ROBOT魂 バイアランカスタム&ザクI・スナイパータイプ

バンダイ ROBOT魂Ka signatureシリーズ

魂ウェブ商店限定

バイアランカスタム 定価:6300円(税込)

ザクI・スナイパータイプ 定価:5040円(税込)

ROBOT魂 バイアランカスタム&ザクI・スナイパータイプ
ジオン残党軍が執念の襲来!トリントン基地を防衛せよ!!

カ〜トキっちゃん、カトキっちゃん♪スマートで格好いいカトキチの〜Ka signature♪
ガンダムシリーズのメカデザイナーの中で神のごとくあがめたてまつられているのがカトキハジメ氏である。カトキ氏はそのすらっとしたスマートなメカデザインで、旧来の丸っこいMSを格好良くリファインしていき、MGやHGUCのデザインの礎を築いた。また、『機動戦士 ガンダムUC』では、新たな解釈の下に宇宙世紀の新たなMSをデザインしていき、その実績はガンダム世界の中でもゆるぎないものとなっている。

そんなカトキ氏はアニメ内のメカデザインのみならず模型の立体化のデザインも手掛けている。MGではver.Kaと呼ばれるシリーズも存在しているし、アクションフィギュアではGUNDAM FIX FIGURATIONというカトキ氏がデザインしたMSを立体化するシリーズもあったくらいである。

そんなカトキ氏の存在を今のバンダイのロボットアクションフィギュアの主流の一つであるROBOT魂が見逃すわけはなかった。ROBOT魂ではKa signatureというサブカテゴリーのブランドを立ち上げた。このKa signatureは、カトキハジメ氏のデザインでMSを1/144の大きさで立体化するという規格である。デザインされる機体も、メジャーなMSではなく比較的マニアな機体を立体化していくというものであった。そのラインナップは今旬の『ガンダムUC』からだったり、これまであまり立体化される機会が少なかったボリノーク・サマーンΞガンダムなど多岐にわたる。

その性質から、マスプロダクションに乗せられないということで、魂ウェブ商店限定の製品となってしまっているが、カトキ氏のファンにとってはありがたい企画となった。今回は、このKa SignatureシリーズからガンダムUCに登場し大きな活躍を見せたバイアランカスタムザクT・スナイパータイプを紹介しよう。

このバイアランカスタムで汚名挽回と行くぜ!
Ka signatureシリーズ第一弾に抜擢されたのが、ガンダムUC第4話で大きな活躍を見せたバイアランカスタムである。バイアランとは、『機動戦士 Ζガンダム』でティターンズが開発した機体で、カミーユを執拗に追い回したジェリド=メサが搭乗したMSである。その性能は折り紙付きで、Ζガンダムと互角の戦いを繰り広げ、サイコガンダムを撃墜したこともあるくらいである。

このバイアランカスタムはそのバイアランの発展機で、地上での飛行距離の向上を図った機体である。グリプス戦役でティターンズが敗北したことにより、モノアイだったメインカメラはジェガンタイプと同じバイザータイプに変更され、腕回りにはジェリドが使用したガブスレイの脚部パーツが使用されている。

ROBOT魂 バイアランカスタム 前 ROBOT魂 バイアランカスタム 後
ガブスレイのクローパーツを腕に採用したため、さらに異形の姿になったバイアランカスタム
地上での飛行能力を上げるために大型のブースターを装備している

この異形の姿をROBOT魂では見事に立体化している。Ka signatureでは、機体のカラーリングを美しい塗装を施し質感の向上を図り、さらに水転写デカールも付属し自分だけのデザインのバイアランを作ることも可能である。また、1/144で立体化しているため通常のROBOT魂よりも大きさが増している。

ユニコーンガンダム(フルアクションver)との比較
1/144サイズなので、他のROBOT魂に比べてやや大きめ

頭部のアップ
バイザー状の頭部は塗装で再現

本体の可動範囲も広く設定されており、付属の魂STAGEとの接続コネクターを使えば様々な空中ポーズを取らせることが可能である。また、腕の可動は動力パイプがあるが、腕を曲げれば動力パイプが中に引き込まれるようになっている。このおかげで可動範囲が殺されることはない。

