BRAVE合金 ジェネシックガオガイガー
合金製変形合体フィギュア
シーエムズコーポレーション製
価格21000円(税込み)
完全に悪役の格好だが、僕らの最強の勇者王
勇者王!最期の刻!
破壊神同士の壮絶な戦いの後に、突如出現した戒道幾巳は木星決戦のあと、キングジェイダーとともに消滅したと思われていたが、ザ・パワーの力によりボイドと呼ばれる宇宙全体を見回せる宇宙の辺境まで飛ばされていたのであった。そこで、ジェイアークが観測したのは宇宙収縮現象であった。宇宙が光速を超える速度で収縮している原因を突き止めるため、ジェイアークは収縮の中心に向かった。そこは、意外なことに木星であった。
木星周辺で、何故か倒れていた護少年からパスキューマシンを託される。その直後に何者かに敵襲を受ける。ジェイアークはESミサイルで別次元に転送され、護少年もいずこかへ消えていたのであった。
話を聞きつけたGGGは、宇宙収縮現象を食い止めるために、GGGはギャレオリア彗星(注1)を超えて三重連太陽系へと向かった。しかし、敵のソール11遊星主(注2)のパルパレーパのケミカル攻撃によってGGGの戦意は喪失。大河長官や火麻参謀まで平和ボケ状態にされてしまい、動けるのはGストーンのサイボーグルネとエヴォリュダーガイだけであった。
ガイはGストーンの導きで、ソール11遊星主と遭遇。ガオファイガーでパルパレーパに立ち向かったが、緑の星の指導者カインの乱入により、勇気が信じられなくなりそれが元で敗北。ガオファイガーのヘルアンドヘヴンは、パルパレーパ・プラスのゴッド・アンド・デビルに打ち砕かれてしまった。
衝撃!勇者王敗北!!
5話目のアバンタイトルで、上半身を吹き飛ばされてもドリルニーを繰り出したものの、足関節を破壊され、あえなく爆砕。人類の英知の結晶ガオファイガーは、かくして敗れ去ったのだった。
その後、ガイはこめかみにケミカルボルトを打ち込まれ、ソール11遊星主の尖兵にされてしまう。ガオファイガーのレプリジン(注3)を使用して、復活したキングジェイダーと激突する。他の操られていた勇者ロボ軍団が、正気を取り戻しその身を犠牲にガオファイガーを止めた。
その後、護君と命による三位一体の浄解でガイは完全復活。その直後、ジェイアークが遊星主の奇襲にあって、看板に横たわっていたレプリジン・ガオファイガーは、またしても木っ端微塵に吹き飛ばされてしまう。(本当に良いとこなしやな)しかし、ライナーガオーUの脱出機構を使用して凱達は月のレプリジンにあるGクリスタルへと向かった。そこには、ギャレオンの懐かしい姿が!このGクリスタルで、ギャレオンは本来の姿を取り戻すために調整を受けていた。緑の星にはガオガイガーの原型ともいえるメカノイドが存在していたのだ。それが、ジェネシックガオガイガーである。
注1 実は、このギャレオリア彗星は3重連太陽系のある宇宙と我々の宇宙をつなぐ次元ゲートだったのだ。
注2 三重連太陽系再生プログラムのこと。彼らの目的は機界昇華されてしまった三重連太陽系の再生である。その目的のためにギャレオリア彗星を利用して、宇宙を構成する暗黒物質を吸収。結果吸収された宇宙は収縮をはじめてしまう。これを食い止めるためにGGGはギャレオリア彗星を超えてやってきたのだ。
注3 レプリジンとは複製の事。三重連太陽系再生プログラムの物質再生装置と、パスキューマシーン、そしてソール11遊星主の一人ピサ・ソールの3つの要素が揃うことででレプリジンが生まれる。ばらばらだったQパーツを護君のレプリジン組み合わせて完成させたパスキューマシーンの力で、偶然地球のレプリジンが誕生したのだ。3つの要素が揃わないと複製は不安定になり、生物はほとんど消滅したが、それ以外は複製に成功できたので、レプリジンの地球にはガオファイガーや勇者ロボ軍団のレプリジンも存在している。ちなみに、レプリジンはオリジナルと比べて色素が低下している。
我が名はG(ジェネシック)
