最小変形 ゴッドグラヴィオン

組み立て済みレジンキャストキット

原型 鈴木サトル

定価:17850円(税込み)


最小変形 ゴッドグラヴィオン
祝!スーパーロボット大戦参戦!!

射手座サジタリアスのBP(射手座のロリ黄金聖闘士。ZEROのエロゲー「はじめてのおいしゃさん」のゆうなちゃんに2回も撃墜されたタワケ。以降、BP)「今日は毎度おなじみスタジオハーフアイのガレージキットについて話をするぞ。お題は大張監督の作品『超重神 グラヴィオン(ツヴァイ)』から最小変形ゴッドグラヴィオンだ」

牡牛座タウラスのAKI(牡牛座のロリ黄金聖闘士。ZEROのエロゲー「はじめてのおるすばん」のしおりちゃんと、さおりちゃんを脳内彼女に認定したタワケ。以降、AKI)「あ〜、俺としてはこれ以上グラヴィオンとの接触を避けたいのですが。古傷がうずくので。

BP「今日はその古傷について話そうと思ってたんだけど」

AKI「そ、そんな殺生な。」

巨神とメイドの棲む城
「超重神 グラヴィオン」は2002年に放映され、さらには2004年の冬にも続編が放映された。ちなみに、某電脳冒険記の機関車に変形する主人公メカ(?)とはまったく関係ない。

監督はあの大張正己氏。彼が監督を務めているだけあって、ロボットの描写がすごく格好よい。ゴッドグラヴィオンの合体シーンはマイトガインのごとく「合神!ゴッドグラヴィオン」の曲を流しながら合体するし、ドリルにブーメランに剣にロケットパンチにとロボット物の王道ともいえる武器を駆使して戦う。グラヴィオンツヴァイの主題歌「紅ノ牙」も、最近よく見る主題歌なのに、まったく無関係の歌詞の曲ではなくて、JAM=PROJECTの歌う熱い歌詞に、最後に「グラヴィオ〜ン」と締めてもう最高!

ただ、キャラクター面で賛否が分かれそうである。ゴッドグラヴィオンを操縦するグランナイツ6人のメンバーのうち4人は女性である。メガネっ娘でドジなメイドのエィナ、活発で割とそこら辺にいそうなドリル大好きの女の子の城 琉菜、巨乳のお姉さまキャラのミヅキ=立花、物静かな記憶喪失の娘のリィルと、女性方面はさまざまな好みに合うように構成されている。

また、男キャラクターは天然とシリアスさの混じった天空侍 斗牙と、シスコンの気が抜けない熱血漢の、紅 エイジをすえている。物語は、エイジが姉のアヤカが失踪し、彼女の残した手紙を手がかりにサンジェルマン城に潜入したところから始まり、エイジの視点から物語が進行する。

このサンジェルマン城は、お城というだけあってメイドが数千人いる。身の回りのお世話やグラヴィオンの整備、ひいては城の警備までもメイドさんがやっているのだ。このように、最近の風潮を見ればこの手の萌えを狙った女性キャラクターが入ることは別に不自然ではないのだが、ロボット物は基本的に「燃え」を基調とするので、相反する「萌え」が入ってしまうとそれだけで観ないという人が増えてしまう。(第1期シリーズは、私はそんな理由で観てない)

そういうわけでキャラクター構成が明らかにオタク向けなのだが、ここら辺に慣れると一般のロボット好きの人にも結構勧められる。グラヴィオンは大河原邦夫氏のデザインの下、勇者シリーズとエルドランシリーズのロボットのデザインを折衷した形となっている。コンセプトが正統派のスーパーロボットアニメを謳っているだけあり、このアプローチは正解だろう。また、1期単体で見るといまいちだった物語も、2期ではちゃんと伏線が回収されておりストーリ的にも面白くなっている。はっきりいって、キャラクター人気ばかりに走って戦闘をろくにやらなかった上に話を破綻させてしまったどこかの「なんたら種」より、100倍(当社比)面白い出来だった。

