S.H.Figuarts
ピッコロ
バンダイ「S.H.Figuarts」シリーズ
定価:3675円(税込)
S.H.Figuartsシリーズに、ドラゴンボールシリーズがついに参戦!
とある大魔王の昔語り
地球から遠く離れた惑星・ナメック星が異常気象に襲われ、もはや滅びを待つのみとなった時、一つの宇宙船がナメック星を脱出。地球へと降り立った。
宇宙船に乗っていた、《龍族の天才児》と呼ばれていたそのナメック星人は地球の神となるため、自らの悪の心を切り離した。やがて、分離した悪の心は成長し、ナメック星の言葉で『異世界』を意味する、ピッコロ大魔王と名乗り、世界を恐怖のどん底に叩き落す!
尻尾を持つ不思議な少年・孫悟空は、ピッコロ大魔王に戦いを挑み、辛くもこれを打ち破る。しかし、ピッコロ大魔王は死の間際、自らの全てを託した、分身ともいえる存在を産み落としていたのだった・・・!
マジュニアと名乗り、天下一武闘会に出場したピッコロは、決勝戦で再び悟空と相対する。激戦の末、敗れたピッコロであったが、悟空は彼を殺そうとしていた神を制止し、死に掛けていたピッコロに仙豆(注1)を与え、彼を生かした。
神様とピッコロ大魔王は元々一人であったため、一方が死ねば、もう片方も死んでしまう―神様の下で修行した悟空はそのことを神の従者・ミスターポポから聞かされ、知っていたのだった。
悟空を仲間に迎え入れようと、地球に戦闘民族・サイヤ人が襲来すると、《敵の敵は味方》の原理で悟空たちと共闘。『新たなる敵を倒すために味方になる』という、少年漫画誌の王道展開によって仲間入りを果たし、悟空の息子・孫悟飯を鍛え上げた。
ピッコロと悟飯の間には固い師弟の絆があり、アニメ『ドラゴンボール改〜KAI』の前身である、『ドラゴンボールZ』の劇場公開用作品では、ピッコロは悟飯がピンチに陥るとどこからともなく助けに現れ、中ボス級の敵を倒すという、どこぞのフェニックスの兄貴みたいな活躍を見せる、心強い味方としてのポジションを確立している。
注1『仙豆』:【カリン塔】に住む仙人(猫)・カリン様の食事。一粒食べると10日分のカロリーが得られ、どんな傷もたちどころに癒えてしまう、ありがたい豆。
ミドリの魔(キバ)王
S.H.Figuartsでドラゴンボールのシリーズ化。その第一弾として発表されたのが、何故悟空ではなくて、ピッコロなのか。その理由の一つとして、【直前まで展開されていたフィギュアシリーズとの兼ね合い】というものが挙げられよう。
バンダイはフィギュアーツを旗揚げする前から、ドラゴンボールZのアクションフィギュアとして、【ハイブリッドアクション・超龍伝】なる物を展開していた。多くのキャラクターを精力的に立体化していたシリーズで、フィギュアのサイズは小さめ、お値段もリーズナブルでコレクションしやすいシリーズだったのだが、如何せん、出来が悪かった。子供にプレゼントしたらまず間違いなく「コレジャナイ!」と泣いてしまうんじゃないかってくらい、出来が悪かった。それに加えて表情の交換パーツもないということで、ドラゴンボールを愛してやまない筆者でもドン引きのシリーズだった(注2)。
とはいえ、大量に発売してしまったシリーズをあっさり見限り、新シリーズに移行というのは、出来はどうあれ、固定のファン層の確立が望めるアニメの商品化という事で、なかなか難しいものがある、と、いう事情を忘れてはいけない。こういう事態になった時にバンダイが使う常套手段。それが【サブキャラクターを第一弾として発売】という手法。言ってしまえば、様子見である。
また、ピッコロはある時は死にかけのナメック人と、ある時は神と融合し超ナメック星人とも言える存在にパワーアップ。パワーインフレの激しい作中において、最後まで活躍できた稀有な人物なのだが、見た目はまったくと言っていいほど変化しない(注3)。つまりバージョン違いを発売する必要がない。そういった点もまた、ピッコロが第一弾に選ばれた理由のひとつといえるだろう。
と、いう訳で今回は、ドラゴンボール改から主人公の悟空を差し置いてフィギュアーツ化された、ピッコロを紹介しようと思う。
付属するマントを装着、ターバン付き頭部に交換した状態。
ピッコロといえばこの姿、ということで、付属するマントを装着、ターバン付きの頭部に交換した姿から紹介しよう。
ピッコロのフィギュアーツは、仮面ライダーなど、他のフィギュアーツより若干大きめに作られている。ピッコロは作中の登場人物の中では割と身長が高いほうで、仲間内では最も背が高い。フィギュアーツの標準体型であろう、仮面ライダーよりも大きめに作ることで、後続商品となる悟空よりも背を高くしようとする、バンダイの本気具合が確認できる仕様となっている。
フィギュアーツ同士で身長に基準があるのはともかく、他社製品であるはずのfigmaまで近い身長なのは、どういう事なんだろう?