まず、「ジェネシック」とはどういう意味なのか解説しよう。ジェネシックは、この作品オリジナルの造語で、由来はラテン語のGenesisから来ている。この単語の意味は「起源」である。それを英語っぽく形容詞化したのが、「ジェネシック」というわけなのだ。というわけで、ジェネシックとは「ガオガイガーの起源」、つまりはオリジナルの姿というわけである。
ジェネシックガオガイガーは、ライオン型のジェネシックギャレオンがエヴォリュダーガイとフュージョンすることで誕生するジェネシックガイガーを中核に、5体のジェネシックマシンが、ファイナルフュージョンして誕生するスーパーメカノイドである。このジェネシックマシンは、動物の姿をしており、モグラ型のスパイラルガオーとストレイトガオー、イルカ型のプロテクトガオー、サメ型のブロウクンガオー、そして怪鳥型のガジェットガオーである。それぞれ、今までのドリルガオー、ライナーガオー、ステルスガオーと同じ位置づけである。
モグラと海の生物がかわいい印象を受けるジェネシックマシン
相変わらずガイガーが白飛びしているのが悲しい
ガオガイガーのガオーマシーンは、ギャレオンのブラックボックスにあったジェネシックマシンの断片的なデータを元に作成されている。ガオーマシーンは断片的なデータでしか作成されていないので、ジェネシックマシンのほうが段違いに高性能なのだ。
ジェネシックガオガイガーは、元々ソール11遊星主に対するアンチプログラムであった。しかし、三重連太陽系が機界昇華されそうになったので、ギャレオンを一時的にZマスターへのアンチプログラムとして改造された。そして護君を連れて、我々の宇宙に逃れてきたというわけである。
最強勇者王は値段も最強・・・
そして、このメカノイドは緑の星のオーバーテクノロジーの結晶なせいではっきり言って合体から全てをこなすオモチャの発売は不可能とされていた。アクションフィギュアでユージンが塩ビ製のマスターアクション ジェネシックガオガイガーを、合金製のフィギュアとしてMAXファクトリーがMAX合金ジェネシックガオガイガーを出している。
これらの製品はいずれも出来が良い。マスターアクション側は、発売当時としてはリアルな造型と可動を誇っており、オプションパーツも豊富であった。また、MAX合金のほうは凶悪なシルエットを完全再現した上、ガジェットフェザーの展開を差し替えなしで再現した。こちらは品切れ状態が続いており、再販の話も出ているのだが、中古屋でも結構な値段が付いている。ファンの中でも評価が高い部類である。
そして、BRAVE合金ガオガイガーで詰めの甘い事で有名になったシーエムズコーポレーションが、変形・合体する製品を発売した。
製品の名前はDX ジェネシックガオガイガーと言って、昔のタカラの製品と同じくらいの大きさで、ユージンのガオファイガーとも並べられる大迫力の製品であった。なんと、そのお値段62000円!300個受注生産であったが、後に200個増産された。その値段の高さに見合う大きさで、更に一部余剰パーツは出るもののジェネシックマシンは完全変形する。
・・・のだが、この製品はすこぶる評判が悪い。肝心の合体の固定であるとか、強度であるとかがもろすぎ、破損する人が続出。説明書も白黒でわかりにくく、非難轟々であった。
その後、初回のジェネシックが来た人限定に改訂版が無料で送られてきた。各パーツのテンションやラチェットを改訂され、説明書もカラーになったのだが、これでもまだ扱いが難しい部類なのである。しかも、簡単に改訂版を全員に配布するという方法を取ったので、逆に62000円の価値がない物と思われてしまった。そして、ガリアンなどの他の製品も出来が悪いので、シーエムズの評判はすこぶる駄目な物になってしまった。よくネットのレビューでシーエムズ製品が叩かれている理由は、ここにあるというわけである。
そして、62000円も払って買った人に対しての皮肉とも言おうか、案の定BRAVE合金シリーズでジェネシックガオガイガーの発売が決まってしまった。DX版よりサイズダウンされ、差し替えが多めになってしまったが、かなり安定した出来となっているのでそれを見ていこう。
驚き!緑の星にもモグラやイルカが存在した!
