1/35 メカニックコレクション
紅蓮弐式(グレンニシキ)

発売元:バンダイ

定価:2100円(税込)


1/35 メカニックコレクション 紅蓮弐式
「見たか、ブリタニア!この紅蓮弐式こそが、私たちの反撃の始まりだ!!」(by紅月カレン)

紅蓮、舞う
河口湖のホテルジャック事件において、人々の前にその姿を現した黒の騎士団は、弱者の味方であることを標榜し、汚職に手を染める法で裁けぬ悪、イレブン(=日本人)に対して不当な暴力を振るうブリタニア人などを次々と葬っていった。結果、黒の騎士団は人々の間で正義の味方であると認知されるようになる。

また、日本解放戦線をはじめとするエリア11の反ブリタニア組織を支援する集団、キョウト六家の支援を受けられるようになり、黒の騎士団には鹵獲したナイトメアフレーム(KMF)・グラスゴーの改造機、無頼、そして純日本製KMF、紅蓮弐式が与えられる。

黒の騎士団の指導者、仮面の男・ゼロ(=ルルーシュ・ランペルージ)は、紅蓮弐式のパイロットとして、騎士団内で最もKMFの扱いに長けた、紅月カレンを選ぶ。カレンが黒の騎士団きってのエースであることもさることながら、彼女が戦う理由(注1)を知るからこそ、ゼロはカレンをパイロットに選んだのだった。

その時、黒の騎士団にある情報がもたらされる。ブリタニア軍が、日本解放戦線の本拠地があると目されるナリタ連山に対し、包囲作戦を展開する準備を進めているというのだ。だが、この情報はブリタニア人でありながら黒の騎士団へ入団を希望する男、ディートハルトからもたらされたものであった。敵側の人間からの情報であるため、鵜呑みにするのは危険かと思われた。だが、その情報を聞きつけたゼロはメンバーに告げる。

「週末はハイキングだな・・・。ナリタまで。」と。

厳重な交通封鎖と、7箇所に配置された大部隊によって退路を立たれた日本解放戦線に、ブリタニア軍が迫る。旧日本軍の名将、藤堂率いる四聖剣は、無頼の強化型KMF、無頼改を受け取るためにキョウト六家へ赴いているため不在。ナリタ連山の基地はブリタニア軍の蹂躙を受けていく。

日本解放戦線の命運ももはや風前の灯かと思われたその時、戦況が急変した。山頂からの大規模な土砂崩れにより、ブリタニア軍は部隊を分断されてしまったのだ。この土砂崩れは、紅蓮弐式の右腕に装備された輻射波動機構を用いて、地下水脈を爆発させて起きたものであった。さらに、山頂から一気に駆け下りてくる黒の騎士団のKMF部隊により意表を突かれたブリタニア軍は、次第にその戦力を削がれていく。

黒の騎士団はエリア11総督、コーネリア・リ・ブリタニアの身柄を拘束するため、コーネリアのいる部隊へ向けて進軍を開始する。と、その時、目の前にKMFの小隊が現れる。ゼロの策略により失脚し、復讐に燃える男、ジェレミア・ゴットバルトの指揮する純血派(注2)の部隊だった。ゼロの挑発を受け、襲い掛かってくるジェレミアの操縦するKMF・サザーランド。これを紅蓮弐式が迎え撃つ形となった。

初の国産KMF
ヴィレッタ「初めて見るタイプのナイトメアです!もしやイレブンが!?」

ジェレミア「イレブン風情にそんな技術があるものか!!」

敵のすばやい動きの前に翻弄されるサザーランドは武器を絡め取られ、組み付かれてしまう。トドメを刺そうと右手をサザーランドに向けて繰り出そうとする紅蓮弐式。ジェレミアは迫る右手にただならぬ気配を察し、あとずさった。

間合いを取るジェレミア
ジェレミア「まずい・・・。あの右手、何かがある!間合いさえ取れば・・・」
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しかし、それは叶わなかった。紅蓮弐式の腕が伸び、サザーランドを捕らえたからである。

