MG V2ガンダム(ver.Ka)
バンダイ マスターグレードシリーズ
定価:4860円(税込み)
光の翼セット(プレミアムバンダイ限定)定価:2160円(税込み)
MG化アンケート第1位のガンダムが遂に登場!
新型ガンダムでモドラッド艦隊を追撃せよ!!
Don't Stop! Carry on!(V2の変形合体を)あきらめな〜い♪
宇宙世紀153年を舞台に、リガ=ミリティアとザンスカール帝国の戦いを描いた『機動戦士 Vガンダム』でも2号メカへの乗り換えが例によって行われた。MG Vガンダムのコラムで述べたように、Vガンダムは「量産機」の側面が強調され、ウッソが持ち前の機転で敵を打ち破るという話の展開が物語前半では行われた。
一方、2号メカであるV2ガンダムは、最新鋭の技術が惜しみなく投入されたワンオフ機という位置づけで物語で活躍していく。量産機として描かれているVガンダムとは違い、V2ガンダムは「1機しか存在しない高性能なMS」であり、事実上のパイロットはウッソのみである。
先のMG Vガンダムのコラムで述べたように、この時代のMSは小型化がさらに進み、可変機構まで備えるようになった。これは、大型化する商品を安くで販売することが目的の半分であるが、その小ささから完全変形するキットを作成するのには技術の醸成と蓄積が必要だった。スライド金型や最新のCADの設計により、2009年の年末にようやくVガンダムの変形・合体を再現したキットを発売するに至ったのである。
しかし、後継機に当たるV2ガンダムは、かねてよりMG化アンケートで1位に輝いていたにもかかわらず、その変形ギミックの複雑さや追加パーツをどのように取り付けるかなどの課題が山積しており、なかなか商品化されないでいた。Vガンダムが発売されてから6年の間に、HGUCやROBOT魂で何度か立体化こそされたものの、どれも変形と合体ギミックはオミットされていたのである。
MG Vガンダム(ver.Ka)の発売から6年後、2015年にはさらに技術とノウハウを蓄積させ、満を持して後継機のV2ガンダムのマスターグレード発売が決定した。このV2ガンダムでもメカデザインを担当したカトキハジメ氏が設計・デザインを担当。CADの3Dモデルと当時の設定画を徹底的に煮詰めたキットとなっている。Vガンダムと同じくカトキハジメ氏が設計に携わっているのでver.Kaの名も冠している。
2015年に発売された理由は、とりあえずV2ガンダムの変形・合体までは再現可能であるとバンダイ側が踏んだためである。追加装備のアサルトバスターパーツは、取り付けられる箇所を設けたものの、2018年になるまで発売はされなかった。つまり、2015年の時点では、変形合体のみを優先させたキットをとりあえず発売しておき、追加装備は技術を醸成させてから出そうという目論見だったわけである。Vガンダムよりも可変機構は簡略化したデザインにしているものの、やはり小ささと追加装備を矛盾なく装備させなおかつ変形合体させるというのは難度の高いものであったことがわかる。
今回のコラムでは、このV2ガンダムの変形・合体をほぼ完全に再現した記念すべきキット、MG V2ガンダム(ver.Ka)を紹介しよう。
新ガンダム作ります!
V2ガンダムは、Vガンダムの後継機であるということで構成自体はVガンダムと同様である。つまり、胸〜頭部を形成するコアファイターを中心として腕と胴体を形成するハンガー(トップ・リム)と、わき腹と脚部を形成するブーツ(ボトム・リム)が合体するシステムを取っている。
3つの戦闘機が合体する方式はVガンダムと変わりがない
しかし、Vガンダムとは違いV2ガンダムのコアファイターには、新型装備であるミノフスキードライブが搭載されている。このミノフスキードライブを装備しているおかげで、V2ガンダムのコアファイターには主翼が存在していない。また、ミノフスキードライブのおかげで爆発的な推力を得ることができ、は理論上で亜光速にまで加速することができる。新鋭のエンジンを積んでいることから、このコアファイターは2機しか製造されておらず、1機は特攻により失われたため、事実上1機しか存在しなくなってしまった。
このコアファイターとトップリム、ボトムリムが合体することによりトップファイターとボトムファイターが完成する。キットでは、同じランナーを2枚封入しコアファイターは2機作ることができる。1つにはウッソを、もう1機にはマーベットを乗せ、それぞれを合体させればボトムファイターとトップファイターを同時にディスプレイすることができるというわけである。
コアファイターは2機付属。
同じものを二つ作るのは面倒だが頑張って組もう!
