ROBOT魂 ランスロットアルビオン

バンダイ ROBOT魂(SIDE KMF)シリーズ

定価:3980円


ROBOT魂 ランスロットアルビオン
ブリタニア帝国最強の第9世代KMFが、ROBOT魂に登場!

みんな好きだろ?最強の主役機を・・・
『機動戦士 ガンダムSEED』以降、リアルロボットアニメにおいても「誰でもわかる強さが最強の主役機」に人気が殺到する風潮があると思う。発端となったSEEDでは、フリーダムやストライクフリーダムが劇中で八面六臂の活躍を見せ、プラモデルが瞬く間に売れて行ったし、『機動戦士 ガンダム00』においてもダブルオーライザーが圧倒的強さを見せ、視聴者の心をつかんだ。最近の主役メカには「これはチートだろう」と視聴者が思うほどの強さを見せつけることが義務付けられているように思う。

その不文律を守って、絶賛人気となったのが今回紹介するランスロットアルビオンである。ロイドが開発した第7世代KMF、ランスロットは、追加パーツが施されていき、空中戦に対応したランスロットエアキャヴァルリーに進化した。さらに、『R2』に入ってからは、スザクがラウンズ入りしたことによりさらなるパワーアップが施され、ブレイズルミナスとハドロンブラスターを追加したランスロットコンクエスターとなった。

このパワーアップは、ランスロット本体に次々に追加武装を施していったもので、次第にゴテゴテしたものとなっていった。設定面でも、ランスロットコンクエスターになったあたりで機動力の低下が確認され、これ以上のパワーアップは望めない状況となっていた。

これを重く見たロイドは、ランスロットとは別機軸でスザク専用のKMFを開発した。その機体にはセシルが開発したエナジーウイングの技術が用いられ、シンプルなスタイルながら常識を超えた機動力をたたき出した。この技術は鹵獲した紅蓮にも施され、紅蓮聖天八極式へと紅蓮も進化した。このエナジーウイングを施された両機は、KMFの進化の頂点に位置し、第9世代に分類される。物語の終盤で登場した両機は、他の機体とは一線を画す性能を見せつけ、激しく火花を散らし物語のクライマックスを大いに盛り上げたのだった。

この人気機種に目を付けたのが、コレクターズ事業部の誇る新ブランド、ROBOT魂だった。2008年の『月刊ホビージャパン』12月号にてランスロットアルビオンのシルエットが公開され、開発がアナウンスされた。「隠すのが興ざめするくらいバレバレ」の発表の後、2009年6月に発売が決定したのだった。

それを裏付けるかのごとく、このROBOT魂ランスロットアルビオンは売れた。発売1か月前にはネット通販の予約はいっぱいとなり、この手のアクションフィギュアにしては珍しく、店頭に並んだその日に売り切れた店が続出した。事前に予約していた筆者は余裕で買えたものの、様子見に店を回ってみたらどこも売り切れの文字が並んでいたのだった。

この予想外の売れ行きに、製品をほしかったのに買えなかった人、すなわち「アルビオン難民」が続出した。そのせいで、一時期 ネットオークションや中古ショップでも1つ6000円以上で取引されるほどに価格がつりあがっていったのである。この事態を受けてバンダイは、11月に同じく人気だったROBOT魂 蜃気楼などとともに再販を行うほどであった。その再販分も、非常に受けがよく瞬殺とまではいかなかったが、順調に店からさばけていっていた。

人気のある機体で、非常に期待が集まったROBOT魂 ランスロットアルビオンを詳しく見ていこう。

この・・・ROBOT魂 ランスロットアルビオンなら!
IN ACTION!! OFFSHOOTで好評だったランスロットだが、ROBOT魂にシリーズが移管したことでさらに磨きがかかった出来となっている。まずは全体のプロポーションを見てみよう。

ROBOT魂 ランスロットアルビオン 前 ROBOT魂 ランスロットアルビオン 後
ゴテゴテしていったコンクエスターから一転、シンプルなデザインになったランスロットアルビオン
肩アーマーは曲面主体の難しいデザインにもかかわらず、良いバランスでまとまっている