頭をつかまれるジェレミア機
ジェレミア「何ィッ!!」
ロールオーバーで画像がわかります

輻射波動をその身に浴び、サザーランドはその装甲がみるみる蒸発していく。ついにはジェレミアの乗るコックピットブロックが射出されると同時に、サザーランドは爆散。その場にいたブリタニア軍は目の前で繰り広げられた光景に戦慄するのだった。

「条件は全てクリアされた。駒も揃った。後は敵の本陣に王手(チェック)をかけるだけだ。」

ルルーシュは無頼のコックピットの中で不敵な笑みを浮かべるのだった。
注1『カレンの戦う理由』:日本人の母と、ブリタニア人貴族の父の間に生まれたカレンは、その父に跡継ぎが居ないこともあって、日本が占領された後は父の実家であるシュタットフェルト家に強引に引き取られる事になった。カレンの母はそんな娘を側で見守るため、メイドとしてシュタットフェルト家に仕えていたが、カレン本人はその母の行動を『男に依存している』と断じ、母を毛嫌いするようになっていた。

カレンの母はそのいびつな生活から、違法薬物であるリフレインに手を出してしまい廃人となりかける。しかし、この一件がきっかけとなり、母の想いを知ったカレンは心の絆を取り戻し、再び母と笑って生きていく事が出来る世界を創るため、戦う決意を新たにした。

注2『純血派』:「ブリタニア軍は生粋のブリタニア人のみで構成されるべき」と考える一団。シンジュクでの戦いで、名誉ブリタニア人(植民地民でありながら、ある程度の権利を認められている人々)であるスザクにクロヴィス・ラ・ブリタニアの殺害の嫌疑をかけたのは、彼ら純血派である。

黒の騎士団最強、紅の戦士
紅蓮弐式は、日本解放を 画策する旧国家首脳陣が、中華連邦領インド省出身の技術者、ラクシャータ・チャウラーの技術協力を得て開発・製造された日本独自のKMFである。

日本が独自のKMFの開発をスタートさせた当初、実戦で運用できたのは鹵獲したグラスゴーに応急改修を施した機体・無頼のみであった。しかし、日本の技術陣はグラスゴーを徹底的に解析、KMFを開発する上で必要な技術を習得する事が出来た。そこにラクシャータによってもたらされた技術を加える事によって、日本は紅蓮弐式以降、独自色の強いKMFの開発を続けている。

ラクシャータの独創的なアイデアが随所に盛り込まれた紅蓮弐式の性能は、ブリタニア軍の主力機・グラスゴー、サザーランドのそれを軽く凌駕し、世界唯一の第7世代KMF・ランスロットに匹敵する。

紅蓮弐式が登場する以前の本作での戦闘シーンは、ランスロットの強さ自慢で、群がる雑魚にランスロットが単機で戦うようなシーンばっかりだった。まあ、それはそれで面白いんだけど、やっぱり戦闘シーンを楽しみに観ている手前、互角の性能を持つライバル機との戦闘には胸踊るものがあるわけで。

ランスロットとのツーショット
ジオン軍のシャア専用ズゴックみたいなデザインの紅蓮弐式

と、いうわけで、筆者個人としてはコードギアスが本気で面白いと思い始めたのは、紅蓮弐式とランスロットが初めて戦った、11話以降からであった。うーん。やっぱりロボット物のアニメで重要なのは、ライバルの存在だよなぁ・・・。

『俺のこの掌が真っ赤に燃えるぅ!』とかは言いません。
牡牛座タウラスのHUYU(コードギアスについて:第一期最終話で『続きは第二期に丸投げ』みたいな酷い終わり方をされたため、「絶対に見てやるもんか!!」とかいきまいていた割に、いざ放送が開始されてみると、周囲の予想通り大ハマリしている、意志薄弱の優柔不断野郎。以下HUYU「さあ、始まるザマスヨ。」

