スーパーミニプラ
ファイヤーエン&ダグファイヤー
バンダイ スーパーミニプラダグオンシリーズ
スーパーミニプラ 勇者指令ダグオン1、2より 各定価:2145円(税込み)
宇宙監獄サルガッソの凶悪な宇宙人たちが惑星狩りを開始した!
地球の平和を守るため、宇宙警察機構のブレイブ星人が力を与えた勇者たち・・・。
その名はダグオン!
(番組冒頭のあらすじ紹介より。ターボカイ、子安武人氏の声で読むべし!!)
俺たちダグオン、勇者高校生!
勇者シリーズは大きく分けて3つの期間に分かれる。谷田部勝義監督が手掛けた勇者の初期3部作、『勇者 エクスカイザー』、『太陽の勇者 ファイバード』、『伝説の勇者 ダ・ガーン』がシリーズの基盤を整えた。中盤は高松信二監督の『勇者特急 マイトガイン』、『勇者警察 ジェイデッカー』、『黄金勇者 ゴルドラン』の3作品が制作され、作品ごとに多彩な試みが展開された。
そして後期には今回紹介する『勇者指令 ダグオン』と、シリーズ最終作『勇者王 ガオガイガー』が登場し、勇者シリーズの集大成として位置づけられている。今回はこれまでコラムで扱っていなかった勇者シリーズ7作目、『勇者指令 ダグオン』を紹介しよう!
後期勇者に当てはまる作品の特徴は、対象年齢の高年齢化であろう。第1作の勇者エクスカイザーは、未就学児向けの企画として始まったが、だんだんシリーズが進むにつれて対象年齢が引きあがっていき、ダ・ガーンやマイトガインのあたりからは一般のアニメファンも視聴するようになった。ゴルドランで一度コメディ路線にもっていき、対象年齢が引き下がったが、ダグオンでは再び対象年齢が引きあがることとなった。もちろん、子ども向けの要素も皆無ではなかったが、今回のダグオンの主人公はシリーズの中でも高齢の高校生である。
監督は、望月智充氏が務め、男子高校生の学園青春ものをベースに、ウルトラマンやスーパー戦隊などの特撮作品のオマージュをちりばめた作品内容となっている。
宇宙監獄 サルガッソから悪の宇宙人たちに占拠され、囚人たちが宇宙中に逃げ出した。その囚人たちから地球の平和を守るため、宇宙警察機構の刑事、ブレイブ星人からダグテクターとダグビークルを託された5人の高校生たちがダグオンに変身し、サルガッソの宇宙人たちと戦うという物語である。
これまでの勇者シリーズは宇宙のエネルギー生命体が乗り物にとりついたり、人間が開発したAIを搭載したロボットが戦ったりする話であったが、今回のダグオンでは高校生たちがダグテクターというアーマーを纏ってダグオンに変身、さらにダグビークルに融合合体して意思を持ったロボットになるという設定である。ブレイブ星人は別系統のエルドランシリーズ
のエルドランに近く、次の番組枠であるスーパー戦隊に近い設定を有している。
「ダグオン」とはブレイブ星人の言葉で「勇者」を意味する。
等身大のヒーローが乗り物に融合してロボットになる。
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この作品は、前年の『新機動戦記 ガンダムW』の美少年路線を引き継いだ作品で、今の女性向け美少年アニメの走りの1つである。初期こそ女性向けを意識していなかったが、番組が進むにつれて人気に火が付き、5人の主人公の作画は皆イケメン化していった。これにより、女性ファンを多く獲得した。また、各キャラクターにはそれぞれ個性的なメカが与えられ、変身シーンや合体シーンも見どころとなっている。
これだけの内容になるため、今回は主人公の大堂寺 炎が変身するダグオン、ファイヤーエンとコアメカであるダグファイヤーを紹介しよう!
