MODEROID ゴッドライジンオー

グッドスマイルカンパニー MODEROIDシリーズ

MODEROID ライジンオー+MODEROID バクリュウオー

MODEROID ゴッドライジンオー
ゴッドライジンオー新生!
MODEROIDでライジンオー最強形態が登場!

出た!超無敵合体!!
ライジンオーの話の展開形式であるが、物語り全体を通しては終盤を除いて1話完結の話ばかりが続く。五次元帝国がばら撒いたアークダーマは、人間たちが発する「迷惑」という言葉に反応し、人間たちが迷惑と思ったものをベースに邪悪獣に変化する。邪悪獣のバリエーションも排気ガスやゴミに始まり、先生、テスト、注射などといった子供が嫌いそうなもの、果てにはライジンオー、エルドランといった物まで種類は豊富。こうして現れた邪悪獣を倒していくという話で物語は進んでいく。

地球侵略の尖兵である五次元人、ベルゼブの失敗続きに業を煮やした五次元帝国皇帝、ワルーサ皇帝は、ベルゼブにジャークサタンというロボットを授ける。これはライジンオーと互角の性能で、しばしばライジンオーを窮地に追い込んだ。さらに、このジャークサタンは邪悪獣と融合し、スーパー邪悪獣を生み出す能力まで備えていた。

激化する戦闘の中、第23話でライジンオーとバクリュウオーは合体を敢行し、新たな巨人、ゴッドライジンオーが誕生する。このゴッドライジンオーは、グレートエクスカイザーの変形合体を参考にしたのか、バクリュウオーの分離がドラゴンカイザーにかなり近い。また、初登場のタイトルも「出た!超無敵合体!」とエクスカイザーのときのサブタイトルそのまま。TOMYが勇者シリーズをかなり意識していたのが如実にわかる事例であろう。

(合体後の整合性が)あやしいところ、教えてあげる
ゴッドライジンオーの商品展開であるが、主力はDX版に当たる「無敵合体ライジンオー」と「無敵変形バクリュウオー」が合体したものだろう。こちらは、ライジンオーやバクリュウオーともに単体ではすばらしいプロポーションなのだが、いざ合体すると、やはり当時のグレートエクスカイザーと同じくプロポーションが非常に厳しいものとなってしまった。

また、廉価版もなぜかDX版のプロポーションが元になっており、プロポーションが悪い。筆者も昔持っていたのだが、スタンダード版に当たる「無敵合金 ゴッドライジンオー」も同じ症状が出てしまっている。こちらは、ライジンオーの分離機構とバクリュウオーのドラゴン形態がオミットされているのだが、それでもデラックス版と変わらない形。さらにライジンオーでは破格の出来だった食頑のゴッドライジンオーも、2体への分離機構がないにも関わらず、同じプロポーションであった。こちらは色分けもまずいので、当時品ということを考慮に入れてもかなり出来がよろしくない。

ゴッドライジンオーがなぜこうもプロポーションが悪いのかというと、最大の要因は足首にある。この足首パーツは、バクリュウオーの足がブロック状に変形してゴッドライジンオーにくっつくのだが、この足が完全なブロックになってしまっているため、つま先がないのである。しかも、アニメ版のバンクを見ればわかるのだが、ブロック状の足首が合体しているにもかかわらず、画面が切り替わって最後のキメポーズになるときには普通のつま先に変形しているという二次元のウソがある。バクリュウオーの足が変形している割には、このつま先は異常に小さく、形も完全に変わってしまっているのが問題である。このおかげでこの足首部分だけをとれば、アニメどおりの変形だとロポーションが崩れてしまう大きな要因となってしまう。

