BRAVE合金 ガオファイガー
ダイキャスト製変形合体フィギュア
シーエムズコーポレーション製
価格19845円(税込み)
相変わらずの悪役面でも、僕らの新生勇者王
地上の栄光ある集大成
勇者シリーズ最後発である「勇者王 ガオガイガー」は、子供向けロボットアニメという同シリーズのコンセプトから大きく外れ、高年齢層のファンを多く獲得した。このことに起因して、この作品は色々と外伝漫画や小説が数多く出版された。
そして1999年、放映終了から2年経過してついにOVAシリーズとして展開された。それが「勇者王 ガオガイガー FINAL」シリーズである。これはもともと全8巻という縛りで、テレビシリーズのその後の戦いを描いたものである。タカラがスポンサーで、そのことで色々と縛りがあったのだが、このOVAシリーズでは製品化を度外視したメカが色々と出現している。また、前後で展開していたオリジナル小説、「獅子の女王(リオン・レーヌ)」にて登場したキャラクターが新たに加えられ、展開がスタートした。
このシリーズは、3ヶ月周期で1本のDVDが展開される予定であったが、スタッフのスケジュールの都合で展開が1年間停止したり、再開と同時に展開した話が主役のガオガイガーがほとんどでてこなかったりと大変なことになっていた。1999年にスタートしたこのOVAシリーズの終了は2003年の初頭であった。また、期間が長い割りに話の数がかなり少ない。そのせいで、設定の矛盾が目立ち、話も詰め込みすぎ感がぬぐえない。このせいか、OVAの評価はあまり高くなかったりする。
また、2005年に突入して「ガン×ソード」の製作期間を稼ぐために、テレビ東京で「勇者王 ガオガイガーFINAL GRAND GLORIOUS GATHERING」と銘打ち、テレビシリーズとOVAシリーズと同じ制作スタッフが手がけたアニメ「ベターマン」と絡めて、再編集されたものが全13話放映された。また、このシリーズのDVDボックスのディスクZには続編を匂わすような映像特典が、封入されている。
20世紀最後の正統派ロボットアニメということで、高い評価を得ているガオガイガーであるが、21世紀に入ってからも未だに展開され、また新たなファンを獲得しているのである。
勇者王新生!
さて、機界新種の脅威を退けたGGGであったが、彼らの戦いは休むことなく続けられていた。地球外からの危機は一応退けたものの、未知のオーバーテクノロジーは人類自体が脅威になりえる要因を作ってしまうことになる。護少年がギャレオンで旅立った後は、GGGは世界規模の犯罪シンジゲート、バイオネットとの戦いに身を投じることとなる。このバイオネットは、ひそかにゾンダーが活動していた頃も、暗躍しており、凱のいとこのルネ=カーディフ=獅子王(注1)が追いかけていた。テレビではまったく出演していなかったが、外伝小説「獅子の女王」とドラマCDでテレビシリーズとのかかわりが確認できる。
ギャレオンを失った国連は、地球外からの脅威を跳ね除けるために新たなスーパーメカノイドおよびディビジョンフリート建造計画を発表する。それがガオファイガープロジェクトである。そして、このプロジェクトの元建造された地球を守る新たなメカノイドが、ファイティング・ガオガイガーことガオファイガーなのである。
ガオファイガーは、機界新種戦を経て生機融合体となり、細胞一つ一つにGストーンを宿した超進化人類エヴォリュダーガイと、ギャレオンに代わる新型メカファントムガオーがフュージョンして完成するガオファーを中核に、同じく新規で開発された3つのガオーマシン、ドリルガオーU、ライナーガオーU、ステルスガオーVがファイナルフュージョンして誕生するファイティングメカノイドである。
どれもGストーン以外は純地球製
うれしいことに今回は白とびなし!