まず、ジェネシックガイガーのできであるが、前のガオガイガーのガイガーを流用して一部デザイン変更しているので、構造的にはそんなに目だった変化はない。なのに、公式サイトではさもすごい事のように紹介しているので笑えてくるぞ。内容面での変更点は、ライオンの頭部の接続がボールジョイントでの固定になり、更にスネの部分にもダイキャストを使用。ここは塗装になっているので、スパイラルとストレイトとの合体時に塗装が剥げないように慎重に扱おう。腰のアーマーのデザインが変更になったのに伴い展開ギミックが多少複雑になっただけで、前のガイガーとはギミック的な変更点はほとんどない。
両者の比較図
脚部のモグラ二機は、DX版と同様に完全変形する。ちゃんと、体が収縮して足のつめも展開。更に、ガジェットガオーの重さに対応できるようにボディはダイキャスト製となっている。ただ、モグラの前足の部分の収納ギミックが小さい割りに結構複雑なので取り扱いには注意が必要である。また、後ろのキャタピラ部分のアームの固定がプラスチックの弾力を利用した物で無理すると折れる危険があるので注意。また、合体時の収縮機構も持ち上げてしまうと元に戻ってしまい、ちゃんと固定されていないのが残念。
鋼鉄のつがいモグラ
海洋生物2機は、ネジ穴隠しも用意されている。ひれもきっちり劇中どおりに再現されている。ブロウクンガオーに関しては、通常のひれパーツと形状優先パーツが用意されており、通常版を使用する場合は本体の尾ひれを、優先版を使用する場合は尾ひれを本体に収納して使用することになっている。両機共に、ひれの出来はよいのだが取り扱いには注意が必要。細い軸で固定しているので折ってしまわないように。
列車とロケットを経て、海の哺乳類になりました
そして、トリを飾る鳥であるがDX版と比べてかなり改良されている。DX版では、本体の重みに負けて自分の足で自立することがほとんど出来なかったのだが、こちらの製品では固定パーツを溝にはめる事で足を固定させ、倒れないようになっている。ただ、説明書のミスでこの溝が2箇所あることになっているが、1箇所だけである。説明書によると、この溝は上向きにしたいものなのだが、この溝がなくても上向きに出来る。
大迫力の怪鳥
このように、扱いにさえ気を付ければ、各マシーン共に総じて造形のよいすばらしい出来である。
ジェネシックファイナルフュージョン
ジェネシックガイガーが窮地に陥ったとき、Gクリスタルの意思に導かれ命はジェネシックドライブを発動させる。Gクリスタルの内部から、ジェネシックマシンが飛び出しジェネシックガイガーを救った。そして、ファイナルフュージョンを開始する!
このファイナルフュージョンであるが、ガオファイガー以上に演出を優先させたのでウソ八百だらけである。せっかくなので、おなじみファイナルフュージョンシーンを再現しながら見ていこう。
まず、ジェネシックガイガーの腰がものすごい勢いで回転し、EMトルネードが放出される。そのEMトルネードの中にジェネシックマシンが突入してファイナルフュージョンする。
ファイナルフュージョン!
