ROBOT魂 【SIDE MS】
LM314V23/24

V2アサルトバスターガンダム

バンダイ ROBOT魂シリーズ

V2AB定価:5250円(税込)
V2定価:3780円(税込)


V2アサルトバスターガンダム(イケメン)

帰ってきた男
まじめにふまじめ 怪傑ゼロリ(筆者の『BL作品、やおい、美少年も好きな人が好きなんだったらそれでよくね?別に毛嫌いすることもなくね?』というゆるい思想が生み出したヤミー。以下ゼロリ)「最近、暇ねぇー・・・。」

電光勇者超特急Gヒカリガイン(筆者の脳内に生息する最古参のヤミー。かつてはヒカリカイザーヒカリガンナーという二人の弟がいたが、蓮〇議員の行政仕分けのごたごたで無駄と処断され、一体化させられた。ちなみに名前のGはお約束どおり、グレートと読む。以下Gヒカリ)「そうだなぁ。それというのも、アイツが最近ホビーコラムを執筆してないからなんだけど。」

ゼロリ「ああ、アイツか・・・。」

Gヒカリ「アイツだよ。・・・ん?なんだこのツボ?」

カタカタカタ・・・ドカーンッ!!

Gヒカリゼロリ「「爆発したーッ!!??」」

おうし座タウラスのロリ黄金聖闘士HUYU(千年の眠りから目を覚ました、筆者本人に最も近い性格を持つコラムの主人格といえるヤミー。以下HUYU)「呼ばれて飛び出て、ジャジャジャジャジャジャジャジャジャーーーーン!!俺様、華麗に大復活!!」

ゼロリ「『ジャ』多!?」

Gヒカリ「いや、別に誰も呼んでないけどな!・・・それにしても、最近ご無沙汰だったじゃないか。一体何やってたんだ?」

HUYU「いやー。それが最近バイトで・・・、」

ゼロリ「そう・・・バイトでろくに休みも取れずに、コラムを書く暇が無・・・」

HUYU「いや、しっかり休みはもらってるんですけどね。バイト始めて資金が潤沢になった途端、これまで見向きもしなかったエロゲーが気になり始めちゃって。そっちにかまけていたらコラムを書く暇が無かった、って訳なんスよ。」

ゼロリ「同情の余地無ぇッ!!」

HUYU「今の俺は、フィギュアを愛する心と、エロゲー美少女を愛する心の狭間で揺れ動く不安定な存在なのさ・・・」

Gヒカリ「善と悪の心の狭間で揺れ動く、ロールパンナちゃん(注1)か、お前は!?いや、そんな良いものでもないけどな!!」

HUYU「まあ、ここのところは確かにご無沙汰だったけど、今回は久しぶりにコラムに書けるような素材に巡り会えた。だからこうして帰って来たというわけさ!・・・ウグ!?」

Gヒカリ「どうしたっ!?」

HUYU「いかん・・・無性に、エロゲーをやりたく・・・ッ!!」

ゼロリ「ふと思ったんだけど、それってただの性欲じゃない?」

Gヒカリ「エロゲー大好きヒカリガンナーがいなくなったと思ったら、今度はお前がそうなってんのかよ・・・大丈夫かコレ・・・?」

注1『ロールパンナちゃん』:アンパンマンの仲間の一人、メロンパンナちゃんのお姉さん。対談中でもGヒカリが言っているとおり、善の心と悪の心がしょっちゅう入れ替わり、ある時は味方で、またある時は敵という非常に迷惑な存在。性格が入れ替わることとロールパンに何の関係があるのか、そこら辺はよくわからない。
行け行け、僕らのVガンダム!
2010年2月に東京・秋葉原、大阪・梅田の2都市で開催された魂フィーチャーズVol.1では、発売間近の試作品を手にとって遊べるお試しコーナー・タッチ&トライというブースが設営されていた。そのブースにROBOT魂の代表として展示されていたのが、新劇場版デザインのエヴァンゲリオン弐号機。富士見ファンタジア文庫でめでたく完結を迎えた『フルメタルパニック!』のギャグ枠・ボン太君。そして宇宙世紀シリーズ最強のガンダムと名高い、『機動戦士V(ヴィクトリー)ガンダム』の後期主人公機・V2アサルトバスターガンダムであった。

その姿を会場で目にしたとき、私は心を奪われた! 

