IN ACTION!! OFFSHOOT
無頼(ゼロ機・黒の騎士団機)
バンダイ IN ACTION!! OFFSHOOTシリーズ
ゼロ機 定価2730円(税込み)
黒の騎士団機 定価2415円(税込み)
黒の騎士団出撃!
ブリタニアの支配からエリア11を解放せよ!!
ルルーシュ、華麗なる騎乗日記
『コードギアス 反逆のルルーシュ』と題名が付けられているとおり、主人公はルルーシュ=ランペルージである。しかし、最近の傾向でありがちなダブルヒーロー制を採用しているためか、ギアスを使って大胆な戦略を実行をするという事に関しては、ルルーシュに焦点が置かれるのだが、ロボットアニメの肝であるメカ戦では枢木スザクが使用するランスロットが活躍する。
ルルーシュは1期序盤では、ブリタニア軍のサザーランドをギアスで奪い使用していた。そのためか、ルルーシュはランスロットの圧倒的な性能の前にに手を焼くシーンが多く、メカ戦ではあまりパッとしないのであった。黒の騎士団を結成しキョウト六家から紅蓮弐式を回された後も、戦闘はカレンに任せて自分は作戦立案および指揮に回ることにしている。そのときに愛用していたのが今回紹介する日本製KMF、無頼なのである。
無頼は、鹵獲したブリタニアのグラスゴーを元にし、KMF製造のノウハウを徹底的に解析して作られた日本製KMFである。と言っても、ほとんどがグラスゴーの焼き直しで頭部のデザインと手首にナックルガードが追加されただけで、グラスゴーとほとんど性能は変わらない。というわけで、ブリタニアの主力機であるサザーランドよりも格下な機体なのである。
これは余談だが、HUYU君の弟が無頼という名前に返り点を一つ打ってしまえば「頼リ無イ」という名前になってしまうことに気づき、HUYU君と筆者の間ではこの機体は『頼り無い』で定着してしまっている。名は体をあらわすという言葉通り、サザーランドよりも性能の低い無頼はひたすらやられ役に徹している。日本解放戦線の使用する無頼は、コーネリアやギルフォードの使うグロースターのランスに串刺しにされ、ダールトンにはグラスゴーもどきと貶されている。
しかし、ロボットアニメのお約束でゼロの乗る無頼は格別の扱いを受けるはずだと誰もが予想していた。ちゃんとデザインも量産型の無頼と差別化が図られているし、そこそこの活躍はするものだろうと誰もが思った。
しかし、実際はゼロの乗る無頼こそ、まさに「頼り無い」そのものなのだった。というのも、ルルーシュが無頼に乗るたびに、彼の無頼は壊されまくるのである。まず、ナリタ連山でコーネリアを追い詰めた際、両腕をもいだはずのコーネリア専用のグロースターにスラッシュハーケンで片腕を持ってしまわれる。
その後、ランスロットによって紅蓮弐式に損傷が出たため、撤退することにしたのだが、ランスロットに逃亡中に追い詰められてしまう。しかも、破壊のされ方が半端ではないのである。以下の劇中再現を見てもらおう。
追って来るランスロットにアサルトライフルを放つも、ハーケンで腕を破壊される
ロールオーバーで画像が変わります
続けざまにランスロットにヴァリス足を破壊され、脱出を余儀なくされる
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ヴァリスを突きつけられ、投降を迫られる
この後、C.Cが現れていなかったら、ルルーシュは死亡確定コースなのだった。
しかし、それでもめげないルルーシュ!タンカーで逃亡を図ろうとする日本解放戦線を囮に、コーネリアを捕縛する作戦を企てる。前の戦闘で、無頼は大破しているはずなのに、何事も無かったかのように蘇り、作戦に使用されているのである。作戦通りに、まんまと日本解放戦線のタンカーを爆破させブリタニアの戦力をそぎ落とし、コーネリアを捕縛しようと意気揚々と無頼でコーネリア軍の本陣に突入するが、またしてもコーネリアに腕を一本取られてしまう。
しかし、カレンの紅蓮弐式の支援もあり窮地を脱出することに成功し、グロースターのコクピットハッチにアサルトライフルの照準を合わせるが、そこに居合わせたシャーリーに気をとられている隙にまたしてもランスロットに顔面を蹴られてしまうのだった!