造形の面は非常に力が入っている。とがらなければならないところはきちんとシャープに作られているし、肩の曲面のデザインもきれいに仕上がっている。設定画を忠実に再現したデザインとなっており、非常に格好良くまとまっている。また、可動範囲も大幅に広くなっており腰のスイングはもちろん上下への可動も実現するようになった。

デザインはシンプルになったが、設定上ではアルビオンは他のランスロットよりも高身長となっている。そのスケール差もきちんと再現されている。

ランスロットとの比較
無印よりも大きくなったランスロットアルビオン

材質面では、蜃気楼やガウェインで採用されたポリカーボネート(PC)を使用している。白い部分はほとんどが、PCで出来ておりその光沢が高級感を演出している。塗装の乱れもほとんどなく、素晴らしい出来栄えである。

ギミック面ではIN ACTION!! OFFSHOOT時代では再現されなかったコクピットハッチの展開が再現されている。今回はシートもせり出してくる仕様となっており、前のランスロットよりも進歩している。

コクピットハッチの展開
アルビオンになってシートもせり出すようになりました
ロールオーバーで画像が変わります

最大の特徴であるエナジーウイングは、展開前と展開後のものを差し替えることで再現される。背中に付いている白い三角形上のパーツがエナジーウイング部となっており、そのパーツをはずしてPETで再現されたウイングの付いたパーツを取り付けるのである。

エナジーウイング展開 前 エナジーウイング展開 後
エナジーウイングを展開すると、横にデザインが広がるので迫力が増す

エナジーウイングの基部は上下にスイングするようになっているので、ウイングの角度を自由に決めることができる。ウイングの白い部分にもPCを使っているため、光沢のある本体との調和がとれている。また、接続部にはPOMを使用しているため、摩耗してヘタれることはほとんどない。

ただ、クリアグリーンの色が劇中と比べると少々薄い感じがする。薄さが気になったHUYU君はエナジーウイングを自らの手で濃いめのクリアグリーンで塗装したが、筆塗りで塗装したため、ムラが目立つようになってしまった。エアブラシを持っている人はそれを使ったほうが均一に塗装することができるようになるので、試してみよう。

オプションパーツも充実している。まず、交換用手首はデフォルトで付いている平手のほかに、ヴァリスを持たせるための持ち手、MVSを持たせるための持ち手、さらに握りこぶしが付属している。ほかのKMFよりも多めに手首が用意されているため、表情がつけやすくなっている。

MVSは、普段通り展開状態の剣と鞘におさめるための剣が二つずつ付属している。収納用のものは刃が再現されていないのもこれまで通り。

MVS MVSを持たせたところ
MVSの刃は細くてシャープなので折ってしまわないように気をつけましょう

さらに、ランスロット時代では再現されていなかった腰部スラッシュハーケンが初めて付属する。

スラッシュハーケン×4
左側が腰パーツ用、右側が腕パーツ用のスラッシュハーケン
ハーケンが4本付いたのはKMFでは初めて

取り付け方は赤い塗装がされた部分を取り外してハーケンを取り付ける。当然、腕と腰に同時にハーケンを取り付けることが可能。

腕部分の取り付け
赤い部分の付いたアーマーをはずし、ハーケンのジョイントを取り付ける

同時展開
ついにすべてのスラッシュハーケンが再現されました!