そんなこんなで、「超重神 グラヴィオンツヴァイ」としてまた始まったこの作品だが、秘密研究所でゴッドグラヴィオンのレポートを読んでいて、興味を持ったのでツヴァイの2話から観始めたのだが、完全にはまってしまった。同じクラスだった牡牛座のタウラスのAKI(現、HUYU)君に作品を勧めたら、これまたロボット好きの血が騒いだのかはまってしまった。

製品紹介の画像を見せたら、「絶対買う」とかのたまっていたが、彼には数奇な運命が待ち受けてるとは誰も知る由がなかった。

グランナイツの諸君、合神・・・できなかった
BP「2004年3月17日(この日に対談をしたのだ)現在で生産が遅れててなかなか送ってこないんだけど(注1)、なかなか楽しみじゃのぉ。何せ、ほぼ劇中どおりにグランディーヴァ4機とグランカイザーが変形・合体してゴッドグラヴィオンになるもんね」

AKI「それは僕に対するあてつけかい?」

BP「まぁまぁ、今日はその怒りをインターネット全体にばら撒こうではないか」

AKI「ふっ。このページを見ている、全員が俺の怒りの負の波動で悶え死んだり、血の涙を流して同情することを切に願うよ。」

BP「最小変形シリーズの初期の作品であるゲッター1ゲッタードラゴンは大体価格が8000円程度だったんだけど、キングエクスカイザーからは税込価格14,490(本体13800)円(初版当時の値段です)になってこの路線を爆走しそうな感じ(後の最小変形ドラゴンカイザーの17850円で覆された上に、再版を重ねるにつれて同じ値段になった)なんだけど、やっぱり12センチ程度のものに10000円以上かけるのはちょっと躊躇する人が多いんでないかな。」

AKIたとえ10000円以上しようが俺はゴッドグラヴィオンがほしかったんだよぉぉぉぉぉ

BP「君、私よりかなり早めに大学合格を推薦で決めやがって、チャンスはたくさんあったじゃないか。」

AKI「確かにそのとおりだが、あの時あんな事件がおきなければ。チャンスを逃すことはなかったよぉ。」

BP「・・・あんな事件とは?」

AKI「君には話した気がしないでもないけど、知らない人のために話してあげよう。」

BP「いや〜、最近勉強ばっかりの知識を詰め込んで日常生活の不必要な記憶は脳みそから排除しつつ脳みそデータ量をあけて知識を入れていたからね。多分忘れてるよ」

AKI(呆)「そうでもしてまで勉強してないから俺には実感わかんがまあ、いい」

BP「こっちは完全変形ガオファイガーやらZOIDSコアボックスやらなんやらを蹴ってまで勉強に励んでいたから、怒りがたまりまくっていたんだよ。早く大学を決めた君のほうが幸せものさ。」

AKI(無視)「あれは忘れもしない、秋の午後。学校から帰ってきたら弟が家にいなかった。どうしたのかと思っておかんに聞いたら、とある古本屋にいったそうな。で、家に帰ってきたやつは新作のゲームをプレイしていた。」