ルルーシュ「のああああああ!またか、この白兜があ!」
スザク「平然と命を囮にする!お前はただの人殺しだあ!」
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ランスロットに蹴られた挙句に、踏みつけられても戦意を失わず勇敢に無頼で戦おうとするルルーシュであったが、ランスロットの性能の前に全く歯が立たず、一方的に殴られ続けてしまう。挙句の果てには、両腕も片足も破壊され、半壊状態にされてしまう。
ルルーシュ「なぜ、いつも貴様は俺の邪魔をする!」
スザク「どうしてお前は無意味に人の血を流す?」
ルルーシュ「貴様さえいなければ!!」
スザク「お前がいるからあああ!!」
このように、ルルーシュはランスロットへの恨み言を吐きつつ、スラッシュハーケンで脱出を図ったが、ランスロットの追撃のヴァリスによって機体を完全に破壊され、またしても脱出を余儀なくされてしまう。しかも、落下の衝撃に耐え切れずルルーシュは気を失ってしまう。この様を見たスザクに、「ゼロ、これも一つの結果だ!」と高らかと勝ちを宣言されてしまう。この後、紅蓮弐式の援護が無ければ、またしてもルルーシュは死亡確定コースなのだっ
た・・・。
このように、主人公の乗るはずの機体なのに出てくるたびに情けない姿で破壊され、ボロボロにされても次に出てくるときは復活するというパターンが、ルルーシュがガウェインを奪取するまで繰り返された。この「主人公機」らしからぬ、あまりの情けなさに心をつかまれたファンは相当多く、ゼロの乗る無頼は一部では大人気なのだった。しかも、最後の登場で、ガウェインの未完成のハドロン砲を受けて爆散したはずなのに、ちゃっかりR2でも登場し、結構な活躍を与えられている。
このように、色々な意味でパターン破りな「主人公機」、無頼がようやく発売されたので、その詳細を見ていこう。
ただの焼き直しと思うなよ!
サザーランドなどといった量産機も商品ラインナップに加えられているIN ACTION!! OFFSHOOTシリーズであるが、ホビーショーなどでは無頼やガウェインといった黒の騎士団のKMFなどの試作品の展示があり、参考出品だったとはいえ早くから発売が仄めかされていた。そもそも、サザーランドと無頼は、グラスゴーを元に作られた機体のためパーツの流用がしやすかったらしく、試作が展示されたときもサザーランドのパーツが流用されていることがわかるようになっていた。このように商品化しやすかったということと、商品化の声が強かったということでアニメ終了後もシリーズを展開してくれているのだろう。
満を持して発売された無頼であるが、非常に満足のいく仕上がりとなっている。まずは、もっとも一般的な無頼(黒の騎士団機)を見てみよう。
1期で黒の騎士団一般兵の乗るタイプの無頼
グレーを基調とした渋い色合いが兵器っぽさをかもし出している
黒の騎士団専用の無頼は、グレーを基調としており非常に渋い印象を与える。全体的な色調は、アニメの絵よりも少し明るい感じである。各部もサザーランドに負けずにかっちりとしたつくりで、様々なポーズを取らせやすい。手首のナックルガードが追加されており、格闘戦も得意そうな印象を受ける。こちらは、外れるようになっており、持ち手に取り付けることも可能である。サザーランドよりも胸のパーツが小さいため、アサルトライフルの両手持ちがしやすくなっているのが利点である。
サザーランドから大きく変更された点は、股関節の接続方法である。サザーランドはボールジョイントによる接続を取っていたが、この無頼は軸状の関節となっている。
サザーランドをはるかに上回る広範囲の可動を実現!
