイモード(フルアクションver) 定価:4200円(税込)


ROBOT魂 ユニコーンガンダム
可能性の獣、ユニコーンガンダムがROBOT魂に登場!

備えろ、ROBOT魂の大きな少年たち。俺たちの祭りガンダムが始まるぞ
小説から登場した新ガンダム、ユニコーンガンダムは変身機構を取り入れたMGが発売されて以降、精力的に商品展開が進んでいった。GFF METAL COMPOSITESUPER HCMではMGと同じく、変形ギミックを再現した商品が展開されていくことになる。ユニコーンガンダムの売りがユニコーンモードからデストロイモードへの変身である以上、シリーズ展開当初のユニコーンガンダムにはこのギミックを再現することが求められたといったところだろう。

しかし、変身ギミックを取り入れてしまうとその分値段もつり上がってしまうし、可動範囲も制限される要因となる。というわけで、プラモデルのHGUCでは変形ギミックを廃止し、分売することによって値段を下げ幅広いアクションを両形態で実現した。そして、ROBOT魂でもHGUCと同じ発想でユニコーンガンダムが2種類発売されることとなった。

しかし、このROBOT魂 ユニコーンガンダムは後にその出来と商品展開の仕方で物議を醸すこととなる。というわけで、今回はROBOT魂 ユニコーンガンダムを紹介することとしよう。

小説からブレイクしていった『機動戦士 ガンダムUC』シリーズは、OVA展開にて展開することとなった。ROBOT魂では2009年11月にOVA展開に先駆けて、ユニコーンモードのユニコーンが発売されることとなった。

ROBOT魂 ユニコーンガンダム(ユニコーンモード) 前 ROBOT魂 ユニコーンガンダム(ユニコーンモード) 後
余計なギミックがない分、まとまったプロポーションとなったユニコーンモード
外装自体もシンプルなカラーリングなためお値段もお安くなっております

この商品は、デストロイモードへの複雑な変形ギミックがないため、MGよりも幅広い可動を実現している。変形ギミックがないことを生かし、肩パーツや腹部は引き出すことが可能となっている。また、デザイン上干渉してしまうがために可動範囲が狭かった膝の可動も膝関節をスライドさせることでクリアランスを作り出せるため、脚部も広い可動を実現している。このように、ユニコーンモードはシンプルながらアクションフィギュアとして求められる幅広い可動範囲が実現した逸品となっている。

またHGUCと違い、この商品だけで平手、持ち手、握りこぶしが左右に付属しているため、付属品の面ではこちらに軍配が上がる。

しかし、ユニコーンモードの特性上、機体の色が真っ白になっているにもかかわらず各部に墨入れが施されていないため、のっぺりとした印象を受ける。気になる人はガンダムマーカーなどで墨入れを施したいところである。

ユニコーンモードには、ビームマグナムとシールドが武器として付属する。シールドは、専用のジョイントパーツを介して腕に接続される。

武装を取りつけたところ 前 武装を取りつけたところ 後
HGUCと違ってビームマグナムが標準装備で付属する

シールドはデストロイモードを見越したのか、差し替えで伸縮ギミックが再現されている。また、NT-D発動前のサイコフレームが再現されておりそれも展開させることが可能である。

シールドの展開ギミック
シールド下部の差し込み位置を変えることで、スライド機構を再現
ロールオーバーで画像が変わります

シールドの展開
NT-D発動前の灰色のサイコフレームも再現されている

このシールドは専用のジョイントパーツを使うことで、バックパックに背負わせることもできる。HGUCでは、シールドもユニコーンモードとデストロイモードの状態で固定されたままだったため、シールドのギミックはROBOT魂に軍配が上がる。一方、ユニコーンガンダムの腕に取り付けられたビームトンファーは固定されたままなのが残念である。また、ROBOT魂版ではプラモデルでできたビームマグナムの背面や腕部へのマウントもできない。