ドリルガオーにあたるストレイトガオーとスパイラルガオーが足へ合体。劇中では足に引っ付いてから変形するが、オモチャではあらかじめ変形させてから合体させる。
ここは見事に完全変形
ロールオーバーで画像が変わります
続いて、ライナーガオーにあたるプロテクトガオーとブロウクンガオーが変形。まずプロテクトガオーが展開し、左側からジェネシックガイガーに刺さり、ブロウクンガオーも変形してプロテクトガオーとガイガー内部で連結する。
このような複雑なギミックを再現しようとしたために、DX版では固定がかなり甘くなってしまった。その反省のためか、ブロウクンガオーとプロテクトガオーの尾ヒレパーツをはずして、腹部を取り外す方式に変更。そして、ガイガー内部に合体補助パーツを入れて、両サイドにも合体補助パーツをさす。そこに、変形させたイルカとサメを取り付けるようにしている。
物理的にまだ再現可能な範囲
ロールオーバーで画像が変わります
この部分を差し替えにしたのは正解であるといえる。差し替えになったおかげで、かなり安定した固定となった。ストレスなく合体させることが可能である。
そして最後にステルスガオーにあたるガジェットガオーの合体である。このガジェットガオーが緑の星のオーバーテクノロジーの結集といおうか、演出優先の合体と言おうか物理的ウソで塗り固められている。
まず、ガジェットガオーの腹部のパーツ、踵のパーツ、腕のジョイントパーツ、足関節の固定パーツ、くちばしの下の牙を取り外す。これらは全て余剰パーツとなる。
鳥の首の部分が伸びて尻尾に変形する。DX版では、鳥の固定が甘くて外れやすかった部分であるがBRAVE合金ではそのような事はなく、きっちり固定される。次にガイガーのジョイントをガジェットガオーの足関節の丸い穴にはめ込む。この部分もDX版では取り付けにくくて、評判が悪い部分であったがBRAVE合金ではきっちり固定される。そして次に、ガジェットガオーの足のパーツを肩パーツにはさませる。DX版では、ただ乗せているだけの部分であったが、BRAVE合金も同様。ガイドの溝か何かが欲しかったところ。
この製品ではスムーズに合体可能
ロールオーバーで画像が変わります
そして腕パーツをはめ込む。ここは伝統的に拳がせり出すギミックがあり、DXもBRAVE合金もせりだして出てくる。(回転はしない)
回転は、やっぱりしません
ロールオーバーで画像が変わります
そして、ここからが二次元のウソが発動である。劇中では、踵パーツが展開してタテガミになるのだが、これが厚さが変わらず扇状に展開するので、物理的に再現不能なのだ。
物理的に無理その1
ロールーオーバーで画像が変わります
この踵パーツが余剰になっている理由がこれ。ちゃんと展開したタテガミパーツが付属している。ガオガイガーでは、タテガミが固定されなかったが今回はギャレオンの裏側のポリパーツに固定するようになっているのできっちり固定される。
そして、物理的な最大のウソは頭の合体である。アニメを見ればわかるが、マスクパーツはガジェットガオー本体から伸びる光の綱状パーツで繋がっている。この部分は後から頭の髪の毛になるのだが、そんなもの再現しようなんてのは土台無理なので、別パーツとして頭が付属している。
物理的に無理その2
ロールオーバーで画像が変わります
DX版では、ガイガーの頭を差し替えてタテガミを付けてから頭パーツを取り付けるようになっているが、BRAVE合金ではタテガミと頭がセットになっていてガイガーの頭に取り付ける。タテガミのくぼみにガイガーの肩の部分をはめるようになっているので固定もしっかりしている。かくして、力強い咆哮の元、最強の勇者王が完成する!
ガオッ・ガイッ・ガー!!!