難点を上げるとすれば、ハーケンの刃の部分の塗装が中途半端ということだろうか。というのも、ハーケンの真ん中の部分は赤くなっていなければならないのだが、その塗装が省略されているのである。

ハーケンの刃のアップ
真ん中の根っこの部分は劇中では赤くなっている
気になる人は塗装しておこう

造形面でもギミック面でもIAOよりも格段に進歩しており、非常に遊びがいがある。付属品も今まで以上に非常に充実しているのだが、肝心要のものがいろいろと抜け落ちしまっている。

いつの間にかこっちのアルビオンがパーツになっていたってことかなあ
アルビオンは、今までとは異なり2丁のヴァリスを装備している。このヴァリスはスーパーヴァリスと言い、通常の弾丸を発射するノーマルモード、ハドロン砲を発射することができるハドロンモード、そして弾丸とハドロン砲を同時発射するフルバーストモードの3種類の形態に変形する。。

ノーマルモード ハドロンモード

フルバーストモード
アルビオンのスーパーヴァリスの各形態
全身のコンクエスターより小型化されているにもかかわらず、ハドロンショットの威力は高い
さらに、フルバーストモードでは通常弾も撃てるようになる

銃身が伸びたり、銃口が展開したりして各形態に変形するが本商品では小ささのせいか形態の違う武器がそれぞれ付属している。だが、致命的な欠点としてこれらの武器がすべてそろっていないことがあげられる。単品ではノーマルモードとフルバーストモードの1種類ずつしか付属しない。劇中ではハドロンモードをほとんど使わなかったため付属しなかったのも無理がないが、2丁持ちさせたときに同じ形態でそろわないのは致命的である。

単品での2丁持ち
片方がフルバーストでもう片方がノーマルというしまらない2丁持ちになる

ということで、ヴァリスを2丁そろえるには必然同じ商品を2個使わなければならない。最初で述べたようにアルビオンは飛ぶように売れたもうひとつの要因は、ヴァリスが1つずつしか付いていないことで複数個買ったユーザーがいつもより増えたということも挙げられるだろう。魂ウェブでの商品紹介画像でもフルバーストとノーマルを1丁ずつ持った絵しかなかったので、勘の良いユーザーは早めに気付いていたと思われる。

予算の都合で筆者は正規の発売日である5月に1つ、そしてHUYU君が再販された11月にアルビオンを1つ買ったのでノーマルとフルバーストモードのヴァリスを2丁持った絵を完成させることに成功した。

2つ買わないと出来ない絵
HUYU君との共同作業で完成した2丁持ち
劇中再現を行うにはどうしても2つ要るのである・・・。

しかし、後になってバンダイは2個買ったユーザー泣かせの暴挙に出た。紅蓮聖天八極式とランスロットアルビオンの好評を受けてプレミアムバンダイ限定で発売された武器セット、ROBOT魂 紅蓮聖天八極式 vs ランスロット・アルビオン〜エナジーウイング HYPER SET〜にノーマルモードとフルバーストモードのヴァリスが1丁ずつ付属することになったのである。さらに、日の目を浴びなかったハドロンモードは2丁入っているという商品を一つしか買っていないユーザーにはとても親切で、先んじて2個買ったユーザーは涙目なのであった・・・。

3種類のヴァリスそろい踏み
ついにそろったスーパーヴァリスの各形態
値段を少々釣り上げてでも最初から全部つけてほしかった・・・。

値段の問題でこのような仕様になったのだろうが、劇中で必ず2丁持ちしていたノーマルモードを2つ入れて、フルバーストを1つ入れるなりしてもらいたかったものである。尚、ランスロットアルビオンがカトキハジメによってリファインされるというコンセプトの新商品である、COMPOSITE ver.Kaのスーパーヴァリスは変形機構が再現されることとなった。サイズもROBOT魂より少し大きい14センチで、各種ギミックが再現された豪華仕様となっているので、ROBOT魂では物足りないという人は購入してもよいだろう。

武器セットのROBOT魂 紅蓮聖天八極式 vs ランスロット・アルビオン〜エナジーウイング HYPER SET〜付属のエナジーウイングを使えば、エネルギー弾を発射するときの大型化したエナジーウイングを再現することができる。

大型化したエナジーウイング 通常版との比較
グラデーション塗装が美しい武器セットのエナジーウイング

紅蓮聖天八極式のものと同じく、エナジーウイングの部分は色の濃さの違うクリアグリーンでグラデーション塗装されている。また、PET樹脂を使用しているため、大型化してもウイングはきっちり保持される。ランスロットアルビオンをより完璧にするためにぜひ押さえておきたい商品である。