電光勇者超特急ヒカリガイン(HUYUの脳内に生息するファンガイア。遂に念願の紅蓮弐式がキット化されたが、とある理由(詳しくは後述)により、素直に喜ぶ事が出来ない。超馬鹿野郎。以下ヒカリ「行くでガーンス!」

HUYU「・・・と、まあ、今更なネタはあっちに置いといて。」

ヒカリ「せっかく乗っかってやったのに!ヒデェッ!!」

HUYU「まあまあ、お前らの扱いが酷いのは前からの事だし、今更文句言うなって。」

ヒカリ「いやいやいや。なおのことひでぇよ!!」

HUYU「さて、自分の待遇について訴え続けてるヒカリ(馬鹿)は置いといてと・・・、今回のコラムで紹介するのは、宿敵・ランスロットのキット が発売されてから約10ヶ月、第一期の最終話として、テレビスペシャルが放送されてから約9ヶ月経ってようやく発売された、1/35スケール 紅蓮弐式のキットだ。」

ヒカリ「長かった・・・。本当に長かった・・・。」(感涙)

HUYU「感動でむせび泣くのは後にして、キットの解説に移っていこうと思う。まずは全体から見ていこう。」

紅蓮弐式 正面 紅蓮弐式 背面
紅蓮弐式の特徴的なフォルムがしっかりと再現されている。

ヒカリ「あれ?今回のキットは全塗装してないんだな。」

HUYU「新作のレビューだから、なるべく素の状態に近いものを見ていただこうってワケだ。もっとも、この状態でも色分けの方はほぼ完全になされているし、パーツがグロスインジェクションで成型されているから、塗装しなくても質感はバッチリなんだ。腕やコックピットブロックなど、どうしても気なる部分の合わせ目だけを消して、スミイレをするだけで、見栄えは格段に良くなるぞ。」

ヒカリ「・・・どうせ、塗装するのがめんどくさかっただけなんじゃねぇの?」

HUYU「ギクッ!!・・・、そんなことあるわけないだろ・・・。何言ってんだ馬鹿かお前は。」

ヒカリ「図星か。それはそうと、コードギアスって『反逆のルルーシュ』っていうんだから、ルルーシュが主人公のはずだろ。紅蓮弐式って主人公側のメカとは思えない強烈な見た目だよな。赤いし、なんかこう、ずんぐりむっくりしてるし、手は爪になってるし・・・。まるで某赤い彗星専用の水陸両用MSみたいだな。」

HUYU「白くて、背中には剣を二本差してて、銃を持っている・・・。典型的な主人公機っぽいデザインのランスロットとは正反対だな。ゲリラとかレジスタンスって、いうなれば体制に反乱する『悪の組織』だから、そこら辺をわかり易く示すために主人公っぽくないデザインにしたんだろうと思うぞ。」

ヒカリ「なるほどな。紅蓮弐式の最大の特徴と言えば、やっぱり最強の近接武器、爆熱ゴッドフィンガーもとい、輻射波動機構(フクシャハドウキコウ)が内蔵された右腕だけど、これはどうなんだ?」

HUYU「完璧と言っても過言じゃないほどに完璧だよ。肘関節の展開、フレーム部分の伸縮により、オレンジ君、もとい、ジェレミアを驚かせた輻射波動の発射状態を再現することが出来るんだ。」

右腕 展開前 右腕 展開後
腕の長さが倍近く変化します。

ヒカリ「おおー。なかなかの迫力だな。」

HUYU「爪はマスターグレードのようにボールジョイントで接続されているから、全指可動を実現している。ただ、こういう金属色で成型されているパーツには仕方のないことなんだけど、ゲート跡(ランナーから切り離した跡)が黒くなってしまって目立ってしまう。ヤスリなどで削っても消えないのから、ここは同系統の色で塗装した方が良いぞ。」

ヒカリ「ゲート跡の周辺だけ塗装して、目立たなくしようってワケだな。」

HUYU「そういうこと。左腕は右腕とは対照的にあっさりしているけど、肘関節と下腕がポリキャップで接続されているので、後ハメ加工は必要ないし、ロール回転するようになっているから可動範囲を狭める事もないんだ。」

