S.H.Figuarts
仮面ライダー新1号
バンダイ S.H.Figuartsシリーズ
定価:2940円(税込み)
仮面ライダー・本郷猛は改造人間である。彼を改造した組織『ショッカー』は世界征服をたくらむ悪の組織である。
仮面ライダーは人類の自由と平和を守るため、『ショッカー』に立ち向かうのである!
摩天楼の疾風
罪人よ・・・罪人の群れよ・・・。主は嘆き、哀しんでおられます。『愛さなければよかった・・・』と。
そうして流した黒い涙の中から、私たちは来ました・・・。悔い改めよ。そして、死に絶えなさい。
アメリカ・ニューヨーク・多くの高層ビルが立ち並ぶこの街では今、被害者の身体から九割の体液が抜き取られるという、奇怪な連続殺人事件が起こっていた。また、貧民街ではホームレスの失踪事件が続発しており、また、現場付近の空では巨大な怪鳥の目撃談があった。FBIでは二つの事件を関連付けて捜査に当たっていた。
その捜査本部に一人の日本人がいた。 「連続殺人も失踪事件も、その怪人が絡んでるって線じゃないスか」 現場で目撃されている怪鳥を過去の経験から怪人と断定する、その男の名は、滝和也。滝はなぜ上層部がこの事件を表沙汰にしようとしないのか指摘する。しかし、滝の存在は捜査本部内では完全に部外者であり、本部長は彼を追い出そうとする。「いいんですかね、そんな手回しの悪いことやってて・・・この国に仮面ライダーはいないんだぜ・・・。」
かつてはインターポールに出向し、二人の仮面ライダーと共闘。世界的に猛威を振るったカルト集団・ショッカー・ゲルショッカーを壊滅させた滝であったが、戦いの中で世界の裏側を知りすぎた彼は、すっかり窓際族となってしまっていたのであった・・・。
滝は一人、パトロールと称して貧民街を訪れる。街の一角では黒人の少年・スパイクが聴衆を集めて歌を披露していた。スパイクはアポロシアターで開かれるイベント、アマチュアナイトへの参加資金を貯めている最中だった。イベントで音楽プロデューサーの目に留まれば歌で成り上がることができる。自分の成功が貧民街の子供たちの希望になれば、と考えているのである。
滝の下に集まってきた貧民街の子供たちは、彼に『仮面ライダー』の話をせがむ。滝の話をまったく相手にしない捜査本部の人間たちと違い、子供たちは無邪気な目で仮面ライダーの話に聞き入っていた。
「あのすんげぇ空手といい、バイクに跨って現れるところといい、仮面ライダーってさ、滝さんのことじゃねぇの?」
「そりゃあいい・・・。」
夜になり、滝は貧民街の教会を訪れた。そこには最近、新しい神父・ペトレスク神父が赴任してきており、彼がやってきた時期はちょうど、連続殺人事件や失踪事件が起き始めた頃と合致していた。滝はペトレスク神父に「何か知らないか」と尋ねるが、神父は飄々とした態度で問いをはぐらかすのだった。
滝が喫茶店で茶を飲み一服している時に、事件が起こった。貧民街で子供が件の怪人に襲われ、病院に搬送されたのだ。さらに、子供を襲った怪人を警察が包囲しているのだという。現場に駆けつけた滝が見たのは、吸血鬼のような姿に変わり果てたスパイクであった! ペトレスクに誘われるままに教会を訪れたスパイクはそこで『何か』をされ、気づいたときにはこの変わり果てた姿となり、さらには貧民街の子供を手にかけてしまった、というのである。怪人化したスパイクに組み伏せられながらも、滝は懸命に説得を試みる!
「昔・・・仮面ライダーって男がいた・・・! あいつもお前みたいにクソどもに身体をバケモン同然にされちまった・・・! けどなぁ、あいつはそのゴリゴリした身体で悪党と戦い続けたんだよ!! 今だってそうだ! あいつはどこかで戦ってるはずだ!! どうよスパイク。いい話と思わないか!? お前も同じだ。お前もガキどもの夢になるんだろう・・・!」
一度は正気を失い、滝に襲い掛かるスパイクであったが、滝の血を見た拍子に再び正気を取り戻し、現場から飛び去ってしまった。滝は捜査本部の上司から、なぜ至近距離にいて射殺できなかったのか、叱責を受ける。だが、上司の叱責もものともせず、滝の中では激しい怒りが渦巻いていた。
・・・貧民街の教会では、今まさにペトレスク神父が吸血鬼たちを街に解き放とうとしていた。そこにバイクで乗り入れてきた、仮面ライダーを名乗る男―自作の戦闘服を身に纏う滝である―は、吸血鬼たちに戦いを挑む。しかし、あくまで生身の人間である滝が改造人間にかなう道理は無く、吸血鬼としての本当の姿を現したペトレスクになす術もなく痛めつけられてしまう。
「仮面ライダー・・・だって・・・? どこが? あんな小さき者も救えずに・・・オマエガ、カメンライダー? コノ、オオウソツキノ、ニセモノメェ・・・!」
ペトレスクが超音波でとどめを刺そうとした、次の瞬間・・・
ゴゥンッ!