付属品の少なさを除けば、非常に高水準でまとまった製品である。造形面、可動面、塗装どれをとっても非常に良い出来で、人気が出て売れまくったというのも納得の行く商品である。コードギアス好きな人はぜひ押さえておきたい逸品だろう。

ラグナレク の 接続
8年前、ルルーシュの母マリアンヌを殺害したのはV.V.であった。幼少のころ、帝位争いに巻き込まれ暗殺の恐怖におびえていたV.V.とシャルルはギアスとコードの存在を知り、この世から「ウソ」をなくそうと結託する。月日は流れ、ついにブリタニア皇帝となったシャルルであったが、その気持ちはマリアンヌに移っていっていた・・・。マリアンヌにひそかに好意を抱いていたV.V.は、嫉妬心からマリアンヌを一人呼び出し、テロに見せかけて彼女を殺害した。

しかし、死の間際にマリアンヌのギアスが発動し、近くにいた当時行儀見習いだったアーニャの心の中に自分の意識を住まわせ、一命を取り留めたのである。マリアンヌの意識がアーニャから現出すると、コードを持つC.C.とコンタクトを取ることができるようになり、彼女から事の真相を知ったC.C.は、シャルルたちの元を去った。マリアンヌがV.V.に殺されたことを知ったシャルルはV.V.に事の真相を聞き出そうとしたが、V.V.はとぼけてしまう。ウソのない世界を作ろうと結託したはずなのに、兄とすれ違ってしまったシャルルはV.V.に対して疑念を抱くようになっていったのである。

シャルルは自分のギアスを使い、ナナリーとアーニャの記憶を書き換えた。その結果、ナナリーは失明し、アーニャも記憶喪失に悩まされることとなったのだった。そして、V.V.の手からナナリーとルルーシュを逃すため、シャルルはあえて二人を国外に追放したのであった。二人の言葉にルルーシュの中で、以前C.C.がもらしていた「本当に大切なものは遠ざけておくものだ」という言葉が反芻された。

アーカーシャの剣を使い、Cの世界に干渉するにはコードが2つ必要だった。しかし、C.C.が失踪しマリアンヌの交渉が滞っている以上、最後の手段としてルルーシュを使いC.C.をおびき出そうと皇帝とマリアンヌは画策していたのだった。そのことを知ったルルーシュは、自分の両親の狂気と自分がやっていたことがすべてC.C.を誘い出すために仕組まれていたことにすぎなかったということを知り、愕然とする。

そんなルルーシュの前に、C.C.とスザクが現れた。スザクはシャルルが不老不死になったことを知り、この計画をなぜ実行しようとしているのかシャルルに問いただした。

シャルルは、ユーフェミアとナナリーが望んだ「やさしい世界」を作るためだと彼にこたえる。そして、C.C.がそろったことで彼らの計画が実行に移された。遺跡を取り巻いていた天空の風景が一変し、上空に木星が現れ蔦のようなアーカーシャの剣が遺跡と木星をつないでいる。そして、装置が作動したことで世界各地で大地震が起きていたのだった。その光景にマリアンヌは恍惚の表情を浮かべた。

皇帝の計画がやさしい世界を作ることにあったと知ったルルーシュであったが、ルルーシュは彼の考えを認められなかった。ナナリーが望んだのは、「他人にやさしくなれる世界」・・・。しかし、マリアンヌとシャルルの望んでいるのはあくまでも「自分だけにやさしい世界」。それは、自分たちがいるにもかかわらず日本への戦争を仕掛けたことからも明らかであった。シャルルは死者ともつながることができると考え、計画を優先し「今」のルルーシュらの存在が眼中に入っていなかったわけである。

そのことを看破したルルーシュは、全世界の人間の意識である集合無意識にギアスを掛けようとした。彼のギアスは「時の歩みを止めるな」というもの。マリアンヌはルルーシュの行動を止めようとしたが、同じく彼らの計画に賛同できないスザクが彼女を止めた。そして、ルルーシュが「明日がほしい」と願った時、彼のギアスが最高点に達っし、両目にギアスが現出したのだった。