かつて『機動戦士ガンダムSEED』の最終回を目にしたとき、ひどく落胆したものであった。物語の最終話には新しい未来へと向かう主人公達の希望に満ちた笑顔で締めくくって欲しいと考えている筆者には、誰も彼にも傷跡しか残らなかったように感じる『SEED』の最終話には、後味の悪さしか残らなかったのである。・・・それに対して、地上波で『SEED』が最終話を迎えた直後という非常に良いタイミングでCATVで再放送された『Vガンダム』の最終話には、希望を感じる事が出来たのである!多くの仲間たちが戦死してしまい、主人公のウッソ・エヴィンは両親も喪った。憧れの女性とも戦うことになってしまった。・・・しかし、最終的には大事な女の子との平穏を取り戻していた。 そして役目を終え、少年達を見守るように佇むガンダム・・・。その結末に、筆者は確かに熱いものを感じたのである。

・・・『ガンダムSEED』も、最終話でキラとラクスが子供でも作って、その寝顔を二人で笑顔で覗き込む、位の終わり方にしとけば、まだ印象は違ったかもしれない。腐女子は怒るかも知れんが。

それはさておき、筆者は『機動戦士Vガンダム』という作品が大好きで、当然、その主人公機も大好きです!という訳なのである。

その場の勢いもあって、同行していた射手座サジタリアスのBP君と、「こいつは買いだな!!」と盛り上がっていたのだが、実際に発売された頃には、何故か買う気が失せていた。予算が厳しいとか、そういう事情があったわけではない。ただ、魂フィーチャーズ会場で試作品を目にして、手にとって、ある不安が胸をよぎったからである。で、実際に発売された商品は、まさにその不安を具現化したような逸品であったわけで。

とゆー訳で今回は、商品を紹介しながら、発売当時、筆者に購入を踏みとどまらせた数々の不安要素を明らかにしていこうと思う!

母の作ったガンダム
V2ガンダムは『機動戦士Vガンダム』の物語後半の主人公機である。Vガンダム同様、コアファイター、トップ・リム、ボトム・リムの3つが変形・合体する構造を持つ。初登場時はコアファイターが2機分存在していたが、リガ・ミリティアのMS隊隊長、オリファー・ノイエが敵戦艦の侵攻を食い止めるためにコアファイターで特攻してしまったため、また、ウッソの母で開発者の一人である、ミューラ・ミゲルが戦死した事もあって、事実上のワンオフ機となっている。

主人公機でありながら量産型、苦戦を強いられることも多々あり、時には『装甲騎兵ボトムズ』ばりに使い捨てにされることも多かったVガンダムと違い、V2は新機軸の推進システム・ミノフスキードライブを搭載しており、機動性は他の追随を許さない。ガンダムの名を冠するに恥じない高性能機となっている。

ミノフスキードライブとは、ビームで形成されたウイングを狭い間隔で配置することで、Iフィールド同士の反発を発生させ、その反発を推進力に利用するというシステムである。宇宙世紀130年代には宇宙海賊クロスボーン・バンガードの母艦、マザー・バンガードの帆として利用されており、さらにサナリィ(海軍戦略研究所)では小型化したドライブを搭載した試作MS・レコードブレイカーを完成させていた。その完成が『Vガンダム』の時代(宇宙世紀153年)まで遅れたのは、木星帝国との戦乱の中で試作機が工場ごと破壊されてしまい、データが全て失われてしまったためである・・・。なお、ミューラはレコードブレイカーの開発にも関わっていたようである。(『機動戦士クロスボーンガンダム〜鋼鉄の7人〜』1巻参照)

ミノフスキードライブは出力を上げる事で、光の翼と呼ばれる巨大なビームの翼を形成する。この時に発生する粒子同士の干渉により、敵MSのミノフスキーフライトシステムを無効化、機体を墜落させたり、光の翼を巨大なビーム刃に見立てて敵を切ったり、高出力ビームを防ぐための盾として使われたりしていた。これらの使用法は本来の用途とはかけ離れたもので、スペシャルと謳われるウッソの天才的技能だからこそ出来る技である。

