S.H.Figuarts
仮面ライダーカブト

バンダイ S.H.Figuartsシリーズ

定価:2675円(税込)


仮面ライダーカブト
「天の道を往き、総てを司る男、それが俺だ。」

1999年。東京・渋谷に隕石が落下。渋谷は廃墟と化し、エリアXとして封鎖されていた。しかし、《宇宙の落し物》は、隕石だけではなかったのである・・・。

落下した隕石には、人間を殺害し、その人間に擬態する宇宙生命体・ワームが内包されていたのだった。自己の回りの時間の流れをコントロールし、人間をはるかに超えるスピードを得る、《クロックアップ》という能力を有するワームに、人間の通常兵器は全く通用しない。

これに対抗することができるのは、ワームから人類を守るために結成された組織・ZECTゼクトが開発した、ワームと同じくクロックアップ能力を持つ、マスクドライダーシステム。そして、システムに選ばれた資格者だけなのである!

カブト参上!
ロールオーバーで画像が変わります

『仮面ライダーカブト』
『仮面ライダーカブト』は、2006年1月〜2007年1月まで、毎週日曜日の朝8:00から放送されていた、平成仮面ライダーシリーズとしては7作目となる作品である。

主人公であるカブトの必殺技をキックとしたり、また主人公を決して他者とは馴れ合わない、いわゆる孤高のヒーローとするなど、いたるところで仮面ライダーとして、原点回帰を図ろうとしている点が多々見られる作品である。

なお、ほとんどの平成仮面ライダーシリーズがそうであるように、タイトルには【仮面ライダー】とついているが、作中にはこの言葉はほとんど登場しない。少し形を変え、【マスクドライダーシステム】という言葉の中にその面影が垣間見える程度である。

次回予告の際などに使われた本作のキャッチコピー『天の道を往き、総てを司れ!』は、主人公・天道総司の名乗りから来ている。また、このように自分の名を名乗る事からもわかるとおり、天道は天上天下唯我独尊、つまり、《超オレ様気質》な性格の持ち主である。

ワームと戦うため、マスクドライダーシステムに選ばれし適格者としての準備をすすめていた天道は、定職についていない、いわゆるニートである。・・・のだが、本人曰く『俺の器は大きすぎて、いかなる組織も俺を扱う事は出来ない。』というだけあって、洞察力や格闘能力、さらには料理の腕前まで、あらゆる部分で一般人を凌駕するスペックを誇る。

また、↑この言葉の通り、マスクドライダーシステムの資格者でありながらZECTにも所属していない天道は、たびたびZECTからの資格とも相対することになる。

その一方で、自分がかなりの自信を持っている料理の腕前について、それを上回る人物に対しては尊敬の念を示し、その技術を盗み取ろうとするぐらいの素直さも併せ持つ。故に、オレ様な性格の持ち主でありながら、どこか憎みきれない。天道総司とはそういう男なのである。

おばあちゃんが言っていた。『どうせ買うなら、最初に最高の物を買いなさい。』ってな。
当然の事ながら、『カブト』に登場する仮面ライダーも作品の放送当時、装着変身シリーズでの商品化がなされた。

マスクドライダーシステムは、パワーと防御力に優れる【マスクドフォーム】と、スピードに優れ、さらにクロック・アップを使えるようになる【ライダーフォーム】を使い分けてワームに戦いを挑む。

装着変身シリーズのカブトには、この2種類のアーマーを付属。着せ替えによってフォームチェンジを再現できるという、同シリーズとしても原点回帰がなされていた商品であった。

当時、本放送が終了してから一年遅れで、平成仮面ライダーの8作目『仮面ライダー電王』に嵌っていた筆者は、とあるおもちゃ屋で装着変身のカブトが売れ残っているのを発見。フラフラ〜ッと欲しくなってしまったのだが、当時は購入を断念せざるを得なかった。『カブト』装着変身はアーマーが二種類付属している分、値段が割高であったし、それに加え、新素体が導入された電王よりも前の装着変身の可動素体が、先に電王を入手していた為になんだかしょぼく見えてしまったのだった・・・。

とにかく、定価で購入する気は全くなくなってしまったので、「じきに安売りするだろう」とのんきに構えていたら、元々マニア向けな装着変身にそんな気配は全く無く、気付けばカブトもいつの間にやらS.H.Figuarts(フィギュアーツ)で商品化がなされていたのだった。