誕生!勇者高校生-宇宙砂塵サンドール星人登場
物語は、宇宙監獄サルガッソから囚人が逃げ出したことに端を発する。それに呼応して、地球各地で旅客機や新幹線が突如として消滅し、街は混乱に陥る。他校の生徒ともめ事を起こしたことで自宅謹慎を命じられていた大堂寺 炎は、謹慎であるにもかかわらずゲームセンターでシミュレーションシューティングゲームに興じていた。そこに風紀委員長の広瀬 海に遭遇し、まじめな彼に注意を受ける。
海は炎をゲーセンから連れ出すと、ナンパに興じていた沢邑 森と遭遇。また、先の乗り物消失事件の調査を行っていた炎のクラスメイトの戸部 真理亜(マリア)と出会う。オカルト研究部に所属するマリアは、昨晩に消失した消防車と救急車の行方を追ってダウジングを行っていたのであった。
4人が話し込んでいると、赤い空間が彼らの背後に出現、その場に居合わせた風祭 翼が危ないと注意を促した。その赤い空間から出現したのは、昨晩消失してマリアが行方を追っていた消防車と救急車であった。そして、次々と消失した場所から行方不明になっていた乗り物が出現した。奇妙なことに出現した乗り物は消失時の状態のままで時間が進んでいない様子であった。消失した飛行機の乗客は1日経過していることを全く認識していなかったのである。
そんな彼らの前に、突如として地面から砂が噴出した。その噴出した砂は町を一瞬で覆いつくし、マリアの弟のガクが電話ボックスに閉じ込められてマリアのPHSに助けを求めて電話をしてきた。
その様子を見た炎は、駆けつけたパトカーに無断に乗り、パトカーを無免許運転!ガクを助けに行ったのだった。
海「何をするつもりだ!?」
炎「決まってんだろ!二人を助ける!!」
海「無免許運転は許さん!!」
炎「これが青春だ!」
警官「ああ、こらあああ!」
海「運転の経験は・・・?」
炎「週に3回、ゲーセンで!!」
海「・・・!?」
電話ボックスにいるガクを助けようと、近くのビルで昼寝をしていた刃柴 竜が駆けつけた。竜は砂に埋もれつつあった電話ボックスの扉を消火器で割り、ガクを救出した。パトカーに乗った炎と海も駆けつけ、ガクと竜をパトカーに乗せてその場を離れた。その前に砂の中から巨大なサンドール星人が現れた。
サンドール星人は町を攻撃し始めた。炎たちはパトカーで逃げようとしたが、砂に阻まれて進めない。彼らを助けようと森、翼、竜はパトカーに駆け寄った。そこに巨大なクリスタル状のサンドール星人が彼らの頭上から降ってきた。パトカーに直撃するかという瞬間、赤い光が彼ら5人とパトカーを包み込み、異空間に転送した。
そこに、消失事件の原因であるブレイブ星人が現れ、炎たちにダグテクターとダグビークルを託した。炎たち5人はダグテクターを装着し、サンドール星人に立ち向かっていった。
「トライダグオン!ファイヤーエン!!」
ダグテクターの力でサンドール星人を退けたかに思えたが、サンドール星人は巨大化し、炎たちを追い込んだ。追い込まれた炎たちの前にダグビークルのファイヤーストラトスが駆けつけた。ファイヤーストラトスは炎たちが乗り込んでいたパトカーを模して造られたダグビークルで、炎はファイヤーストラトスと融合合体してダグファイヤーに変形するのだった。
ファイヤーエン「融合合体!」
「ダグファイヤー!!」
ダグファイヤーは胸から発射するスターバーンと腕部に収納されているファイヤーブラスターでサンドール星人を破ったのであった。
ダグファイヤー「スターバーン!!」
ダグファイヤー「ファイヤーブラスター!シュート!!」
ここに、勇者高校生ダグオンたちのサルガッソとの戦いの火ぶたが切って落とされた!
君よ立ち上がれ!ファイヤーエンに変身だ~!