彼のギアスにかかった集合無意識は、シャルルがつなげた思考エレベーターを破壊し始めた。そして、計画を推進しようとしていたマリアンヌとシャルルの体が消滅しだしたのである。集合無意識に見放されたシャルルとマリアンヌであったが、現実を受け止められずシャルルはルルーシュの首に掴みかかる。

「わしを拒めばこの先にあるのはあやつの・・・シュナイゼルの世界だぞ?善意と悪意は所詮1枚のカードの裏表・・・それでも貴様は・・・。」

そのように話すシャルルに対し、ルルーシュは断固として彼を認めなかった。

「だとしても・・・お前の世界は俺が認めない!消え失せろ!!

ルルーシュが一喝すると、マリアンヌとシャルルは完全に消滅した。シシャルルとマリアンヌが消滅したことにより、世界中で起きていた地震がやんだ。そのことで、外の世界にいたビスマルクは彼らの死を悟ったのだった。

ャルルらに賛同し計画に協力していたC.C.は、マリアンヌらの真意を知り、彼らと考えを異にしたことにより消滅を免れた。すべての真相を知ったスザクだったが、あくまでユーフェミアの仇であるルルーシュを許せないでいた。スザクとルルーシュはCの世界でにらみ合う・・・。

皇帝 ルルーシュ
Cの世界で起きた出来事から1ヶ月後・・・。シャルルの側近であるビスマルクは、皇族にのみシャルルが行方不明になったことを発表し、行方をくらませていた。そのシャルルが1カ月ぶりに公の前に現れることになりブリタニアの皇族と貴族が一堂に会していた。その模様をミレイが司会のテレビ中継が全世界に向けて放送を行っていた。

しかし、ファンファーレとともに現れたのは、シャルルではなくルルーシュだった。学生服姿のルルーシュは皇帝の玉座に座りこむとシャルルを殺したのは自分だと発表した。彼を摘まみだそうと衛兵たちが駆け寄ってくるが、それをスザクが得意の回し蹴りで追い払う。そして、ルルーシュはスザクをラウンズを超えたラウンズ、ナイト・オブ・ゼロの称号を与えることを発表したのだった。

突然のルルーシュの行動にうろたえたオデュッセウスらだったが、そんな彼らにルルーシュは容赦なくギアスを掛け自分の行動を認めさせた。これにより、ブリタニアはルルーシュの支配に置かれることとなったのである。その中継を見ていた黒の騎士団とルルーシュの友人たちは驚きを隠せずにいたのだった。

第99代ブリタニア皇帝に即位したルルーシュは、皇帝の陵墓を破壊し、貴族制度を廃止し、属領となっていたナンバーズをすべて解放した。このブリタニアを「壊す」改革に、ブリタニア内部のみならず超合集国からも皇帝ルルーシュを認める声が上がっていた。しかし、ルルーシュの正体を知る黒の騎士団の幕僚たちは彼の行動に懐疑の眼を向けたのだった。

皇帝に即位したルルーシュは宮殿の庭園でスザクとともに自分が立案した最後の計画、ゼロレクイエムについて話し合っていた。虐殺皇女ユーフェミアの名がかすむほどに悪逆の限りを尽くそうと決心を語るルルーシュに、スザクは忠誠の言葉を掛けるのだった。

そんな折、ルルーシュの携帯にナイト・オブ・ワンのビスマルクとシャルルにつかえていたラウンズらが反逆を起こしたと連絡が入ってきた。

反逆を起こしたビスマルク
ビスマルク「我らはシャルル陛下に忠誠を誓った存在!」

ドロテア「王位の簒奪など、認められぬ!」

そんな彼らの前に、ついに完成したスザク専用の第9世代ナイトメア、ランスロットアルビオンが立ちはだかった。

飛来したランスロットアルビオン
ドロテア「迎撃部隊?たった1機で・・・?」

スザク「このランスロットアルビオンなら・・・!」
ロールオーバーで画像が変わります

スザクはランスロットアルビオンを敵部隊に飛翔させると、目にもとまらぬ速さであっという間にドロテアの乗るKMFをヴァリスで撃墜した!