「装着変身のウリであったアーマーの着せ替えギミックは無いけれど、スタイル良し! 可動良し! 僕剛!(?)」というワケで、気付いたらフィギュアーツのカブトを持ってレジに並ぶ、腐れオタクの姿がそこにはあったとさ・・・。

アーマーの装着ギミックを排除した分、スタイルがよくなっているという話はS.H.Figuarts 仮面ライダーBLACK & BLACK RXのコラムで書いたとおりである。

カブト正面 カブト背面
これまた前回と同じく、クリアパーツの使用によって頭部の特徴的な複眼もバッチリ再現されている。

腰に巻かれた、いわゆる変身ベルト的な物に、空間を越えて飛来する、カブトゼクターを装着することで、まずマスクドフォームに変身する。ライダーフォームへの変身は装着されたカブトゼクターの角を逆向きに倒すことで、全身のアーマーが弾けとび、中からライダーフォームが姿を現すという方法である。

カブトゼクター

首や腹部はいわゆる二重関節なので、上を仰ぎ見るようなポーズが可能となっている。

上を仰ぎ見るカブト

肩は最近のバンダイの人型可動フィギュアではすっかりおなじみの球状関節が使われているので、上下前後にグリグリ動く。付属する交換用手首もデフォルトの握り拳の他、平手や武器用の持ち手が付属するので、色々なポージングが楽しめる。

付属武器、カブトクナイガンは2種類付属する。

カブトクナイガン・ガンモード
【ジョウント】という異空間からの転送技術の応用により、弾数は無限なんだそうな。

カブトクナイガン・クナイモード
ガンモードの銃身の部分が柄となり、本体から抜かれる事でクナイモードに。
ライダーフォームの軽い身のこなしを活かす為に、クナイのほうが使用頻度は高い。

カブトクナイガン・アックスモード
ガンモードの持ち方を変えるだけで、アラ不思議。切断能力に優れたアックスモードに早変わり。
アックスモードは主に、マスクドフォームのときに多用されます。

マスクドライダーシステムのキモである、クロックアップの作動スイッチはベルトの両サイドにあり、そのどちらかを押すことで、クロックアップに移行。常人の目には捉えられない、超高速の世界でワームと激闘を繰り広げる!

クロックアップ
「クロックアップ!」
ロールオーバーで画像が変わります

天道が尊敬する、おばあちゃんの含蓄ある名言の数々を言う時に見せるポーズに使う、【天を指す手首】も付属する。

『おばあちゃんが言っていた〜』ではじまる、ありがたいお言葉、通称・天道語録は本当に名言ばかり。ポージングと一緒にここにその一例を紹介しよう。

天道語録@
「人は人を愛すると弱くなる・・・けど、恥ずかしがる事は無い。それは本当の弱さじゃないから。」

天道語録A
「男がやってはいけないことが2つある。女の子を泣かせる事と、食べ物を粗末にする事だ。」

天道語録B
「子供は宝物・・・この世で最も罪深いのは、その宝物を傷つける者だ。」

事あるごとに発せられる天道語録は他にもたくさんあるので、暇なら探してみよう!

膝は二重関節となっており、股関節の可動範囲も広いので、膝立ちポーズも余裕で決まる。

カブト膝立ち
カブト「大丈夫か?」

ガタック「き、来てくれたのか・・・!」

注・天道はここまで他者に甘くはありません!

足回りの可動範囲の広さを活かして、カブトの必殺技、ライダーキックのポーズだって完璧に決まる。

エネルギーチャージ
背後から迫るワーム。カブトはベルトの3つのボタンを順番に押し、エネルギーを充填する!

1(one),2(two),3(three)

「ライダーキック」

ライダーキック
倒したカブトゼクターの角を戻し、充填されたエネルギーを解放。
足に集められたエネルギーを、回し蹴りでワームに叩き込む!

Rider Kick!!

「ハァッ!!」

勝利のポーズ
Clock Over!!

マスクドフォームが無い事に不満が無いわけでもないが、『カブト』に登場する仮面ライダーの本領は、やはりクロックアップを使えるライダーフォームにこそあるわけで。どうしても必要かと聞かれたら、そうでもないので、まぁよしとしよう・・・。

『カブト』に登場する仮面ライダーは、フィギュアーツのシリーズが開始された、かなり早期の段階から商品化されてきているので、もうすぐ本編に登場するライダーは全員揃ってしまう。筆者的には、さっさとカブトが強化された姿・ハイパーフォームの商品化を望んで止まないところである!

「おばあちゃんが言っていた。ここをクリックすれば、『戻る』事が出来るってな。」