というわけで、ユニコーンモードに関してはプラモデル・ROBOT魂双方ともに一長一短といったところで、どちらを買うかはユーザーの好み次第と言えるだろう。

白き神獣 、再び!
ユニコーンモードが発売された翌年の2010年2月に、ユニコーンモードを叩き台にしたデストロイモードが満を持して登場した。ユニコーンモードで採用された関節ギミックはそのままに、ユニコーンモードでは付属しなかった武器が追加され、サイコフレーム部分をメタリックレッドで塗装されたデストロイモードは魂ウェブでも大々的に宣伝されていた。

ROBOT魂 ユニコーンガンダム(デストロイモード) 前 ROBOT魂 ユニコーンガンダム(デストロイモード) 後
サイコフレーム部はすべて塗装で再現!
のっぺりしていたユニコーンモードから一転派手な姿に

大きさはユニコーンモードに比べて一回りほど大きくなり、ほぼ設定どおりの比率となっている。しかし、後発のROBOT魂 シナンジュと並べると同じ大きさであるはずなのに、シナンジュの方が一回り大きくなってしまっている。

ユニコーンモードとの比較 シナンジュとの比較
ユニコーンモードに合わせたサイズ比率で作られたためか、シナンジュと並べたときに違和感が出る

先に発売されていたHGUCよりも大きく勝っている点として、武装の豊富さがあげられる。ユニコーンモードに付属していたビームマグナムはもちろんのこと、プラモデルのユニコーンモードに付属していたバズーカや腰部に取り付ける2つの予備のカートリッジもデストロイモードに同梱されている。さらに、HGUCでは付属しなかったビームマシンガンも2丁付属しているお得な仕様なのである。

付属武器
プラモデルでは付属しなかったビームサーベルの刃やビームマシンガンも付属するお得な仕様

手首パーツがユニコーンモードと共通のため、これらの武器はユニコーンモードにも持たせることが可能となっている。

予備のカートリッジの取り付け

バズーカ ビームマシンガン
ビームマシンガンとバズーカは、ユニコーンモードで多用していた武器なので、ユニコーンモードに持たせると映えますね

ユニコーンモードではオミットされていたビームトンファーの展開ギミックも再現されており、ユニコーンモードに付属しているビームサーベルの刃を利用すればすべてのビームサーベルを展開した状態にすることもできる。

また、デストロイモードに付属しているビームマシンガンは、ジョイントパーツを使うことで連結することができ、ユニコーンガンダムの腕に取り付けることができる。腕に取り付ける際は、ビームトンファーのサーベル取り付けジョイントに差し込む形で腕に取り付ける。

ただ、ユニコーンモードにはこの差し込み穴がないため、腕にビームマシンガンを取りつけることはできないのが残念である。どうしても再現したい人はピンバイスで穴をあけて取り付け穴を追加するほかない。

デストロイモードこそユニコーンガンダムの真の姿ということで、非常に期待がかかっていたのだが、ここでROBOT魂(SIDE MS)の悪しき伝統が発動してしまう。それは、顔の出来がとても悪いということである。これはMS IN ACTION!!の時代からの悪しき伝統で、同時期に発売されたガンダムも顔が悪いものが多かった。

顔のアップ

上の写真を見てもらえばわかるが、顔が奥まりすぎているし何よりも顔のスリットが劇中とは違って完全な「へ」の字をしている。また、ユニコーンモードでは塗装されていたマシンガン部も塗装されていない。

人形は顔が命という不文律があるが、この点が守られていないばかりにデストロイモードの手ごろなアクションフィギュアを求めていた層には大変不評なのであった。

バナージ「バンダイが同じ製品の焼き直しをしたみたいなフィギュアですね。」
ダグザ「フィギュアの世界では時としてそういうことが起きる。前の製品など、もう一人も買うまい・・・。」

デストロイモードの1ヶ月後に発売されたV2アサルトバスターガンダムも顔の出来が悪かったが、この顔に関するユーザーの不満点はROBOT魂 ガンダムF91を皮切りにだんだん改善されていくことになる。バンダイもアンケートなどで多くの不満が寄せられたことを黙視できなかったのだろう。