もともとのデザインが、股関節と太ももの接続軸がむき出しになっていたのもあって、このような形となったと思われる。このおかげで、股関節の動きに関しては同時期に発売されたROBOT魂 ダブルオーガンダム並に可動するようになっている。単なるサザーランドの焼き直しではなく、きっちり製品が進化している点が非常に好印象である。
付属の武器としては、アサルトライフルとロケットランチャーが付属する。
アサルトライフルは、サザーランドと同じもの
量産機用にはブラックリベリオンで使用されたロケットランチャーが付属する
このロケットランチャーは、ブラックリベリオンの際に使用されたものである。武器を持たせるときは、一度武器を分解し、下部のパーツをサザーランドのスタントンファーを固定するために使われていたジョイントで固定してから、横のカバーを使って武器を組みなおす。このとき、ナックルガードは干渉するため取り付けることは出来ない。また、武器の位置取りが固定化されているため、カバーが開いた状態のパーツが必ず下になり、両方カバーを閉じた状態などに出来ないのが難点である。
そして、もっとも内容が充実しているのが無頼(ゼロ専用機)である。こちらは本体のカラーリングと頭部の形状が変更されており、まるで鬼のような印象を受ける。
一見すると強そうなゼロ専用無頼・・・
基本的な構造は、量産型の無頼と同じであるが、付属武器が非常に充実している。まず、R2で使用したナイトポリス用のシールドが付属する。この盾には、タンポ印刷で"POLICE"とマーキングが施されており、塗装の精度も高い。もちろん、持ち手を使用すればこの盾を持たせることが出来る。しかも、劇中で見せたように無頼を乗せて固定することが可能!
シールドには右足がはまるような溝が設けられている
別売りの魂STAGEを使えば、空中ディスプレイもお手の物
別売りの魂STAGE(アクション用)を使用すれば、様々な角度の空中ポーズで飾っておくことが出来る。
さらにうれしい付属品として、同スケールのゼロフィギュアが付属する!
シリーズ初の試みのパイロットフィギュアが付属!
さすがに小さいため、固定式です・・・
このゼロは、R2版のゼロである。ゼロのコスチュームの配色が非常にシンプルなのもあるだろうが、大きさの割に塗装の精度は非常に良い。コクピットシートにゼロを立たせる事も可能である。
シート自体の足場が狭いので、そのまま立たせるとゼロが少し斜めを向いた格好となってしまう。まっすぐ立たせたいと思う人は、シートを奥にしてシートとコクピットの天井でゼロを挟み込むようにすれば、まっすぐ立たせることができる。持ち手の手首の上にも立たせることができるので、ゼロの様々な登場シーンをこのサイズで再現することが可能である。このパイロットの立ちフィギュアは、今後も付属させてくれるとありがたいものである。
このほかに、量産機・ゼロ専用機ともにファクトスフィアを展開させたときのパーツが付属する。
差し替えでファクトスフィアも展開可能
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このように、劇中ではサザーランドよりも格下扱いの無頼であるが、製品のほうは着実な進歩が見られるすばらしいものとなっている。この後の展開としては、11月にナリタ攻防戦の際に藤堂が使用した無頼改が、発売される予定である。さらに、魂ウェブ商店では期間限定でグラスゴーがスラッシュハーケン付きで受注受付され、さらに同じ方法でカレンが使用した赤いグラスゴーと無頼のコンパーチブル仕様で発売されることとなった。
スラッシュハーケンと頭部の造型が変わったグラスゴー
腕にはキャノン砲も装着可能!
どうやら、登場回数の少ないKMFはこちらで発売される運びのようである。
番組は終了してしまったが、KMFの製品化はこれからが本番ということがよくわかる!今後の展開に期待しよう!!
