HGUC νニューガンダム

発売元:バンダイ

HGUC(ハイグレードユニバーサルセンチュリー)シリーズ

定価:2625円(税込)
(Hi-νガンダム:2310円(税込))


νガンダム
νガンダムは、伊達じゃない!!」(byアムロ・レイ)
"ν"は"ニュー"と読みます。

New(新たなる)ガンダム
地球連邦軍の新興外郭部隊、ロンド・ベルは、ネオ・ジオンの【隕石落とし】の阻止に失敗、作戦に使用された隕石5th・ルナ(フィフス・ルナ)は地球連邦の首都があった、チベットのラサへと落ちてしまう。

ロンド・ベルに所属するアムロ・レイは、ネオ・ジオンの総帥となったかつての宿敵、シャア・アズナブルの操縦するニュータイプ(NT)専用MS、サザビーとの性能差を痛感していた。シャアの【地球寒冷化作戦】が5thルナだけで終わるはずが無いと考えたアムロは、シャアの次の作戦に間に合わせるため、かねてより開発中であった自分専用の機体、νガンダムを受け取るため、単身、月のアナハイム・エレクトロニクス、フォン・ブラウン工場へと向かう。

母艦ラー・カイラム所属のメカニック、チェーン・アギ、アナハイム社の社員、オクトバーらとともに調整作業を行っていたアムロのもとに、ラー・カイラム艦長、ブライト・ノアから連絡が入る。ネオ・ジオンの部隊が動き出したというのだ。

オクトバーの制止を振り切り、アムロはνガンダムを起動させると、チェーンと共に月面から飛び立っていく。

ラー・カイラム所属のMS部隊と、ネオ・ジオンのMS部隊の戦闘は、アムロの不在もあってか、ネオ・ジオン側が優勢であった。混戦を極める戦場に、一条の光が走った。戦艦並のエネルギーを持ったビームを撃ったのは他でもない、アムロのνガンダムであった。

狙撃するνガンダム
アムロ「戦闘が始まっている。民間シャトルも漂流しているじゃないか! 援護する!」

チェーン「こんな遠くからなんて、無理ですよ。」

アムロ「そのためのニューガンダムさ! やれるっ!!」

アムロのνガンダムが駆けつけると、ネオ・ジオンは撤退していくのだった。ブライトの長男、ハサウェイ・ノアはシャトルの窓からその様子を見て、思わず感嘆の声を上げる。


ハサウェイ「あれは、白いMS!・・・ガンダムだ!」

アムロ「あの引き際・・・鮮やかすぎる。・・・妙だな?」

アムロはネオ・ジオンのあまりの引き際の良さに不信感を覚える。アムロとシャアの最後の戦いは、まだ始まったばかりなのであった・・・。

伊達じゃないガンダムの、伊達じゃないキット化
RX-93 νガンダムは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する、本作の主人公機といえるMSで、一年戦争以来の宿敵である、シャア・アズナブルとの決着をつけるため、アムロ・レイが自身の専用機として開発したMSである。

コックピット周りにサイコフレームを採用し、さらにオールレンジ兵器であるフィン・ファンネルを搭載したνガンダムは、ガンダムタイプ初の完全なニュータイプ専用機となっている。

ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』でも、トップクラスの能力を持つ、アムロが最後の戦いで搭乗した最強の機体という事で、運動性や防御能力の強みはもとより、装備する強化パーツ次第でフィン・ファンネルの射程距離が作中のラスボスのそれよりも広くなったりと、その最強ぶりを遺憾なく発揮する。正直言って、νガンダムがいれば、ストライクフリーダムガンダムなんか、必要無い(注1)といっても過言ではあるまいよ。

νガンダムを象徴する台詞として最も有名なのは、地球へ落下しようとする小惑星アクシズを、アムロがνガンダムで押し返そうとするときに発した言葉「νガンダムは、伊達じゃない!!」ではなかろうか。今回紹介するHGUCのキットは、その台詞を体現するかのごとく、まさに『伊達じゃないHGUC』と言っても過言ではないキットであった。

と、いうわけで、早速キットについて見ていこう。

・・・ちなみに、筆者は1/144スケールのキットは、大抵の場合は全塗装で仕上げていたのだが、今回はあえて部分塗装で仕上げた。大抵のキットは仕上げる前に、ディテールアップパーツを接着したり、肉抜き箇所をパテ埋めしたりするので、塗装する必要があるのだが、νガンダムはその必要がなかったから塗装しなかったのだと、言っておこう。決して、塗装するのがメンドかったとか、そんなんじゃないんだからね!

