IN ACTION!! OFFSHOOT
紅蓮弐式

発売元:バンダイ

定価:2940円(税込)

IN ACTION!! OFFSHOOT 紅蓮弐式
R2仕様で紅蓮弐式が再び登場!

最近のアニメの傾向としては、ツンデレの女性がよく出ていると思う。表面上はツンツンとつめたい感じなのだが、内心では主人公に好意を抱いているという傾向である。色々な女性を用意しているコードギアスでは、紅蓮弐式のパイロットである紅月カレンがその位置取りに当たる。というわけで、今回はそんな彼女に焦点を当てながらIN ACTION!! OFFSHOOT 紅蓮弐式のレビューを行う。

い・・・今のはルルーシュに言ったんだからね!
カレン=シュタットフェルトこと、紅月カレンはブリタニア人の父と日本人の母を持つハーフである。シュタットフェルト家はブリタニアの中でも名家の一つなのだが、跡取りがおらずブリタニアの侵攻後はカレンを強引に引き取った。カレンの母親は、そんな彼女を見守るためシュタットフェルト家のメイドとして長年勤めていたが、カレンはそんな彼女を毛嫌いしていた。

また、カレンには兄である紅月ナオトがいたが、レジスタンス活動の際に死亡した。彼の意思を引き継ぐ形でカレンは、ナオトがリーダーだった扇グループに志願し、「日本人として」ブリタニアとの戦いの日々に明け暮れていた。

グループのリーダー、の勧めで、世間の目を欺くためにカレンはアッシュフォード学園に通っている。名家の生まれということを利用し、おとなしい病弱な少女という設定で学校に通っている。

しかし、彼女の性格は非常に勝気で男勝りである。しかも、掃除洗濯といった家事一般が出来ず、彼女が部屋を持ってしまうとゴキブリも寄せ付けないくらいに散らかしてしまう。そのようなところを気にしているのか、整理整頓の本も劇中では読んでいた。

シンジュク事変において、ゼロに助けられたこともありゼロに憧れ彼に忠誠を尽くすようになる。ゼロにナイトメアの操縦技術を見込まれ、インド軍区よりもたらされた日本製ナイトメアフレーム、紅蓮弐式のパイロットに任命され、後にゼロ親衛隊の隊長にも任命される。ブリタニアが誇る白兜こと、ランスロットと幾度となく激突し、名実ともに黒の騎士団のエースとなったのであった。

しかし、ブラックリベリオンの際、ゼロをおって神根島に訪れ、スザクによってゼロの正体がクラスメートのルルーシュであると知る。彼女はその際、動揺しゼロを見捨てて逃亡してしまう。その後、生き残りの卜部やC.C.と合流し、バベルタワーにおけるゼロ奪還作戦、飛燕四号作戦を敢行するのであった。

ゼロの正体を知ってしまった後も、ゼロ自体への忠誠は変わらず、紅蓮弐式を駆り戦場を駆け巡る。そして、いつしか本人も気づかないままにルルーシュに惹かれていくのであった。このように男勝りな面もあるが、女性らしい一面も覗かせるギャップがたまらないのか、カレンの人気は高いほうである。

弾けろ、ブリタニアァァァ!!
カレンの愛機とする紅蓮弐式はランスロットと人気を二分する黒の騎士団最強のナイトメアフレームである。詳しい説明は、メカニックコレクションのほうで紹介したので、そちらのほうを参照してほしい。

プラモデルの紅蓮弐式の出来はなかなかすばらしかったのだが、IN ACTION!! OFFSHOOTの紅蓮弐式もなかなか捨てがたい出来となっている。こちらのほうの紅蓮弐式はR2本編が放送されているため、そちらの仕様に合わせた形で発売されている。まずは、1期で活躍した紅蓮弐式のほうを紹介しよう。

紅蓮弐式 前 紅蓮弐式 後
プラモデルと比べて手足が短くなっております

メカニックコレクションのプロポーションは、どちらかというとガンプラよりだったが、こちらの紅蓮はアニメの設定画を意識したのかメカニックコレクションよりも手足が短くなっている。しかし、この手のアクションフィギュアらしからぬABSを多用したつくりによって、シャープな造型をしている。