逆襲 の 処刑台
先にも述べたように、続編のR2でもゼロ専用の無頼は登場する。しかも、単なるやられ役にとどまらない活躍を見せてくれた!というわけで、今回はR2第4話の劇中再現を行う!
ゼロが復活したことを受けて、バベルタワーの戦いで死亡したカラレス総督に代わり、ギルフォードが行方不明となったコーネリアの名の下に総督代行の任に付いた。ギルフォードは、復活したゼロをいぶりだすために、扇や藤堂を初めとしたブラックリベリオンの際にとらわれた黒の騎士団256名の公開処刑をすることにする。しかも、その処刑場所はゼロが占拠した中華連邦総領事館前であった。
バベルタワーから脱出したとはいえ、偽者の弟ロロや機密情報局の監視は厚く救出作戦の立案は困難を極めた。そこで、買い物に行くと見せかけて、買い物先でギアスを使ってパニックを作り出し、機密情報局の監視から逃れ、一人コントロールルームに戻ったロロを追い詰める。
しかし、体感時間をとめるギアスにより逆にルルーシュは窮地に陥ってしまう。そこでルルーシュは、C.C.を差し出すことを条件に、ロロを説得し何とか事なきを得、時間を稼ぐことに成功する。
窮地から脱したとはいえ、ルルーシュはロロを排除するためのはかりごとをめぐらせていた。しかし、なかなか良い案が見つからずにいた。刻一刻と処刑時間は迫る中、ルルーシュはバベルタワーで得た機密情報局のルルーシュ活動日記のある項目を見つけたのであった。
そして、処刑当日。多くのイレブンが周囲に集まる中、いよいよ公開処刑が始まろうとしていた。ゼロが現れなかったことで、集まったイレブンたちに勝ちを宣言するギルフォード。サザーランドの機銃が扇たちに向けられたとき、あの男が現れる!
ゼロ「違うな・・・。間違っているぞ、ギルフォード!」
ギルフォード「なるほど、後ろに回ったか、ゼロ!!」
突如として現れたゼロは、群集のあけた道をとおり悠然と処刑会場へと入っていった。
ゼロ「お久しぶりです、ギルフォード卿。出てきて昔話でもいかがですか?」
ルルーシュは、ギアスを使おうとしたのだろうが、ギルフォードにKMFの外に出ることを拒まれてしまう。そして、ギルフォードは、ゼロにナイトメアによる戦いを持ちかけた。
ギルフォード「せっかくのお誘いだが、遠慮しておこう。過去の因縁にはナイトメアでお答えしたいが・・・?」
ゼロは、その要望に応じ無頼のコクピットに乗り込んだ。そして、自ら戦いのルールをギルフォードに申し出る。まず、1:1の決闘であるということ、そして武器は互いに一つだけ選ぶということがゼロの設けたルールだった。ギルフォードは、このルールに応じ、自分の武器としてランスを選択する。
ギルフォード「私の武器はこれだ!」
そして、ゼロの選んだ武器は・・・。
ゼロ「では私は・・・その盾を貸してもらおう!」
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ゼロは、その場に居合わせたナイトポリスが使用していた暴徒鎮圧用のシールドを武器として選択した。このゼロの行動に、周囲はゼロが死ぬ気ではないかと考えた。
ギルフォード「何っ!?それは・・・」
ゼロ「これでいい・・・」
ロロ「暴徒鎮圧用のシールドじゃ・・・。まさか、最初から・・・」
藤堂「自決する気か!?」
周囲の困惑した視線を尻目に、シールドを手にしたルルーシュは不敵な笑みを浮かべた。そして、ギルフォードにこのように問いかけた。
ゼロ「質問しよう、ギルフォード卿。正義で倒せない悪がいるとき君はどうする?」
ゼロ「悪に手を染めてでも、悪を倒すか?それとも、己が正義を貫き悪に屈するをよしとするか?」
この問いかけは、いずれにせよ悪が残る矛盾に満ちた問いかけだった。その問いかけに対し、ギルフォードはこのように切り返し、ゼロに突撃をかけた!