このキットのすごい所は、まず、合わせ目が目立たない事である。
肩や前腕の合わせ目は、端に寄せる事でモールドになっているので目立たず、腹部や太股、脛はパネルラインのようにパーツが分割されている。

特にすごいのが頭部である。従来のキットでは前後または左右でパーツを組むヘルメットが、νガンダムではヘルメットが一体成型になっている。フェイスパーツは下から差し込むようになっているので、難易度の高いフェイスパーツの後ハメ加工とはもうおさらばである。

ヘルメットと顔パーツ 表 ヘルメットと顔パーツ 裏
こんな風になっているので、合わせ目消し&後ハメ加工いらず。

従来のキットでは後ハメ加工が必須だとされてきた、肩アーマーと腹部も、加工する必要がない構造となっている。

肩アーマーと腹部
腹部はそのまま差し込むだけでオーケー。
肩アーマーはMGのように肩関節軸に通す形で固定される。

で、後ハメ加工も、合わせ目消しもせずに組み立てた物がこれである。

νガンダム(バズーカ装備)正面 νガンダム(バズーカ装備)背面
肩とシールドに刻まれたアムロのパーソナルマークは付属のマーキングシールで再現されている。

全体的にいわゆる今風のアレンジが効いており、SEEDがリアルガンダム原体験の筆者にもすんなり受け付けることが出来るプロポーションとなっている。

装甲裏の表現にもぬかりは無い。従来のキットではスカートの裏などはタダの空洞だったので、『影になる部分』と解釈して黒く塗りつぶすか、パテで埋めて自分でモールドを彫るしか無かったわけだが、νガンダムの場合は装甲の裏に、MG並のモールドが彫られており、キットの密度を高くしている。

バックパックには設定どおり、νガンダムをνガンダムたらしめているサイコミュ兵器・フィン・ファンネルをマウントさせる事が可能となっている。

フィン・ファンネル装備状態 前 フィン・ファンネル装備状態 後
『マントを纏ったようなガンダムを』と発注したら、こんなデザインになったらしい。

マントというより、片羽に見えますな。

しかし、この全体像を見て誰もが考えるのは、「背中にこんなに大きい荷物背負ってて、ちゃんと自立すんのか?」であろう。νガンダムのキットにフィン・ファンネルが付属するとなれば、必ず槍玉に挙げられる、これは無視できない問題である。

マスターグレード(MG)なんかでは、ABS樹脂製の関節パーツにネジを使用することで保持力を高めて克服してきたこの問題を、各関節部にABS樹脂製のパーツを用い、軸が太くなった新型ポリキャップを組み合わせることで、関節の保持力を高めている。

新型ポリキャップ
これからのスタンダードになる・・・のか?

バックパックが大きい機体や、νガンダムのようにデカイ上に重い荷物を背負うような機体のキット化の際には、採用し続けて欲しい機構である。

ただし、これはあくまでも保持力が強いと言うだけの話である。MGでは転倒防止のため、足首にダイキャストを使用していたということらしいので、転倒するのが心配ならば、スタンドを使用して飾るか、足に錘を仕込むぐらいの工夫は必要だろう。

さてここからは、可動範囲について見ていこう。
肩は前後と上にスイングさせる事が可能になっており、肩アーマーも軸受けが可動するので、肩を跳ね上げさせるようなポーズをとらせることも可能となっている。