子供向けのおもちゃを売るという制約から、解放されたためか、まずライオンから変形するロボットというものを廃止。中核となるメカを戦闘機みたいなメカから変形するロボットに変更。さらに、ライナーガオーはシャトルのような乗り物に変更されている。ライナーガオーUに関しては、これではロケットガオーじゃないかという突っ込みは入れてはいけない。子供向けであった要素をどんどん排除して行っている。
このガオファイガーは、「ファイティング」と名づけられているように、純粋な戦闘用のメカノイドである。ギャレオンとGストーンという未知のオーバーテクノロジーに依存した不安定な存在であったのに対し、このガオファイガーは純粋な地球製で、そのスペックもガオガイガーを大幅に上回っているのだ。
このガオファイガーを新たに投入したGGGは、バイオネットと熾烈な戦いを繰り広げることになる。
注2 獅子王雷牙博士の娘で、凱のいとこにあたる。バイオネットに母を殺され、自身もバイオネットのサイボーグにされて命が危ういところをシャッセールに保護され、雷牙博士の手によりGストーンのサイボーグとして蘇る。母を捨てた雷牙博士を憎んでいたが、徐々に和解しつつある。
世界十大頭脳も苦労した!ガオファイガー開発史
さて、このガオファイガーであるが立体化を前提に入れていないため、あちこちに矛盾点が存在している。まず、ガオファーの変形であるがこのOVAが出ていた当初の技術では完全に変形させるのは至難の業であった。まず厄介な点なのが太ももパーツのスライドであろう。この部分は、当時の技術だと強度不足でなかなか再現できなかった。
また、ガオファーの変形バンクを見ればわかるのだが、ファントムガオーの後ろの大きな翼がいつの間にか消えている!これは、デザイナーの人いわく本当に消えているそうだ。実は、単なるデザイナーのポカで、翼の変形を考慮に入れていなかったらしい。立体化が考えられていなかったとはいえ、矛盾だらけのファントムガオーであった。他にも、ガオファーのときの肩アーマーがガオファイガーのときの胸アーマーになったり、ライナーガオーUの貫通や、ステルスガオーVとの合体はどこで行われているのかという謎が数多く存在している。
製品化が考慮に入れられていないと、デザインをかなり重視できるので、物理的な制約が吹き飛ぶ。このせいで、ゲッターロボほどではないが、商品化したいメーカー泣かせのキャラクターとなってしまった。しかし、そんなキャラクターに挑戦する企業がたくさん存在している。
このガオファイガーの過去の展開であるが、ユージンが精力的に商品をリリースしていた。その最たる例はマスターアクションシリーズであろう。当時、ユージンに所属していた開発者の宮崎氏が勇者シリーズ好きということで、タカラからの展開が終了した後はユージンから商品が開発されていた。このシリーズは、塩ビ製のアクションフィギュアで変形合体を省いたものである。大きさは大体15センチくらいで、いろいろなアクションポーズをつけられるので話題となった。ただ、展開がかなりシビアで色を変えたり、一部のパーツを変更したりして様々なバリエーションを多く販売した。全部そろえるのはかなり厳しいものである。
また、同社からマスターアクションDXと銘打ち、変形合体できる製品が発売された。お値段は13000円程度で、タカラから発売されていたDXガオガイガーと同じ大きさである。こちらも、色々なバリエーションが存在している。まず、この製品はツールセットも発売されていて別売りの非変形ゴルディオンハンマーとディバイディング、ガトリングドライバーのセットが出ている。また、トイザラス限定のツールセットとセットになった製品では、ウルテクエンジンの部分がクリアグリーンのステルスガオーVとマスクが取れた状態の頭パーツが付属している。
また、OVA最終巻では「金色の破壊神セット」と銘打ち、金メッキですべてのパーツが加工されたガオファイガーがセットにされて発売された。