BP「ほほ〜。何のゲームだい?」

AKI「ロッ○マン.EXE4だよ。あのゲームをやっていたのさ」

BP「アニメのラストが無茶苦茶で、最近になって朝方から始まったやつの原作ゲームですな」

AKI「・・・そのとき俺はおかしいと思った。なぜなら弟は最近金遣いが荒くて、もう新作のゲームが買えるはずがない状態なのに・・・。ぬけぬけとプレイしている」

BP「その資金源が気になるところですな」

AKI「ああ、そう思って弟をのけて、ほかの兄弟×2と小遣いのチェックをした。そうしたら・・・」

BP「やさしくて、京都にあるとある国立大学にいくほど優秀だが怪しいゲームばっかりやってる君のお兄さんが小遣いを弟にやっていたと?そりゃ不公平やね」

AKI(激怒)「そんなわけないだろううううううう!!!!」

BP「そうとしか考えられんな」

AKI隣の部屋でパソコンを使って毎夜毎夜変な声を響かせている兄貴がそんな仏様のようなことはするはずがない!」

BP「兄貴は信用するもんだぞ、君。まぁいいや。でどうなのよ。」

AKIあの糞餓鬼はあろうことか俺の財布から・・・財布から金(およそ3000円ほど)を抜き取りやがったぁぁぁぁぁ。

BP「災難やね。うちも弟になめられ放題なめられてるから気をつけないと。こっちはオタク生活をエンジョイしようと思ってるし」

AKI「災難で済まされるかぁぁぁぁ。こっちはその金で最小変形ゴッドグラヴィオンを買おうと思ってたのに」

BP「まぁまぁ、お金は返してもらえるんでしょ?」

AKIいまだに返してもらってないよぉぉぉぉ

BP「・・・・」

AKI「当日に弟をボッコボッコにしておかんに直訴したんだけど、お金は払われず。結局ゴッドグラヴィオンは予約受付開始2ヶ月後に完売」

BP「いや〜、あれは危なかった。ゴッドグラヴィオンがツヴァイ9話でゼラバイアにつかまって破壊されかけたところくらいに危なかったよ。何せ予約を土曜日にやったら月曜日に完売の二文字があったからね。(こんなんばっか)用紙が送られてこないか心配してメール送ったけど、何とか送られてきて購入できたけど。」

AKI「俺は購入できずじまいだよぉ。弟ぼこったせいで警戒されてロッ○マン.EXEを勝手に売りに出してお金の足しにしようかと思ったら、ちゃっかり隠してやがるし。」

BP「まぁ、3000円程度だったら何とか巻き返せるじゃないか。」

AKI「たかが3000円、されど3000円。3000円を笑うものは3000円に泣く。」

BP「・・・大げさな言い方ですな。」

AKI「俺はグラヴィオンを買う金をためるために行きたくもないお使いも行き、寝食削って働いても俺のがんばりは基本的に水泡に帰すのさ。(注2)」

BP「まだ10000円は残ってるんじゃないの?」

AKI「ふっ。10000円あっても足りないだろう。親戚がくれた合格祝いはものの見事に図書券だったり、現物支給だったし。その10000円はSDガンダムの鳳似帝(トリニティ)大将軍やら何やらを買って消えちまったよ」

BP「3000円はともかくとして、それって、君が悪いんじゃ」

AKI「む、確かにそうだがSDガンダムを買うための金は別にためておいたはずなのに、それもいつの間にか消えてしまった。つかった覚えはないのに」

BP「とあるお店でおいていたから、まだ望みはあるぞ」

AKI「14490円たまるまでに、おいてあったら良いけどな」

BP「所詮、おもちゃ業界は一期一会な上にこの作品は放映中で大人気だからね。そのうち売り切れるかもしれん。まぁ、おとなしく最小変形メカニックゲッター1でも買っておきなはれ。」

AKI「確かにそれでも良いかもしれんが、俺はやっぱりゴッドグラヴィオンが欲しいんだぁぁぁぁ

BP「(つくづく哀れな男)」
注1 部品作成業者の納入状況がめちゃくちゃで自社でパーツを作ることになったので、グラヴィオンの製作が遅れていた。

注2 中学生のころにPG(パーフェクトグレード)ガンダムを買おうとしたら、親や兄弟にお金をごっそり取られてしまって買えなかったらしい。今回も上の話や、入院もしたりしてアルバイトも出来ず、完売。あまりにも不憫だったので対談した後の日に、某所のボークス(ここで置いていたのだ)に代理購入しておいてやろうかなと思って様子見に行ったら、ゴッドグラヴィオンは売り切れていた。本当に元ネタのアルデバランのごとく悲惨な人・・・。