ギルフォード「我が正義は、姫様の下に!!」
このように応えたギルフォードに対し、ゼロは自らの答えを高らかに宣言した。
ゼロ「なるほど・・・。私なら、悪を成して、巨悪を討つ!!」
彼の言葉に呼応して、突如として処刑場のブロックの土台が総領事館に向けて傾きだした。ルルーシュは作戦開始前に階層コントロール員にギアスを掛け、「巨悪を討つ」という台詞と同時に処刑場のブロックの土台を崩させるように仕向けていたのである。この作戦は、丁度ブラックリベリオンの際にコーネリア率いる外郭守備部隊に壊滅的なダメージを与えたものと同じ作戦であった。
足場が傾いたことにより、その上にいたナイトメアフレームは次々と滑り落ち地面に叩きつけられていった。さらに、囚人たちを乗せた処刑台はまんまと総領事館の領内に滑り落ちる。ルルーシュは待機していた紅蓮弐式と無頼の部隊を突入させ、囚われの身の扇たちの救出に向かわせた。
ほとんどのナイトメアや武装車が滑り落ちてしまったが、ギルフォードやグラストンナイツはスラッシュハーケンを用いて斜めになったブロックに懸命にしがみついていた。そんな彼らを尻目に、ゼロは借りていたシールドをスノーボードに見立てて颯爽と土台を滑り落ちていった!
ギルフォード「卑怯な!!」
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バート「何が一対一か!!」
この租界の構造を逆手に取った奇襲作戦により、待機していたブリタニア軍は甚大な被害をこうむってしまった。恨み言を叫んだグラストンナイツの一人、バートは、その直後に滑り落ちるG1ベースの下敷きとなってしまい死亡、何とか被害を免れたアルフレッドも紅蓮弐式の輻射波動によって倒されてしまう。
総領事館の敷地は、中華連邦の治外法権区のためブリタニア軍は発砲することが出来なかった。しかし、ロロのヴィンセントはそのようなことに構うことなく、ゼロの無頼を追って突入をかけた。
一般兵「ヴィンセントが突入しました!」
ヴィンセントに反応した一般兵の乗る無頼は応戦したものの、ヴィンセントにたやすく撃破されてしまう。さらに、カレンの紅蓮弐式もサザーランドの銃弾から扇たちを守るために、輻射波動を展開し動くことが出来なった。そして、ヴィンセントはゼロの無頼の後を取った。
ルルーシュ「来たか・・・。来てしまったのか!?ロロ!!」
ロロ「やっぱり逃げるんですね・・・。C.C.を差し出す約束は?ルルーシュ、最初から僕にウソを!!」
後を取ったヴィンセントは、腰に装備されたスラッシュハーケンを容赦なく無頼に向けて射出した。その攻撃に無頼は片腕を破壊されてしまう。
ルルーシュ「まだ・・・。まだ、捕まるわけには・・・!」
ロロ「僕に未来をくれると言ったくせに・・・。」
ルルーシュ「ここで死ぬわけには!!」
ロロ「任務さえ果たせば、未来は繋がるんだ!!」
・・・とそのとき、外で待機していたグロースターが狙撃を敢行した。その照準は、ヴィンセントに向けられており銃弾の軌道はヴィンセントに直撃するコースを取っていた。ロロのギアスでは、物理現象を止めることは出来ないので、どうすることも出来なかった。
ロロ「しまった!物理現象は止められない・・・。直撃コースだ!こんなところで・・・。」
死に直面した彼を助けた男がいた!それは、追われていたはずのルルーシュだった。ルルーシュは無頼の機体をヴィンセントの前にやり、銃弾からヴィンセントを守った!