また、ゴッドライジンオーの変形バンクを見ればわかるのだが、ライジンオーのときの翼がいつの間にか消えてしまっている。こちらは、旧トミー版のおもちゃでは羽がおりたたまって後ろに回しているのだが、そのせいでバクリュウオーの翼が背中に回らずに肩の上にくっついている。そのため、翼の角度が劇中とは異なる状態になっており、不自然な状態となっている。
また、シーエムズコーポレーションがBRAVE合金シリーズを展開する前に、ゴッドライジンオーのアクションフィギュアを発売していたが、このフィギュアも合体しないのに恐ろしいくらいに出来が悪い。プロポーションは、非変形なので文句はないのであるが、可動が問題であった。何と、太ももを横にしか開けないのでポーズが取りにくいのである。上半身は問題がないどころか、塩ビフィギュアなのに関節にクリックを採用していてかなりよいのだが、塗装の精度も悪い。このアクションフィギュアは、ヨドバシカメラなどでよく投売りされているのを見かける。

その後、CM'sコーポレーションはBRAVE合金でゴッドライジンオーを発売した。2次元のウソで塗り固められた部分もうまく処理して合体する割には整ったプロポーションの製品になっていた。しかし、足首の接続は非常にもろく破損しやすく、手首のボールジョイントも破損しやすいという何とも脆い構造の製品となってしまったのである。25000円する割に、すぐ破損してしまうので後世に語り継がれるほどのダメさ加減であった。

この合体ギミックとプロポーションの両立が難しいことから、ライジンオー単体での商品展開はあったが、ゴッドライジンオーの商品展開はほぼなかった。しかし、2019年に入り、ライジンオーがMODEROIDで発売される報が発表された際、バクリュウオーとの合体も発表された。8月発売のライジンオーのパッケージにに早速バクリュウオーとの合体ギミックが掲載され、9月発売のバクリュウオーと合体させるとゴッドライジンオーが誕生する。

MODEROIDではどのようなギミックでゴッドライジンオーを再現したのか見ていこう。

プラモで出た!超無敵合体
MODEROID バクリュウオーには透明なスタンドパーツとアームパーツが付属している。このスタンドパーツを使うことでバクリュウドラゴンを空中でディスプレイすることが可能となる上に、バクリュウドラゴンにアームパーツを取り付ければ安定してライジンオーをバクリュウドラゴンの上に載せることができる。そのおかげで合体バンクのバクリュウドラゴンに載るライジンオーが再現できるのである。

バクリュウドラゴンのスタンド ライジンオーを載せたところ
あの劇中の迫力あるシーンを再現可能!

一方で、合体ギミックはかなりの割り切りの元、作られている。すなわち大多数が差し替えとなるのである。先にも述べたようにゴッドライジンオーは二次元のウソが多いキャラクターなので、その嘘の部分はすべて差し替えによる再現となった。一応、合体バンクを再現することは意識されているので画像を組み合わせていけばそれっぽくは再現可能である。

合体開始
仁「ゴッドライジンオー、超無敵合体!!
ロールオーバーで画像が変わります

バクリュウオーがばらける図
ロールオーバーで画像が変わります

バクリュウオーがばらけると、腕部にバクリュウオーの装甲が取り付けられる。

パーツが並ぶ図
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腕部の合体
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腕部の合体
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腕部の合体
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腕部の合体
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さらに、バクリュウオーの脚部パーツが下駄となりライジンオーに装着される。

下駄をはく図
二次元のウソその1

そして胸パーツにバクリュウオーの背部アーマーが取り付き、ゴッドライジンオーの胸が形成される。

胸の変形
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バクリュウドラゴンの頭部パーツが冠パーツとなり頭部に装着される。

冠をかぶる図
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そしてゴッドライジンオーの完成となる。

ゴッドライジンオー完成!
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このように、パーツを配置すればある程度バンクに近づけることはできるが、この合体は差し替えによるものである。種明かしをすると、まずライジンオーから翼パーツ、腕パーツ、胸パーツ、頭部パーツ、足首パーツ、脛アーマーを取り外す。