一緒に遊べるようにするための、【暗黙の了解】というヤツなのだろうか?
精神統一の修行に励んでいる時も、悟飯を助けに現れるときも、ピッコロはやたらと腕組みポーズである事が多い。最近のアクションフィギュアが誇る抜群の可動範囲を以ってすれば、腕組みポーズくらい余裕でキマルのだが、ここでバンダイは見た目を重視し、腕組み用に差替えパーツを採用している。マントの胸部分を小さいパーツに交換。左右両腕を外して腕組みパーツを取り付ければ、あら不思議。キレイな腕組みポーズが容易にキマル。
「大丈夫か、悟飯!」「ぴ、ピッコロさん!」
劇場版にこの二人のやりとりがあればこそ、主人公の悟空よりもピッコロの方が好きという人も少なくはないはず。
ターバンとマントは頭の触覚(アンテナ?)など、ピッコロ大魔王の身体的特徴を隠して天下一武闘会に参加するために着けていた物だったが、悟空に敗北して以降は修行の一環として、錘を仕込んだ物に換えている。脱いでからがピッコロの本領発揮ということである!
商品的にもそれは同じで、軟質樹脂で成型されているマントをつけていると、可動範囲がかなり制限されてしまう。フィギュアーツのピッコロも、マントを脱いでからが本領発揮ということなのである。
注2『筆者もドン引き』:バトルマンガの登場人物だもの、デフォルトで怒り顔ならまだマシなんです。ただ、デフォルトが笑顔だと・・・。笑顔で人を殴ってるポーズを箱絵に採用とか、怖くないですか?
注3『ほとんど姿が変わらない』:超サイヤ人になったり劇的なパワーアップを遂げる悟空たちサイヤ人と違い、ピッコロは時期によってマントの肩幅が増えたり(錘を増量したのか?)、帯の色が変わったり(イメチェン?)、作者の絵の癖の変化くらいしか、変化が見られない。また、ナメック星人は長寿命な種族らしく、作中時間で約25年経った最終回の時点でも、全く老けた様子は見られない。
どうやら(可動範囲的な意味で)本気を出さねばならんようだな!
と、いうわけで、
バサァ・・・ズシンッ!
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ポイッ・・・ズンッ!