合体終了後、いつもどおりに小林清志のナレーションが入る。
それは
最強の
破壊神
それは
勇気の
究極なる姿
我々が
たどり着いた
大いなる
遺産
その名は
勇者王
ジェネシック
ガオガイガー
ちなみに、説明書の順番では先にガジェットガオーを取り付けてからプロテクトガオーとブロウクンガオーを取り付ける事になっている。上記の順番で出来ないこともないが、説明書の順番でしたほうが、足のパーツを掴ませやすい。
合体も差し替えと余剰パーツが増えてしまったが、安定したすばらしい出来となっている。遊んでいて楽しい一品である。
プロポーションは、見事に劇中のイメージを再現できていると思う。製品の試作品の画像が出回ったときは、ガジェットガオーの位置が低すぎるという批判も出ていたが、ガジェットガオーの足の角度を変更することでガジェットガオーの取り付け位置を上に上げることが可能となっている。イメージにあわない人は試してみよう。
ディティール面も非常にこだわっており、ガジェットガオーの複雑なモールドも完全に再現されている。ガジェットガオーは黒いのでこのようなディティールは十分省略可能なはずなのだが、きっちり再現されているのがこだわりを感じる。しかし、角のパーツが、ずれて接着されていて非常に格好悪い。どうやら、ほとんどの製品がこのような仕様となっているようだ。。
頭部のアップ
角がずれて接着されているので、左目が見えない・・・
基本的なギミックとプロポーションはDX版で完成しており、そこから踏襲しているので出来は高水準なものである。
超勇者黙示録
さて、このジェネシックガオガイガーは始祖にして最強の存在である。緑の星のオーバーテクノロジーがふんだんに使われているので、ガオガイガーやガオファイガーの数十倍のパワーと武装を持つ。それらを見ていこう。
まず、ジェネシックガオガイガーはGパワーの他にジェネシックオーラをエネルギー源としている。ジェネシックオーラを活動源としたジェネシックは、半永久的に活動できる。更に、このジェネシックオーラは遊星主のラウドGストーンに対して絶大な力を発揮する。このオーラを装甲面に常時滞留させ、遊星主の攻撃を全て無効化してしまう。(ジェネシックアーマー)つまり、この無限波動は遊星主の存在を赦さないのだ。
ジェネシックは、遊星主以外に対しても絶対的破壊力を持つ。ジェネシックガオガイガーの指の爪はゴルディオンネイルと呼ばれ、常時グラヴィティショックウェーブを放ち続けている。すなわち、ゴルディオンハンマーの超小型版ともいうべき武装なのだ。地球の科学力では、かなり巨大化しないと実現できなかったが、これがコンパクトに設置されている。緑の星のテクノロジーの高さがうかがえる。
ジェネシックガオガイガーの機動性はかなり高い。それを可能としているのがガジェットフェザーである。これはガジェットガオーの翼が展開する事で完成する巨大な翼で、翼展開時はかなりの迫力である。どこか、悪魔のようなシルエットをかもし出しているのが特徴。このガジェットフェザーのおかげで、ジェネシックガオガイガーはジェネシックガイガーと同等の機動性を発揮する。
ガジェットフェザー!
ロールオーバーで画像が変わります
この部分の再現にどの企業も四苦八苦しており、差し替えなしの展開ギミックを確立させたのがMAX合金ジェネシックガオガイガーである。そして、シーエムズもそれに続いてDXジェネシックガオガイガーで翼の展開を差し替えなしで再現。BRAVE合金に引き継がれている。
ジェネシック最大の特徴の翼
展開することで、「完成勇者王」という雰囲気がかもし出される
どの製品も、アームとスライド機構をフル活用して完成させているギミックである。この製品においては、説明書での翼Cのアームが薄いので取り扱いには少々注意が必要。スライドさせるときは、根元を持って移動させないと過負荷で折れてしまうぞ。また、翼Dも薄いプラスチックなのに展開が硬いのが厄介だ。しかしながら、モールドも形も劇中そのままの大迫力!変形は難しいが固定もしっかりしているし、シーエムズの造形美が冴える箇所の1つがこの部分である。
ガオガイガーと言えばツールの存在であるが、ジェネシックガオガイガーのそれは、ガジェットツールと呼ばれ、ガジェットガオーに全てのツールが収納されている。ディバイディングドライバーなどガオガイガーのツールは、ギャレオンのブラックボックスのデータから作成されたものであるが、地球の科学力では完全に再現できず、格納できないのでオプション装備になっていたのだ。
ジェネシックはどのようにツールを格納しているかと言うと、ガジェットガオーの首の部分が形状変化し、ツールが完成する。つまり、演出優先でモーフィングになっているわけだ。本当にウソだらけのガジェットガオーである。
まず、ガジェットガオーの首の部分を単体で変形させるとウィルナイフになる。ジェネシックのウィルナイフこそが、ガイが普段使っているウィルナイフの原型なのだ。
ウィルナイフ!