重力の使命
さて、本題の模型のほうだがサイズが小さいのに、うまいことまとまっている。

ゴッドグラヴィオンは、グランカイザーを中核にサポートメカである4機のグランディーヴァ、すなわちドリル戦車のGドリラー、ステルス機のGシャドウ、戦闘機のGアタッカー、Gストライカーがそれぞれ、両腕・胸・両足となって合神する。

GシャドウグランカイザーGドリラー
Gアタッカー Gストライカー
ディーヴァとは女神という意味です
グランカイザーが中核となりグランディーヴァと合神するシステムになっている

グラヴィオンは、重力子を原動力として重力の力で戦う巨大ロボットである。これらのマシンを操縦するにはパイロットは体内にG因子を持たなければならない。これは、体内の重力子循環に対応するための特殊酵素である。これがなければ、パイロットが重力子循環に耐え切れず、正常にメカが作動しない。

中核となるグランカイザーは、人型の特性を生かし格闘戦を得意とする。このコンセプトは、ガオガイガーのガイガーやライジンオーの剣王と似ている。

グランカイザー 前 グランカイザー 後
斗牙の乗るグランカイザー
単体だと肩が大きいのが難点

最小変形のグランカイザーは、合体機構を考慮に入れているせいか、設定画や劇中画と比べるとどうしても肩が大きすぎる印象を受ける。また、単体における可動範囲も大きさの都合で肘が動かないのでさびしいものである。

初版のグランカイザーは、手首パーツをそのままはめ込む構造となっていたが、このせいで手首がポロポロ取れてしまう欠点があった。再版されたものは、手首にジョイントパーツをはめ込む機構となっているのでこの難点はクリアされている。また、初版のグランカイザーも最小変形DX ソルΣグラヴィオンを購入すれば、再版されたものと同じ手首パーツが付属し、ジョイントパーツも新規に付属しているのでそれと交換すればよい。

各グランディーヴァの造型も抜かりなく行われているが、扱いが難しいところが結構ある。特に、Gシャドウには神経を使いたいところである。取扱説明書にも記載されているが、ゴッドグラヴィオン時の後頭部パーツや尾翼が引っ掛かって、頭パーツが割れてしまう危険性がある。

Gシャドウの変形
変形時の鬼門
画像は取り扱い説明書より

ネジが硬いと変に力が入ってパーツを壊しかねないので、ネジを緩めておくと良いだろう。それでも、スムーズに行かない場合は、尾翼の白い部分とアームの引っかかる部分をヤスリで削ればよい。シーエムズの製品のように、動かせば壊れる仕組みにはなっていないが、ガレージキットであるということを忘れてしまうと、一気に崩壊する側面もあるので注意したい。

脚部を構成するGアタッカーとGストライカーであるが、武装や旋回速度の違いなどの差異があるものの、形状は全く同一である。非公式な見分け方であるが、本製品ではネジの出ている方向で分別されている。ハーフアイの公式サイトの画像ではネジの位置が内側になっているので、これを元にすると、ネジを内側にして左足を担当するのがGストライカー、対して右足を担当するのがGアタッカーとなる。

これらのメカを保有するのが、謎の大富豪クライン=サンドマン率いるアースガルツである。アースガルツは、宇宙からの謎の侵略者ゼラバイアの脅威から人類を守るために日夜活動しているのである。

合神!ゴッドグラヴィオン
ゼラバイアは、人類を抹殺するための生命体でより効率よく人類を殺傷するために進化する。グランカイザーやグランディーヴァでは対処不可能になると、4機のグランディーヴァとグランカイザーはゴッドグラヴィオン超重合神する。ということで、超重合神のプロセスを見てみよう。ちなみに、『合神!ゴッドグラヴィオン』をBGMに楽しんでもらいたい。

まず、サンジェルマン城の司令室にいるサンドマンが合神の指令を出す。

グランナイツの諸君、合神せよ!
サンドマングランナイツの諸君、合神せよ!
ロールオーバーで画像が変わります。

サンドマンの指令が入ると、グランカイザーは合神モードに移行する。

エルゴフォーム!
斗牙「エルゴ・フォーム!