同じMSを2度も商品化することになるなんて、おかしいですよ、バンダイさんッ!!
HUYU「魂フィーチャーズVol.1から1ヶ月弱経ち、タッチ&トライで展示されていたV2アサルトバスター(以下V2AB)が満を持して発売された・・・のだが、いつものパターンながら、見事にスルーした。」

ゼロリ「そりゃまた、何で!?」

Gヒカリ「さすが、大言壮語と軽挙妄動、貧乏性、頭痛、胸やけ、肩こり、腹痛、二日酔いはHUYUのお家芸だな!!」

HUYU「それじゃあ俺、なんも良い所無いじゃん!ってか後半は単に体調管理できてないだけじゃん!!・・・パッケージに収められた状態からして、コレジャナイ臭が伝わってきたからだよ!」

ゼロリ「『コレジャナイ』?」

Gヒカリ「角材を組み合わせて作った、『コレジャナイロボ』の事だな。」

HUYU「いや、そこまで酷くは無いけど・・・。とにかく、発売当時はスルーしたわけだけど、あれから約1年が経ち、V2ガンダムのブラッシュアップ版が発売となった。で、それを機に、アサルトバスター版も併せて買ってきた、というわけだよ。」

ゼロリ「金があるからなせる業、というか、フットワークの軽さというか・・・」

Gヒカリ「まぁ、V2ABに関して言えば、『不細工な本体付き武器セット』を買った、ということになるわけだな。」

HUYU「ウグッ!?何も言い返せない・・・。」

V2ガンダム正面 V2ガンダム背面
こちらは新しい方のV2。
アサルトパーツやバスターパーツを取り付ける際のバランスを考慮してか、割と細身な印象。

HUYU「まずは最初に、両方に共通する可動構造を見ていきたい訳なんだけど。可動構造はなかなかどうして、高いレベルとなっている。」

ゼロリ「武器セット、もとい、アサルトパーツやバスターパーツを取り付けるとゴテゴテして、あんた等の好きな可動範囲ってのが狭まっちゃうんじゃないの?」

HUYU「この問題をクリアするために、肩は引き出し式の関節が採用されている。また、股関節は少々独特の構造となっているのさ。」

肩の引き出し構造
・・・流石にこれは引き出し過ぎですが。

股関節構造 股関節構造
軸が中央からずらされているので、開脚させるポーズに強いんじゃないかと。

HUYU「足首の可動は広く取られてるし、足首周辺のアーマーも可動するから、可動を妨げる事はなく、接地性に優れているよ。」

足首の可動

Gヒカリ「Vガンダムといえば変形合体だけど、こいつは分離したりはしないのか?」

HUYU「変形合体はせんなぁ。フィギュア単体での遊びやすさ重視って奴じゃないのか?」

Gヒカリ「そういうもんかね・・・。おお!ビームライフルはフォアグリップが可動して、そのうえ、パーツ交換でランチャー装備状態にすることも出来るのか。」

ビームライフル
上、ノーマル状態
下、ランチャー装備

ライフル両手持ち
グリップの可動と肩の引き出し関節のおかげで、両手持ちも可能。

ゼロリ「で、なんで同じビームライフルが二個あんの?」

HUYU「ライフルはV2ABに付属してるヤツの使いまわしなんだよ!」

Gヒカリ「グリップが可動して、その上ランチャー装備状態に換装できれば、V2のビームライフルはコレでほぼ完璧といえるものな。」

HUYU「コレだけにとどまらず、V2にはビームライフルを分解した状態の、ビームピストルが付属する。」

ビームピストル

ゼロリ「ビームピストル?・・・ああ、ロックオン・ストラトスが本領発揮とばかりによく使ってた、アレね。」

HUYU「それは『ガンダム00』だけどね。Vガンダムのビームライフルは分解する事でビームピストルとしても使用できる、取り回しに優れた武器なのさ。」

Gヒカリ「流石にROBOT魂で分解機構まで再現するのは無茶でも、その雰囲気を味わうための付属品ってことだな。」

HUYU「そういうことだな。そうそう。ビームサーベルは1本付属するぞ。」

ビームサーベル
何故2本付属せんのでしょうか?二刀流って、そんなにしてなかったっけ?