腕の可動ギミック
動力パイプが腕の可動に連動して引き込まれる
ロールオーバーで画像が変わります

また連動ギミックで装甲を開けばバーニア部がせり出すようになっている。

バーニア部の連動ギミック
ロールオーバーで画像が変わります

武装は腕パーツに内蔵されたビームガトリングと、ビームサーベルのみなため、手持ちの武器は付属していないのがさびしいところである。サーベルの刃は2本付属し、両腕に取り付けることができる。

ビームサーベル

取扱いに注意したいのが頭部パーツである。側頭部に取り付けられた角パーツはプラスチック製なのだが、この部分は細い作りになっているため折らないように注意したい。劇中の迫力はそのままに大きめに造形されているので、HGUCのマラサイやゼーズールなどと絡めると劇中の激闘を再現できるので、ぜひプラモデルと合わせてディスプレイしよう。

おいおい、動く戦争博物館かよ
Ka signatureで立体化されたのが、地球のジオン軍残党を率いるヨンム=カークス少佐の乗機であるザクT・スナイパータイプである。このザクTはジオン公国が初めて完成させたMSで、1年戦争の時代ですら旧式扱いの機体であった。このもっとも古いタイプのMSをカークスは改修しながら長年使い続けてきたのである。

通常のザクTとの違いは、バックパックに大型のサブジェネレーターを搭載している点で、このジェネレーターをスナイパーガンにエネルギーケーブルで接続することでザクTでは使用できなかった高出力のビームスナイパーライフルが使用できるようになっている。

ROBOT魂 ザクT・スナイパータイプ(ヨンム=カークス専用機) 前 ROBOT魂 ザクT・スナイパータイプ(ヨンム=カークス専用機) 後
戦闘力の低いザクTを狙撃型にし、運用している
狙撃に対応するために様々な箇所が改修されている

ROBOT魂には全身に塗装が施されており、美しい質感となっている。しかし、そのために可動させる時は塗装がはげないように気を付けなければならない。また、胴体と頭部パーツの接続部分は口のダクトが干渉してしまうため塗装がはがれやすいことが取り説に明記されている。この部分は、ビニールシートが貼りつけているが、塗装がはげないように筆者はあえて取り外さないでいる。

狙撃用に調整され、格闘戦には不向きであるが、製品では肩の関節を引き出せるようになっているため、迫力のタックルポーズも取らせることが出来る。ただ、塗装面積が大きい機体であるので、塗装ハゲを恐れて筆者はあまり激しいポーズを取らせていない。

先に発売されたバイアランカスタムと違い、このザクTには豊富なオプションパーツが付属している。手首パーツは武器を保持するための持ち手が3種類と、平手が1つ付属している。また、スナイパーライフルに装填するバレルは合計5本付属し、そのうちの2本は赤熱化している。このおかげで、弾の排出シーンも再現できるのである。

付属品一覧
真っ赤に赤熱化したバレルとほんのり加熱されたバレルが1本ずつ付属

狙撃に特化するために頭部パーツのモノアイは元のザクTからデザインが変更されており、上下に可動させることができる。このモノアイはクリアパーツで再現されている。

モノアイ
モノアイはクリアパーツで再現されている
頭部に追加されたバルカンは塗装が施されている

さらに、立て膝をつくときのために膝にはスタンドパーツが追加されており、このスタンドパーツを展開することで安定して狙撃状態を維持することができる。また、スカートパーツは1枚1枚が分割されているため脚部の可動に干渉することはない。

狙撃ポーズ

狙撃ポーズ スカートの分割
右膝のスタンドパーツのおかげで機体がぶれずに狙撃ポーズを取ることが可能

バレルと組み合わせた図
バレルパーツと組み合わせれば弾の排出や装填を行うシーンも思いのまま

劇中ではファットアンクル内からMSを狙撃していき、トリントン基地に大打撃を与えた。その際、ファットアンクルに機体を固定させるために胴体に装着された固定ラックパーツも再現されている。また、オリジナルのギミックとしてROBOT魂 ガンダムやザクUに付属している武器を取り付けられるようにハードポイントが追加されている。

ハードポイント
一年戦争のMSつながりで追加されたハードポイント
これにいろいろな武器を取り付けることも可能

今後Ka signatureのラインナップで筆者が購入する予定なのは、Ζガンダムに登場するボリノークサマーンと小説『閃光のハサウェイ』の主人公機、Ξガンダムである。特にΞガンダムは、主人公機であるにもかかわらずアニメ化の難しい富野監督の小説の機体であるがため、なかなか商品化に恵まれないので、是非とも押さえておきたいところである。