上半身を形成するトップファイター
ビームライフルを装備しているので攻撃力がコアファイター時より上がる
下半身を形成するボトムファイター
オープニングではマーベットが操縦しています
変形合体は手首を除いては完全変形する。手首パーツについては変形時用の専用パーツと差し替えることでビームライフルの取り付けを可能にしている。
さすがに手首をそのままで収納することは不可能でした
この辺りはMG Vガンダムと同じ仕様
Vガンダムの時と同じく、トップファイターとボトムファイターは専用アタッチメントを取り付けることでアクションベース1に取り付けることが可能となっている。
これら2機が変形・合体することでV2ガンダムが完成するのだが、分離形態は登場したものの、劇中で、この変形合体は一度も行っていない。(注1)オープニングでは、V2ガンダムが合体するシーンが毎回流れるので、今回はオープニングを基に変形合体の図を見てみよう。ここからは、Youtubeなどで後期OPである『Don't Stop! Carry On!』のさび部分を流しながらお楽しみいただきたい。
まず、トップファイターがこのように変形する
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続いて、マーベットが乗っているボトムファイターが分離、ブーツの部分がわき腹と下半身を形成する。
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そして、ボトムファイターとブーツが合体してV2ガンダムが完成!
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このようにオープニングでは一瞬で合体してしまうためどのように変形しているのかがいまいちわからない。しかし、実際にこの変形を立体物で再現すると、相当なプロセスが隠されていることがわかる。次のセクションでは、各部位の変形を細かく見てみよう。
注1 そもそも富野監督は、V2ガンダムのデザインを気に入っていなかった。おもちゃ然としているというのがその理由で、彼が執筆した小説版のVガンダムではV2ガンダムは登場せず、Vガンダムを基に発展させた機体であるセカンドVが登場している。変形合体を劇中で盛り込むのは、もってのほかと考えていたのか、劇中ではMS形態のままでほとんど行動していた。
ここまでヒンジが細かいなんて、おかしいですよ、バンダイさんッ!!(誉め言葉)
まず、V2ガンダムの複雑極まる変形プロセスを再現するため、フレームパーツはすべてABS製である。ABSの柔軟性と摩耗への耐性のおかげで複雑怪奇な変形を可能にしているのである。ただ、あまりにプロセスが細かいため、キットは身長のゆっくり変形させるようにしよう。後でも述べるが、筆者はあまりの複雑さに根を上げてしまったので、V2ガンダムを2つ購入、一つは戦闘機形態で、もう一つはMS形態でそれぞれ飾っている。ここまでやらないと危険なキットなのである。
まず、コアファイターの変形を見てみよう。コアファイターは頭部パーツがついているのだが、Vガンダムとは違い内部に格納されている。この格納ギミックを再現するのが非常に難しく、旧1/60では劇中の収納を完全再現していたが、胸パーツが大きくなりすぎてしまうという欠点をはらんでいた。これは、頭部ブロックをそのままレールで下にスライドさせる方式をとっていたためである。
そこで、MGでは頭部パーツを後ろに倒してレールをスライドさせるという方式を採用。これにより頭部格納分の高さが減り、1/60以上に薄いコアファイターのフォルムを実現している。
この変形ギミックはお見事!