突っ込むアルビオン
ドロテア「えっ!?追いかけきれない!!」
ロールオーバーで画像が変わります

ドロテア機を撃破するアルビオン
ドロテアまさか・・・やられた!?

ドロテアのKMFを瞬殺したアルビオンは、エナジーウイングを巨大化させ無数のエネルギー弾を放出した。それにより、周囲を飛行していたサザーランドとウォードの大群が瞬く間に撃破されていく。

エネルギー攻撃

その威力にナイト・オブ・トゥエルブのモニカは驚きの声を上げた。その次の瞬間、モニカの機体もアルビオンに撃破されてしまう。

撃破されるモニカ機
モニカ「これが第9世代KMFの・・・!!枢木スザク!!
ロールオーバーで画像が変わります

モニカ機を撃破したアルビオンの前に、ジノの駆るトリスタンがメギドハーケンで攻撃を仕掛けてきた。

メギドハーケンを放つトリスタン
ジノ「今ならまだ戻れるぞ、スザク!!」

ブリタニアに対して忠誠を誓ってい、ラウンズの中でもスザクと特に親しかったたジノはスザクを説得しようとしたが、スザクは彼の誘いを断固として拒み、トリスタンのメギドハーケンをへし折った。

トリスタンのハーケンをへし折るアルビオン
スザク「戻る・・・?逆だよ、ジノ!君がブリタニアに忠誠を誓うのならば、僕の仲間になるべきだ。
それとも、ブリタニアに反旗を翻すつもりか!?

ジノ「ブリタニアに・・・!?」
ロールオーバーで画像が変わります

スザクの言葉に一瞬逡巡したジノは、スザクのスラッシュハーケンの攻撃をまともに受けてしまう。そして、関節を破壊され身動きが取れなくなったトリスタンに止めを刺すかの如く、アルビオン必殺の回し蹴りをトリスタンの頭部に喰らわせた!

ハーケンの攻撃を受けるトリスタン
ジノ「ぐあっ!」

アルビオンの回し蹴り
ロールオーバーで画像が変わります

反乱を起こしたラウンズ達で戦闘が可能となったのはリーダーであるビスマルクただ一人だけであった。ビスマルクは、ギャラハッドのエクスカリバーを引き抜くと、アルビオンのハーケンを受け止め、スザクにナイトオブワンンの称号は渡さないと宣言する。

エクスカリバーを引き抜くギャラハッド
ビスマルク「枢木スザク!!」

ハーケンを防ぐギャラハッド
ビスマルク「貴様の目的はナイト・オブ・ワンになること聞いた。・・・しかし!」

私こそが・・・!
ビスマルク私こそが唯一のナイト・オブ・ワン!貴様ごときに譲る道理はない!!

あくまで自分はラウンズを超えた存在、ナイト・オブ・ゼロだと主張するスザク。そんな彼に対し、ビスマルクはピアスで封印していた自分の左目のギアスを解放し、エクスカリバーでアルビオンに切りかかった。

その戦いの模様は、ルルーシュの命により全世界中に生放送されていた。その映像を黒の騎士団の重役たちは驚きながら固唾をのんで見守っていた。

ランスロットはエナジーウイングのレーザー攻撃でギャラハッドを攻撃したが、ギャラハッドはその攻撃を巨体にも関わらず悠然と避け、逆に指に仕込んだスラッシュハーケンで反撃した。

ハーケンで攻撃するギャラハッド
スザク「どうして、ランスロットの軌道が・・・?」

ビスマルク「我がギアスは・・・未来を読む!!
ロールオーバーで画像が変わります

高機動力を誇るアルビオンの攻撃を避けられたことにより、スザクは自分の軌道が読まれていることに気づく。ビスマルクのギアスは、「近未来を読むギアス」であった。このギアスにより、ビスマルクはアルビオンの正確な未来位置を予測することができ、いかに常識離れしたアルビオンでも動きを読まれてしまうことになった。