というわけで、ROBOT魂のMSシリーズでは恐怖の焼き直し商法が展開されることになる。まず、V2アサルトバスターガンダムは武器セットをオミットした単品のV2ガンダムを発売した際に、顔の造形や可動範囲の抜本的な改善が図られた。さらに前に発売された武器も取り付けられるということで、前の製品も買わせる算段に出たのである。

このV2ガンダムは一定の評価を得たのか、バンダイはこの焼き直し作戦を同じく不評だったユニコーンガンダムにも取り入れた。ユニコーンガンダムデストロイモードが発売されてから1年以上経過した2011年10月に、OVA4話発売に合わせてデストロイモードを大幅にバージョンアップさせたROBOT魂 ユニコーンガンダム デストロイモード(フルアクションver.)をバンダイは発売した。

ROBOT魂 ユニコーンガンダム デストロイモード(フルアクションver.) 前 ROBOT魂 ユニコーンガンダム デストロイモード(フルアクションver.) 後

このフルアクションバージョンは、アニメでのデストロイモードのイメージを優先させたプロポーションをしており、アニメと同じポーズを付けられるように徹底的に可動範囲や造形の見直しが図られた製品である。サイズも前のデストロイモードよりもさらに一回り大きくなった。これは、前のデストロイモードではサイズ差が露呈してしまったROBOT魂 シナンジュと合わせるための措置である。

以前の製品との比較 ROBOT魂 シナンジュとの比較
大型化が進み、ユニコーンモードより二周りほど大きくなったフルアクションバージョン
設定上同じ大きさのシナンジュと並べても違和感がなくなった

このサイズの変動に合わせ、フルアクションバージョンに付属する各種武装も以前のものよりも大型化した。

武器の比較

大型化した恩恵を受け、バズーカとビームマグナムのグリップ部を展開させることが可能となり、持ち手に持たせやすくなった。また、以前の商品ではできなかった武器のバックパックや腕への取り付けも可能となっている。

ビームマグナムを構えたところ バックパックへの取り付け
上部にあるピンを起こすことでバックパックにマグナムを取り付け可能

ビームマシンガンの取り付け方法も前のバージョンから変更され、ビームトンファーのサーベル穴に差し込む方式から腕の溝に固定する方法に変更。これによりビームマシンガンの固定強度が飛躍的に上がっている。

ビームマシンガンの比較

シールドを取りつけるためのジョイント シールドを取りつけた状態
専用のジョイントを使うことでマシンガンの上からシールドを装備することも可能
これは前のユニコーンガンダムと同じ方式

ビームサーベルの刃もパワーアップしており、カラーリングが劇中同様にピンク色になった上に、基部にはグラデーション塗装が施されている。これにより、以前の製品よりもよりリアルなビームサーベルとなっている。

ビームサーベル ビームトンファー
サーベルもビームトンファーももちろん再現可能
より美しくリアルになった刃で雰囲気抜群

ただ、バックパックへのビームサーベルを取りつけるためのピンが細く短くなっているので、折ってしまわないように取扱いには注意が必要である。

これら武装に加え、可動範囲は以前に発売されたものよりもけた外れに幅広くなっている。特に進歩しているのが脚部の可動ギミックである。以前のバージョンでは足を引き延ばすことで可動範囲を広げていたが、この製品では膝装甲が足の動きに連動してスライドすることで、前のバージョンよりも広い可動範囲を実現することに成功した。

膝装甲のスライド機構
1/144サイズで装甲の連動スライドギミックを実現!
さらに、このギミックで幅広い可動範囲が確保された
ロールオーバーで画像が変わります

以前の商品には付属しなかった魂STAGEへのコネクターも付属しているため、魂STAGEを使用すれば劇中さながらにユニコーンガンダムを宇宙空間を跳躍させることが可能となっている。

魂STAGEを使用したところ ビームサーベルで切りかかるユニコーン

そして、極めつけが顔の造形である。散々不評だった顔の造形はほぼ劇中のイケメン顔になり、問題だったスリットも劇中と同じ形となった。

顔のアップ
劇中のユニコーンガンダムの顔を完全再現!