斗牙のエルゴフォームの掛け声の下エルゴフィールドが形成される。このフィールドは合神時に敵の攻撃からグランカイザーとグランディーヴァを守るバリアの役目をし、その中にグランディーヴァが入りグランカイザーに引き寄せられる形となる。

全グランディーヴァがエルゴフィールド内に突入すると、斗牙の「超重合神!」の掛け声により、合神開始される。

超重合神!
斗牙「超重合神!

まず、グランカイザーの手首パーツが内部に収納され、腕カバーが回転し肩アーマー内部に収納される。本製品では、手首パーツは取り外すことになっているが、回転機構と収納機構はきっちり収納される。

手首が引っ込む図
ロールオーバーで画像が変わります

腕パーツが収納される図
ロールオーバーで画像が変わります。

グランカイザーの腕パーツが収納されると、Gドリラーの合体に移る。グランカイザーの腕アーマーにはGドリラーとの合体モジュールが設けられており、上腕部を接続する形となる。本製品では、Gドリラーを横向きに寝かせて上腕部を差込、90度回転させることで固定する。こうすることで、ガッチリと腕が固定される。

Gドリラーの合体
ハーフアイ印のユニークな合神方法
ロールオーバーで画像が変わります。

両腕の合神が完了したら、今度は両足の合体である。まず、グランカイザーの足首を内部に収納する。

足首の収納
バンクシーンでは描かれない足首の内部収納
ロールオーバーで画像が変わります。

GアタッカーとGストライカーの主翼を折りたたみ、機首を上に上げて脚部へ合体する。合体は、戦闘機裏に設けられている爪をパーツを使いロックする。

主翼が折りたたまれる図
ロールオーバーで画像が変わります

グランカイザーに接近する図

Gアタッカーの合体
ロールオーバーで画像が変わります

Gストライカーの合体
ロールオーバーで画像が変わります。

脚部に続いて、Gシャドウが胸アーマーを形成し胸部に合体する。Gシャドウの変形は、ヒンジを使ってアームを伸ばすことで厚さが増し、グランカイザーの背中パーツの円筒状のパーツにはめ込む形でロックされる。

胸アーマーの合体
ロールオーバーで画像が変わります。

胸のエンブレム出現
さすがに胸のスフィアの展開は出来ません

各部の合体が完了すると、グランカイザーの頭の飾りが折りたたまれ、Gシャドウに備え付けられているゴッドグラヴィオンの飾りが取り付けられる。この製品では、グランカイザーの後頭部を取り外し、Gシャドウの尾翼部分と差し替える形で再現している。

頭部の合体
大きさの都合で頭部の合体は差し替え
Gシャドウの尾翼をアームを介してグランカイザーの後頭部に取り付ける
ロールオーバーで画像が変わります。

全ての部位がドッキングすると、ドリルの中に収納されていた手首を展開し重力の巨神、ゴッドグラヴィオンが完成する。ドリルのギミックはGドリラーの肝の部分で、キャタピラを下に倒しGドリラー本体を開き、ドリル部分を回転させ元に戻すギミックにしている。これにより、ドリル部分に関しては差し替えなしである。

Gドリラーの変形
ロールオーバーで画像が変わります。

Gドリラーの変形
ロールオーバーで画像が変わります。

ゴッドグラヴィオン完成!
超重合神!
ゴーッドグラーヴィオン!!