コキコキッ
本気を出していただきましょう。
箱から出したら、まずこの状態です。
ドラゴンボールのキャラクターの服装は、身体にぴったりフィットしている仮面ライダーのスーツと違い、全体的に余裕のある拳法着である事が多く(一部例外あり)、その上、やはりメインはアクションポーズをとらせてナンボというワケで、各関節部には工夫が凝らされている。
まず、肩アーマー、というか、胴着の袖は肩の後ろでボールジョイント接続されており、肩の可動を妨げない。このおかげで仮面ライダー系では平行以上に上がらない肩も、ピッコロはだいぶ上がるようになっている。
肩アーマー(袖)の接続が可動部に干渉しないので、肩はここまで余裕で上がります。
腰には引き出し関節を採用。帯の部分を中心に上半身を持って引っ張ってやれば、関節が引き出され、腰をスイングできる範囲が倍増するという仕組みになっている。
帯部分は固定されていないので、腰を引き出しても軸が目立つ事はありません。
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腰の可動のおかげで、飛行ポーズも決まります。
あんまり動きそうに見えない股関節は、フィギュアーツ 仮面ライダーカブトと同じ、引き出し関節を採用しているので、カッコイイ蹴りポーズがキマルぞ。
ドラゴンボール名物の跳び蹴り
交換用のオプションパーツとして、ピッコロの数ある気功弾の技のポーズを再現しろといわんばかりの、左右二種類の平手が付属。
10回くらいマウスを往復させて遊ぼう。
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また、ピッコロの有名な必殺技・魔貫光殺砲を再現するための叫び顔になった頭部と手首が付属する。
「魔貫光殺砲ッ!!」
直撃の瞬間に爆発する通常の気功弾と違い、その名のとおり貫く技。速度もとんでもなく速く、回避するのは困難。
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叫び顔や平手は、気合を高めている時の様子を表すかのように血管が浮かび上がった造型となっており、迫力満点である。
ナメック星人皆が使える能力なのか、ピッコロだけが使える能力なのかは不明だが、彼はこんな能力も持っている。腕組みパーツに差し替える都合上、割と簡単にパーツの着脱が可能な事を活かして、再現してみた。
「ぬうぅぅぅぅ・・・ずあぁっ!」
ズボォッ!!
「ふぅ・・・。」
「ひえぇ、トカゲの尻尾みたい・・・。」
※トカゲの尻尾でも、ここまでの高速再生はしないと思うが・・・。
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肉体の再生は多くの気を消費するらしく、昔は一回使えばいっぱいいっぱいという感じであったが、パワーアップして以降は余裕が出来たのか、頻繁に使うようなった。この能力を活かし、敵の油断を誘うためにあえて攻撃を受けてみせ、情報を引き出すなど、ピッコロは基本脳筋な連中ばかりの作中において、数少ない【頭を使って戦うタイプの戦士】となっている。
この商品を作り上げたスタッフは、きっとドラゴンボールが大好きに違いない! そんな愛を感じるくらいの、初手からこれだけクオリティの高い物を出されたら、次への期待が高まるのも詮無き事。第二弾として発売される、 超サイヤ人 孫悟空の発売が待ち遠しい限りである!
※今回は敵役っぽいキャラがいないので、劇中再現はお休み。ニコニコ動画の某MADよろしく、人気アニメ作品の2同士というワケで、『リリカルなのは』のfigma フェイト・T・ハラオウン と戦わせてみた。『ピッコロさんが小娘如きに!』とか、『フェイトちゃんをいじめるなー!』なんて文句をつけない、ジョークをジョークとして受け取れる、そんな人だけがこの先に読み進むようにしてください。
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激突! 大魔王VS魔王(の嫁)!!
ここは平和な【ドラゴンボールの世界】。しかし、この平和を打ち破るかのように、異世界からの予期せぬ来訪者が姿を現した!
たった一人、前触れもなく現れた気配に気付いたピッコロは、気配を感じた地点へと急行する。
「確か、この辺りに気配を感じたが・・・ムッ」
シュンッ スー・・・スタッ
「貴様・・・見慣れない格好をしているが、何者だ?」
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いきなり空から現れたピッコロに物怖じする様子もなく、目の前に立つ女性は自己紹介を始める。
フェイト「私はフェイト・T・ハラオウン。こことは違う、別の世界から来ました。」
ピッコロ「別の世界・・・だと?」
フェイトと名乗った女性は続いて、自分がこの世界に来た理由を話す。しかし・・・
フェイト「ある世界を中心に、異なる世界同士の融合が加速度的に進行しています。
私たちの組織はその融合が進むことで発生する歪みを調査するため―」
ピッコロ「ほお・・・ご苦労な事だ。しかし、その世界の融合とやら、原因は貴様らにもありそうだな?