顔の造形が改善されたことに伴い、各部のプロポーションも見直された上に、前のバージョンよりもプラ部分が多くなった。これに伴い、各部の造形もよりシャープなものとなった。

このように、至るところが改善されたフルアクションバージョンはOVA効果もあり売れに売れ、2012年の6月に再販されることとなった。また、このフルアクションバージョンを叩き台にして、ユニコーンガンダム2号機であるバンシィも発売されることとなった。

ここまで造形が良くなったバージョンが発売されたことに伴い、以前のデストロイモードを買う人間はいなくなり、フルアクションバージョンは店頭から姿を消したにもかかわらず以前のバージョンはいまだに店の棚においてあるという始末である。

また、前のバージョンを買った人にとってはバージョンアップした同じキャラクターの製品が出るというのは前のバージョンが無意味になってしまうということで非常に痛手である。現に、前のバージョンを買ってしまったHUYU君は、フルアクションバージョンを手に入れたことに伴い、前のバージョンを私に無償でくれた。筆者である私は、フルアクションバージョンを買ったのが初めてのユニコーンガンダムだったため、むしろ得だったが、HUYU君にとっては大きな痛手であったろう。

このようなバージョン2商法を最近のバンダイはほかのブランドでも行おうとしている。特にこれから発売されるULTRA-ACT ウルトラマン商品名さえ変わらずにver2となって新生することとなった。これでは前の商品を買ったユーザーが報われないし、前のバージョンの否定にもつながるので、バンダイには最初から入念に作りこんだ商品を初めから出してもらいたいものである。

ラプラスの亡霊
『機動戦士 ガンダムUC』ではバナージが、ネオ・ジオンやネェル・アーガマ内の大人たちと交流を持つことで成長していく。彼の成長を促したキャラクターの一人がダグザ=マックールであろう。プロの軍人である彼はバナージに民間人でありながらユニコーンを操縦した責任を説き、高圧的に彼にユニコーンに乗せるよう迫った。しかし、それは彼なりの矜持から来る言動なのだった。

というわけで、今回はOVA第3話の後半部分のあらましを再現していこう。

ネェル・アーガマは、捕獲されたユニコーンガンダムとバナージを奪還するためパラオ攻略戦に乗り出した。その戦いにおいてバナージは、マリーダの駆るクシャトリヤと交戦し、NT-Dの圧倒的な力でクシャトリヤを大破に追い込みネェル・アーガマに自力で帰還した。

この作戦はECOASとロンド・ベルの共同作戦だったが、その交戦により連邦側は被害を出すこととなる。、作戦を指揮していたダグザ=マックール中佐は、その攻略戦のあっけない幕切れを訝しがりながらも、ネェル・アーガマへの帰路に就いた。

大破に追い込まれたクシャトリヤは連邦側に鹵獲され、マリーダも身柄を拘束された。立場が逆転したマリーダは、バナージに対してどんな現実を突きつけられても「それでも」と言い続ける姿勢を持つよう彼に言ったのだった。

その後、マリーダは民間のシャトルで地上へ搬送されることが決定し、ネェル・アーガマに同行していたアナハイム社の高官、アルベルト=ビストも船を降りることとなった。

一方のバナージは、ダグザから尚もユニコーンガンダムに乗り、La+プログラムが指示した座標地点でユニコーンガンダムを稼働させるよう命令されていた。ユニコーンガンダムの恐ろしい性能を目の当たりにしたバナージは、ダグザの命令を一時は拒んだ。

しかしオットー艦長がパラオ攻略戦の際、ダグザはバナージを人質と捉えて、彼を救出するのが大人である自分たちの責任であるとネェル・アーガマクルーに伝えたという話をバナージにする。何かを感じたバナージは、再びユニコーンガンダムに乗り込み、La+が指示した地点、首相官邸ラプラスの残骸へ向かった。

ラプラスの残骸に入った時、バナージはコクピットの複座に座っていたダグザからラプラスに関する因縁を聞かされる。連邦が発足した際に起こった首相官邸爆破事件は、連邦がその堅牢を維持するためには都合のよい事件であった。テロ防止を口実に取り締まりを強化することができるようになったからである。それはまるで連邦が自作自演のテロをしたとも取れる事件であったが、100年近く時間が経過した今となっては真相を知る者はいない。バナージはダグザの口から、「大人」の世界を垣間見るのであった。