肩を跳ね上げて、上に向かってビームサーベルを構えるの図

ただし、肘関節はHGUC ヘイズル改以来続いてきた二重関節ではなくなっており、90度程度しか動かないのが残念でならない。

飛行ポーズが決まるように、首、腰がスイングできるようになっているのも嬉しいところである。

飛行ポーズ

腰にはボールジョイントを用いることで、スイングできるようになっているのだが、背中に重い荷物を背負うキットが腰にボールジョイントを用いると、へたれることがある。だが、このキットでは軸受けに使われているポリキャップ・PCDが、深い位置に取り付けられているので、奥まで差し込めば仰け反ることはない、安心設計となっている。

膝周辺の可動範囲も見た目を重視したためか、それほど広くはない。ただ、従来のキットでは関節部分は淡白なデザインだったが、このキットでは細かいディテールまで再現されているのがウリと言えよう。可動範囲が広いのはもちろん嬉しいのだが、こういった箇所がMG並に細かく再現されているのも嬉しいところである。

膝関節
なんと、シリンダー状のディテールがモールドされている。
銀色で塗装すると良いアクセントになるのでオススメです。

背中に背負うフィン・ファンネルは、一個ずつ分離し、基部が可動するようになっているので、差し替え無しで変形する。

ファンネル射出状態 収納状態(折り畳み) 収納状態(通常)
ABS関節のおかげで小型のHGUCでもフィン・ファンネルの変形を完全再現できる

ファンネルの裏にはローマ数字のT(1)・U(2)・V(3)のように見えるモールドが刻まれており、これで装備状態にする時に組み合わせる順番が識別できるようになっている。この時、基部から数えて1・2・1・2・3・3の順番で取り付けると、いつもの背負っている形となる。

先に発売されたHGUC ヤクト・ドーガは、スチロール製の棒を付属する事で、ファンネルの射出状態を再現していたので、νガンダムも何らかの方法で射出状態を再現できるようになるんじゃないかと期待していたのだが、そんなパーツは付属しないので、残念ながら再現することは出来ない。

だが、バンダイのアクションベース2などのスタンドを用いれば、それっぽく固定できるので、本体の展示に用いる分とあわせて計7個買えば、ゲームの1シーンよろしくファンネルの全基射出状態も再現できるぞ。

フィン・ファンネル射出状態
さすがにスタンドを7個も用意なんて出来ないので、今はこんなもんでご勘弁を。

フィン・ファンネルは内部にジェネレーターを装備しているおかげで、バッテリー駆動のネオ・ジオンのファンネルよりも稼働時間が長くなっている。また、メガ粒子加速装置も内蔵しているので、MSが携帯するビーム兵器としても威力の高い武器となっている。

最強の矛と言えるフィン・ファンネルは、同時に最強の盾でもある。複数基のファンネルを使用する事で、ビーム攻撃を無効化する、Iフィールド・バリアを展開することが可能となっているのである。2基以上のフィン・ファンネルを使用することで、一方向からの攻撃をブロックし、また、4基以上のファンネルを使用すれば、バリアをピラミッド状に展開。全周囲からの防御が可能となっている。

Iフィールドバリアの展開
ネオジオンの強化人間、ギュネイ・ガス曰く、 「ファンネルがなんであんなにもつんだ!?」

ところが、ファンネルをIフィールド・バリアとして使う戦い方は、これをコントロールする高いニュータイプ能力が必要とされるらしく、第2次ネオ・ジオン戦争以来、アムロと並ぶ、もしくは超える、高い能力を持つパイロットが現れなかったため、ファンネルタイプの武装が簡略化の一途を辿っていったことも手伝って、これより後に開発された機体にはこの機能は受け継がれてはいない。まさにアムロとνガンダムのみに与えられた、聖剣ともいえる兵器となっている。

武器はファンネルのほか、ビームライフル、バズーカ、シールド、ビームサーベルといった、基本的な物が付属する。これらの武器は各色ごとに色分けされており、部分塗装の場合、塗装の必要があるのはバズーカの一部分のみである。

武器一覧
右から、ビームライフル、バズーカ、シールド、ビームサーベル、ビームサーベル(予備)
ビームサーベルは柄尻に取り付ける小さいビーム刃も付属するから驚きである。