このように書くと、なかなかすばらしい製品に見えるのだが、実はこの製品はとんでもない代物になっている。ガオファーの変形とガオファイガーへの合体がほとんど差し替えなのである。ガオファーへの変形は、両腕と両足全体を一度取り外して、ロボット用の両腕と両足を取り付ける。また、頭は収納されずにあとからつけたし。合体するときもガオファーの腕をはずして、ライナーガオーUを横からくっつけるという簡素極まりないもの。当然、合体時の頭にかぶせるのではなくて、頭部パーツも付け替え。完全変形しているのはドリルガオーUだけという合体ロボットおもちゃという側面だけを見れば、最悪級の代物であった。
開発者の宮崎氏いわく、「20000円の価格なら、完全変形に出来た」とのことだが、これでは変形合体好きの人には13000円出すのは難しいものとなった。ただ、無理な変形をせずに差し替えにしているので、プロポーションが良いことと、タカラのガオガイガーと並べられること、そして何よりタカラのゴルディーマーグを腕に取り付けられるということで、発売当初は結構な人気の製品であった。
そして、ついに完全変形するガオファイガーがガレージキットとして発売された。(注2)私の超憧れ、「完全変形 ガオファイガー」である。こちらは、税抜き価格59800円という恐ろしい値段なのだが、その値段に見合うすばらしいギミックを有している。ガオファーへの変形はもちろん差し替えなしだし、ライナーガオーUはガオファーを貫通するし、ドリルニーは劇中どおりボタン一つで飛び出すし、ステルスガオーVは接続パーツが完全に収納されるのに、かなり薄いと文句なしであった。また、ガオファイガーの合体バンクを完全に再現するため、Gストーンがせり出すという離れ業までやってのけた。さらに、合体するにもかかわらず、ヘルアンドヘヴンも再現できるときた。これは2005年の秋に再販されたが、筆者は未だに買えないでいる。中にはプロポーションが気になるという人もいるが、値段の高さだけが欠点という空前絶後の商品であった。また、この商品に対応した「完全変形 ゴルディーマーグ」が発売されている。
そして、2004年も終わりになるとシーエムズコーポレーションがBRAVE合金シリーズを展開し始める。筆者が全シリーズを紹介しているが、初期作のガオガイガー、そのパワーアップセットでゴルディーマーグ+スターパーツ、DXの反省を生かしたジェネシックガオガイガー、地雷だらけのゴッドライジンオーと続き、BRAVE合金ガオガイガーシリーズの集大成という位置づけで発売されたのがこれから紹介するBRAVE合金ガオファイガーである。
まず、2005年のキャラクターホビーショーでシルエットのみが公開されたが、2006年の12月の米タニ監督主催のウェブラジオで宮崎氏が登場し、プライヤーズとセットで詳細が紹介された。最後発の製品ということで、数々の「遊びのギミック」を取り入れた品であるとラジオの中で明かされていたが、その後の電撃ホビーマガジンで、ついに商品の詳細が明かされたのであった。それによると、ガオーマシーンはBRAVE合金ガオガイガーの使い回しではなく完全新規造型で、スイッチを押すとドリルニーが伸びるというどこかで聞いたようなギミックが紹介されていた。また、その次の号では彩色された写真が掲載されており、ゴルディーマーグとのコネクトおよびマスクの開閉ギミックがあるという発表がなされた。
そしてその後、製品の発表がなかなかなかったのだが、ついに2006年7月の中旬にネット通販でガオファイガーの予約が始まったのである。春発売予定だったプライヤーズが8月に延びてしまった都合からか、その翌月の9月29日に発売が決定された。いつものシーエムズクオリティな商品になるのか、最後発らしいすばらい出来なのか、それを見ていこう。
最後発のBRAVE合金ガオファイガー!
その出来やいかに・・・?
注2 この製品が発売される以前にも、伊藤霊一氏原型で「壮絶合体 ガオファイガー」というガレージキットがコトブキヤから発売されていたが、このキットもほとんどの変形は差し替えであった。また、非変形ながら同社より「壮絶合金 ガオファイガー」という合金アクションフィギュアも発売されている。
バイオネットもほしい!新型メカノイドと新型ガオーマシン!!