更に、先端と首関節の第1節、第2節を合体、展開させて左腕に装備したのがボルティングドライバーである。これはギャレオンの口から吐き出されるジェネシックボルトを先端に装備する事で、広域破壊を目的としたツールである。劇中では登場していないが、ブロウクンガオーから射出されるブロウクンボルト、プロテクトガオーから射出されるプロテクトボルトが存在している。用途に合わせてボルトを選択するわけだ。
ボルティングドライバー!!
ボルトはこの製品には付属していないのが残念である。ボルトがついているフィギュアが欲しい人は、マスターアクションジェネシックガオガイガー エクストラバージョンかMAX合金ジェネシックガオガイガーを購入しよう。
ガオガイガーの技も当然、使用可能。ブロウクンマグナムは手首を飛ばす仕組みに変更。少し退化した感が否めないが、演出でカバーしている。この製品では専用の手首パーツはないが、分離機構だけは再現している。
ブロウクンマグナーム!
プロテクトシェードは、左腕の赤い部分が展開する事で発動する。ここもやっぱり物理的に無理があるので、専用パーツを後からはめることで再現している。
プロテクトシェード!
ロールオーバーで画像が変わります
バリアがジェネシックオーラで構築されているので、防御技でも攻撃として使用できるのがパワーアップした点である。
そして、ガオガイガーの必殺技と言ったらヘルアンドヘヴンである。始祖にして最強のヘルアンドヘヴンは、ガジェットガオーの首の第3関節から第5関節が分離して、爪が伸びた状態の手のひらに装着される。ガオガイガーと同じく、右手の攻撃エネルギーと左手の防御エネルギーを寄り合わせて放つ。爪がかなり凶悪なイメージを与えていて、格好よい。
この製品でも当然その平手パーツが付属している。
ガジェットツール!
ヘルッ・アンドッ・ヘヴンッ!!
更に、ジェネシックのヘルアンドヘヴンには新たな要素が加わっている。それは、呪文である。呪文にラテン語で「生命」を意味するウィータを追加する事で、全身にまとっていたエネルギーを一点に集中させる事ができる。ギャレオンのブラックボックスが破損していたので、ガイがついに知り得なかった呪文がこれなのである。この呪文を追加する事で、威力が倍化されるのだ。このヘルアンドヘヴンは通常ジェネシック・ヘル・アンド・ヘヴンと呼ばれているが、その破壊力は計り知れないので、ヘル・アンド・ヘヴン・アンリミテッドと呼ばれることもある。
ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ
フンッ!
ウィータ!
この製品では組み手が付属していないが平手同士を組み合わせる事でそれっぽく見せる事に成功している。見劣りはするだろうが、前のBRAVE合金ガオガイガーでは組み手にしたために取り付けにくかったので、致し方ないところ。そのほかにも、左手に通常の平手、右手に指しポーズの手首も付属している。これで、冒頭のように第6話の最後のシーンの再現も出来るのだ。出来れば右手の通常平手も欲しかったところ。
このように、オプションも豊富に付属しているのがうれしいところである。シーエムズは基本的に造形方面はよいので、かなり迫力のある出来となっている。
あえて不満点を出すならば、可動である。デザインの都合上、致し方ないのだが腕の可動が一度取り外して接合部を回転させないといけない。少々動かすならつけたままでも大丈夫なのだが、爪が干渉するので上に向けるとか前に出すとかは一度取り外そう。こんな構造であるが、DX版ではほとんど動かなかったところなので、進歩した点としてみたい。
後、モグラの前足が干渉して、股がさけ気味になるのも残念な点である。股関節のクリックが前のガイガーに比べてかなりゆるめになっていて、ジェネシックガイガー単体でポーズを付けるにはよいのだが、合体するとどんどん足が広がってしまう。もう少しクリックを硬めに設定して欲しかった部分である。
おまけの機能として、前のガイガーとの互換がある。これはBRAVE合金ガオファイガーのガオファーともジョイントが共通しているので、取替え遊びが楽しめるようになっているのだ。しかし、あまり格好よくないのでやらないほうがよい。あくまで「おまけ」という位置付けである。
総評としては、かなり遊べてボリューム満点の出来と言える。私は2割引で入手したので大満足の出来である。しかし、この出来のよさを見るとDX版を買った人がまるで人柱のようでかわいそうに見えてくる。商品展開を考えないと消費者に嫌われてしまうぞ。シーエムズ・・・。
神話(マイソロジー)!!!