プラモデルではあまり付属していなかった手首パーツも、多く付属している。具体的には、デフォルトの握りこぶし、平手、そして呂号乙型特斬刀を持たせるための持ち手である。呂号乙型特斬刀については、プラモデルでは一色成型だったが、こちらは金色の部分がちゃんと塗装されている。

付属手首一覧 呂号乙型特斬刀を実際に使ったところ

平手を実際に使ったところ
呂号乙型特斬刀がちゃんと色分けされているのがポイント

ただ、後で説明する付属パーツのせいか通常の先に出ているブリタニア製のナイトメアほどは付属していないのだが、紅蓮の雰囲気を出すには十分だと個人的には思う。

最大の特徴である輻射波動機構の伸縮ギミックも当然ながら再現している。

伸縮機構
プラモデルでも再現されていた伸縮機構を再現!
ロールオーバーで画像が変わります

ただ、この輻射波動機構の伸縮は不完全である。というのも、プラモデルでは再現されていた銀色の部分のスライドがされないのである。しかも、特徴的な大きなつめは親指が回転するだけで全て固定である。というわけで、敵機をつかんで輻射波動を叩き込むというシーンが再現しにくいのが非常に残念な点である。

しかし、ランドスピナーのギミックは、メカニックコレクションよりも一回り大きさが小さいにもかかわらず、プラモデル同様に完全再現されている。

ランドスピナーの展開ギミック
ランドスピナーはABS製
ロールオーバーで画像が変わります

更に、プラモデルでは再現されていなかったコクピットの脱出機構と、差し替えだったコクピットハッチ展開もちゃんとヒンジが用意されていて開閉することが可能である。

コクピットの分離機構 コクピットハッチ開閉
コクピットの再現についてはIAOのほうに軍配が上がる

先にも述べたように、可動範囲は広めに取られているのだが、膝に関しては残念な点も残る。ブリタニア製のナイトメアは、ランスロットも含めて脛の回転が出来るようになっているのだが、紅蓮弐式は内蔵式のランドスピナーを装備しているため、脛部分が回転することが出来ないのである。しかも、腰のベルトも軟質素材で出来てはいて、可動の妨げにならないのであるがどうしても可動範囲がある程度殺されてしまう。その代わり、足首のつま先の部分が回転するようになっているので、接地性は非常に良い。足の可動を求めるのならば、プラモのほうに軍配が上がるだろう。

しかし、後発の強みでIAOの紅蓮には甲壱型腕が付属している。これは、ブラックリベリオンのときに破壊された輻射波動機構を予備パーツで修理した応急装備である。

紅蓮弐式(甲壱型腕装備) 前 紅蓮弐式(甲壱型腕装備) 後
特徴的だった右腕がヘボくなった紅蓮弐式
性能劣化したにもかかわらず、序盤では大活躍でしたね

設定上では、あくまで間に合わせの装備ということで、威力や連射性能が劣化してはいるものの劇中ではそれを感じさせない活躍を見せ、相変わらず黒の騎士団最強のナイトメアの位置づけであった。

フィギュアのほうでは、右腕を丸ごと交換することで甲壱型腕を装備することが出来る。この甲壱型腕は、下手をすると前の輻射波動機構よりも出来が良い。それも、実はこちらのほうがメインではないかと思ってしまうくらいなのである。というのも、設定でも伸縮機構が簡略化されているおかげで、こちらの伸縮機構は完全再現を実現、更に爪も一つ一つが独立可動するようになっている。

甲壱型腕の伸縮機構
カレン弾けろ、ブリタニアァァァ!!
ロールオーバーで画像が変わります

プラモデルのほうでこの甲壱型腕を再現しようとすると、B-CLUBから発売されているガレージキットの甲壱型腕を買わなければならず、しかもこの腕の値段が6000円もするのである。腕だけで本体の3倍とは恐れ入るものである。

ボールジョイントの大きさ自体は、他の製品と同じなので甲壱型腕以外にもサザーランドの腕を装備させてあげることも出来るし、ランスロットに輻射波動機構を装備させることも可能である。