新型ガオーマシン4機自体はすでに形が出来ていた。しかしながら、新型ファイナルフュージョン機構に必要なプログラムの開発が遅れていたため、ロールアウトがかなり遅れていた。世界十代頭脳も苦労したプログラムは、バイオネットによって生み出された天才少女アルエットを保護し、獅子王博士すら上回る頭脳を以って合体プログラムが完成された。この話は、テレビシリーズとOVAをつなぐ話が、外伝漫画で掲載され、バイオネットがファントムガオーとガオーマシン3機の争奪戦をGGGと繰り広げた。最終的に香港での戦闘でガオファイガーは初起動することになる。また、初起動の戦闘の1カットがOVA第5話で出ている。
バイオネットも盗んでまでほしい新型メカノイドとガオーマシンであるが、この商品では先にも述べたように、最初のガオーマシンのリデコではなく新規造型で作られている。
まず、中核をなすファントムガオーであるが、劇中のプロポーションにかなり近い仕上がりである。残念なのは、腕と足をつなぐためのジョイントがないので、少し安定感に欠ける点。また、後ろの翼が取れやすいのも難点である。ファントムガオー単体の機能では、光学迷彩によるステルス機能であろう。フュージョンするときも光学迷彩で隠れながら変形するので相手に捕捉されない。もっとも、バンクではきっちり視聴者に変形を見せてはいるが。
モチーフ不明のステルス機
公式ホームページでも売り文句として出ていたように、完全変形する。まず、製作者をして消えていると言わしめた翼の部分であるが、こちらはスタジオハーフアイのものと同じく翼を折りたたんでガオファイガー時のフロントアーマーの裏に収納される。せっかくなので、その変形過程をお見せしよう。
フュージョン・・・
ロールオーバーで画像が変わります
ロールオーバーで画像が変わります
ロールオーバーで画像が変わります
ロールオーバーで画像が変わります
ガオファー!
可動は今までのガイガーなどと一緒である。股関節が硬いので変形に苦労させられるが、かなり良い出来。ファントムクローも可動するので、劇中どおりのアクションを取らせてみよう。惜しむらしくはガイガーのときにあった平手がオミットされているところ。変形時の指を開いた状態の平手があったらバンクシーンの再現がもう少し強化されたのだが。
プロポーションに関しては、頭を内部に収納するというギミックがあるにも関わらず、前のガイガーよりも大きなものとなっている。これはファイナルフュージョン時に大いに関係するギミックがあるので、必然的に大きくなったものと思われる。ただ、プロポーションはかなり改善されたので好印象。尚、旧ガオーマシンと合体させるときはガオファー専用のガオガイガーマスクが付属しているのでこれを使用する。
ドリルが凶悪になったドリルガオーU
ガオファイガー時の足首の強度に少々不安があるので注意
ドリルガオーUは、ドリルガオーとほとんどギミックが変わっていない。キャタピラ部分もゴムで再現されており、コロ走行が可能。本体をつなぐジョイントが一つ増産され、後述のドリルのギミックを除けば、ギミックにおいてはドリルガオーと同じである。
通常時はもはやライナーですらないライナーガオーU
ライナーガオーUはそれ単体では何のギミックもないが、劇中どおりのイメージで好印象。合体時にギミックが集中しているので、合体のときに紹介しよう。尚、ki-pa氏の報告によると、ライナーガオーUのカナードの受け軸部分がテンションにより白くなっていたそうな。この部位は完全変形ガオファイガーのときも強度に不安があって改修されたくらいの部位なので、取り扱いには気をつけたい。
画像では少しわかりにくいが、受け軸が白くなってる・・・
形は似てるように見えてかなり変更されているステルスガオーV
ステルスガオーVは、従来のステルスガオーと同じく専用の底蓋パーツが付属している。このパーツをつけることで、劇中どおりのステルスガオーVにできるし、完全変形にこだわりたい人は頭パーツを残すことが可能。ただし、頭パーツの構造が今回は前回と違ってギミックが追加されもろそうなので、取り扱いには十分注意したい。前のステルスガオーから改良された点は、頭を取り付けた状態でも頭が落ちるようなことはなくなった。
各ガオーマシンは、単体では総じて最初のBRAVE合金ガオガイガーと同じ構造である。シーエムズは造型面に関しては優秀な部類なので、単体で飾る分には十分な出来であろう。
君たちがそう言うのなら・・・ファイナルフュージョン承認っと
ガオファイガーへのファイナルフュージョンは、防衛庁の天下りの八木沼範行新長官がファイナルフュージョン承認判子をモニターに押すことで承認シグナルが転送される。OVA第1話では承認を下すのに時間がかかっていたが、OVA第2話(GGG第3話)ではゴルディオンハンマー承認を的確に判断を下していたので、有能とはいえる。そして、現場に急行している新型ディヴィジョン艦ツクヨミでオペレーターをしている命がプログラムドライブを行うことで始動する。
ファイナルフュージョン!