ジェネシックガオガイガーの出現でソール11遊星主との戦いも最終局面を迎えた。ジェネシックガオガイガーに歯が立たないと判断したパルス=アベルは、ピサソールに太陽とのフュージョンを命じた。これで再生マシーンが完全体となり、遊星主側の損害は回復された。また、遊星主全員がパーツキューブとフュージョンし、巨大メカに変化した。これにより、ジェネシックガオガイガーは窮地に陥るかと思われた。
勝利をこの手につかむまで
俺の勇気は死なない!
そこに、パレッス粒子の呪縛から解放されたGGGが合流した。復活したGGGとソール11遊星主の激戦がレプリジンの地球で行われる。インドで超竜神が、中国で撃龍神が、ギリシャで天竜神が、ロンドンでマイクが、ロシアでビッグボルフォッグが、アルゼンチンでキングジェイダーが、そして東京でジェネシックガオガイガーがそれぞれソール11遊星主と激突した。
それぞれ一度はソール11遊星主を追い詰めた物の、ピサソールの再生波動で遊星主は復活。GGGの勇者ロボ軍団を追い詰める。しかし、それはGGGの作戦であった。最後の力を振り絞って同時に全遊星主を撃破。再生波動をフルで稼動させる状態にしたのだ。
目論見どおり、再生波動が一時弱まったのでジェネシックガオガイガーが宇宙へ。そして、最終作戦が発動する。実は、新ディヴィジョンフリートは合体する事で超巨大なグラヴィティショックウェーブジェネレーティングディヴィジョンツール、通称ゴルディオンクラッシャーになるのだ。この本体だけでも全長1km、更に重力場を展開すると20kmになる超巨大ツールは、Zマスター級の敵を殲滅するためのツールで、星一つを完全に光にするほどの威力を持つ。
このツールでピサソールを完全に破壊したGGGは勝利を収めた。実は、ソール11遊星主もレプリジンに過ぎなかったのだ。彼らの望んだ三重連太陽系の復活は、150億年後実現することになる。それが我々の住んでいる宇宙なのだ。
しかし、ギャレオリア彗星が消滅してしまったので、元の宇宙には戻れなくなってしまう。更に、三重連太陽系側の宇宙は次元ごと消滅しようとしていた。そこで、ザ・パワーを利用して護君と戒道君を最後のESミサイルに乗せて脱出させた。必ず戻ってくることを誓って。
最後が、この様な後味の悪い話となっているが、ジェネシックガオガイガーにはまだ見ぬ技であるギャレオリアロードという技がある。おそらく、戻ってくるのならばこの技を使う事になるのだろう。しかし、OVAの題名がFINALとあるだけ続編はなさそうだ。(注4)勇者達の無事を、我々は信じ続けたい。
注4 後に発売された地上波放送のDVDボックス特典のDisk-Zでは、GGG救助計画として新たなディビジョン艦とメカノイド凱号が登場している。そして、新たな地球圏への脅威として覇界王というジェネシックそっくりのシルエットが!!
勇気ある誓いと共に、進め!(もどる)