サザーランドの腕を装備させてみる
ゼロを追いかけたときの応急装備状態も再現可能

このように、プラモデルには少々負けてしまう部分もあるが、他の機体との互換性やコレクション性を考慮に入れて総合的に評価を下すと、こちらの紅蓮弐式に軍配が上がるだろう。よりシャープで足に細かいアクションを付けさせたい人は、プラモデルを買うことをお勧めする。

今後の展開をにおわせる要素として、紅蓮弐式のコクピットの裏には訳ありなジョイントが用意されている。

訳ありなジョイント
この部分に何か付ける気満々なジョイント

これは、ブランド名を一新して発売される予定のROBOT魂 紅蓮可翔式への布石と見て間違いないだろう。こちらは2008年の12月にガウェインと同時発売が予定されている。この部分に飛翔滑走翼が装備される日が楽しみである。

魔神 が 目覚める 日
ブラックリベリオンから1年後、ブリタニア植民地であるエリア11は復興を遂げていた。首謀者であるゼロは、処刑され藤堂を初めとする黒の騎士団の中核メンバーは捕虜となり、エリア11における反ブリタニア勢力はその勢いを失いつつあった。反乱を起こしたイレブン、すなわち日本人たちは再教育の名の下に更なる圧制を強いられ、辛酸を舐めていた。

そんな中、ルルーシュ=ランペルージは、弟ロロとともに、退屈な生活を送っていた。その日常の中に、何かの違和感を感じながら・・・。

そんなある日、ルルーシュはロロを連れて建設中のバベルタワーのカジノフロアを訪れた。そこは、ブリタニアの裏の社会でそこでもイレブンたちは抑圧されていた。そんな中、ルルーシュはふとしたきっかけから、裏の社会のチェスの名人である、黒のキングと対局を行う。同じくチェスを得意とするルルーシュは、臆することなく立ち向かい黒のキングをチェスで打ち負かした。しかし、面子の立たない黒のキングは、イカサマをでっち上げようとルルーシュを拘束しようとする。

ルルーシュが捕縛されそうになったとき、バベルタワーは黒の騎士団の残党のテロ攻撃を受ける。彼らの目的は、ゼロであるルルーシュを確保することにあった。騎士団のナイトメア無頼の1機が、ルルーシュを誘うように手を差し伸べる。

手を差し伸べる無頼

しかし、事情を知らないルルーシュはロロとともにバベルタワー内を逃げ惑い、ロロとはぐれてしまう。

ロロを探すルルーシュは、ブリタニア人、イレブンを問わずタワーにいた人間が殺されていることを目撃する。そして、再びルルーシュを誘おうとした無頼が目の前に現れ、中から謎の少女C.C.が現れる。C.C.との邂逅の最中、ブリタニア軍が現れC.C.が撃たれてしまう。彼らは、皇帝直属の機密情報局の者でルルーシュの行動を監視し、C.C.を捕縛しようとしていたのであった。そして、「餌」であるルルーシュを彼らは殺そうとする。

何もわからぬまま死にたくはないルルーシュは、力を求める。それに応えるかのように、C.C.の声がルルーシュの頭の中に響く。

「力がほしいか?力ならお前は持っている。忘却の檻に閉じ込められているだけだ。思い出せ、本当のお前を・・・王の力を!!」

C.C.の力により、ルルーシュは全てを思い出した。自分がゼロであること、神根島で親友のスザクと交わした言葉、そしてギアスの力を!ギアスの力を取り戻したルルーシュは、絶対遵守のギアスを使い機密情報局の人間たちに命じた。

「ルルーシュ=ヴィ=ブリタニアが命じる!貴様たちは・・・死ね!!」

ギアスをかけられた機密情報局の人間たちは、銃を抜き互いを撃って自殺した。ここに、ブリタニアを震撼させた魔神、ゼロが復活したのであった!!

舞い上がりな、飛翔滑走翼ぅ!!(ROBOT魂 紅蓮可翔式のコラムへ)

間違っていたのは俺じゃない、世界のほうだ!(もどる)