一台のバイクのエンジン音が鳴り響いた。「すまんな、滝・・・遅くなった。」 現れた男の名は、本郷猛!
ライダー・・・
変身ッ!!
ロールオーバーで画像が変わります
本郷の腰に現れたベルトの風車が激しい勢いで回転。彼の身体を光が包み込み、現れたのは鋼鉄の仮面で素顔を隠す、一人の戦士 ―仮面ライダー― であった!
「敵は多いな、滝・・・。いや・・・たいした事はないか。・・・今夜はお前と俺で、ダブルライダーだからな。」
仮面ライダーの言葉に激昂したペトレスクは、鋭利な刃物と化した翼で滝ごと切り裂こうと襲い掛かる! 対する仮面ライダーは右手を正面に差し出すのみ・・・だが、それだけの事でペトレスクの攻撃の軌道は逸らされ、周囲を取り囲んでいた吸血鬼たちを切り裂く結果となった。
次の瞬間、姿を消した仮面ライダー。敵の姿を見失い周囲を見回すペトレスク。滝の視線で仮面ライダーが頭上、天井に張り付いていた事に気づき、ペトレスクは慌てて逃げようとする。仮面ライダーは天井を足場に飛び掛り、ペトレスクに襲い掛かる!
「ライダァーキィック!!」
ライダーキックによって右腕を失ったペトレスクは、壁にあいた大穴から教会の外へと逃げ出していく。吸血鬼たちもそれを追うように、外へ飛び出していってしまった。
「まずいぜ、こいつら、完全にイッちまってる! 外に出ちまったら見境無く人を襲うぜ!!」
ドゥルンッ!
「お、おい! 本ご・・・」
ブロロロロ・・・
「そうだよ、忘れてたぜ。あいつは人より遅れて来る上に、人より先に行っちまう、嫌な奴だった・・・!」
言うが早いか、愛車・サイクロン号に跨り、吸血鬼たちを追って夜のニューヨークへと走り出していく仮面ライダー。 「チクショー! どいつもこいつも、待ちやがれーッ!」 滝も彼らを追い、バイクに跨り走り出すのあった・・・。
市街地では教会を飛び出していった吸血鬼たちが市民にそのキバを剥いて襲い掛かっていた。そこに吸血鬼たちを追い、仮面ライダーが現れる! 停車中の車を踏み台にして、サイクロン号ごと空中へ舞い上がった仮面ライダーは、自身のマシンやビルの壁面を足場に空中戦を展開。吸血鬼たちを次々と駆逐していく。
「ちょっと!ホプキンスさん!・・・あれ!」
「ライダァーパァーンチッ!」
「!!・・・アレが、滝の言ってた・・・。」
ロールオーバーで画像が変わります
一方、ペトレスクは大鉄橋を飛び越え、一人逃げ出そうとたくらんでいた。バイクに跨る滝は鉄橋のアーチさえも足場にしながら、なおもペトレスクを追走していた。
「コノ、シニゾコナイガァァァァッ!!」 滝に向かって超音波を発するペトレスク。しかし、ペトレスクの超音波は別方向からスパイクが放った超音波によって相殺される。激昂したペトレスクは翼を伸ばし、スパイクの額を切り裂いた! 「タキサン・・・ソイツ、ブッコロ・・・」 海へと落下していくスパイクを見送りながら、滝は総重量400キロもあるバイクで、ペトレスクへとのしかかった! 「どーでぇ!400キロだ! 堕ちやがれぇぇっ!!」
そこに、サイクロン号に跨る仮面ライダーが追いついてきた!
「行くぞ! 滝ッ!!」
「おお、本郷! 来いッ!!」
「トオッ!」
サイクロン号を足場に、宙へ舞い上がる仮面ライダー。そして、ライダーの右足から放たれた必殺の一撃が、ペトレスクを真っ二つに切り裂いた・・・!!