ロールオーバーで画像が変わります
かろうじて命を救われたロロは、何故自分を助けたのかルルーシュに問いかける。
ロロ「どうして僕を・・・?」
ルルーシュ「お前が弟だから。植えつけられた記憶だったとしても
お前と過ごしたあの時間に、ウソは無かった!」
今まで家族もなく生きていた彼にとって、この言葉は重くのしかかる。初めて家族として認められたこと、今までの思い出がウソではなかった事。ルルーシュは「自分の命が大事」と言い放ったにも関わらず・・・。
ロロ「自分の命が大事だって、そう言ったくせに、そんなくだらない理由で・・・」
ルルーシュ「約束したからな。お前の新しい未来・・・」
ロロ「!」
ルルーシュ「お前の未来は、俺と・・・。」
動けなくなったゼロの無頼を確認したギルフォードは、グロースターのランスをゼロめがけて放り投げた。
ギルフォード「ゼロ、ここで因縁を断とう!」
ギルフォード「私の一撃で!この鉄槌で!!」
ルルーシュ「!?」
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そのランスは、ルルーシュめがけて飛んでいった。しかし、そのランスをロロは思わず受け止めてしまう。
このヴィンセントの行為を目の当たりにしたギルフォードは驚き、ヴィンセントを問い詰める。
ギルフォード「何!?どういうつもりか、キンメル卿!!」
ロロ「いや、これは・・・。」
ギルフォード「まさか、ゼロの仲間か!?」
自分の行った行為に動揺を隠せないロロは、混乱し何がなんだかわからなくなってしまう。そんな彼にルルーシュが携帯電話をかけてきた。学園で教師をやっているヴィレッタから通信が入ってきたのだという。ルルーシュは、ロロにヴィレッタと彼の会話を聞かせる。
ルルーシュ「わかっていますよ。もう危ないことに弟を巻き込みません。」
ロロ「!?」
ルルーシュ「当たり前じゃないですか。ロロには、人殺しのある世界なんて似合わない。」
そのとき、中華連邦がブリタニアに対し、これ以上の戦闘は武力介入とみなす旨の通達が送られ、ブリタニアは撤退を余儀なくされた。ギルフォードは作戦の失敗を自覚し、怒りの表情を隠すことが出来なかった。
かくして、囚われの身だった黒の騎士団団員たちは全員無事に救出された。ロロは、C.C.がいるにもかかわらず、呆然とすることしか出来なかった。そんな彼にルルーシュは、やさしい言葉をかける。
ロロ「C.C.がいるのに、僕はもう・・・」
ルルーシュ「最初からブリタニアには安らぎは無かったんだ。お前の居場所は、ここにある!」
これにより、ロロはルルーシュに完全に篭絡されてしまう。しかし、そこにはルルーシュのどす黒い計算がうごめいていた。活動日記から、機密情報局のシステムのパスワードを入手したルルーシュはロロの資料を見つけ、彼の生い立ちを知る。自分の経歴を残した資料を司令室に残していたということで、ルルーシュはロロをギアス以外に取り得がないと判断した。
さらに、外縁に布陣していたグラストンナイツのデヴィッドにギアスを掛け、ヴィンセントを狙撃させ、自分が脱出したらヴィンセントを撃破するように指示を出していた。篭絡に失敗したときの策もちゃんと用意していたわけである。
このようにして、不確定要素の多かった作戦ではあったものの結果的には見事に成功した。篭絡したとは言え、ルルーシュはロロに対して良い感情を抱けるわけは無かった。全ては打算のため。ルルーシュはロロに対するそのどす黒い本音を視聴者に吐露する。
ナナリーのいるべきところを奪い取った偽者めぇ!
散々使い倒して、ボロ雑巾のように捨ててやる!!
かくして、ゼロは黒の騎士団の戦力を回復させ徐々に自らの監視の目を排除していくのに成功していくのだった・・・。
邪魔なんだよ、君たちは。(ROBOT魂 ガウェインのコラムへ)
撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ!(もどる)