貴様らが好き勝手に世界を行き来するから、融合が加速度的に早まっているのではないのか!?」
フェイト「!?」
ピッコロ「図星か。得体の知れんヤツに、この世界を引っ掻き回されるわけにもいかん。よって・・・」
「貴様はここで消えろっ!」
フェイトを吹き飛ばすつもりで、掌から衝撃波を放つピッコロ。しかし、その衝撃波は避けられていた! フェイトは素早い動きでピッコロの背後に立つと、バルディッシュ・アサルトをサイズ(鎌)モードで振りかぶる!
フェイト「(現地の人との衝突は避けたいけれど、この場合はしかたない!)
ハアァァァァァァッ!!」
「もらった!・・・!?」
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フェイトが斬ったのは、ピッコロのマントだけであった。フェイトの背後を取ったピッコロは、彼女に対する認識を改める。
ピッコロ「ただの小娘ではないようだな。・・・俺も本気で相手をせねばならんようだ。
貴様を本気を出せ。そのマント、俺と同じなのだろう?」
バサ・・・ドスンッ!
「見破られていたようね・・・なら、ここからは私も、本気よ!」
フェイト「はあぁぁぁぁっ!!」
ピッコロ「ぬうんっ!」
再び始まる、ピッコロとフェイトの激しい攻防。フェイトがバルディッシュで突きを放てば、ピッコロはそれを掌で受け止め、ピッコロが拳を突き出せば、フェイトは相手の身体を足場にその攻撃を避けて見せた!
フェイト「!?」
「くうゥッ!」
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高速でバルディッシュをサイズモードに変形させ、ピッコロに対して振りかぶるフェイトであったが、その一撃は白刃取りで止められてしまう。その状態からピッコロは蹴りを放ち、両者の間に距離が開けた。ピッコロはフェイトに対し、無数の気弾を放つ!
「でやぁぁぁぁぁぁッ!!」
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素早い動きでピッコロの連続攻撃を回避したつもりになっていたフェイトであったが、それはピッコロの仕掛けた罠だった! フェイトの周囲には無数の気功弾が浮遊しており、ピッコロが左右に広げていた腕を胸の前で交差させると、それを合図とするかのごとく、周囲を浮遊する気功弾が一斉にフェイトめがけて襲い掛かってくる!
「!?」
「逃げ場はないぞ、くたばれ!
魔空包囲弾ッ!!」
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「そうは・・・いかない!」
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バルディッシュをザンバーフォームに変形させ、魔空包囲弾の爆風を切り裂くフェイト。しかし、フェイトはそこに信じられない光景を見る! 爆発によって発生した土埃が立ちこめる中、ピッコロは既に次の攻撃に移る準備をしていた。先ほどの大技でさえ、彼にとっては敵の隙を突くためのデコイ(囮)だったのである!
「ハアァァァァァァァ・・・ッ!」
「爆力魔波ッ!!」
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かつてないほどの、巨大な気の塊がフェイトに襲いかかる! フェイトが絶体絶命のピンチに陥った、その時。彼女を救うため、ある一人の魔王が降臨した! ピッコロの爆力魔波を魔法障壁で防いだ者の正体は、時空管理局のエース・オブ・エース、白き魔王、と異名を持つ少女。高町 なのはであった!!
ピッコロ「なにぃっ!」
なのは「大丈夫、フェイトちゃん・・・。ああ、こんな所に怪我が!」
フェイト「私は大丈夫・・・、アッ」
敵の目の前でいきなり百合百合し始めるなのはとフェイト。普通に考えたらすごい隙だらけなのだが、ピッコロは身動き一つ取ることが出来なかった。なのはのただならぬ気配に、圧倒されていたからである! 次の瞬間、なのははピッコロの眼前に降り立っていた。自分に反応できないほどの速度で目の前に降り立った少女に、ピッコロはただ戦慄するばかりであった・・・。
シャッ!
なのは「貴方がフェイトちゃんをいじめてた人ね・・・許さないんだから!」
ピッコロ「グ・・・ッ!」
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突如、目の前に現れた、もう一人の魔王に追い詰められるピッコロ。果たして、この戦いの行方は!?
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