電光ォォーーッ!
ロールオーバーで画像が変わります
ライダァーキィーック!!
「イイキニナルナ、ニンゲン・・・キサマラハ、カミニミハナサレタ!! シヌ、シニタエル!! ヒトリモノコラナイィィィ!!」
「バァカ・・・俺たちがいる限り、もう、一人も死なすかよ!」
それから、しばらく後。アポロシアターでは予定通り、アマチュアナイトが開催されていた。そのステージ上には晴れやかな笑顔で自慢の歌声を披露する、スパイクの姿があった。本郷が持ってきた、改造人間化を抑えるワクチンの投与が間に合った結果だったが、本郷はスパイクが死に物狂いで人間でいようとしたから起きた結果だと、人間の心にはそういう力があるのだ、と言う。
去り際、バイクに跨り、本郷は滝に言う。
「なあ、滝・・・また、戦いが始まるかもしれん・・・そのときは、頼む。」
「・・・人類の自由と平和ってヤツか? ちっ、しゃーねえ・・・手伝ってやらぁ。」
立ち去る親友に背を向けながら、滝は笑みを浮かべていた・・・。
仮面ライダー、その始まりの男
学者として、また、オートバイレーサーとして類まれなる才能を持つ男・本郷猛は、その能力に目をつけた悪の秘密結社・ショッカーに拉致され、バッタの能力を持つ改造人間・仮面ライダーに改造された。脳改造を受ける直前、恩師であり、ショッカーでは改造人間製造の中心にいた人物・緑川教授の手引きで脱出に成功。暗殺された緑川教授の遺志を継ぎ、人類の自由を守るために戦うことを誓う。
仮面ライダーにてこずるショッカーは、カメラマン・一文字隼人を拉致。彼を本郷と同型の改造人間に改造した。脳改造を受ける直前、一文字は本郷に救出される。仮面ライダー2号として戦う事を決意した一文字に日本の守備を託した本郷は、ショッカーの幹部・死神博士を追い、ヨーロッパへと旅立った。
本郷は自身の能力の強化のために、死神博士にわざと捕まり、再改造手術を受ける。その際、自己暗示によって脳改造の呪縛から自らを解き放ち、再び脱出に成功。仮面ライダー新1号として生まれ変わったのであった(注1)。
仮面ライダーとしてはもっとも初期型の改造人間である1号だが、強敵を打ち破るために数多くの必殺技を編み出しており、経験値による強さは群を抜いている。ゆえに、仮面ライダー1号は(2号と区別する意味もあり、)別名『技の1号』と呼ばれている。
幼少期に観た『仮面ライダーBLACK RX』以来、(筆者の勘違いの可能性もあるが)映像作品への登場は見られなかったが、『平成仮面ライダーシリーズ』の10作目・『仮面ライダーディケイド』の劇場版『オールライダー対大ショッカー』で久方ぶりに登場。また、仮面ライダーの誕生40周年を記念して製作された映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』では、仮面ライダーオーズ、NEW電王とともにポスターの中央を飾るなど、主人公に近い扱いであった。
と、いう訳で、今回は、最近の劇場版への登場を後押しについに発売された、仮面ライダーの始まりの男・仮面ライダー新1号のS.H.Figuartsを紹介しよう。
ちょっと小ネタ・うちのフィギュアーツたちに挨拶させてみるテスト
映司「はじめまして。仮面ライダーオーズの火野映司です!」
1号「うむ、よろしく頼む。」
フィリップ「情報の閲覧を完了した。翔太郎、彼が仮面ライダー1号だ。」
翔太郎「つまり俺たちの元祖ってわけだな。俺たちは仮面ライダーW。よろしく頼むぜ、先輩!」
1号「あ、ああ。(左右で色が違ってて、・・・派手だなあ。)」
士「お、1号か。せいぜい俺の邪魔はするなよ。」
「とおお!」
「ぐえええ!」
「とおお!!」
「ぐふぅぅぅ!!」
「とおおお!!!」
「ほげえぇぇぇぇ!!」
映司&翔太郎「うーわー・・・(明らかにやりすぎで引いている)」
天道「おばあちゃんが言っていた・・・。人生の先達は敬えってな!」