ビームサーベルは鍔の部分が可動、また、左腕に格納されている予備のサーベルも、装甲をスライドさせることで取り出すことが出来るようになっている。

予備のビームサーベルを取り出しているところ

今回の握り拳は、空洞が埋められており拳の再現がよりリアルになっている。武器の保持用の持ち手パーツもリ・ガズィ同様にピンでの固定になっている。これで大型のバズーカを持ってもカッチリ固定される。しかし持ち手パーツが右手にしかないので武器の両手持ちが出来ないのが残念なところである。

持ち手一覧
微妙に足りないラインナップの手首パーツ

金型成型の都合上、フィン・ファンネルのジョイントパーツが2個入っているので、左右両方に取り付ければ、ダブルファンネル仕様に出来る。もっとも、この状態を再現しようと思ったら、キットのファンネルが2セット分必要になるので、3機ずつを左右に取り付けてなんちゃって仕様として楽しむのもアリかもしれない。

νガンダム、(なんちゃって)ダブルファンネル仕様

こういうことも出来るので、後に発売された金型流用のバリエーションキットである、νガンダム・HWS(ヘビーウェポンシステム)も、改造用のパーツ取りという名目で購入しても、いい気分になってくる。

満を持しての発売となったνガンダムのHGUCは、待った甲斐があったと言える良キットである。バンダイには石油価格の高騰に負けずに、このキットのようなクオリティを維持し続けてほしいものである。
注1『ストライクフリーダムなんて、必要ない』:なんて事が実際にはあるわけも無いのだが。『スーパーロボット大戦』は結局のところ、どれだけお気に入りの機体に、改造資金という名の愛を注ぎ込めるかに勝敗がかかっているゲームであるからして、ストライクフリーダムだって改造してやれば、最強になれる、ハズである。改造した事無いけど。
『νガンダムを超えるνガンダム』って意味では、無いらしいですよ、実際。
HGUCシリーズはじまって以来の傑作キット(と、勝手に筆者の脳内で)認定されたHGUC νガンダムが発売されてから一年後。νガンダムのバリエーション機としては大本命と言える機体が、同シリーズでキット化された。

それがこの段から紹介する、HGUC Hi-νガンダムである!

Hi-νガンダム
「Hi-νガンダムは、伊達じゃない!!」

Hi-νガンダムは元々は、小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア〜ベルトーチカ・チルドレン〜』の口絵に掲載された、【小説版・νガンダム】とも言うべき機体である。模型雑誌にMSV(モビルスーツ・バリエーション)の一機としてイラストが掲載され、後にイラストを元にガレージキットが発売される。その時の商品名が【Hi-νガンダム】であった。しかし、そのネーミングから「νガンダムの完成形・発展型」という誤認が広まっていったのだった。

その誤解を広めた要因のひとつとして、TVゲームの存在もあげられる。『SDガンダム Gジェネレーションシリーズ』では、発展型という位置づけで、νガンダムからそのまま開発できる。また、『スーパーロボット大戦シリーズ』では、特定の条件を満たす事で入手可能な「隠しユニット」として、露骨なまでにνガンダムよりも高い性能を発揮する機体として登場する。ゲーム内でも、「急造機であるνガンダムと違い、十分な性能テストを行い完成された機体」と説明されており、そんな見せ方をされたら、筆者みたいなにわかなガンダムファンは、誤解しちゃっても当然ですよ!ってなモンである。

余談ではあるが、筆者の『スーパーロボット大戦』のセーブデータでは、アムロが機体を乗り換えた事で、余ったνガンダムは機体性能に恵まれない、カミーユ・ビダンかジュドー・アーシタが搭乗する事になり、「νガンダムをダブルで出撃させた方が強いな」というワケで、キラ・ヤマトとフリーダムガンダムの出撃枠は完全に剥奪されているのだった。(注2)