HUYU「じゃあ、ここからは双方のホンタイさんを見比べて、何処がダメだったのか、今更ながらに分析してみようじゃないか。」

Gヒカリ「そうだな。まず、第一の鬼門は、・・・だな。」

ゼロリ「っていうか、フィギュアの命は顔っていう位なんだから、顔がダメな時点で全部台無しなんじゃないの。」

イケメン面 ブサイク面
右が新しい方、左が古い方

HUYU「AB版のV2はヘルメットのひさしが前に出過ぎていたり、頬あてが分厚かったりして、これ以上ないほどにコレジャナイ。フェイス部分は妙に小さいしツインアイが奥まってるのもひどいポイントだな。硬質、軟質のアンテナが2種類付属するのは評価できるけど、妙に太いのがいただけないな。」

Gヒカリ「一方、新しい方は頭部が丸ごと新造形で、顔はイケメンになってるし、アンテナもシャープになっているな。取り扱いには注意したがよさそうだ。お、眼帯型の狙撃用スコープが展開した状態の頭部も付属しているのか。」

狙撃用スコープ
普段は頭内部に格納されており、長距離狙撃時にヒサシ部分から降りてくる。

HUYU「パッケージに収められた状態では顔ぐらいしか良し悪しの判別が付かないけど、今回、新V2ガンダムと一緒にV2ABも買って、両方を比べてみたら、「昔のを買わなくてよかった。」という結論しか出てこなかったよ。・・・AB版では肘の可動を広く取るために関節部がスライドして腕が伸びるようになっている。」

肘スライド
ロールオーバーで画像が変わります

ゼロリ「じゃあ、肘の可動はこっちの方が優れてるって事?」

HUYU「それだったらまだ救いはあったんだけどな。新しいV2の、原作準拠デザインの肘関節でも十分な可動範囲を誇るんだ。その上、メガ・ビームライフルやメガ・ビームシールドなど、重い武器の保持を考慮してか、関節の保持力も高められているみたいなんだよ。」

新肘関節
すっきり原作どおりのデザイン。

Gヒカリ「・・・と、いう事は、AB版のスライド式肘関節って、見た目を悪くしてるだけの蛇足構造って事になってしまうのか?」

HUYU「まー、そーなるかな・・・。交換用手首も大きく変更が加えられている。AB版はディテールの省略が見られるうえに、指が短すぎて平手があんまりカッコよくない。V2ではその辺りもしっかり修正されており、カッコイイ手首になっている。」

Gヒカリ「手首にまでこだわるとは、やってくれるな。」

手首
新しいほうはディティールが細かく追加されています

HUYU「ミノフスキードライブは黄色の部分を別パーツとしたのか、合わせ目の目立たないパーツ割りになっている。」

新ドライブ 旧ドライブ

HUYU「・・・ただし、筆者が購入したV2は不良品だったのか、可動部の保持力が無きに等しく、光の翼を取り付けると重さに負けるため、泣く泣く旧のを使用している・・・。」

ゼロリ「ちょっとした悲劇ね。」

Gヒカリ「ドライブに取り付けるエフェクトパーツ・光の翼は、AB版には通常稼動状態の青が、V2にはフル稼働状態をイメージしたピンク色が付属しているんだな。」

光の翼・青 光の翼・ピンク
光の翼はフル稼働状態になるとピンク色に変化する。

HUYU「一応これで設定通りの色が両方揃った、ということになるんだけど、V2ガンダムの光の翼といえば、やはりピンク色の方がイメージが強い。最初からピンク色にしといてくれればよかったのに。」

Gヒカリ「お、こっちの光の翼は色替えだけじゃなく、厚みがAB版より薄くなってるじゃないか。」

HUYU「軽量化が図られた改良版という事だろうな。ABに付属してるクリアブルーの方は、どー見ても分厚すぎるからな・・・。そうそう。厚みといえばビームシールドだな。」

