HG 1/300 グランザウラー

バンダイスピリッツ HGエルドランシリーズ

定価:5720円(税込み)

HG 1/300 グランザウラー
大地の使者、ここに復活!
ゴウザウラー3号メカのグランザウラーがHGシリーズで登場!!

凶悪!超(ハイパー)デスボルト
強力な力を発揮する電気王と彼の操縦するデスボルトであったが、マグナザウラーが復活したことにより、歯車王と同じく連敗を重ねていった。機械神に最後のチャンスを与えられた電気王はデスボルトを強化し対策を立てたものの、ゴウザウラーに返り討ちに合いデスボルトは大破してしまう。

このまま月面基地に戻ったところで機械神に処刑されるだけと踏んだ電気王は、デスボルトと融合しハイパーデスボルトとなった。ハイパーデスボルトはザウラーズに最後の勝負を仕掛ける。

一方のザウラーズたちは防衛軍の要請により新型メカ、ボウエイガーの開発に協力していた。ボウエイガーはゴウザウラーのデータがフィードバックされており、教授と長田秀三の開発した永久機関も搭載されている。そのパイロットに選ばれたのは、火山洋二であった。洋二は成績優秀で、私立中学を目指す児童だが、その頭脳を見込まれボウエイガーのパイロットして指名されたのだった。

しかし、洋二はボウエイガーをうまく操縦させることができず、拳一の一言から落ち込んで自宅へ帰ってしまう。そこに、ハイパーデスボルトが襲来してきた。ザウラーズと武田長官の操縦するボウエイガーでハイパーデスボルトとに応戦した。

ハイパーデスボルト役、ナイチンゲール
ハイパーデスボルト「フフフフ。貴様たちを倒すために私は生まれ変わったのだ!宇宙最強の戦士、ハイパーデスボルトに!!」

ゴウザウラーはザウラーマグマフィニッシュを放つも、ハイパーデスボルトは片腕で止めてしまう。

ザウラーマグマフィニッシュを受け止めるハイパーデスボルト
拳一ザウラーマグマフィニッッッッシュ!!

ハイパーデスボルト「そんな技が通用すると思ったか!?」

武田長官のボウエイガーも攻撃に参加するが、永久機関が突如として停止してしまう。ハイパーデスボルトの攻撃に苦戦するザウラーズたちはマグナバスターでハイパーデスボルトを攻撃するが・・・。

ザウラービッグバスター
金太ザウラービッグバスター!!

ハイパーブレスター
ハイパーデスボルトハイパーブレスター!!
ロールオーバーで画像が変わります

これまで電気王の機械化獣を葬ってきたザウラービッグバスターをハイパーデスボルトは相殺してしまう。どの必殺技も通用せず、ザウラーズは追い込まれていった上に、デスボルトは動けないでいるボウエイガーを機械化獣に変えてしまった。

窮地に追い込まれるザウラーズ
金太「敵が増えちまったじゃねえか・・・!」

かくしてザウラーズは最大の危機を迎えたのだった。

甦れ!グランザウラー
家に帰っていた洋二は、テレビ越しにザウラーズの危機を知った。親に没収されていたザウラーブレスが鳴り響く中、洋二は葛藤する。洋二は母親の反対を押し切り、クラスメイトのもとへ向かった。

一方のザウラーズはハイパーデスボルトとボウエイガーの猛攻の前になすすべもない状態だった。教授はボウエイガーを操縦することで取り戻し、3対1の状況に持ち込む作戦を立案した。しかし、彼らにはボウエイガーに誰かを降ろす余裕はなかった。洋二はその会話をザウラーブレス越しに聞くと、ボウエイガーに近づく。ゴウザウラーはボウエイガーを抑え込み、洋二をコクピットに載せたのだった。

操縦席に乗り込んだ洋二はボウエイガーを操縦し、ハイパーデスボルトに向かっていった。しかし、ハイパーデスボルトの攻撃の前に返り討ちに会い、地割れの底へ落ちていってしまうのだった。

落下する中、洋二とボウエイガーはエルドランに遭遇する。エルドランはボウエイガーにトリケラトプスの魂を与えるとボウエイガーを新たなザウラーロボとしてよみがえらせた。

地面の裂け目から、まばゆい光ととともにトリケラトプス型のザウラーロボが現れた。

学校の中から現れるザウラーロボ
ハイパーデスボルト「何だ、あの強力なエネルギーは!?」

吼えるザウラーメカ
教授「これは・・・!?」

洋二は再びザウラーロボでハイパーボルトに向かっていくが、またしても洋二はロボをうまく操縦できないでいた。落ち込む洋二を、クラスメイト達が激励すると洋二は戦意を回復、ハイパーデスボルトに一撃を加えひるませることに成功する。ハイパーデスボルトがひるんだすきに、教授は洋二に変形を指示。洋二はザウラーロボを、ロボット形態に変形させるのだった。

変形するザウラーロボ
洋二よーし、変形だ!!