以上の劇中再現でわかるように、主人公の大堂寺 炎は熱血で行動的である。無免許でパトカーを運転し、「これが青春だ!」と叫ぶなど、勢いと情熱で仲間を引っ張る主人公像が描かれている。昭和~平成前期の少年漫画の典型的な熱血主人公である。
ファイヤーエンは炎がダグテクターを使用し変身する等身大のダグオンである。今作では等身大のヒーローも活躍するということで、ロボットのDX玩具以外にもダグテクターのフィギュアも発売された。ファイヤーエンはその第1号である。
当時品は、アクションポーズを取らせることができるほかに、必殺技のファイヤーバード形態に変形させることも可能だった。本体を寝そべらせて背中の鳥の頭部を引き出すだけだが、きっちり鳥の様に見えた。この変形パターンは同年にバンダイが展開した『超者 ライディーン
』でも採用された機構で、バンダイもダグオン人気を意識していたことがうかがえる。
一方、このファイヤーエン自体はなかなか製品化に恵まれてこなかった。2000年代に勇者シリーズのDVDボックスが発売されたころの特典もロボットが中心だったし、シーエムズコーポレーションもアクションフィギュアはロボットを優先して出していた。等身大のヒーローのファイヤーエンはなかなか製品化に恵まれなかった。
そこにスポットを当てたのがバンダイが展開しているスーパーミニプラである。スーパーミニプラでは第1弾でファイヤーダグオンを立体化した後、
続いての弾で2号メカのパワーダグオンが立体化された。その時にコアメカポジションとしてファイヤーエンが立体化されたのである。
パワーダグオンだけでは寂しいのでコアメカポジションとしてファイヤーエンも立体化された
顔や翼パーツなど、多くの箇所に部分塗装が施されている
劇中でも等身大で宇宙人たちと戦ったことがあるだけに、この立体化は大きいものである。この路線を後続の商品では引き継いでおり、ファイバードのアンドロイド火鳥が製品化されたりもした。
ファイヤーエンは組み立てるアクションフィギュアというポジションで立体化され、バイザーや翼の裏、ボディなどいたるところに部分塗装が施されている。これにより、シールを貼り付ける枚数が減っており手軽にアクションフィギュアとしてのファイヤーエンを完成させることが可能である。
アクションフィギュアとして必要な可動範囲は十分確保されている
単体のギミックとしてはファイヤーバードへの変形が可能である。この時は手首を取り外し、翼を広げた状態のものに交換、さらに鳥の頭部に変形するパーツに差し替える。
ファイヤーエン状態の必殺技形態
炎を纏った鳥になり、相手に突進する
手首を取り外して脚部を折り曲げる
武器のライオソードがオプションとして付属する。こちらはファイヤーエンに合わせた大きさになっているので、他のロボットに持たせることはできない。
持ち手や平手が付属しているのでライオソードを持ったポーズがバシッと決まる!
このほかに、融合合体時をイメージした非可動のファイヤーエンも付属している。こちらはクリア成型でアクション版よりも小さく造形されている。これをファイヤーストラトスの上にのせたり、ダグファイヤーの前に置いたりすることで融合合体のシーンが再現できるわけである。
小型の非可動のファイヤーエンも付属
腕に覚えのある人は塗装してもよいだろう
劇中の融合合体時と同じスケールで再現されているので、劇中再現が非常にはかどる
このようになかなか立体化に恵まれなかったダグテクターにもスポットライトを当てた点は、スーパーミニプラの偉大な点である。このアクションフィギュアがあるので、他のロボット形態も引き立つわけである。
手ごわい相手に闘志を燃やしてパワー上げていくぜ!融合合体、ダグファイヤー!