プログラムが起動すると、ファイナルフュージョン開始である。まず、ガオファーの腹部にあるシャッターが開き、ファントムチューブが展開される。ガイガーのときはEMトルネードであったが、こちらは物理的防御力ではEMトルネードに劣るものの、妨害電波などは完全にシャットダウンできる。さらに、前のファイナルフュージョンではEMトルネードの気流に各ガオーマシンが乗る形であったが、今回は新規に開発されたプログラムリングをガオーマシンがたどることで、成功率を高めている。
スタジオハーフアイの完全変形ガオファイガーではこの部分は抜かりなく再現されていたが、BRAVE合金でも同様にシャッターを展開させることが可能。仕組みはシャッターの横部分を押し、シャッターを回転させれば、裏表がひっくり返り、裏側の発生装置部分が露出するのだ。展開装置部分は銀メッキで加工されており、発光しながらリングを出すという雰囲気がかもし出されている。
前のガオガイガーと同じくドリルガオーUの先端の赤い部分を上にずらして、ガオファーの足を挿入する。
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続いてライナーガオーUとの合体である。ライナーガオーUのほうはロケットの部分を切り離し、一直線、つまり列車(ライナー)の状態に変形する。このロケットを切り離すギミックは、ライナーガオーUの後方真ん中の部分を押すとスプリングで勢いよく外れる。完全変形ガオファイガーでもロケットきり離しのギミックが採用されていたが、BRAVE合金版でもこのギミックも解釈を変えて、そつなく再現されている。
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ガオファーの腕がくっついている胴体側面部分が展開し、空洞が出来る。この展開はギアを使っていて、片方を開くともう片方も連動して開くようになっており、前のガイガーよりもギミックがブラッシュアップされている。
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このライナーガオーの合体は、ガオガイガーのときはうまく固定されずに左右にずれてしまう問題があったが、今回はうまく固定できるようになっている。ただし、今度は接続を優先させすぎた影響か、接続がタイトになってしまって差し込みにくく、なおかつはずしにくくなってしまった。ライナーガオーUはヤスリなどで削って加工する必要があるだろう。
ライナーの形が変わっても抜かりなく合体のキモの部分も再現
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続いて、ステルスガオーVがガオファーの背中に合体。今回の接続ジョイントは従来のものとは違い、ガオファーの肩可動軸の隙間に挟み込むという方式に変更されている。ただ、こういう合体にしたので、安定性には疑問が残る。さらに、接続部分のジョイントがかなり薄い出来なので、強度にも不安が残る。強度が心配な人は、ステルスガオーUとガジェットガオー用に用意された補助パーツを使ってステルスガオーVと合体させたほうがいいかもしれない。
上からステルスガオーVが降りてきます
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ステルスガオーVとの合体が完了したら、ガオファーの肩アーマーが胸の付近に移動。さらに、ステルスガオーVのダクト部分がわき腹に移動する。この商品では、ダクト部分にジョイントがあるのだが、固定しにくいので注意。さらに、ダクトも劇中に比べて圧倒的に小さいのが残念である。そして、ガオファーのファントムリング射出口が閉じる。
ロールオーバーで画像が変わります
ロールオーバーで画像が変わります
そして、ライナーガオーUから二の腕部分が出現し、ステルスガオーVのエンジン部分が、スライド。拳が出てくる。前のガオガイガーでは、橋渡しに二の腕の部分をエンジン部に届かせることが出来たのであるが、今回は二の腕が長すぎてエンジンポッド部分にあわなくなってしまっている。一度、エンジン基部を取り外してつけてしまおう。
回転はしません
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最後に、ステルスガオーVに収納されていたガオファイガーのマスクがガオファーの頭にかぶさる。今回は、マスクパーツが開閉するようになっており、合体したときの再現が出来るようになっている。これは、前の製品のガオガイガーでは再現されていなかったが、ガオファイガーになって初めて搭載されたギミックである。尚、額のGストーンはせり出さない。
例の効果音でGストーンがせり出したと脳内補完してください
ロールオーバーで画像が変わります
力強い雄たけびの元、新生勇者王が誕生する。
ガオッ!