ちゃんちゃん♪
注1『再改造』:映像作品中に明確な描写があったわけでも、本編中で語られていたわけでもない。「新1号へのパワーアップは再改造によるものではなく、激しい特訓によるもの」という説もある。
レッツゴー!! ライダーキック
と、いう訳で、こちらが仮面ライダー新1号のS.H.Figuartsである。
従来のフィギュアーツよりも肩幅が狭く、頭が大きく感じられる。新1号をはじめ、昭和仮面ライダーには基本的に、肩アーマーはデザインされていない。また、ヘルメットを被れば、当然、頭は大きくなる。肩幅が狭く、頭が大きいという1号の体型バランスは、それを再現したものといえる。
頭部のアンテナ(触覚)は、仮面ライダーBLACKや、仮面ライダー1号(The First)と違い、真鍮線を折り曲げて作ったような、驚くほどの細さになっている。
目の下のクマ(スーツアクターさんの為の、覗き穴らしい)の周りのネジというか鋲っぽいデザインが、鋼鉄の仮面っぽくてカッコいい。
高所から落としたりすると、真っ先に折れる事は確実なので、取り扱いには十分に注意したい。また、店頭で商品が並んでいるところを見ると、何体かアンテナの接着がずれている個体が見受けられた。商品の品質管理はしっかりしてほしいもんである。
仮面ライダーに変身する力を与えると同時に、最大の弱点でもあるベルトは、風車状のパーツの上からクリアーパーツを被せることでデザインを完全再現している。
かなり細かいところまで塗装されており、なかなかの好印象。・・・さすがに風車は回転しません。
足首は先に発売されたフィギュアーツ・仮面ライダーNEW電王や、シャドームーンのように多関節式ではなく、仮面ライダーオーズと同じく、1軸のBJになってしまっている。・・・が、筆者はこれでも特に問題は無いと考えている。その理由は以下に後述する。
グローブやブーツ、ベルトの留め金、股関節周辺や全身に再現されたシワなど、スーツらしさの再現に余念が無い造形は、なかなか目を見張るモノがある。昭和仮面ライダーの後続商品でも、こういうところは余すことなく再現してほしいと思う。
『仮面ライダークウガ』以降のシリーズからの主流である、全身にぴっちりしているタイプのスーツではない、だからこそのシワの再現。
さて、ここからは付属品を見ていこう。まず、首に巻かれたマフラーは、デフォルト状態のものの他、動きのあるアクション用が付属する。
マフラーは軟質樹脂製で、また、結び目の部分でボールジョイント接続されているので、いろいろ変化をつけることが可能。ポージングにあわせて使い分けよう。
交換用の手首は握り拳も含め、右手首が5種、左手首が4種付属する。
上:右手・右から順に、握り拳、平手、武器持ち手、チョップ手、変身ポーズ用手首
下:左手・同じく、握り拳、平手、武器持ち手、チョップ手
仮面ライダー1号は素手で戦うのに、何のための武器持ち手?かと思いきや、ただの『武器』という名称でショッカーらしい意匠のサーベルが付属している。
サーベルなんて、映画でも使ってましたっけ?
旅の最中には刀を携帯している風でもないのに、戦闘になったらどっからともなく刀を持ち出してくる、『水戸黄門』の助さんのように、戦闘の度にショッカー戦闘員から奪っている物、らしい。
基本は素手で戦う仮面ライダーなんだから、サーベルなんてつけるぐらいなら、もっと手首の付属パーツを増やしてくれた方が、と思うのだが、武器が付属しているから武器持ち手もあるわけで、武器持ち手が付属しているから仮面ライダー1号(The First)よりもバイクに乗せるポーズが決まる訳で・・・、
良し悪しの評価は半々といったところだろう。
仮面ライダー1号を高クオリティでフィギュアーツ化してくれただけでも嬉しいのに、さらにユーザーを喜ばせるパーツが付属している。それが[ライダーキック用・エフェクトパーツ]である!