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頭部を隠すカバーの下からアンテナがチラ見えしてしまっているが、このチラ見えはむしろ魅力と言えるだろう。
また、機首はVガンダムと同じく極小ヒンジ接続され細かい折り畳みを可能にしている。また、レール移動により頭部のせり上がりやコクピットの格納までも実現しているのである。
Vガンダムの時よりも複雑な機種の変形を見事に再現
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コクピットがスライドすることで収納されるのも完全再現
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頭部をせり上げるときはこの底部の白い部分を押し込む
底部は90度回転し、頭部の後ろ側に回るのもお見事
劇中ではコアファイターはミノフスキードライブを積んだ高級機という位置づけであったが、本キットでも複雑なギミックを詰め込み、バンダイの技術の粋を惜しみなく投入している部分といえるだろう。これを2つ作らなければならないのは大変だが、組みあがった時の感動はひとしおである。
続いて上半身を形成するハンガーの変形を見てみよう。Vガンダムと違ってハンガーにはフロントスカートがついている。まず、このフロントスカートを展開するところからハンガーの変形は始まる。フロントスカートはリアスカート裏のジョイントで接続されているので、その接続を外し、フロントスカートを横に倒す。
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続いて肩部パーツをスライド変形させる。
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そして、収納されている手首パーツを展開し、通常の拳に差し替えればハンガーの変形完了である。
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ハンガーはほかの2つほど複雑な変形ではないが、肩部のスライドや後の強化パーツを取り付けるためのギミックがまだ隠されている箇所である。この辺りは本体が完成したのち見てみよう。
そして、一番複雑怪奇な変形をたどるのが、ブーツである。まず、わき腹を形成する部分を倒し形態維持をしていたロックを外す。そして、太ももが接続されている箇所をプレートごと後ろに回す。
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続けて、回転させたプレート同士を閉じて組み合わせる。この時、股関節の部分にロックが設けられておりそこにはめ込むことでがっちり固定されるのである。
MS形態時用のロックが股関節に組み込まれているのでがっちり組み合わされます
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そして、わき腹パーツを90度倒し、足首パーツを展開させれば、ブーツの変形が完了する。
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足裏のアーマーが連動して内部からせり出してくるのが何気にすごい
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このように、ブーツは形態維持用のロックとヒンジが薄い板にひしめき合っているので、変形の取り扱いには細心の注意を払うようにしよう。
各部が完成したらいよいよ合体である。上の画像ではV2コアファイターを取り付けた上半身と下半身を一気に合体させているが、実際のキットではコアファイターを取り付ける前にハンガーとブーツを合体させなければならない。
この状態にしてからコアファイターを合体させなければならない。
ほぼ完全変形は実現しているが劇中とは少し合体プロセスが変わってしまっているわけである
わき腹の上にあるジョイントを介してコアファイターを取り付ければV2ガンダムがついに完成する。Vガンダムより簡略されているが、本当に複雑な変形機構をたどっていることがわかる。そのために極小ヒンジと極小ロックをフル活用で駆使しているため、再三繰り返しになるが取り扱いには注意を払おう。
ウッソ!変形合体機構にとらわれたキットは、もう私たちの敵ではないのよ!(可動的な意味で)
このように変形合体させて完成したV2ガンダムがこちらである。
変形合体するにもかかわらずプロポーションはばっちり