・・・あれ?
レイヴン「い・・・今のは?」

サンドマン「フッ。一度言ってみたかったのだ。」

合神すると、全高わずか13センチメートルになる。これは、ガンプラのHGシリーズよりも小さいサイズであるが、それにもかかわらず劇中の合神プロセスをほぼ再現できる。スタジオハーフアイのギミックへのこだわりが見て取れる部分である。

ゴッドグラヴィオン 前 ゴッドグラヴィオン 後
合神後の姿を優先したのか、合神後のプロポーションもすばらしい

差し替え部分がグランカイザーの手首と頭部だけなのにもかかわらず、プロポーションもすばらしい出来である。劇中では、絵の迫力を優先させた結果、作画によってプロポーションがバラバラで、上半身が比較的大きく描かれる傾向にある。しかし、最小変形のほうは実際に合神することの出来るゴッドグラヴィオンが存在するならば、このような形になるという一つの「答え」を出している感じである。

ただ可動に関しては、発売当初はあまり不満を感じなかったが最近のガンプラや他合体トイなどの可動範囲が大幅に広がっているせいで、非常に物足りなさを感じてしまう。グランカイザーのときのように腕が曲がらないということはなくなったが、スカートが共有部分なので足をあまり前に出すことが出来ない。膝や肘の可動も90度が限界なので、今の超絶可動を誇るガンプラやリボルテックなどと比べると、物足りなさを感じてしまうのは否めない。

しかし、この製品がリリースされたのが約5年前ということも考慮に入れる必要がある。そもそも、5年間のブランクがあるにもかかわらず、十分今でも通用するプレイバリューを誇っている。大きさが13センチ程度しかないのに、合神もこなせるし、当時のガンプラ並に可動するということを考えれば、かなりの出来である。昨今、合体トイの水準は上がってきているが、5年前の段階でこれだけの製品が出ているということを考えると、ハーフアイの技術力の高さが伺える。

ロケットパンチに必殺剣でしょ!超カッコイイー!!
ゴッドグラヴィオンは、各グランディーヴァに搭載されている武装を使用して多彩な攻撃を放つことが出来る。これらの武装は、グランカイザーが形成するエルゴフィールドから供給される重力子の力で大幅に威力が引き上げられており、通常兵器が通用しないゼラバイアを粉砕することが出来る。ただし、グランカイザーからの重力子循環の負荷にグランディーヴァが耐え切れなくなるので、グラヴィオンには重力子臨界ポイントが設定されている。臨界ポイントに達してしまうと、合神が強制解除されてしまう。尚、グランカイザーの重力子臨界ポイントは存在しない。

ゴッドグラヴィオンは、古今のスーパーロボットの使う武器や技を満載している。最小変形ゴッドグラヴィオンでは、劇中で使用された主な技の再現が可能となっている。それらの武装を見ていこう。

まず、腕を飛ばすことでグラヴィトンプレッシャーパンチを放つことが出来る。これは、スーパーロボットの王道中の王道の技、ロケットパンチである。ゴッドグラヴィオンの場合、アンカーで脚部を固定し、下腕部をブースターで飛ばしてゼラバイアに突貫させる。

グラヴィトンプレッシャーパンチスタンバイ!
斗牙「レフトドリラー、グラヴィトンプレッシャーパンチ、スタンバイ!」

琉菜「了解!」

グラヴィトンプレッシャーパンチ
斗牙「グラヴィトン・プレッシャー・・・

琉菜パーンチ!

もちろん、右腕も同様にグラヴィトンプレッシャーパンチを放つことが可能である。

グラヴィトンプレッシャーパンチスタンバイ!
斗牙「ライトドリラー、グラヴィトンプレッシャーパンチ、スタンバイ!」

エィナ「かしこまりましたっ!」

グラヴィトンプレッシャーパンチ
斗牙「グラヴィトン・プレッシャー・・・

エィナパーンチ!

アンカーの変形はさすがにオミットされているし、パンチを実際に飛ばすことは出来ないが、分離機構を利用してそれっぽく再現することが可能。また、このグラヴィトンプレッシャーパンチの応用として、グラヴィトントルネードパンチという技もある。これは、腕のドリルを展開させグラヴィトンプレッシャーパンチと同じ要領で射出する技である。この技は非常に難度が高く、シミュレーションでは成功させることが出来なかったが、琉菜がこの技の使用に成功した。それ以後、彼女の代名詞的な必殺技となっている。

グラヴィトントルネードパンチ
琉菜グラヴィトントルネードパーンチ!