ファイッ!
ガーッ!!
このシーンで、左拳にGストーンのマークが浮き出ているが、このシーンを再現した拳パーツが初回限定で付属している。
第1話では恒例の小林清志によるナレーションが入る。
あらゆる
脅威から
人類を
守るため
新生した
ファイティングメカノイド
その名も・・・
勇者王
ガオファイガー!
ガオガイガーとほとんど同じ合体プロセスをたどっているが、物理的に矛盾が多いといわれていた合体プロセスを差し替えナシで完全再現しているのがすごいところ。スタジオハーフアイからギミックを借用したと思しきところは見受けられるが、完全変形ガオファイガーよりも安くで完全変形を実現させたところは好印象である。遊んでて楽しい一品であろう。
勇者の王たる力
気になる合金比率であるが、残念なことにガオファーの胴体部分と脚部だけダイキャスト製である。ジェネシックガオガイガーやライジンオー並の合金比率を期待されていたが、今回はかなり少なめ。今回はガオファーにドリルガオーUを装着するギミックは存在しないので、せめてドリルガオーU本体にダイキャストを使用してほしかったところ。これではBRAVE合金ガオファー+DX新ガオーマシンである。ただ、ガオファーの肩アーマーのヒンジ部分とそれを受ける部分はダイキャスト製なので、壊れにくくなっている。材質を的確に選べている良い事例がこの部分。
ガオファイガーは前のガオガイガーの改良発展型であって、初代ガオガイガーに出来たことはすべてできる。さらに、フュージョンしているエヴォリュダーガイの特性を生かしたエヴォリュアルウルテクパワー(注3)で出力はスターガオガイガーを大きく上回る。では、そのギミックをそれぞれ見ていこう。
スターガオガイガーのときはかなり大型だったウルテクエンジンポットはかなり小型化が進んでいる。普段はステルスガオーに折りたたまれているが、空中を飛ぶときはこのウルテクエンジンウィングが展開する。このギミックはユージン時代から再現されており、このBRAVE合金ガオファイガーでも当然のごとく再現できる。さらに、ウルテクエンジンを展開したときはウィング部分が緑色になるのであるが、この製品ではその再現のためにウルテクエンジンを覆うための緑色のカバーパーツが付属している。ユージン時代では独立した商品でなければ再現できなかった部位であったので、うれしいところ。
あの大きかったエンジンポッドがここまで小型化しました
GGGの技術力は世界一ィィィィィッ!
敵が犯罪組織ということもあり市街地での戦闘が多くなるので当然のごとくディバイディングドライバーが用意されている。今回のディバイディングドライバーはヘッド部分が換装できるようになっており、メンテナンスの効率と空間の湾曲率の設定効率を飛躍的に上げている。使用したあとは、ヘッドを交換すれば連続で使用することも可能。さらに、ガトリングドライバーにもすぐさま変更が効くという効率の良さを誇っている。ここはぜひ、命のせりふを叫んでディバイディングドライバーを飛ばしたいところ。
本商品では、劇中にあわせてヘッドが選択式になっている。ディバイディングドライバーもしくはガトリングドライバーのどちらかを選択して、装備させたい。
ドライバー分割図
ディバイディングドライバー!
バイオネットの魔の手からパリの市街地を守れ!
ガトリングドライバー!