ヒカリ「左腕用に、武器を持った状態の手首も付属するんだよな。」

HUYU呂号乙型特斬刀(ロゴウオツガタトクザントウ)だな。」

呂号乙型特斬刀
特殊合金製のナイフで、KMFや戦車の装甲を切断、貫入したり、敵機の刀剣を折ることが可能。
パイロットであるカレンは、敵機の武器を弾き返したりと、主に防御に使用する。

ヒカリ「お、刀身の部分はちゃんと金色で塗装してるんだな。」

HUYU「流石にここは塗装しないと見栄えが悪いからね。」

ヒカリ「左胸の装甲の色が一部違うけど、胸に装備されているという設定の、スラッシュハーケンも再現されているのか?」

HUYU飛燕爪牙(ヒエンソウガ)っていう、スラッシュハーケンにあたる武器だな。飛燕爪牙の射出状態は、ランスロット同様、リード線つきのパーツを差し替えることで再現しているぞ。」

飛燕爪牙
紅蓮弐式に搭載されているスラッシュハーケンは、左胸の一基のみ。
クローのような形状をしており、用途は攻撃よりも、牽引など物を掴む方に重点が置かれているようだ。

ヒカリ「そういえば、太腿に装備されている装甲がベルトで反対側のパーツと繋がっているみたいだけど、これだと可動を妨げたりするんじゃないのか?」

HUYUベルトが合成ゴムで成型されているから、可動を妨げる心配はないよ。」

合成ゴムでできているベルト
コレのおかげで可動を妨げる心配はない。

HUYU「従来のKMFと違ってスネに内蔵されているランドスピナーこと、高機走駆動輪(コウキソウクドウリン)も設定どおり再現されている。」

高機走駆動輪
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ヒカリ「おおー。これはこれは。・・・しかし、展開するとスネの中が空っぽだな。蹴られたりしたら一撃で壊れそうだ。」

HUYU「言えてる。ランドスピナーのタイヤ部分はランスロットのときはフレームパーツと同じABS樹脂で成型されていたんだけど、紅蓮弐式のキットでは『接地圧可変式タイヤを採用した』という設定のためか、質感を重視したのか、ベルトと同じ合成ゴムが用いられている。ただねぇ・・・。」

ヒカリ「結構な事じゃないか。何が不満なんだ?」

HUYU「合成ゴムって結構柔らかいんだよ。おかげでパーティングライン(パーツの成型時に出来るバリ)や、ゲート跡が消しにくい、いやむしろ、消すのが不可能なんだよ。それが残念でしょうがないポイントだねぇ。」

ヒカリ「あー、確かになぁ。ゲート跡を消しにくいっていうのは致命的だわなぁ。」

HUYU「最後になるけど、背中のコックピットブロックは蓋の差し替えでハッチオープンの状態を再現できるようになっている。中にはパイロットであるカレンの1/35フィギュアが乗っている。立ちポーズのカレンも付属するぞ。

コックピット内のカレン 立ちポーズのカレン
エロい体位で有名な、コックピット内のカレン。スタッフは何を考えていたんだろうか?

ヒカリ「相変わらず塗装してないんだな。」

HUYU「素組みだからな。・・・っていうかめんどくさいからずっと塗装するつもりはないけど。

ヒカリ「おいおい・・・。それはそうと、冷静に考えたら今回のネタは、やっぱり今更なキットだったなー。」

HUYU「今更とは何だ、今更とは。コイツは今年(2008年)の4月に発売された、新作キット様だぞ!!」

ヒカリ「それだよ。その『今年の四月に発売された』ってのが今更だって言いたいんだよ!」

HUYU「・・・やっぱり、お前もそう思うか?」

ヒカリ「そりゃそうでしょう。去年の7月か8月か忘れたけど、静岡のホビーショーで試作が公開されてから何ヶ月経ったと思ってるんだ?その間にアニメは第一期が悲惨な終わり方を迎えた所為で評判は地に堕ちたし、オマエだってランスロットを完成させる気を完全に失くして、しばらく放置していたじゃないか!!」