琉菜見たか、ドリルの力!

彼女の台詞、「見たか、ドリルの力!」はこの技を見事に体現した名台詞である。最小変形シリーズでは、ドリルの変形システムが再現されているため、ギミック上たまたま出来た技である。副産物として再現された技とはいえ、こういった細かい技が再現できるのがうれしいところ。

勇者ロボやエルドランロボといったら、剣技であるがゴッドグラヴィオン単体でも剣が当然ながら装備されている。胸のエンブレムが外れて変形することでグラヴィトンソードになる。このグラヴィトンソードをブレイズアップさせることで重力子を帯びさせ、敵を一刀両断する。しかし、このグラヴィトンソードは登場してからたった1話でゼラバイアに破られてしまう。その後も何回か使用しているが、スーパーロボットの使う剣という割にパッとした活躍が与えられなかった。

グラヴィトンソード
斗牙「グラヴィトンソード!

ブレイズアップ!
斗牙「ブレイズアップ!

最小変形では、持ち手パーツに剣の部分と柄の部分を取り付けることでグラヴィトンソードを持たせる。グラヴィトンソードを使用するときは、ちゃんと胸のエンブレムが外れるようになっているところがこだわりを感じられる。

グラヴィトンソードはパッとした技ではなかったが、ゴッドグラヴィオン単体で最も活躍した技はグラヴィティクレッセントであろう。これはGシャドウの主翼をブーメランとして使用する大技である。これも同じく、重力子の力をまとわせ敵に投げる技である。第1期シリーズでは、この技を必殺技にゼラバイアをなぎ倒していった。

グラヴィティクレッセント
斗牙「Gシャドウ、グラヴィティクレッセント、スタンバイ!」

グラヴィティクレッセント、シュート!
斗牙「グラヴィティクレッセーント!

リィル「シュート・・・」

クレッセントをつかませるときも、Gシャドウの主翼パーツが外れるようになっている。主翼が邪魔をしていて可動に制限を与えていたので、この武器を使用するときは必然的に可動範囲が広くなり、ポーズが付けやすい。

これらのほかにも内蔵されている飛び道具としては右足にグラヴィトンミサイルを、左足にはグラヴィトンレーザーを搭載している。またGドリラーの大砲も使用することが出来、これはグラヴィトンバスターと呼ばれる。また、額からは高出力のビーム攻撃、グラヴィトンアークを放つことが出来る。

グラヴィトンアーク
斗牙「グラヴィトンアーク!

また、手持ちの武器としてはムチ状の武器、グラヴィトンバイパーとライフルのグラヴィトンライフルが脚部に内蔵されている。これらは使用頻度が少なかったためか、製品においては付属しない。

このように、手持ち据え置き武器ともに豊富な武装を誇るゴッドグラヴィオンであるが、進化するゼラバイアの前に各々の武装が通用しなくなっていく。グラヴィオンがピンチに陥ったとき飛来したグラヴィオン最強の武器が、しろがねの牙、超重剣である。これは、エルゴストームで敵の動きを封じ込め、超重斬で空間毎敵を切り裂く必殺の剣である。絶大な威力を誇る武器であるが、グランナイツ6人が全員揃っていなければ使用することが出来ない。

最小変形 ゴッドグラヴィオンでは、スタジオハーフアイ直販で買うとおまけとして付属する。グラヴィトンソードでは、劇中のイメージもあってパッとしないが、この武器を持たせるだけでゴッドグラヴィオンが数倍格好良くなるので、ぜひとも直販で買いたいものである。

超重剣
サンドマン超重剣、召来!

超重斬!
斗牙「超・重・斬!