ファイヤーエンのピンチに駆けつけるのが、ファイヤーエンのダグビークルである
ファイヤーストラトスである。こちらは第1話で炎たちが乗車したパトカーを元にブレイブ星人が作り出したダグビークルである。
パトカーを元に製造されたダグビークルの1機
ランチアストラトスというスポーツカーがモチーフになっている
こちらのファイヤーストラトスは、スーパーミニプラ 勇者指令ダグオンの第1弾に封入されている。このファイヤーストラトスは変形することが可能となっており、単体でも10センチ程度のロボットに変形させることが可能となっている。詳しくは次のコラムで述べるが、ファイヤーダグオンの可動もできる合体モデルを作成しようとするとこのファイヤーストラトスの大きさがネックになる。
こちらのファイヤーストラトスはファイヤーダグオンへの合体機構をあえて廃し、変形とアクションに振り切ったモデルとなっている。そのため、食玩であるにもかかわらず、劇中の融合合体のシーンを完全再現することが可能なのである。
「融合合体!
」
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「ダグファイヤー!」
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変形自体は、ダ・ガーンから連なる車から変形する主人公勇者ロボの変形ギミックを踏襲したものとなっている。フロント部分が展開して脚部になり、車体後部が展開して肩から腕にかけての部位になる。ダ・ガーン、デッカード、ドランと同じ変形システムが採用されているわけである。
スーパーミニプラでは、プロポーションを整えるために元のDX版からギミックが追加されている。まず、肩から肘にかけては引き出し式の関節機構を採用している。車の時は関節部分が引き出された形で収納されており、この関節を折りたたむことでロボット形態時の腕になる。
車体後部を跳ね上げてロックを解除する仕組み
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ヒンジを折りたたんで肩に収納する
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頭部は、胸の中に収納されており背中のパトランプを上に上げていくと頭部がせり出す仕組みになっている。
合体ギミックを廃し、大型化した恩恵で頭部を収納することが可能となった
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これらのギミックにより、食玩で発売されるコアメカとは思えないほどの変形ギミックと可動を有するものとなった。以下は変形後の全体像である。
変形ギミックを有しているにもかかわらず、すらっとした劇中イメージのダグファイヤーになるのが驚き
劇中イメージに近いダグファイヤーになるのが驚きである。ファイヤーエンと同じく、金色の部分には部分塗装が施されているし、顔も目の部分は塗装済みである。さらに、塗装でないと再現しにくい胸のダグオンマークも塗装されており、この上にシールを貼れば塗装が苦手な私のようなユーザーでもきれいな仕上がりとなる。車のガラス部分や白いラインはシールを貼る必要があるが、組み立てるだけで劇中のイメージに近いダグファイヤーが手に入るわけである。
可動範囲も充実しており、この手のコアメカではオミットされがちな腰の回転をすることが可能。上の画像で見せたような変形後の決めポーズも取らせることが可能である。
武装であるファイヤーブラスターは2丁付属している。ファイヤーブラスターは袖口に収納されているのだが、それをイメージして腕部に収納することができる。もちろん収納状態でも車に変形させることが可能で、これにより余剰パーツや差し替えパーツなしで変形させることが可能な優れものとなっている。
この手のコアメカには珍しく、武器の収納も可能
劇中は外側に収納しているが、SMPでは腕の内側に収納している
シリーズ後半のデスコップ戦で見せた両手持ちも可能
このように、食玩であるにもかかわらず変形合体が可能なフルアクション仕様という豪華なつくりになっている。設計担当者の執念が垣間見える設計になっているし、これが2100円程度で買えることができたのである。ただ、今の物価高の情勢ではこの値段では厳しいようでここ最近のSMPは、すべて込々で8000円前後の値段となっている。この時期は6000円前後で買えてまだお買い得だった時期だったのだが、昨今の事情がそれを許さなくなっているのが残念である。
このダグファイヤー状態でも手に負えない敵が現れると、他のダグビークルと火炎合体してダグファイヤーはファイヤーダグオンにパワーアップする。それにもかかわらず、なぜ合体ギミックを廃したのかは次のコラムで解説しよう!乞うご期待!!
「火炎合体!!」(METAMOR-FORCE ファイヤーダグオンのコラムへ)
「剛力合体!!」(METAMOR-FORCE パワーダグオンのコラムへ)
「これが青春だ!」(もどる)