重力の井戸の底で
ガンダムUCの魅力の一つが、バナージの成長をしっかりと描いている点にあると言えると思う。バナージはユニコーンガンダムとともに連邦と袖付きを行ったり来たりして両陣営の大人たちと交流を持ち、その中から自分がどのような人間になりたいのか見出していく・・・。OVA4話はそんなバナージがどのような人間になりたいか見出していき、アイデンティティを獲得していく様子が描かれている。しかし、そのように前向きに生きようとする彼は非情な現実を突きつけられていく。OVA第4話の様子を詳しく観ていこう。

ラプラス首相官邸の交戦は首相官邸ラプラスの史跡を消滅させた。重力にひっぱられ地球に落ちていたユニコーンガンダムは、近くにいたガランシェールに組みつき地球へと降下した。しかし、ユニコーンが組みついた影響でガランシェールはアフリカの砂漠へと不時着し、砂に埋もれて動けずにいた。

ガランシェールの不時着から連邦軍の目をそらすために、袖付きはジオン残党軍と共闘し連邦首都のダカールを襲撃、連邦軍高官と市民に多数の犠牲が出てしまった。その際に投入された巨大MA、シャンブロのコクピットの中でロニ=ガーベイは連邦軍に対する復讐の炎をありありと燃やしていた。

目の前でダグザが死に、交流を持ったギルボアを意図せずして撃墜してしまったバナージは茫然自失になり、ふさぎこむだけだった。。そんな彼をガランシェール艦長、スベロア=ジンネマンは砂漠に連れ出した。ジンネマンとバナージは、灼熱地獄の砂漠を4日間歩き続け、救援を要請するため60km先にあるオアシスを目指した。

砂漠に連れ出されたバナージは、最初はジンネマンに反発するも連邦軍の襲撃で家族を失ったというジンネマンの過去を知ったバナージは、道中に星空の下で彼と語り合い、彼の内面に触れた。「哀しくなくするために人は生きている・・・」その彼の言葉はバナージの心を大きく揺さぶったのだった。

二人は長い道のりを乗り越え、無事に目的地に到着した。ガランシェール部隊はダカールを襲撃したジオン残党軍と合流する。ジンネマンに触れたバナージはラプラスの箱の探索を続ける決意をし、La+が示した次の座標、トリントン基地を目指した。

ダカールを襲撃したジオン残党軍は、各地に散らばっていたジオン残党軍を糾合し、トリントン基地を襲撃した。ジオン残党軍はザクマリナーやドムトローペンなどの1年戦争〜グリプス戦役時代に活躍した旧型MSが大半を占めていた。それらのバックアップを上空を飛ぶファットアンクルの中からヨンム=カークス少佐のザクT・スナイパータイプが援護、さらにダカールを壊滅させたシャンブロも投入された。

一方トリントン基地にはガンキャノン・ディテクターやジムU、ジムVなどのグリプス戦役で使用された旧式のMSしか配備されておらず、ジオン残党軍の旧型MSの奇襲に圧倒されたのだった。

再び連邦軍に仇討ちをなそうとロニはシャンブロのコクピットの中で息巻いていた。そんな彼女をカークスはなだめ、市街地に被害を出さないように努めていた。ロニは不服ながらもカークスに従おうとしたが、シャンブロのサイコミュが血を求めるかのように暴走を起こし、市街地をリフレクタービットのビームで焼き払った。

老若男女問わず、戦禍に巻き込まれ虐殺されていくのを目の当たりにしたバナージはジンネマンに食ってかかかった。しかし、ジンネマンは積年の怨念返しができると淡々とした表情で言い返し、バナージに銃を突きつけるのだった。砂漠で聞いた話とはずれた言動をするジンネマンにバナージは怒りをあらわにし、ジンネマンを一方的に殴りつけた。

バナージはマリーダを救い出し、彼女の悲しみを受け止めたジンネマンの本質を見抜いていた。その彼と同じようにバナージは「他人の哀しみを受け止められる人間になりたい」と彼に伝える。バナージは、人間は変わることができるということをジンネマンに証明したかったのである。

ガランシェールの中でドタバタが繰り広げられる一方、トリントン基地では連邦軍にとっての救世主が現れた。トリントン基地内部に格納されていたバイアラン・カスタムが起動したのである。