洋二のロボットが変形したことを皮切りに、ザウラーズは3体で波状攻撃を仕掛けた。ザウラーズの猛攻撃により、ハイパーデスボルトはついに窮地に立たされた。

ぼろぼろのハイパーデスボルト
ハイパーデスボルト「負けるはずがない・・・。私が負けるはずが・・・!力の強いものはすべてを制するはずだ!!」

洋二はとどめを刺すべく、教授にグランザウラーに武器がないか教授に尋ねた。教授はザウラーチェンジャーをガンモードに変形させるように指示、洋二は必殺武器でハイパーデスボルトを葬った。

武器を取り出すザウラーロボ
洋二わかった!行くぞお!!


ハイパーデスボルト「人間どもには力よりも強い何かが・・・力よりも強い何かがあるというのか!?」

勝ち名乗り
洋二やったぞ!熱血最強だあ!!

電気王を倒したゴウザウラー、マグナザウラー、グランザウラーは夕焼けのなかたたずむ。洋二は新しいロボットの名前をクラスメイトに聞かれるが、エルドランは何も言っていなかったため答えられない。そこに教授が、大地の中から現れたということでグランザウラーと命名した。

命名、グランザウラー!
洋二「熱血最強グランザウラー・・・。」

3体のザウラーロボ!
洋二「今日から僕が君のパイロットだよ!」

洋二は感慨深く、グランザウラーを見つめるのだった。

あのロボットは大地の中から復活しました!したがって、大地の使者!グランザウラー!!
前作、『元気爆発 ガンバルガーから夏の中盤に差し掛かると、3号ロボが登場するようになった。これは、1号ロボと2号ロボが合体する勇者シリーズとの明らかな差別化で、エルドランシリーズは3体の巨大ロボがそろうと最強合体ができるようになる。

そのコンセプトは『熱血最強 ゴウザウラー』にも引き継がれ、今作ではトリケラトプス型のグランザウラーが3号ロボとして登場する。このグランザウラーは組み替え変形による3段変形が可能であり、ジェット形態→恐竜形態→ロボット形態になることができる。

このグランザウラーも商品化にほぼ恵まれておらず、放送終了後は復刻版のDXとSR エルドラン リアルフィギュアコレクション2でしか商品化されていない。やはり3段変形するギミックの再現や3号ロボというポジションから単体でのアクションフィギュアでの商品化は難しかったようである。

2018年にゴウザウラーがプラモデル化されたことを皮切りに、2号ロボのマグナザウラーも商品化されたことから、このグランザウラーの商品化も当然期待されていた。しかし、マグナザウラー発売からなかなか商品化のアナウンスがされなかった。

2020年2月下旬より、バンダイスピリッツの公式Twitterでカウントダウンとともに商品化がほのめかされた。そして3月に入ると、ついにグランザウラーの商品化決定が公式にアナウンスされたのだった。商品化発表時には製品モデル3DCGが公開され、ジェット形態、恐竜形態、ロボット形態への変形、さらには最強合体のキングゴウザウラーへの合体も可能であることが判明した。

発売は同年の7月にということが判明し、マグナザウラー発売からちょうど1年で全ロボットがそろう形となったのだった。今回のコラムは、このHG グランザウラーの仕様を細かく見ていこう。

「変形できないロボットなど、正義の味方とは言えません!!」(教授&バンダイスピリッツ談)
まず目を引くのはパッケージの大きさである。キングゴウザウラー用の武器パーツや合体パーツが入っているため、ゴウザウラーやマグナザウラーの太めのパッケージではなく、大型のMGと同じサイズのパッケージにパーツが数多く梱包されている。

取扱説明書ではこれまでのザウラーロボと同じく、やまだたかひろ氏のコメンタリーが記載され、ザウラーズのメンバーが指示を出している。劇中の登場シーンを踏襲し、グランジェットからの組み立てが指示されている。

ここでは劇中の発進プロセスを見てみよう。グランジェットは、体育館地下に格納されており発進するときは体育館からグランジェットがせり出してきてカタパルトから発進する。せり出してきたグランジェットのキャノピー内にザウラークラフトを使って洋二が乗り込む。これまでのバンクに、洋二のザウラークラフトがプールを渡ってグランジェットに乗り込むシーンは非常に迫力がある。

ザウラーズ、発進!
エリーザウラーズ!出動!!

校舎が変形する図
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グランジェットがせりあがる図
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翼の展開
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飛び立つザウラージェット
五郎ザウラージェット!