仮面ライダー1号の右足に合わせて取り付けます。
やはり、仮面ライダーの必殺技として最も有名なのはライダーキックであり、その再現のためにエフェクトパーツが採用される事によって、迫力がさらに増す、という訳である。
どちらが必殺技らしく見えるか、見比べれば一目瞭然であろう。
さて、ここまで褒めちぎっておいて、このエフェクトパーツ、実はかなりの曲者っぽいのである。手で持ってみるとそうでもないのだが、フィギュアの足に取り付けてみると、重心の位置がずれるためか、結構重く感じられるのである。で、筆者はここにフィギュアーツ1号に一軸BJが使われている理由があるのではないかと推測している。
NEW電王、シャドームーンに使われているタイプの足首は広い可動範囲が利点だが、破損報告が多いという難点がある。おそらく、破損の多いNEW電王タイプの足首で重さのあるエフェクトパーツをつけると、破損する可能性がさらに増す、と難色を示す声が多かったのだろう。
可動範囲が狭くなってしまうことに定評のある一軸BJとはいえ、オーズより改良はされているようで、いくらかはマシになっているので、問題無い、と思うのだが。
昭和仮面ライダーシリーズの第一弾(注2)として納得のクオリティで仮面ライダー1号は商品化された。9月には第二弾として『ディケイド』にも客演した仮面ライダーアマゾンが、11月には仮面ライダー2号が発売される予定とのこと。安定したペースとクオリティを維持しながら、どうか仮面ライダーZX(ゼクロス)まで商品化にこぎつけてほしいものである!
注2『昭和ライダー第一弾』:今回よりも以前に、仮面ライダーBLACKや仮面ライダーBLACK RXがフィギュアーツ化している。特に後者は1号をはじめとする昭和ライダーとの競演、敵の黒幕・クライシス皇帝の声が歴代ライダー作品の組織の大首領と同じ人(『ルパン三世』:銭型警部役でおなじみの納谷悟朗氏)という事で、『昭和シリーズの総まとめ』として扱われることも多いが、デザインや設定の変化等を理由に、後に続く『真・仮面ライダー/序章』『仮面ライダーZO』『仮面ライダーJ』と同じく、昭和と平成の狭間・『仮面ライダー変革期』の作品であると扱われている為、今回は当コラムでも昭和仮面ライダーとしては扱っていない。
涙と怒りの再改造(と、いう名の修理作業)
ある日の夕食時のこと、おうし座タウラスのHUYUこと筆者を悲劇が襲った。
S.H.フィギュアーツを飾っていた棚にペットの猫が跳び乗った事により、何体かのフィギュアーツが落下! 新1号もドミノ倒しのごとく巻き込まれ落下し、アンテナが折れてしまっていた!!
犯人と目される猫(フィギュアを下敷きに、呑気に寝ていやがった!)を、動物愛護団体から怒られない程度に叱り、その次の日、バンダイお客様相談センターに電話。新しい頭部を(有料で)送ってもらう事になった。・・・コレで済めばまだマシだったのだが・・・。
数日後、手元に届いた新しい頭部は筆者をさらに落胆させるのに十分な代物だった! あろうことかアンテナの接着が歪んでいる物を送ってきやがったのである!! なんてこったい!
不良品の頭に金を払うのは嫌だったが、その状態で飾るのはもっと嫌だ。と、いうわけで、アンテナの折れた頭部を遊び用と割り切って、真鍮線を使いアンテナを再生する事にしたのであった。・・・普通は改造したパーツの方が飾る用になりそうなものだが、・・・良いんだよ、真鍮線使ったほうが頑丈になるんだから、こちらが遊び用で良いんだよ・・・。
今回、用意した材料はこちら。
waveのC-LINE(真鍮線)・0,5mm、同じくA-SPRING(スプリングパイプ)・1mm。
ある程度ののりしろができるように適当な長さで折り曲げた真鍮線をカット。仮面ライダーのアンテナっぽくなるように、スプリングパイプに通す。で、コレを二本作る。
次に、1号頭部のもともとアンテナが生えていた部分にアタリをつけ、スプリングパイプと同じ太さのドリル(1mm)で穴を開け、先ほど作ったアンテナを接着。コレで完成である。
修理完了の図。切り口でパーツの地肌の色が出てしまっているので、Mr,COLORのシルバーでチョコっとリペイントしております。
スプリングパイプを使ったことでアンテナが原作版仮面ライダーのイメージに近づいたような気もするが、コレはコレでかっこいいと思う。気になる人はスプリングパイプの長さを調節してアンテナの途中から芯に使った0,5mm真鍮線が表に出るようにすれば良いだろう。
重ね重ね、仮面ライダー1号のアンテナはかなりデリケートにできているので、アンテナを折ってしまった、という時には、修理方法のひとつとして参考にしていただけたら幸いである。例によって、改造は自己責任でお願いします。
「いくぞ、一文字! 変身だ!!」(仮面ライダー2号のコラムへ)
「俺は、戦い続けなければならなかった・・・9人もの男たちを、地獄の道連れにしてでも・・・」(戻る)