バイアランカスタム出現!
ロールオーバーで画像が変わります

バイアランカスタムは、袖付きとジオン残党軍のMSにはない空戦能力を有しており、その跳躍力と機動性で次々と撃破していった。連邦軍の思わぬ反撃によりジオン残党軍は次第に押されつつあった。

トリントン基地側に形勢が傾きつつあったころ、バナージは再びユニコーンガンダムのコクピットに乗り込んだ。バナージの想いを無言で受け止めたジンネマンはバナージが降下することを許したのである。バナージは世話になったガランシェールの面々に礼を言うと、激戦が繰り広げられているトリントンへと降下していった。

ガランシェールから降下するユニコーン
キャプテン、ガランシェールの皆さんお世話になりました。
バナージ=リンクス、ユニコーンガンダム行きます!!

降下するさなか、コクピットの中でバナージは自分の愛機に語りかける。

ユニコーンに語りかけるバナージ
俺は箱の鍵じゃない・・・人間だ!
そしてお前は人の力を増幅するマシーンなんだ。

ユニコーンに語りかけるバナージ
お前はそのために作られた・・・。
人の心を、哀しさを感じる心を知る人間のために・・・。
だから、怒りに呑まれるな!

元々立てていた作戦を破り、降下してくるユニコーンにロニは焦った。一方のバナージは暴走するシャンブロを威嚇するためにビームマグナムを連射する。

ビームマグナムで威嚇するユニコーン
ロニ「角割れ・・・?まだ早いぞ、ガランシェール!・・・何!?」

バナージはシャンブロの前にユニコーンガンダムを降下させシャンブロの行く手を阻んだ。

シャンブロの前に降り立つバナージ
ロニ「あの子が裏切ったというの・・・?」

バナージ「箱の封印が解かれる。あなたたちは退け!」

ロニ「箱の鍵がなぜ邪魔をする!?」

シャンブロとユニコーンガンダムが対峙する中、ブライト=ノアが艦長を務めるラー・カイラムからユニコーンガンダムを支援するために開発された新型MSジェスタを駆るトライスターと、地球に降下し父親のコネでラー・カイラムに配備されたリディのデルタプラスが救援に駆け付けた。カークスは残党軍のマラサイと連携をとりバイアランカスタムのバーニアを狙撃し空戦能力を奪ったにもかかわらず、残党軍はさらに追い込まれていった。

バナージはロニに攻撃をやめるよう説得を試みるが、憎しみに駆られたロニは当然ながら攻撃をやめなかった。ロニはシャンブロのリフレクタービットでユニコーンを攻撃する。バナージはユニコーンを跳躍させ、その攻撃をよけながらも必死にロニに語りかけた。

ロニを説得するバナージ
バナージ「やめるんだ!こんなことを繰り返していたら心が壊れて人間ではなくなってしまう!」

ロニ「黙れ!父も母もジオンの残党狩りで死んだ!投降を許されず殺された・・・なぶり殺しだ。」

バナージ「!」

ロニ「父の遺志を継ぐためだけに生きて、私は今ここにいる!箱など開かずとも良い・・・
そんなことで晴れるほど浅い恨みではないのだ!!
そこをどけぇぇぇぇ!

ロニは絶叫し、シャンブロのクローでユニコーンガンダムを掴み振り回した。ユニコーンの窮地を救ったのはリディの駆るデルタプラスであった。デルタプラスは、機首のミサイルをシャンブロのクローに放ち、ユニコーンを解放した。リディはデルタプラスを変形させたまま、マニピュレーターだけを展開しユニコーンガンダムを掴んだ。接触回線でリディはシャンブロを破壊するようバナージに言った。しかし、バナージは彼の言を聞かずデルタプラスの手を離し、尚もロニに語りかける。

デルタプラスから離れるユニコーン
バナージ「彼女は捕らわれているだけなんです!本心じゃない、止めて見せます!」

リディ「そうさ、捕らわれているんだよ!決して解けない血の呪縛にな・・・。」

バナージは、ロニに憎しみ以外に生きる意味を見つけるようロニに言うとユニコーンガンダムのコクピットハッチを解放し生身をさらした。その行為にリディは信じられないと驚きながらも、ロニのシャンブロは動きを止めた。その様子を見たリディは、バナージに複雑な表情を浮かべたのだった。

そのころ、トライスターの総攻撃によりジオン残党軍のMSは次々と撃破されていった。ファットアンクル内のカークスも狙撃用の弾をほとんど使い切ってしまい、ファットアンクルから脱出。執念の一撃をトライスターに見舞うも、その攻撃はわずかにトライスターのベースジャバーをかすめただけだった。