ユニコーンが指定座標に到達すると、突如として宇宙世紀移行記念の大統領演説が流れ出した。その発信源はほかでもないユニコーンガンダムからであった。その不気味な現象に一同は驚いたが、その驚きを遮るかのようにネェル・アーガマ周辺のミノフスキー粒子濃度が急激に上がって行った。

マリーダを奪還するため、ネェル・アーガマは袖付きの部隊、ガランシェール隊に捕捉されていた。ガランシェール隊は、ラプラス探索のために警備が手薄になっているのに乗じてマリーダを奪還しようとしていたのである。

ネェル・アーガマの危機を直感的に感知したバナージは、ラプラスの残骸を突き破ってユニコーンをネェル・アーガマに向かわせた。その道中、ユニコーンは袖付きのギラ・ズール部隊と交戦状態に入る。

プロの軍人であるダグザは、敵機を確実に撃破するためにビームマグナムを使うようバナージに指示したが、威力がありすぎるとしてバナージはバズーカで応戦した。さらに、極力人殺しをしたくないバナージは、敵機の武装だけを破壊していく。敵機に止めを刺さないバナージにダグザは檄を飛ばした。

バズーカで応戦するユニコーン
ダグザ「遊んでいるつもりか、貴様!敵は落とせるうちに落とせ!
お前が見逃した敵が味方を、お前自身を殺すかも知れんのだぞ!!」

バナージ「遊びなものか!自分が死ぬのも、人が死ぬのも冗談じゃないって思うからやれることをやっているんでしょう!!」

二人が口論をしている間に、敵の一体がビームアックスで切りかかってきた。バナージはシールドでその剣戟を受け止めると、接触回線を使って敵機のパイロットが通信をしてきた。そのギラ・ズールに乗っていたのは、パラオでバナージを世話してくれたギルボアだった。ギルボアは、自分たちの目的が捕虜奪還だということを伝え、バナージにこの空域から離れるよう告げた。敵の真意を知ったダグザは、即座にネェル・アーガマに連絡を入れた。

ギルボアに続いて、新手がユニコーンガンダムに襲いかかってきた。それは、パラオを脱出した赤い彗星、フル=フロンタルシナンジュとその親衛隊だった。捕虜の奪還はガランシェール隊に任せ、自身はユニコーンに仕掛けてNT-Dの発動を促そうとしていたのだった。

ユニコーンガンダムはラプラスの残骸の中にもぐりこみ、身を隠した。闘う意義を見いだせないバナージはフロンタルを前にしても本気を出せないでいたのだ。そんな彼を見たダグザは、ユニコーンを降り、生身の体でゲリラ戦術でシナンジュに立ち向かおうとしていた。ユニコーンを降りる時、ダグザはコクピット内でバナージに反応するユニコーンを見たことから、ユニコーンを制御するのは生身の心であると伝え、自分の心を失くさぬよう彼に告げたのだった。

ラプラスの残骸の中にシナンジュが入りこんできた。ダグザはバナージに威嚇としてバルカンを放つよう命じた。バルカンを受けたシナンジュはシールドで防御しながらシールド内に仕込まれたビームアックスを展開し、高度を落とした。しかし、高度を落としたことが原因でダグザが仕掛けていた爆薬が作動、シナンジュは一時動きを止めた。

動きが止まったシナンジュに、ダグザはバズーカを放った。その弾道はシナンジュのメインカメラに直撃し、シナンジュは顔面を破損した。ダグザは、バナージに攻撃するよう命じる。

ビームサーベルを抜くユニコーン
ダグザ「今だ!」

しかし、メインカメラを破壊されたシナンジュはサブカメラが作動し、ダグザを発見するとビームアックスでダグザがいた建物ごと切りかかった。最後の間際にダグザはユニコーンに向かって敬礼し、ビームアックスのビームにその身を焼かれて蒸発してしまう。

ビームアックスを振うシナンジュ
ダグザ「バナージッ!!」
ロールオーバーで画像が変わります

ダグザの最後を目の当たりにするバナージ
バナージ「ダ・・・グ・・・」

ダグザ(お前は私の希望・・・。託したぞ、バナージ!!)