デザイナーのカトキハジメ氏が徹底監修しただけあって、プロポーションは見事に維持されている。Vガンダムと同じく脚部の曲面の構成はミリ単位で調整が加えられており、美しい形状をしている。劇中と比べて少々胸が大きく見えるが、許容範囲といえるだろう。
色分けに関しては、肘と膝と腰のサイドアーマーの赤い円はシール再現となっているが、その他はすべて多色成型による色分けである。筆者は肘の横に関しては塗装を施しているが、無塗装でも見事な出来に仕上がる。
手首パーツは、指先を差し替えることで持ち手、平手、握りこぶしを再現することができる。可動指になっていないのは、Vガンダムと同じである。
ただ、可動範囲は変形合体機構があるため通常のマスターグレードより劣る部分がある。脚部と肘部は90度以上曲がり、今日の水準を満たしているのだが、上半身と下半身を接続しているため、腰の回転をさせることができない。これによりポーズが少々制限されてしまうのが難点である。この辺りに不満を感じる人は、変形をオミットしてスタイルと可動を維持しているHGUCのキットか、ROBOT魂を購入すればよいだろう。
武装に関しては、通常のMSが標準装備しているビームライフルとビームサーベルが付属している。ビームライフルは、劇中と同じくグレネードランチャーを追加させたり、分解してビームピストルを再現したりすることが可能となっている。一方のビームサーベルは、Vガンダムと同じくビームシールド発生器の内側に収納されている。劇中では、ビームサーベルは手首の隙間からそのまま飛び出してくるが、さすがにそのギミックは搭載されていない。
単体のMSとしては標準的な装備をしている
劇中では手首の隙間から飛び出すが、二次元のウソの塊なため再現不能
扇子上にビームサーベルの刃を変えることもできる
ビームシールドは発生器基部に取り付ける形で再現されている。お約束通り、PET素材でできており中にはラメが混入されている仕様である。
ラメ加工とスパークの表現が格好いいビームシールド
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コアファイターが二つ付属するので、頭部パーツも二つ付属することになる。このことを利用し、頭部パーツの一方はスコープを展開したものに組み立てることができる。コアファイターを入れ替えることにより、長距離精密射撃モードのV2も再現できるのである。
極小パーツであるスコープを取り付けた頭部を組むことも可能
V2バスターやアサルトバスター時はこの頭部にしたいですね
V2ガンダムの象徴である「光の翼」はプレミアムバンダイ限定で、別売りである。別売りにした分大きさは申し分なく青い翼とピンク色の翼が付属する。
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フルパワー時の光の翼はアサルトバスターに使うと良いですね
また、光の翼セットにはアクションベースも付属している。こちらのアクションベースは、アクションベース1を元にして本体との接続基部をV2専用のものとしている。MS形態で飾るときに重宝する。
また、アサルトバスターにすることを見越してフロントスカートを展開することでジョイントパーツが出現したり、膝アーマーを展開し隙間を作ることが可能になっている。この辺りはV2ガンダムアサルトバスターのコラムで詳細をお届けしよう。
Don't Stop! Shin' On! (パーツを)壊されな〜い♪(無理でした)
このように、綿密に作られたMGは組ごたえも抜群なのだが、組み立ての工程は気を付けないとひどい目に合う。まず、筆者はコアファイターのヒンジの取り付けに失敗してしまい、アームにわずかなヒビを作ってしまった。サイズがサイズだけにちょっとしたヒビも命取りになり、コアファイターの一つは機首が外れやすくなってしまった。
やってしまいました・・・。
コアファイターが二つ付いているので、一つを変形用に破損したヒンジのコアファイターを非変形モデルとすることで対処したが、説明書をよく見て向きに注意して組み立てるようにしよう。
しかし、組み立て後にも地雷が残っていた。V2ガンダムの肘の接続は小さなC字リングで接続しているだけなので、外れやすいうえに破損しやすいのである。摩耗やヒビがここにも入りやすく、非常に扱いずらいキットとなってしまっている。
こんな小さなジョイントで腕全体を支える構造
当たり前だが、保持力が低いうえに破損しやすい
そういう構造になっているため、筆者はV2ガンダムを2つ購入したのである。一つは航空機形態で、もう一つはMS形態で飾っておくことで満足はしているが、何かが違う気がするのは気のせいだろうか?