ゼロリ「新しい方のは厚みも極薄だし、良い感じなんじゃないの?」

旧ビームシールド 新ビームシールド
ビームシールドを拳の前で構えられるよう、接続基部の延長パーツも付属する。

HUYU「見た感じは良いかも知れんが、塗装が薄すぎて存在感も極薄なんだよな。・・・ビームシールドだけはV2ABの方に軍配が上がるかも。」

Gヒカリ「そういえばコレまでスルーしてきたけど、股間には魂STAGEなどのディスプレイスタンドを直刺できる3o穴が追加されているんだな。」

HUYUアサルトパーツ、バスターパーツに換装すると、やっぱり重くなるからな。ディスプレイ時の安定性を考えるとこれは嬉しい変化だよ。そもそも『Vガンダム』の機体は空中戦がメインなんだから、スタンドに直刺は必須だよ。」

追加されたジョイント

ゼロリ「それは確かに言えてるわね。」

HUYU「ROBOT魂 V2ガンダムは、V2ABの時に指摘されていたダメな点を徹底的に改修したような、まさしく《Ver.1,5》と言えるフィギュアになっている。かつてV2ABを買った強者も、コレジャナイ臭にドン引きしてしまった人も満足できる逸品になってるんじゃないかと。」

Gヒカリ「で、買う順番が逆だったばっかりに、V2ABは《不細工な本体付き武器セット》でしかなくなると。」

HUYU「それは言うなぁぁぁっ!!」

ゼロリ「武器セットと言うには少々値が高いと思うけどね。」

再誕する最終形態
Vガンダムにオーバーハングキャノンというオプション装備が用意されていたのと同様に、V2ガンダムにも戦局に対応するためのオプション装備が用意されている。それがアサルトパーツや、バスターパーツである。頭部や前腕部が見直されているとはいえ、基本的にはV2ABの素体の流用なので、各部のパーツを取り外し、V2ABに付属する(というより、むしろメインか?)両装備に換装する事が出来る。

V2ガンダムの肩アーマー、スカートの中央を交換。サイドスカート、膝アーマーに追加パーツを取り付ける事で、V2アサルトガンダムという形態に変化する。

V2アサルトガンダム:正面 V2アサルトガンダム:背面

両肩アーマーはビームを屈曲させる特殊な防御手段である、Iフィールドの発生装置となっており、増加装甲にはビームコーティングも施されている。艦船や部隊を丸ごと守れるほどの巨大なビームシールドを展開可能なメガ・ビームシールドを装備した重防御仕様。それがV2アサルトガンダムである。

メガ・ビームシールド メガ・ビームシールド
通常のビームシールド用接続パーツを取り外し、空いたジョイントに接続する。

シールドとはいうものの、メガ・ビームシールドからはV字型の巨大ビームを発射することが可能。また、高出力を誇るメガ・ビームライフル、サイドスカートに装備されたヴェスバーによって、火力の充実も図られている形態である。

メガ・ビームライフルの展開
腕のビームシールド接続用パーツを取り外し、空いたジョイントに接続する事で保持。
砲身パーツを差し替えて、収納状態と展開状態を再現。
ロールオーバーで画像が変わります

メガ・ビームシールドはパーツを分割できないので、シールド展開状態には出来ないし、ヴェスバーも砲身の展開は出来ない。コレが再現されたらされたで、パーツ数が飛躍的に増加してしまい、値段がより高くなってしまうのは目に見えている。サイズと強度のバランスの問題もあるし、これは致し方ないことであろう。

V2ガンダムの状態から、ミノフスキードライブの下半分(白い部分)を交換。スカートアーマーを交換し、リアスカート、膝側面にパーツを追加。背中にメガ・ビームキャノン、スプレー・ビームポッドを背負わせる事でV2バスターガンダムになる。

V2バスターガンダム:正面 V2バスターガンダム:背面
ビームキャノン、ビームポッドは『ミノフスキードライブの間に装備されている』
という設定なのだが、ROBOT魂では見た目重視のため、接続位置が変更になっている模様。