エルゴ・エンド
斗牙「エルゴ・・・エンド!」

合体にロケットパンチに必殺剣といった男の夢とロマン満載のスーパーロボットであるゴッドグラヴィオンをわずか13センチの大きさで再現した最小変形 ゴッドグラヴィオン!発売からだいぶ時間が経過したが、その変形へのこだわりとギミックは今尚色あせない。

何度か再版されているゴッドグラヴィオンであるが、それでもマニア向け商品ということで数が少なく、入手は難しい。ただ、2008年になってスーパーロボット大戦Zにグラヴィオンシリーズが参戦するということで、再版がかかる可能性が高い製品である。扱いに気をつければ非常に遊び応えのある商品なので、再版されたり店頭で見かけたりしたら、がんばって購入してみてはどうだろうか?

尚、この製品が届いた当時に携帯電話でゴッドグラヴィオンの画像をAKIに見せたら、次のようなメールが帰ってきた。

「俺のターゲットはすでにマーミット超合金DXゴッドグラヴィオン(注3)に心移りしたもんね〜。(;-;)だからうらやましくもなんともないもんね〜(;−;)」

(;−;)に哀愁をひしひしと感じまくった当時の私だった・・・。

注3 30センチの大きさでアニメのモチーフにかなり近くて、これはこれで格好良い製品だった。最小変形ゴッドグラヴィオンは半年で完成したのだが、こちらは1年以上経過した今でも更新されず、いつの間にかなかったことにされた製品である。
史上最強、最凶最悪の敵!?AKIの弟
それから1ヶ月後、AKIにとってうれしいお知らせが来た。「最小変形グラヴィオンシリーズアルティメットプロジェクト」と銘打ち最初変形 ゴッドΣグラヴィオン(仮)最小変形 ソルグラヴィオン(仮)の発売を決定!なおかつすべての最小変形シリーズをそろえるとツヴァイ最終回に出てきたアルティメットグラヴィオンに究極合神するというびっくり企画だった。

ゴッドグラヴィオンが届いた数日後に「ゴッドグラヴィオンすばらしいできでした。欲を言わせてもらうとソルグラヴィオンを出してほしいです。アルティメットまでは要求しません、予想外だっただろうので。」などと、最後のあたりSHEの人に失礼なメールを送ったのだが(ハーフアイの皆様ごめんなさい)、そのことを恥じる結果になってしまった。こんな失礼なメールをしてしまったお詫びに、私はすべてのグラヴィオンを買うことを誓った。

そして、その布石としてゴッドグラヴィオンの100個限定販売を決定。お金に余裕があったAKIに購入を勧めた。おもちゃマニアの間では「後から後悔するよりも、買ってから後悔せよ」という格言があり、要は「売り切れてから後悔するより、ほしくなったらさっさと買え」という意味である。確かに正論だが、こういう気質だからつんどくモデラーやごみが増え(略)

対話でもあるように完全変形ガオファイガーで悔しい目にあった私はAKIを徹底サポート。申込書を作ってあげ、書き方を教えて、FAXもしてあげた。その2日後100個あったグラヴィオンの予約枠はいっぱいに。発表から1週間で売り切れたのだ。
これで後はお金さえ振り込めばよしというところでまたしても悲劇が起きたこともあろうか、弟が迷惑な広告のお手紙と間違えたのか燃えるごみを燃やしていたお母さんに渡して完全に焼却してしまったのである!

ハーフアイに連絡すれば何とかなると私は言ったのだが、AKIはあまりのショックで完全に立ち直れなくなり、グラヴィオンのビデオをすべて処分してしまったらしい。そしてアニメとの決別を決めた。(ただし、案の定すぐに戻ってきたが

このことを聞いた私は愕然とし、AKIとその弟は前世で何かあったのではないかと思わずに入られなかったのであった。

グランΣ、発進する!(最小変形 ゴッドΣグラヴィオンのコラムへ)

炎皇、召来!(最小変形DX ソルΣグラヴィオンのコラムへ)

エルゴ・・・エンド!(もどる)