脅威のνガンダム小隊
アムロ「カミーユ、敵機の牽制を頼む!」

カミーユ「了解です、アムロ大尉!」

(艦内にて)キラ「・・・。」

きっかけが誤解からとはいえ、ファンの間で根強い人気を誇るHi-νガンダムの存在を、バンダイが黙って見過ごす訳が無く、サンライズの主導で『Hi-νガンダム 公式設定化計画』なる計画が始動。2006年12月に『逆襲のシャア』のメカデザインを務めた出渕 祐氏の書下ろしによる公式設定画が公開され、それを元に翌年3月にMGでキット化がなされた。

公式デザイン画を見てからすっかり惚れこんだ筆者は、当然の事ながらMG Hi-νガンダムを欲しいと思うようになった。が、7350円(税込)という、大型キットであるが故の価格設定と、キットの箱の大きさを前に、すっかり戦意を喪失してしまったのだった。これから紹介する、HGUCでのキット化は、「これくらいなら買える」という、MGを買えなかった人のための、ある種の妥協点と言えるのかもしれない。

後になって知った事だが、MGのHi-νは、全体的にバランスの悪いキットであるとかなんとか、ファンの間で囁かれていた。・・・ウーム、買わなくて正解だったか?

Hi-νガンダムはνガンダムのバリエーションの一種という認識から、どこかに金型流用のパーツがあるだろうと思っていたのだが、そんな事は全く無く、肩アーマーや胸部などの、特徴的な青と白の塗り分けをパーツ割りで再現するために、PCパーツ以外の全ての部品が新規となっている。

Hi-νガンダム・正面 Hi-νガンダム・背面
作中のみならず、ゲームでも無類の強さを発揮する、アムロ・レイが搭乗する最強の機体。

マーキングシールはたくさん付属していたが、あまりゴチャゴチャになるのどうかと、
というワケで、パーソナルマークだけしか貼っておりません。

合わせ目消しが必要なのは武器と背中のプロペラント/スラスターユニットのみという、相変わらずのクオリティの高さ。頭部はνガンダムと同じく、ヘルメットの下から顔面パーツを差し込む方式となっている。

デザインが省略されている箇所もあるので、そういう箇所には改造を施してある。

スネ裏のスラスター
スネの裏側にあるスラスターは省略されていたので、一度削り落とし、市販のパーツでディテールをアップしている。

プロペラント/スラスターユニット
先端部の小型ブースターが省略されていたので、ピンバイスでお椀型になるように開孔。

背中にフィン・ファンネルを背負っているため、重心は若干後ろよりである。使用されているPCパーツは軸が太くなっているPC-132ABなので、保持力は問題ないのだが、筆者のHi-νは一応の転倒対策として足の中に釣具用の錘を仕込んである。

上半身の可動はνガンダム準拠で、肩を跳ね上げさせたり、首を引き出すことで上を向かせることが出来るなど、概ね良好な動きである。ただし、頬の出っ張りが邪魔して、左右にはあまり動かない。一方、下半身の可動範囲はνガンダムで導入されていた「関節の可動を制御する事で、ポージングを容易に」という足枷が緩和されたのか、νガンダムよりも広く動くようになっている。

上半身の可動 下半身の可動

武器はビームライフルに、ハイパーバズーカ。ビームサーベル、シールドといった、基本的な装備が付属するシールドは特徴的な幾何学模様をパーツ割りで再現している。が、そこで力尽きてしまったのか、ライフルとバズーカは色分け無しの単色成型、そのうえ、設定とは違う成型色となっている。・・・おかげで塗り分けが超大変だった・・・。

銃火器類の持ち手が相変わらず右手しか付属しないので、ライフルとバズーカの両手持ちは不可能。銃火器を2種類以上付属しているキットには、両手持ちが出来るよう左用の持ち手も付属して欲しいと思うのは、単なるユーザーのワガママだろうか? 握り拳パーツはνガンダムのように指を握りこんでいる造型ではないので、左手でもサーベルを構える事が可能となっている。

右手に銃を、左手に剣を

νガンダムのときには背部にマウントできたバズーカが、デザインの都合か、Hi-νではマウントできなくなっている。また、シールドのジョイントに使用されていたマウントラッチ状のパーツが廃止されており、棒状のジョイントに戻されてしまっている。しかし、ジョイントの側面にはシールド固定用のボルトと見えるデザインがなされており、これはこれでカッコイイといえる。

シールド用ジョイント

柄の上下両方に取り付けるサーベルのビーム刃は、成型色がクリアブルーとなっている。ただ、ゲームではいつも通りのクリアピンクだったので、ピンバイスでビーム刃を取り付ける穴の径を調節、2本付属する柄の内の一本を、『機動戦士ガンダム00』のHGシリーズに付属するビーム刃を使えるように改造してみた。

ビームサーベルは、やっぱりピンク?