HUYU「まあ、俺のランスロットのことは置いといて。おそらく紅蓮弐式のキットが今の今まで発売されなかったのは、多分、『アニメの第一期が悲惨な終わり方を迎えた』ってのに理由があるんじゃないかな?」

ヒカリ「!?」

HUYU「あの最終話によって、KMF同士のガチバトルを楽しみにアニメを見ていた真性のロボットオタクどもは、一斉に離れていったと言われている。あのタイミングで発売していれば売れ残りは必定だったと言う事かもしれないんだ!第一、アニメの本放送終了後に発売されたランスロットのキットは、地元じゃあどこに行っても盛大なまでに売れ残っていたからな。」

ヒカリ「つまりランスロットの二の轍を踏まないためにも、バンダイは発売するタイミングを計っていたってことか?」

HUYU「そういうこと。で、アニメ第二期の放送開始が決まって、話題が盛り上がってきた所でキット発売の報を出すと・・・、」

ヒカリ「ま、食いつきは良いだろうな。ここにもオマエという実例がいる訳だし・・・。」

HUYU「何か心を読まれてるようで悔しいけど、そういうことになるんだわ。ホント、バンダイは呆れるほどに商売が上手だな。」

ヒカリ「本当にねぇ・・・。」

「どーせしばらくしたら、OPの中にちょっとだけ出てきた、飛行ユニット装備型とか出るんだろ・・・。」と、思うと、呆れて物も言えないHUYU&ヒカリであった・・・。

ナリタ攻防戦
ゼロはコーネリアを追い詰めるため、紅蓮弐式に別行動をとらせるが、純血派の部隊の根強い抵抗により、分断されたコーネリア率いる親衛隊には近づけないでいた。

ブリタニア軍はコーネリアを死なせないためにも、純潔派が黒の騎士団の動きを抑えている間に後方に下がらせようとする。が、その時、レーダーが親衛隊のいる方面に近づく機影を発見する。それは藤堂と四聖剣の駆るKMF、無頼改であった。土砂崩れが人為的なものであると読んだ藤堂は、コーネリアを捕らえるため、四聖剣と共に親衛隊へと戦いを挑む。コーネリアは戦闘を有利に進めるため、親衛隊に藤堂たちを誘い出す場所を指示、自分はその場所へと先回りする策をとる。

しかし、コーネリアの操縦するKMF、グロースターが向かったその場所には、紅蓮弐式が待ち受けており、また、後ろから追いついてきた黒の騎士団の無頼も現れ、コーネリアは挟み撃ちにあう。親衛隊は藤堂と四聖剣に抑えられ、また、親衛隊と合流しようとしていた部隊も、藤堂の発案で全戦力を投入してきた日本解放戦線に囲まれ、それぞれ身動きが出来ない状態にあった。コーネリアのグロースターも紅蓮弐式との激闘で両腕を失い、危機に陥る。

ブリタニアの皇女として、敵の捕虜になる事を厭うコーネリアは、最後まで戦う事を選択。紅蓮弐式に対して特攻をかける。が、その時、激しい轟音と共に一機のKMFが現れる。ヴァリスを用いて障害物を撃ち破りながら現れたそのKMFは、シンジュクゲットーでの戦いや、河口湖でのホテルジャック事件の時にも姿を現した、憎き白兜―ランスロット―であった!