洋二グランジェット

五郎&洋二「「発進!!」」


飛び立つグランジェット
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飛び立つザウラージェットとグランジェット
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グランジェットをくみ上げるとこのようになる。

グランジェット 前 グランジェット 後

グランジェット 横

今回は、パーツの色分けをシールに頼れるところは頼るというコンセプトで翼や胴体の黄色い部分はシールでの再現となっている。筆者は2体グランザウラーを購入したので片方をシールでの再現、もう片方をガンダムマーカーによる塗装を施したものを組んでみた。このコンセプトはどちらかと言えばスーパーミニプラに近いものである。

取扱説明書には記載されていないが、恐竜形態にロボット形態の肩部を固定するA2-17のパーツを1つ使えば肩部がきれいに固定できる。スタンドを使えば飛行状態でディスプレイできるが、ザウラージェットよりも後部が重いため2点で固定しなければならない。

グランジェットの固定
後部をアクションベースの支柱を支えにして固定する

現場に到着するとグランジェットから恐竜形態であるグラントプスに変形する。ジェット機からこのように一瞬で変形する。

グラントプスへの変形
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この形態に変形する場合は、トリケラトプスの頭部パーツや恐竜形態の足パーツやほかの固定用の補助パーツを追加しなければならない。

グラントプスの構成
ほかのザウラーメカに比べて追加補助パーツが多いグランザウラー

これだけの補助パーツを使用しているため、恐竜形態のまとまりはきれいである。頭部はさらに頭部は上下に動かすことができる。

グラントプス 前 グラントプス 後
巨大な角が迫力のあるグラントプス
眼のキャノピーはクリアオレンジとクリアグリーンできれいに色分け

難点としては、頭部を取り付けるためのボールジョイントパーツであるA2-10パーツが取り付けにくいことと、頭部の重みに負けて外れてしまうことがあることである。

この恐竜形態からロボットモードであるグランザウラーに熱血進化する。プラモデルでは、頭部パーツや手首、胸飾りなどのパーツを追加してロボット形態に変形する。

グランザウラーへの変形
洋二熱血進化!グランザウラー!!
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グランザウラーへの変形
ロールオーバーで画像が変わります

グランザウラーへの変形
ロールオーバーで画像が変わります

グランザウラーへの変形
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グランザウラーへの変形
ロールオーバーで画像が変わります

グランザウラーへの変形
ロールオーバーで画像が変わります

グランザウラー完成
ロールオーバーで画像が変わります

この変形の際には、グランジェットやグラントプスで使用した補助パーツは使用しない。これらの補助パーツは非常に小さく失くしやすいので今回も余剰パーツホルダーが付属している。しかも、今回はキングゴウザウラー用のパーツもあるのでこの余剰パーツホルダーは2つ分用意されている。グランザウラー単独の場合、グランジェットで使用した胴体パーツ以外はすべてこの余剰パーツホルダーに取り付けておくおことができる。

余剰パーツホルダー 表 余剰パーツホルダー 裏
2つの余剰パーツホルダーの両面をぎっちり使うことになる。恐ろしいパーツ量である

組み替えや差し替えを多用した変形を行うため、可動範囲やプロポーションは抜群に良い。

HG グランザウラー 前 HG グランザウラー 後
合体する都合で少々太めになっているグランザウラー
その外見にかかわらず、可動範囲は広め

肩部は胸飾りの一部が前に可動するため、腕を前に出すことが可能となっている。

胸飾りの可動
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これにより、グランザウラーの武器であるビッグランサーを使用した必殺技のザウラーグランドスラッシュの再現ができる。

ビッグランサーの召喚
洋二ビッグランサー!!
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ビッグランサーを構える図
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ザウラーグランドスラッシュ!
洋二ザウラーグランドスラッシュ!!
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洋二熱血最強!グランザウラー!!
ロールオーバーで画像が変わります

このように、変形合体を差し替え有とはいえこなしつつ、ここまでの再現ができるのが本キットの大きな魅力である。造形面では、これまでのゴウザウラーやマグナザウラーと同じく、シャープなアンテナに極小のクリスタルパーツを取り付ける仕様となっている。また、胸飾りのクリアパーツの下は内部メカを再現したシールか、銀の模様のない下地のシールかで選択することになっている。下地のシールを貼った場合でも光の反射によりきれいな胸パーツとなる。

模様なしの胸パーツ


差し替えが多いとは言え、各部のロック機構がよく練られており簡単に外れることはない。一つ注意しないといけないのは膝関節の固定である。この部分は内部のジョイントを外装部にかみ合わせないと、持ち上げた際に膝ブロックごと落ちてしまう。このロック機構は組む際に見落としやすいので注意しよう。

膝のロック機構

武器類は、さっき紹介したビッグランサーのほかにグラントプス状態の頭部をトリケラシールドという盾として使用することができる。取っ手パーツも付属しており、持たせた際に回転しないように篏合が調整されている。

トリケラシールドを持たせたところ

このようにこれまで商品化されてこなかったグランザウラーが見事に令和の時代に甦った形となった。差し替え矢補助パーツが非常に多いが、余剰パーツホルダーを使用して紛失対策もなされているのが丁寧な仕様である。このグランザウラー単独でも十分遊べるものとなっているが、その真価はゴウザウラーとマグナザウラーと合わせた時に発揮される。次回のコラムでは、最強合体のキングゴウザウラーを紹介する!乞う、ご期待!!

ゴウザウラー!熱血合体!!(HG 1/300 ゴウザウラーのコラムへ)

熱血変形!マグナザウラー!!(HG 1/300 マグナザウラーのコラムへ)

「行くぜ、みんな!!」「おお!!」(HG 1/300 キングゴウザウラーのコラムへ)

とほほほほ・・・。今度こそ防衛隊専用のロボットができたと思ったのに・・・。(もどる)