ライジンオー使用パーツ
ライジンオーで使うのはこれだけ

そこにゴッドライジンオー用の頭部、足首、胸アーマー、腕部、翼、足首を取り付けるわけである。こうすることにより、劇中に近いプロポーションとバランスのゴッドライジンオーが完成するわけである。

MODEROID ゴッドライジンオー 前 MODEROID ゴッドライジンオー 後
二次元のウソをすべて差し替えたため、プロポーションには不備がない

可動範囲も広く、肩が上下にスライドするため腕の可動範囲も広く設定されている。

腕の機構 腕の機構
腕がこのように伸びて可動範囲を確保している

オプションパーツに平手が同梱されており、バクリュウオーのスタンドを組み替えればゴッドライジンオー専用のスタンドなり、空中ディスプレイが可能となる。

平手パーツ ゴッドライジンオー用スタンド

これらのパーツを使えば劇中のゴッドライジンオーの必殺技バンクを再現することができる。

まず、一つ目の必殺技はバクリュウキャノンが伸びたゴッドライジンバズーカによるファイナルファイヤーである。

ゴッドライジンバズーカ
仁「ゴッドライジンバズーカ!
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セットオン!
仁「セットオン!
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仁「ファイナルファイヤー!!
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勝ち名乗り
仁「絶対無敵!
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勝ち名乗り
仁「ラーイジーンオー!!
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続いて、ゴッドライジンソードによるハイパーサンダークラッシュである。

ゴッドライジンソード召喚
仁「とどめだ!
ロールオーバーで画像が変わります

ゴッドライジンソード召喚
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盾からエネルギー波が照射され、敵の邪悪獣を拘束する。

エネルギー波で敵を拘束する図
ロールオーバーで画像が変わります

エネルギー波で敵を拘束する図

雷が剣に落ち、ゴッドライジンオーが飛び上がってハイパーサンダークラッシュを放ち、敵を×の字に切り裂く。

雷が落ちる図


ロールオーバーで画像が変わります


ロールオーバーで画像が変わります


ロールオーバーで画像が変わります

ハイパーサンダークラッシュ
仁「ハイパーサンダークラッシュ!!
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ハイパーサンダークラッシュ
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爆発する敵

敵が爆発四散すると、ゴッドライジンオーは着地し勝ち名乗りを上げる。

着地するゴッドライジンオー

勝ち名乗り
仁「絶対無敵!
ロールオーバーで画像が変わります

勝ち名乗り
仁「ラーイジーンオー!!
ロールオーバーで画像が変わります

OVA版では空中で勝ち名乗りを上げるが、そのシーンも再現可能である。

OVA版の勝ち名乗り
仁「絶対無敵!ラーイジーンオー!!
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このように、シーエムズコーポレーションのBRAVE合金以上に躍動的なポーズをつけることが可能となっている。差し替えで割り切った分、早めにゴッドライジンオーまでこぎつけられたのでこれはこれでありだろう。

ただし、一点だけ注意すべきことがある。ゴッドライジンオー用の角パーツが非常に繊細なのである。劇中の細い角パーツを再現したためこの箇所が非常にデリケートで折れやすい。輸送中に折れるのを防ぐため、この角パーツは専用の小箱に入っているくらいで取り扱いが難しいのである。筆者のゴッドライジンオーは左側中央の角が微妙に折れてしまっている。

ゴッドライジンオーの角パーツ
中央部の角の長さが違うことにお気づきだろうか
やってしまいました・・・。

この箇所はこのキットの地雷ともいえる箇所なので取り扱いには十分注意しよう。輸送するときは付属していた小箱にゴッドライジンオーの頭部を入れて持ち運ぶことをお勧めする。

差し替えだらけであるが、これほどのクオリティのゴッドライジンオーは今までに存在してこなかった。MODEROIDでは次に商品化に恵まれていないガンバルガーシリーズを発売し、アニメ放映されたエルドランシリーズの全メカがそろうこととなった。何ともよい時代である。

この星に生きるみんなが地球防衛組なんだ。(もどる)