残りの弾が1発のみになったカークスは、ザクTを飛翔させるとスナイパーライフルを胴体に貫通させ、引き金を引こうとした。カークスは、背中に装備されたサブジェネレーターを撃ち抜くことで核爆発を起こし、自分もろともジェスタを葬り去ろうとしたのだ。そのことに気付いたトライスターはザクTのマニピュレーターを切り裂き、そのままビーム攻撃でザクTを撃破した。コクピットの中でロニの身を案じながらカークスは絶叫を上げ、息絶えた。

カークスが死んだことに気付いたロニは、最後の家族を失ったことにより再び復讐の炎を燃えたぎらせた。シャンブロが再び起動したことにより、ユニコーンガンダムは自動でコクピットハッチを閉じた。その様子を上空から見ていたリディは、ぽつりとつぶやいた。

つぶやくリディ
リディ「抗えないのさ・・・現実には・・・」

リディはデルタプラスのビームライフルでシャンブロを攻撃したが、その攻撃はリフレクタービットによって防がれてしまう。曲げられたビームがユニコーンガンダム付近を飛び交った。そんな中、バナージは何としてでもロニを止めることを決意、自らの意志でユニコーンガンダムをデストロイモードに変形させた。

バナージの決意
俺は彼女を止めたい・・・。止めなきゃならないんだ!

デストロイモードに変身するユニコーン
ガンダム!俺に力を貸せ!!
ロールオーバーで画像が変わります

変身完了!
ブライト「ガンダム・・・」

デストロイモードに変形しガンダムになるところを目撃したブライトは、固唾をのんで艦長席から立ち上がった。デストロイモードのユニコーンは、サイコミュジャマーでシャンブロのサイコミュを取り込もうとするも、ロニの復讐に駆られた心はその波動をも防いだ。二つの波動がぶつかり合う中、その衝撃は周囲の物を吹き飛ばしていった。シャンブロから出た強力な波動にさしものユニコーンも押されてしまう。

サイコミュ同士のぶつかり合いが繰り広げられていることに気づかないリディはシャンブロに攻撃、その攻撃が癇に障ったロニは拡散メガ粒子砲を発射する。しかし、その攻撃はユニコーンガンダムのIフィールドによって曲げられ、ダメージを与えられなかった。バナージはロニにサイコミュを通じて語りかける。

サイコミュで語りかけるバナージ
バナージ「この淀んだ黒い感覚・・・。こんなものに染まっていくことに意味なんかないよ!」

しかし、そんなバナージの声を邪魔する存在がいた。それはシャンブロの中のサイコフレームに集中したジオンの怨念だった。その代表格であるロニの父、マハディの腕がバナージの意志を取り去ってしまう。

マハディの意志を感じたロニは、子どもが親の願いに飲み込まれるのは必然とバナージに言う。そんな彼女にバナージは賛同するまでもなく、その「願い」を「呪い」と断じた。

ロニの反論
バナージ「それは願いなんかじゃない、呪いだ!」

ロニ「同じだ!託されたことをなす、それが親に血肉を与えられた子の血の役目なんだよ!
おまえのその力も、親に与えられたものだろうに!
これは私の戦争なんだ!


ロニは絶叫を上げてダカールの街を焼き払った高出力メガ粒子砲を発射させた。ユニコーンガンダムは飛び上がってその攻撃を避け、リディのデルタプラスにつかまった。

デルタプラスに乗るユニコーンガンダム
リディ「乗れ、バナージ!」

ユニコーンガンダムを上に乗せたリディはバナージにビームマグナムの残弾数を尋ねた。リディはあくまでもシャンブロを撃墜しようという考えなのであった。

残弾数を尋ねるリディ
リディ「あの反射板の反応速度を超える必要がある。ビームマグナムは?」

バナージ「残弾1です」

リディ「一発勝負だな・・・」

バナージ「リディさん!」

リディ「やるんだ!街を守るにはそれしかない!!