迫り来る国連のCR部隊を捕縛し、三重連太陽系への活路を開け!!
ガオファイガーで進歩したところはドリルニーであろう。これはドリルガオーUの赤いボタンを押すことにより、ドリルが展開。さらに、各節が独立して回転できるようになっている。ただし、ボタンを押し続けなければ展開状態が維持できないので注意したい。また、ドリルの展開も垂直には展開されず、2段目以降は斜めになってしまうのが残念である。
ドリル展開状態
スタジオハーフアイのほうが1歩上手でしたね
スターガオガイガーでは、ウルテクエンジンポッドについていたリングの力でブロウクンマグナムとプロテクトシェードをパワーアップさせていたが、ガオファイガーではガオファーにリング射出機能を付与させたので、大幅な小型化に成功している。さらに、前のガオガイガーのリングは物理的なものであったが、ガオファイガーのリングはエネルギーで作られているため、連射が効くようになっている。さらに、リングが破壊されてブロウクンファントムとプロテクトウォールが使用不能になるという事態も避けられるようになった。
本商品ではプロテクトウォール専用のエフェクトパーツが付属している。ただし、これはガオガイガーのプロテクトシェードの使いまわしである。もう少し、変わった趣向を取り入れてほしかったものだが。
ロールオーバーで画像が変わります
プロテクトシェードと同じくビームの反射機能付き
また、ブロウクンファントム専用のエフェクトパーツも付与してほしかったところ。OVAのオープニングでも景気よく「剛腕爆砕」とシャウトされていた重要技ではずな上に、OVA第2話(GGG第3話)のブロウクンファントム対決の再現が出来ないのはさびしいところである。
さらに、このガオファイガーはシリーズのお約束として、ヘルアンドヘヴンが再現できる。今回は、平手パーツと組み手パーツが両方用意されているので、ガオガイガーと同じくヘルアンドヘヴンの再現が可能。上腕部に可動部分があるので、そこで内側に寄せることが出来る。ただし、機体に負担がかかり、使用者の体力と精神力が削られるのは仕様・・・。
ヘルッ!
アンドッ
ヘヴンッ!
ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ
ロールオーバーで画像が変わります
フンッ!
うおおおおおおおおおお!
また、別売りのパワーアップセット付属のゴルディーマーグとも当然のことながら合体可能。ただし、ゴルディオンネイル持ち手は手首径が合わないため装着することは出来ない。
ゴルディオンハンマー
釘がもてないのが残念
また、2006年8月に発売されたプライヤーズともツールコネクトできる。
さらに、ガオファイガーには隠し機能として旧ガオーマシンとの合体機構がある。こちらは、ステルスガオー(U)との合体に補助パーツをつける必要があるが、隠し設定の状態も再現できるようになっている。
また、設定にはないがジェネシックマシンとの合体も可能。こちらは、ブロウクンガオーとプロテクトガオーを差し込むための補助パーツが付属している
このように、単体ではかなりのギミックを誇り、まさに「遊びのための」商品となっている。いつものシーエムズクオリティが少しばかり炸裂しているが、バクリュウオーのように致命的なミスはないので、かなりお得な商品である。
この後の展開としては、GGGのDVDボックス特典のDisk-Zに収録されているおまけおまけ映像で登場する新たなメカノイド凱号がBRAVE合金で発売される予定。さらに、この凱号とステルスガオーU、ライナーガオーU、ドリルガオーUがファイナルフュージョンしたガオガイゴーになるという情報が出ている。今後の展開にも期待したい。
注3 弾丸Xを応用した新メカニズム。ガイの細胞のGストーンを弾丸Xの技術で活性化させることで、瞬間的に出力を上げることが出来る。ただし、過度の使用はガイの命を削ることになりかねない。
vs
勇者王vs勇者王!?
まさかの対決!
勝つのはどっちだ!?
破壊は新たなゼロへの希望、無限なる可能性への挑戦(BRAVE合金 ジェネシックガオガイガーへ)
ガオファイガーのエヴォリュアルウルテクパワーを見せてやるぜ!(もどる)