HGUC ヘイズル改
HGUC ヘイズル改

バンダイ 1/144HGUCシリーズ

価格1300円(税別)

書いた人 牡牛座黄金聖闘士HUYU


HGUC ヘイズル改
ティターンズの旗の下に・・・

朝まで生対談!? ティターンズは悪か、否か!!

牡牛座黄金聖闘士HUYU(おのれ大張監督、おのれ《ダンクーガノヴァ》! 『超獣合身』だの『ジェノサイドロン』だのいちいち人のトラウマを抉る言葉を連発しやがって…。でもカッコいいから許しちゃう。←馬鹿。以下HUYU)
:今回は発売から一年以上経って、旬はおろか消費期限まで過ぎてしまった気がするキット[ヘイズル改]のレビューをお送りしたいと思いまーす!!

電光勇者超特急ヒカリガイン(《ダンクーガノヴァ》の登場人物の一人、《ルー・リルリ》。名前を《ルリルリ》と間違えられたり、『馬鹿ばっか』と言わせてみたり、どうもある人物を思い出させるのだが…。以下ヒカリ)
:イエーイ!!ってなんか今回テンション高いな? 何か良いことあったん?

HUYU:え、別に何も無いけど…、ただ単に盛り上げて見ただけだよ。

ヒカリ:なんだ、そうなのか? てっきりバレンタインに貰ったチョコに『呪』って彫ってあったから、ホワイトデーにどんな呪いで三倍返ししようと企んで、その日が近いから居ても立ってもいられないのかと思ったよ。

HUYU:お前は俺をどれだけダークな人間だと思ってるんだ!?(怒) それにチョコレートなんて今年も貰ってねーよ!!

ヒカリ:えーと、その気になれば世界人口の半分を呪いで殺せるくらい?(笑)
そりゃそうと今回のテーマは《ヘイズル改》か。基本的に良いモンの機体しか買わないお前が(注1)ティターンズの機体を買うなんて珍しいじゃないか。ティターンズって『機動戦士Zガンダム』の悪モンだろ。

HUYU:天上天下ぁ!! 念動爆砕剣ッ!!(ズバァァァァンッ)

ヒカリ:痛たたた…、何すんねん!!

HUYU:ならば逆に貴様に問おう。正義とは何だ!? お前は正義か!? 

ヒカリお前は五飛か!?

HUYU:正義とは何かと聞いているぅぅぅ!!

ヒカリ(何かうざいな、コイツ。)正義ってのは、アレだろ。世のため人のため、自分が正しいと思うことを貫くとか何とか…。

HUYU:お前にも一応はわかっているようだな。
つまりだ、戦争というのはどちらにも正義という志があるものなのだよ!(侵略戦争は除くが。) 『ガンダムシリーズ』だって戦争を主軸としている以上、登場人物の誰にだって信じる『正義』があるわけで、その彼らを『良いモン、悪モン』と定義付けることは愚かと言えるのではないのか!? 
ティターンズだって結成当初は『ジオン公国軍残党(以下公国軍残党)によるテロの鎮圧』という治安維持的な正義を持っていたんだ。上層部が何を企んでいようが、前線の兵士たちはその正義を信じて戦い続けたんだ!!

ヒカリ:そうか…、そんな深い考えがあって《ヘイズル改》を購入したという訳か…。(感涙)

HUYU:いや、単純にカッコいいから買っただけだよ。

ヒカリな、なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!(血涙)
(2007年3月10日頃対談)
注1:昔の自分はとにかくガンプラといえば良いモンばかり買っていた。武者頑駄無(ムシャガンダム)のプラモデルでも本当に良いモンしか買わなかった。まあ、子供でしたから…。
『ADVANCE OF Ζ〜ティターンズの旗のもとに〜』
『ADVANCE OF Ζ〜ティターンズの旗のもとに〜』(以下A.O.Z)とは電撃ホビーマガジン誌上において2002年より連載されている、同誌の顔と言っても過言ではない作品である。(注2)また、月刊コミック電撃大王誌上にて2003年よりコミック版も連載されている。

タイトルに「ティターンズの旗のもとに」とあるように、この作品は『機動戦士Zガンダム』の敵役であるティターンズに所属する若き将校たちの視点で話は展開していく。違う視点で物語を展開することで、『機動戦士Zガンダム』という作品を深く掘り下げているのだ。
注2;電撃ホビーマガジン誌上で連載されている同作品は、宇宙世紀0084年からグリプス戦役終結までを描く、模型を用いたフォトストーリーと、主人公《エリアルド・ハンター》の軍事裁判を描く小説パートの2部構成となっている。
ティターンズの白いガンダム

色が白いですが、決してエゥーゴに強奪されたわけではありません。

『公国軍残党によるテロ活動の鎮圧及び抑制』を標榜し結成された《ティターンズ》では、従来の機体の性能を大きく上回る新型モビルスーツ開発が急務とされていた。そこで同組織内に『新規採用を検討中の機体の運用実験及び次世代機開発のためのデータ収集』を目的とするテスト部隊《ティターンズ・テスト・チーム(通称T3部隊)》が結成された。(注3)