苦戦するスザクにこの戦いが世界中に生中継されていることをルルーシュは伝え、彼に生きるように命令を下した。

スザクの力に驚くルルーシュ
ルルーシュ「スザク!予定通りこの映像は全世界に流している!」

スザク「ああ、ゼロレクイエムのためにも負けるわけにはいかない!!」

ルルーシュ「だからお前は・・・生きろ!!

スザク「Yes, your majesty!

その命令に呼応するかのようにスザクにかけられたギアスが発動し、信じられないほどの機動性をアルビオンに与えた。自分の予測を上回る動きを見せたアルビオンにビスマルクは驚いた。

スザクの力に驚くビスマルク
ビスマルク「な・・・何!?何だこれは・・・?機体性能か?それとも枢木の・・・?」

ルルーシュ(スザク・・・。尋常な精神力ではない。俺の掛けた生きろというギアス、それを逆手に取って・・・。やっぱり大したものだよお前は・・・。)

軌道を読まれていることでスザクが取った選択肢は、ギャラハッドに対しての正面対決であった。スザクはランスロットアルビオンをギャラハッドに向けて突撃させる。

剣を構えるギャラハッド
スザク「軌道を読まれていても・・・これなら!!」

ビスマルク「正面!?舐められたものだ・・・!」

小柄なアルビオンがギャラハッドの出力にかなうはずがないと踏んだビスマルクはスザクの正面からの攻撃に受けて立った。次の瞬間、互いの機体が真正面からぶつかりすれ違う!

すれ違う2機・・・
ロールオーバーで画像が変わります

・・・アルビオンがギャラハッドをすり抜けた瞬間、ビスマルクは声を上げた!そしてその次の瞬間、ギャラハッドの巨体がエクスカリバーとともに二つに割れた!ビスマルクはマリアンヌの名前を静かに呼び、爆散した・・・。

決着!
ビスマルク「ぬおっ!マリアンヌ・・・様・・・!!」
ロールオーバーで画像が変わります

アルビオンの勝利!

縦にスライスされたエクスカリバーは、スザクに敗れ墜落したトリスタンの近くに突き刺さった。スザクに敗れた ジノは、敬愛していた祖国に裏切られてしまったことと自分の存在意義に苦悩する・・・。

墜落したトリスタン
ジノ「私はブリタニア人なのか?それとも・・・何のために戦えばいいんだ!?」

スザクが反乱部隊を鎮圧したことにより、名実ともにルルーシュがブリタニアの皇帝となった。ルルーシュは中継映像で高らかに勝利宣言する。そして、ブリタニアの超合集国加盟希望を宣言したのだった。このルルーシュの発言に黒の騎士団のみならず、全世界の人間が驚愕したのだった。

ルルーシュはブリタニアと超合集国の会見の場所にアッシュフォード学園を指定し、スザクなどの武官を立ち会わせないことを約束した。その条件で会見を飲んだ超合集国は約束通りアッシュフォード学園で皇帝ルルーシュとの会見に臨んだ。

会見の場に降り立ったルルーシュを、カレンが出迎えた。ルルーシュはカレンと二人きりになり、学園の中を歩いた。カレンはルルーシュにすべての真相と自分に生きろと言った理由を問いただしたが、ルルーシュは答えなかった。ルルーシュにキスまでして、想いを伝えた彼女だったが、ルルーシュは終始無言だった。こうして、カレンはルルーシュとの決別を決めたのだった。

カレンはアッシュフォード学園の体育館に皇帝ルルーシュを招き入れ、ルルーシュとの会見が始まった。超合集国に加盟するには合集国加盟国代表の3分の2以上の賛成が必要だということを確認した議長の神楽耶は、手元のパネルをボタンを押した。すると、ルルーシュの周りに防壁が出現し、彼を取り囲んだのだった。