ダグザの思念を感じ取ったバナージは、NT-Dを発動させた。

NT-Dを発動させるユニコーン
バナージ「やったな!」

NT-D発動!
ロールオーバーで画像が変わります

デストロイモードに変身したユニコーンはバックパックに備え付けていたビームマグナムを抜き取り、ためらっていた先ほどとは打って変って容赦なくシナンジュに連射した。その威力は、ラプラスの残骸を突き破り、残骸を崩壊させた。

マグナムを連射するユニコーン

デストロイモードとなったユニコーンは残骸から出てきて執拗にシナンジュを追い回す。親衛隊のアンジェロらがユニコーンに攻撃を加えたが、その攻撃も意に返さず親衛隊の機体を圧倒的な性能でねじ伏せた。さらに、アンジェロの機体の手足を切り裂いたユニコーンはその攻撃目標をシナンジュに変えた。ユニコーンガンダムはビームトンファーでシナンジュに切りかかり、両機は切り結ぶ。

切り結ぶ両機
バナージ「あんただけは・・・落とす!!

ダグザを殺された怒りに我を忘れたユニコーンは前回の戦いとは打って変ってシナンジュを追い込んでいった。大気圏付近で交戦しているため、シナンジュとユニコーンは徐々に地球の引力に飲み込まれつつあった。フロンタルは追い込まれているにもかかわらず、冷静な口調でバナージに警告を送った。

地球の引力に引きよせられる両機
フロンタルバナージ君、聞こえているならやめろ。このままではお互い、大気圏で燃え尽きることになる

バナージ「くっ・・・!

ユニコーンのコクピットでも警告音がけたたましく鳴り響いていた。しかし、バナージは攻撃の手を緩めず、最大出力のビームトンファーでシナンジュに切りかかった。シナンジュはその攻撃を紙一重で避けたが、ビームトンファーは巨大なラプラスの残骸をあっけなく一刀両断にした。

引力に引っ張られ、無防備状態のシナンジュに対してバナージは再びビームマグナムを抜いた。その照準は正確にシナンジュに向けられていた。

マグナムの照準を合わせるユニコーン
バナージ「今度は、はずさない!

バナージは最後のビームマグナムを放った。その弾道は、一直線にシナンジュに向かっていったが、シナンジュとユニコーンの間に一機のギラ・ズールが割って入った。そのギラ・ズールには、先ほどバナージを助けたギルボアが乗っていた。彼はマリーダ奪還を諦め、フロンタル隊の救援にやってきたのだった。マグナムは割って入ってきたギルボアのギラ・ズールに直撃、ギラ・ズールは爆散した。

ダグザの時と同じく、死の間際のギルボアの思念をバナージは感じ取った。

ギルボアの思念を感じ取るバナージ
ギルボア「ティクバを・・・家族を・・・頼む。」

バナージ「ギルボア・・・さん・・・。」

その声は、自分に家族を託すという旨の言葉だった。ギルボアを撃ってしまったバナージは戦意を喪失し、ユニコーンは地球の引力に引っ張られて落下していく。寸でのところで助かったフロンタルはシナンジュのバーニアを駆使して、地球の引力から脱したのだった。

地球に落下していくさなか、ユニコーンモードに戻ったユニコーンガンダムの前に、ダグザが放棄した複座用の座席が一緒に流れてきた。その座席は、大気圏との摩擦で蒸発し、その様子を見ていたバナージは涙を流す。

かくして、首相官邸ラプラスの残骸付近で起きた一連の戦闘は、連邦と袖付きにいた二人の大人の死とともにその幕を下ろした。

あんただけは・・・落とす!(ROBOT魂 シナンジュのコラムへ)

歯車にも生まれるのだな。望みというものが・・・。(もどる)