背中に背負うファンネルコンテナは、一部が開き、ビームサーベルを搭載できるようになっている。

ビームサーベル搭載
νガンダムの時には再現されていた、左腕の予備サーベルが、Hi-νではモールドのみとなっているのが、寂しいけど。

フィン・ファンネルは左右のファンネルコンテナに3基ずつ、計6基が搭載されている。本体から分離し、攻撃形態に変形させることが出来るのは、一番上のPCパーツで接続されている2機だけで、残り4基は変形無しのダミー仕様となっている。

フィン・ファンネル(Hi-ν)
6基中、4基が変形できないなんて・・・
別にアムロさんのニュータイプ能力が、不調というワケではありません。

こういう、一部変形なしみたいなパーツを作ると、決まって手抜きだとか言われるが、筆者はそうは思わない。むしろありがたいくらいである。フィン・ファンネルのように、ある程度の大きさがあって、複数の部品を組立てる武器が複数あると、正直な話、組立てるのが面倒くさくなってくる。後から一部のみとはいえ、塗装する事を考えたら、余計に面倒くさい。組立てラクチンという意味では、一部を変形無しとするのも、アリと言えよう。

ちなみに、ダミー仕様のファンネルを装備するためのジョイントには、変形式のフィン・ファンネルを無改造で取り付けることが可能となっている。

ファンネル装備

つまり、その気になればHi-νのフィン・ファンネルをすべて変形可能に出来るということである! が、その場合、多数のパーツを注文する必要がある。・・・ファンネルの青く色分けされている部分は共通パーツなので注文する必要は無いとしても、ファンネル1基につき、6個の部品×4基分で、部品代だけで960円。定額小為替の発行手数料が一枚100円、切手代が80円、郵送料が120円必要となるので、1260円も必要となる。プラモデルが丸々一個買える値段である・・・。そこまでやる必要があるのかというと・・・。

それに、ファンネルをすべて交換すると、間違いなくその分背中が重くなり、重心が偏る。結果、こけやすくなる。というワケで、これはあまりオススメできない改造(?)といえよう。っていうか、ファンネルをすべて展開状態で展示する事が、あるわけもなし、と、妥協するのも必要だろう。

ファンネル一部非変形という、人によっては不満が残りそうな部分はあるが、筆者的には武器の成型色が設定と違うという点以外は、良キットと言える。値段的にMGは無理でも、HGUCくらいならという人には、是非オススメのキットである。

こうなるとHi-ν(小説版ν)のライバル機である、シャアの機体・ナイチンゲールもHGUCでキット化して欲しくなる! が、おそらくお値段3〜4000円はする大型キットとなる事請け合いなので、これは微妙かなぁ・・・?
注2『出撃枠を剥奪されたフリーダム』:と、いう割には、各種ステータスをフル改造されたストライクガンダムに搭乗したムウ・ラ・フラガを、最終話付近まで最前線で愛用していたりする、筆者の『第三次 スーパーロボット大戦α〜終焉の銀河へ〜』のセーブデータは、一体・・・? つまり、ゲームの勝敗を分けるモノは、改造資金を注ぎ込む愛のほかにもう一つ、キャラクターへの偏愛もある、ということである。
「ケーラッ!!」(HGUC リ・ガズィのコラムへ)

「俺はお前ほど急ぎ過ぎもしなければ、人類に絶望してもいない!!」(HGUC サザビーのコラムへ)

「だから世界に人の心の光を、見せなきゃならないんだろ!」(戻る)