このような欠点があるためか、V2アサルトバスターの武器を保持できるか懸念があったが、バンダイはV2アサルトバスターガンダムの発売を機にフレームをアップデートすることを発表した。バスターパーツを取り付けるため、コアファイターの尾翼の装甲とフレームを形状変更し、さらに保持力が懸念されていた股関節や肘関節も保持力を挙げるためにフレーム部が変更されるのである。
このアップグレードしたフレームパーツは、V2アサルトバスターに付属するのはもちろん、2018年12月分出荷のMG V2ガンダムから標準で付属するのである。このことにより、筆者は3つ目のV2ガンダムを購入することになってしまった。V2ガンダムはワンオフ機のはずなのに、なぜかVガンダム以上に量産されていくのであった。
V2アサルトバスターガンダムの細かいレビューはこちらで行っているので是非参考にしていただきたい。
新しいスーツV2
ヒロイックな姿が目を引くV2ガンダムであるが、アニメ本編は後半に差し掛かると、とにかく人が嫌な形でどんどん死んでいった。しかも、夕方4時半からやる内容とは思えないほど、凄惨でしかも無意味な形で人が死んでいくのである。今回は、V2ガンダム初登場からリガ・ミリティアがザンスカール帝国と停戦協定を結ぶところまでを見てみよう。
宇宙に上がったウッソたちは、ザンスカール帝国が開発したコロニーレーザー級の兵器ビッグキャノンの破壊に成功した。しかし、この戦いで深手を負ったリーンフォースJrは、ザンスカール帝国内にあるマケドニアコロニーに投降を装って退避することになった。
敵の目を欺くため、マーベットとオリファーの結婚式を挙げる。その夜、モトラッド艦隊とマケドニアとのいざこざが起こり、その騒ぎに乗じてリガ・ミリティアの一行はMSを奪い、脱出を図る。しかし、ウッソのみ捕まったままであり、ルペ=シノから「恐ろしい拷問」を受けてしまう。(注3)何とか脱出したウッソであったが、裸のまま破損したコアファイターに搭乗。空気が抜けていくまずい状態にあった。
そこに新型MSを積んだホワイトアークがウッソと合流した。ウッソはハロのシャボン玉を利用し、裸のまま何とかホワイトアークに乗り込むことに成功。ノーマルスーツを着用し、新型MS、V2ガンダムに乗り込んだ。
ウッソ「キャノピー閉じ。コクピット収容・・・。音声入力コード・・・良し!」
ホワイトアーク艦長「出るなら早く出てくれよ。こっちの動きを良くしたいんだ。」
ウッソ「は・・・はい。ごめんなさい。」
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ウッソは破損したコアファイターを抱えてV2ガンダムで出撃した。Vガンダム以上の機動性を誇るV2は、ルペ=シノとカテジナのMS部隊を圧倒。破損したコアファイターを爆発させてカテジナたちを退却へと追いやった。
ウッソ「コアファイターの向こうに、人がいるなんて!」
V2ガンダムを入手したウッソたちは、補給を受けるため月へと向かった。そこでウッソは、母親であるミューラ=ミゲルと再会する。そして、母がV2を開発したことを知るのだった。
同じころ、月面上ではザンスカール帝国がモトラッド艦隊を編成、地球への侵攻を図っていた。そのことを突き止めたリガ・ミリティアはザンスカール帝国と交戦状態に入った。しかし、一方でシャクティがクロノクルに会いにワッパーで一人モトラッド艦隊のところへ向かい、ザンスカールの秘密警察に捕まってしまう。
シャクティを救出しにウッソはミューラとともにV2コアファイターで出撃。何とかシャクティを奪還することに成功したが、母ミューラはカテジナの手により捕虜にされてしまう。