機体の全高にまで届きそうな長さの砲身を持つメガ・ビームキャノンを背負ったV2バスターガンダムは、その名のとおり遠距離砲撃仕様の機体である。拡散ビームを放つ、左肩側のスプレー・ビームポッドによって、敵機体の目を眩ませたり、複数の敵をまとめて撃墜する事も可能である。

メガ・ビームキャノンとスプレー・ビームポッド

脚部周りの追加装備は小型のミサイルポッドとなっている。古今東西のガンダムが一堂に会する、シミュレーションゲーム『SDガンダム G GENERATION』シリーズでは、後半のステージに進むほど、Iフィールドやビームシールドなど、ビーム対策を施された機体が多く出てくるようになるので、威力の高いミサイルを持つ機体が重宝される。というわけで、筆者の弟は「V2バスターこそがV2ガンダムのバリエーションの中では最強の機体」と、豪語している。

写真撮影の手間を軽減するため、アサルトに旧V2を、バスターに新V2を使用したが、出来の悪い旧V2に最強形態になる資格は無ぇ!!と、言うわけで、最強形態への換装は新V2を使用している。

V2ガンダムにアサルトパーツとバスターパーツ、双方を取り付けることで、商品名にもなっているV2ガンダムの最終決戦仕様・V2アサルトバスターガンダムが再現できる。

しかし、取扱説明書での扱いが、あまりにもおざなりである。V2アサルト、V2バスターへの換装は写真つきでそこそこわかりやすく解説されているのに、『V2アサルトバスターガンダムへの換装はV2アサルトガンダムへの換装及びV2バスターガンダムへの換装を(中略)の順番で行ってください』と一文が添えられているのみ。確かに手順はそれでいいんだけど、あまりにもあんまりである。

V2アサルトバスター:正面 V2アサルトバスター:背面
これぞ最終決戦にふさわしい、神作画回のV2アサルトバスター。
(本体は新しい方のV2を使用しております。)

戦艦を一撃で沈めるほどの威力を誇る、メガ・ビームキャノン。両肩に搭載されたIフィールド。自身が巨大なビームサーベルのような状態になる光の翼。ほか、多くの武装を一身に詰め込んだV2アサルトバスターは、ガンダム試作3号機デンドロビウムの再現と言えるかもしれない。

アサルトパーツとバスターパーツを装備するためのハードポイントはそれぞれ干渉しないようになっているのだが、これもまた本来の用途には無い使い方である。最後の戦いへと向かうウッソのV2に、リガ・ミリティアの女性だけで構成された精鋭部隊・シュラク隊のお姉さん方が持って来てくれた換装パーツを戦場のど真ん中で装備、完成した姿である。・・・調整作業などは行われていないので、メガ・ビームライフルなど、一部使えない装備もあるらしい。

前述のとおり、V2ガンダムホンタイに肩の引き出し関節や、特殊な股関節など、可動に関する工夫が仕込まれているので、アサルトバスターに換装しても特に気になるほど動かなくなる、という事も無い。

かつてのV2アサルトバスターガンダムは、本体の可動範囲とパーツのボリュームを両立という事で、バンダイコレクター事業部も自信を持って送り出してきたのだが、顔の造形がアレだったばっかりに、筆者はこれまで見向きもしなかった。今回のV2ガンダムのリニューアルによって、多くのファンが理想の形となったV2アサルトバスターガンダムを手にした事だろう。・・・まあ、その為に並のROBOT魂であれば3体は楽に買えるだけの金が飛んでいったのは、言うまでもない事なのだが。

事実上の敵対関係(?)にあるバンダイホビー事業部でも、V2ガンダムのマスターグレード化は企画中との事。ただし、色々と先を越される形となってしまっているので、《V2ガンダムのMGは完全変形、そのうえアサルトバスターへの換装はパーツの差し替えは無し》という目標を掲げて、現在は技術の蓄積に努めているらしい。・・・商品化の発表はいつになる事やら。

完全変形の上にパーツ差し替え無しで換装なんてやらかしたら、MG V2ガンダムの値段はROBOT魂V2ガンダムとアサルトバスター両方を足しても届かないほどの高額となる事は、ほぼ確実。軽い気持ちでは手出しできないキットとなることは間違いない。どんなキットになるのか、情報が出るのを楽しみに待っていようと思う。

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