この防壁はギアス対策であるということに気付いたルルーシュは、超合集国の中でも神楽耶らを始め一部のものしかギアスの存在を知らないことを見破った。壁に備え付けられたディスプレイから、かつての同志だった扇や星刻、藤堂がルルーシュの目的を問いただす。

超合集国では、人口に比例して投票権が与えられている。EUと中華連邦が衰退した今、超合集国に並ぶ大国はブリタニアのみ。そのブリタニアが超合集国に加盟してしまうと、過半数の票をルルーシュが持つことになる。そうなれば、超合集国はブリタニアに乗っ取られてしまうわけである。

星刻らは国を分割するか、投票権を人口の20%に下げることを条件に付きだしたが、ルルーシュはそんな彼らをよそに神楽耶に「世界をすべる資格は何か」と尋ねた。彼女は「矜持である」と答えると、ルルーシュは彼女の才を認めたのだった。しかし、自分の答えは違うとも述べる。神楽耶が問うと、ルルーシュはこのように答えた。

「壊す覚悟!世界を・・・自分自身すらも!!」

ルルーシュがそう言って、腕を天に掲げると突如としてランスロットアルビオンが会見の場に乱入してきた!

乱入したアルビオン
スザク「皇帝陛下に対する無礼は許しません!」

ルルーシュはスザクを海中の中にひそませておき、会見の場にアルビオンの機動力で駆けつけさせたのだった。アルビオンが出現したことにより、ブリタニア軍の大群が東京に向けて侵攻を始めた。ルルーシュは自分自身をおとりとして、会見の場を設けさせ武力によって超合集国を手中に収めようとしていたのである。それは、国際的信用も失ってしまう行為であったが、最初から世界制覇をたくらんでいたルルーシュにとっては信用など不要なものだった。

代表が人質に取られていることにより、カレンらは迂闊に手が出せないでいた。防壁をアルビオンに破壊させたルルーシュは不敵な笑みを浮かべてこのようにつぶやいた。

民主主義を始めようか?
皇帝ルルーシュ「さあ、民主主義を始めようか?

議会を占拠したルルーシュの下に、突如として通信が入った。曰く、ブリタニア首都である帝都ペンドラゴンが、フレイヤ弾頭によって消滅してしまったとのことであった。その報告を聞いたルルーシュは、懸念していたシュナイゼルがついに行動を始めたことに気付いたのだった。

シュナイゼルは、カンボジアにあるトロモ機関を利用して、巨大な空中浮遊要塞ダモクレスを建造していた。全長3kmの巨大なダモクレスは、ロイドが開発したフロートの技術とニーナの開発したフレイヤを搭載した最強の要塞である。超合集国を丸めこもうとしたルルーシュの前に沈黙を守っていたシュナイゼルがついに動いたのだった。

ルルーシュは、超合集国の代表らを人質に取りアッシュフォード学園を後にした。シュナイゼルは皇室専用チャンネルでルルーシュに連絡を取り、ルルーシュが支配するブリタニアに宣戦布告するのだった。そして、彼の元には死んだはずのルルーシュの妹、ナナリーがいた。シュナイゼルからすべての真相を聞かされたナナリーは、スザクとルルーシュの前に怒りの表情を浮かべながらこのように言った。

「お兄様、スザクさん・・・。私は、お二人の敵です!」

ここにルルーシュとスザクの最後の戦いの火ぶたが切って落とされようとしていたのだった・・・。

コードギアス 反逆のルルーシュR2EX ゼロレクイエムのコラムへ
ついにコードギアスシリーズ完結!
コードギアス 〜反逆のルルーシュ〜R2EX ダモクレス攻防戦 ZERO REQUIEMのコラムへ


決着をつける時が来たようね、私たちのすれ違いに!!(ROBOT魂 紅蓮聖天八極式のコラムへ)

自分はナイト・オブ・ワンすら超える存在、ナイト・オブ・ゼロです。(もどる)