ウッソは母を取り戻そうとモトラッド艦隊に食いつくが、コアファイターの火力では太刀打ちできなかった。そこに、オリファーが乗るV2とコアファイターを交換、V2ガンダムでモトラッド艦に攻撃を仕掛けた。しかし、カテジナがウッソに攻撃を仕掛ける。
モトラッド艦隊を止めるため、V2コアファイターのオリファーは、突如としてコアファイターで特攻をかけた。
オリファー「行かせんと言ったあああ!」
オリファー「マーベット、俺たちの子どもを頼んだぞ・・・。うおおおおおおおっ!」
しかし、船への損傷は軽微で、破損したタイヤを切り離し無情にもモトラッド艦隊は地球へと飛び立ってしまった。結果的にオリファーの死は無駄になり、貴重なV2コアファイターを1機失ってしまう結果となってしまった・・・。しかし、さらなる悲劇がウッソたちに待ち受けていた。
注3 ルペ=シノと裸でお風呂に入るという内容だった。
母よ大地に帰れ
地球へと飛び立ったモトラッド艦隊は、地球クリーン作戦を開始した。これは、モトラッド艦隊の旗艦であるアドラステアとリシティアに備え付けられているタイヤを用いて、建物や人々を踏みつぶしていくという恐ろしい作戦であった。これにより、核汚染などを心配することなく地球を浄化するというのがザンスカールの目的であった。
地球へと降下したモトラッド艦隊を追ってウッソたちはホワイトアークとともにモトラッド艦隊と交戦状態に入った。ザンスカール帝国の軍人ゴズ=バールは、モビルスーツの手でミューラを掴んだ状態で、ウッソのV2ガンダムと戦う。ウッソはマーベットのVガンダムとの連携でゴズのゾリディアを追い詰めたが、ゾリディアはアドラステアの砲塔に引っかかってしまう。
ミューラ救出のため、V2ガンダムをアドラスティアに向かわせたが、カテジナが妨害しウッソはミューラを救出できずにいた。何とかカテジナを振り払い、砲塔にとりついたウッソはミューラを助けるためにゾリディアの腕をビームサーベルで切り落とそうとした。
ウッソ「MSの手ごと、ビームサーベルで切り落とします!」
ミューラ「ビームサーベルの粒子は強すぎて人を殺すわ・・・。あなたは私にかまわずに」
ウッソ「しゃべらないで!」
その時、交戦で損傷を受けたリシティアの一隻がバランスを崩して跳ね上がり、アドラステアのほうへ向けて落下した。ウッソはビームシールドを展開したが、V2ガンダムは跳ね飛ばされ、ミューラがいた砲塔がリシティアに押しつぶされてしまう。その惨状を間近に見たウッソは、絶叫を上げた。ウッソはいてもたってもいられなくなり、V2ガンダムを飛翔させアドラステアを攻撃した。
ウッソ「そのタイヤだけを壊して、足を止めさせてぇぇ!」
その時、アドラステアに通信が入った。連邦軍とザンスカール帝国との間に停戦協定が結ばれたのである。これにより、アドラステアは白旗を上げ戦意がないことを示した。しかし、それでもかまわずウッソはアドラステアにビームライフルを連射するのだった。
白旗を上げている船を攻撃はできない。マーベットはコニーのVガンダムとともにウッソのV2に組み付き攻撃をやめさせた。
ウッソは、投げ飛ばされた母の遺品であるヘルメットを持ち帰っていた。そのヘルメットからは血が滴っていたが、マーベットにそのヘルメットを手渡した。
ウッソ「母さんです・・・。」
マーベットはヘルメットを受け取ると、その重みに気づいた。ヘルメットの中にはまだミューラの首が残されていたのである。ウッソはその場で泣き崩れ、ただ涙を流すだけであった。
このように、Vガンダムは凄惨な人死にが繰り返されていく。この後もまだまだ人が無残に死んでいくという黒富野全開の話が展開されていくのであった。
ウッソ、ハンガーとブーツどうとでも使いなさい!(MG Vガンダム(ver.Ka)のコラムへ)
重い武器は、MSには邪魔なんだと教えてやる!(MG V2アサルトバスターガンダム(ver.Ka)のコラムへ)
ガンダム!!(もどる)