ランスロット、参上
ロイド「相変わらず無茶するなぁ♪ヴァリスで間の障害物を突き破るなんて・・・。」
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名誉ブリタニア人、枢木スザクの所属する特別派遣嚮導技術部はコーネリアより後方待機の命令を受けていたのだが、本陣を守る副総督、ユーフェミア・リ・ブリタニアの許可を得て、コーネリアの救援に駆けつけたのであった。

―ランスロットの突破力は最大の障害となる―ゼロは紅蓮弐式に、ランスロットの破壊を命じる。命令に応じ、ランスロットに襲い掛かる紅蓮弐式。対するランスロットもこれに応戦する。

激突!ランスロットVS紅蓮弐式
カレン「シンジュクの借りを、ここでぇっ!!」

ランスロットはヴァリスで応戦するが、紅蓮弐式は悠々とヴァリスの砲弾をかわした。

ヴァリスをかわす紅蓮弐式
スザク
「まさか!?ランスロット並の速さ!?」
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ヴァリスをかわされたランスロットは、腰のスラッシュハーケンを放ち紅蓮弐式をけん制したが、紅蓮弐式は輻射波動機構でスラッシュハーケンを受け止め蒸発させてしまう。

スラッシュハーケンを受け止める紅蓮弐式
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スラッシュハーケンを破壊されたランスロットは、メーザーバイブレーションソードで切りかかるも、これも輻射波動機構で破壊されてしまう。

メーザーバイブレーションソードも通用しない
カレン
「そんな武器なんか!」

スザク「くっ!!」

二機のKMFの戦いは全くの互角であった。輻射波動によってメーザーバイブレーションソードを失ったランスロットはヴァリスを至近距離で発射。が、紅蓮弐式の輻射波動はこれをも防ぐ。

ヴァリスの砲弾を受け止める紅蓮弐式
スザク「止めた!?」
ロールオーバーで画像が変わります

コックピット内で驚くスザク。が、その反動で不運にも足場が崩れ、紅蓮弐式は崖下へと転落。使用限界によるものか、右腕が故障してしまう。

紅蓮弐式が使えないとなると決め手に欠ける黒の騎士団では消耗戦しかなくなる。そして相手がランスロットである以上、消耗戦はこちらが不利―ゼロは黒の騎士団に撤退を指示するのだった。

コーネリアからの命令で、ランスロットはゼロの無頼を追う。ゼロは機体を破壊され、脱出しようとするのだが、追いついてきたランスロットによって追い詰められてしまう。その時、二人の間にルルーシュを殺させまいと、C.C.(シーツー)が現れる。C.C.はゼロが脱出する隙を作るため、ランスロットを介してスザクと接触。スザク自身が心の奥底に抱える、過去の幻影を見せ付ける。

「私を置いて行け」というC.C.に対し、彼女を置いてはいけないゼロは連れて行こうとその肩を掴む。だが、それが原因となりC.C.の力が暴走。幻影を見せられていたスザクはその影響を受け、発狂してしまう。ランスロットがヴァリスを乱射する中、自分を庇って重傷を負ったC.C.を連れ、その場から脱出したルルーシュは洞窟内へと逃げ込む。

ランスロットの暴走により負傷したC.C.を介抱するルルーシュは、傷の治りの異常なまでの早さに驚く。目を覚ましたC.C.に、ルルーシュは彼女が寝言で言っていた、自らの本名(注3)を告げる。とうの昔に人間らしさを忘れたC.C.はその名を人間らしいと言うルルーシュに対し涙を見せる。

そんな彼女に対し、ルルーシュは「いい機会だから言って置く。」と前置きし、今回の戦いでのことや、さかのぼってギアスの能力を与えてもらった事などについて、一言礼を言う。「感謝されるのは初めてだよ・・・。」と、言う彼女の涙は、先ほどまでの涙とは意味が違っていた・・・。
注3『C.C.の本名』:彼女が寝言でこの名前を言うシーン、及び、ルルーシュがその名を口にするシーンでは、洞窟内の鍾乳石から水が滴り落ちる音と重なり、聞こえないと言う、いわゆる『視聴者にはまだ秘密』的な演出がなされている。そのため、彼女の本名は未だ不明である。
「お前さえ倒せばッ!!」(メカニックコレクション ランスロットのコラムへ)

「飛べるからって、調子に乗るな!!」(ランスロット・エアキャヴァルリーのコラムへ)

「母さん・・・。私、頑張るからっ!」(戻る)