作戦を伝えるリディ
リディ「迂回して正面から懐に突っ込む!すれ違いに分かれて同時攻撃、一点突破だ!!」

そうバナージに作戦を伝えると、デルタプラスは大きく旋回した。ロニは拡散メガ粒子砲を放ちながら「ジーク・ジオン」と何度もつぶやき続ける。バナージは、ユニコーンのバックパックからビームマグナムを取り出すとシールドに取り付けられたガトリングでシャンブロを攻撃した。

ビームマグナムを取りだすユニコーン
ロールオーバーで画像が変わります

ビームガトリングで攻撃するユニコーン

しかし、ビームガトリングが通じるほどシャンブロの守りは薄くなく、逆に拡散メガ粒子砲の攻撃を受けてしまう。ユニコーンはその攻撃をシールドで受け止めるが、その衝撃でデルタプラスは錐もみしながら高度をおとしてしまった。 そんな中でもロニに語り続けるバナージに、リディはあきらめろと一喝する!

ビーム攻撃を受け止めるユニコーン
ロニ
「ジーク・ジオン、ジーク・ジオン、ジーク・ジオン・・・」

バナージ「ロニさん、戻って・・・!」

リディ「あきらめろ!!!

怒りに捕らわれるロニを止めたのは、カークスの思念であった。カークスの思念は彼女に自分たちの戦争は終わったとそっと伝えた。その言葉を聞いたロニは、涙を流しシャンブロのサイコミュを停止させた。しかし、シャンブロ本体は止まらず高出力メガ粒子砲の発射態勢に入った。

その様子を見たリディはシャンブロの正面に迫り、バナージにビームマグナムを撃つように促した。

シャンブロに迫るユニコーンとデルタプラス
バナージ「ロニさん・・・。」

リディ「バナージ、このまま撃て!

シャンブロに迫るユニコーンとデルタプラス
リディ「可能性に殺されるぞ!

バナージの絶叫
リディ「そんなもの、捨てちまえ!!!!

バナージ「うわあああああああああああ!!

リディのまるで自分自身の出自に絶望したかのような絶叫と、バナージの絶叫が交差した。そして絶叫の中、ロニの心の叫びを聞く・・・。そんなバナージの下した決断は・・・。

撃てません!
ロニバナージ・・・。哀しいね・・・。

バナージ「撃てません!!!!!!

バナージの言葉をよそに、シャンブロからメガ粒子砲が発射された。しかし、その攻撃はロニの計らいでリフレクタービットによって阻まれ、ユニコーンとデルタプラスに届くことはなかった。しかし、リディはデルタプラスをMS形態に変形させ、そのままユニコーンからビームマグナムを横取りし、シャンブロのコクピットめがけてマグナムを発射した!

マグナムを発射するデルタプラス
ロールオーバーで画像が変わります

デルタプラスから発射されたビームマグナムは、見事にシャンブロのコクピットに命中、中のロニはマグナムの閃光に飲み込まれ蒸発していった。ビームマグナムを撃った衝撃で、デルタプラスの右肩は異常が発生してしまったが、リディは静かに機体を降下させる。一方のバナージは落下する中、茫然と力なく手を伸ばしコクピットの中で涙を浮かべるのだった。

降下するデルタプラス

手を伸ばすバナージ

戦いを見届けたジンネマンは、ガランシェールを離脱させた。また、シャンブロが沈黙したことにより、ラー・カイラムの艦内のブライトは艦長席に腰かけ、リディの乗るデルタプラスにある指示を送る。地面に着地したユニコーンは茫然と座り込む。そんなユニコーンの頭部にリディはデルタプラスのビームライフルを突きつけた。

ビームライフルを突きつけられるユニコーン
リディ「降りろ、バナージ・・・。」

ビームライフルを突きつけるリディ
リディ「そのガンダムには捕獲命令が出ている。降りて機体を渡せ・・・。」

バナージ「リディ少尉・・・。」

リディ(お前さえいなければ・・・こんなことにならなかったんだ!)

そんなとき、けたたましくデルタプラスとユニコーンガンダムの警告音が鳴り響いた。その警告音に反応し、空を見上げると、リディは驚くべき光景を目撃した。

降下しながら変身する謎の機体
リディ「ああ・・・黒い・・・!」

バナージ「・・・ユニコーン!?」
ロールオーバーで画像が変わります

それは降下しながらデストロイモードに変身していく黒いユニコーンの姿だった!敵か味方か、このユニコーンの正体は!?・・・次回に続く!!

ガンダムは・・・敵!(ROBOT魂 バンシィのコラムへ)

ああ、哀しいな・・・。哀しくなくするために生きているはずなのに・・・なんでだろうな?(もどる)