《RX-121[ヘイズル]》は既にティターンズ内で正式採用が決まっていたMS《RGM-79Q ジム・クゥエル》を母体に《T3部隊》の本拠地、コンペイトウ基地(注4)のMS工廠にて「ガンダム型のヘッドが味方及び敵兵に与える心理的影響」を実証するための試験機として建造された。(注5)

しかし、この実験は期待以上の成果を残すことになる。公国軍残党にとって『恐怖』の象徴であると同時に『憎悪』の対象でもある『ガンダムヘッド』を持つ《ヘイズル》は、彼らの使用する改造MS群《シュトゥッツァーシリーズ》(注6)の集中攻撃にあい、大破してしまう。その後、コンペイトウ基地に収容された《ヘイズル》はコックピットのリニアシート(全天周モニター)への換装、胸部と腰部へのウェポン・ラッチの追加などの改修を受け新たに《ヘイズル改》として蘇ったのであった。
なお、機体が白いのは各種オプションのテストのスケジュールが遅れ気味であったため、全体を塗装する時間的余裕がなかったためである。、
注3:実験部隊とは名ばかりで、実際には公国軍残党との実戦任務もこなしていた。それらの任務の際にはテストの済んでいない信頼性の低い機体での出撃を余儀なくされることもあった。

注4;かつてジオン公国軍が《ソロモン》と呼び、重要拠点の一つとして用いていた要塞。一年戦争中に連邦軍はこれを攻略、占拠した。現在は《T3部隊》がその本拠地として使用している。

注5; 《RX-78-2ガンダム》は一年戦争中に「圧倒的不利な状況を一機でひっくり返した」とされ、その活躍は士官学校の教科書にも載っている程。
この鬼神の如き活躍から、ジオン兵からは「連邦の白い悪魔」と恐れられ、味方からは「反撃の象徴」として称えられていた。
後に《ガンダムMk-U》を建造していることからも《ティターンズ》にとって、「自らの旗印としてガンダムタイプのMSが有効であるか」を検証するための機体であったとも言える。

注6;《ガブリエル・ゾラ》率いる公国軍残党の部隊が用いる、改造MS群の総称。《リックドム》、《ゲルググ》、《ザクU》にウインチユニットや機雷投下装置を取り付けた機体である。

注7;これにより《ヘイズル改》は様々な専用装備を換装できるようになる。この改修は《ヘイズル》の運用目的が「〜の精神的影響の検証」から、「MSに有効なオプション装備」の実験へとシフトしたことを示している。

RX-121-1 ガンダムTR-1[ヘイズル改]

前 後
そのままの状態でもゴツゴツしたMS

脚部が若干大きすぎると言う人もいるが、全体的には《A.O.Z》のメカデザイナーを務める藤岡建機氏が直々に監修しただけあってバランスが取れており、プロポーションの方は全く文句の付けようが無い。
肘関節には二重間接が採用されているため、ビームサーベルを抜くポーズもそつなく決まるようになっている。この二重間接のために肘周辺が設定画とは異なってしまっているが、まあその辺りは仕方ないこととして許容できる範囲だろう。

ビームサーベル
HGにしては珍しく、二重関節の肘

手首は右手にライフル保持用とビームサーベル保持用の物が、左手に平手が付属する。ただしサーベル保持用の手首はパーツ同士のかみ合わせが悪いのか、やたらと外れやすい。それに個人的には握り拳も付属して欲しかった。
バックパックの可動式ブースターポッドはアーム部分が伸縮できるようになっており、可動範囲が広くなっている。また、上部にポリキャップを内蔵しており、付属のシールドブースターを取り付けることができる。

本体の組み易さ
脚部は合わせ目が目立たないパーツ割りになっており、また、頭部の合わせ目も設定ではパネルラインとなっている為消す必要も無いようになっている。
しかし肘に二重間接を採用したために腕にはポリキャップが殆ど使用されておらず、後ハメ加工に一番手間取る部分となった。結果として細かいパーツも多く、組み立て時のストレスは多大な物となった。

キットの拡張性
腰部のウェポンラッチは着脱が可能になっているので別売りの《HGUC アドバンスド・へイズル》(注8)に付属する《サブアーム・ユニット》や、電撃ホビーマガジン2006年2月号付録のオプションパーツ《フルドド》(注9)を取り付けることが可能となっている。フルドドをとり付けると、機動力及び攻撃力が上昇し、リックディアスなどの第二世代MSにも引けをとらない性能を獲得する。

ヘイズル・ラー
フルドド装備形態
ヘイズル・ラーと呼称される
パーツがポロポロ取れるのが難点

キット的にはポリキャップを使用していないので、パーツがポロポロ落ちる。なんともお粗末な仕様である。所詮付録か・・・。

また、バックパックの接続部分が《HGUC ガンダムMk-U》と共通になっているので、無改造で取り付けることが可能になっている。

各種武器

ショートバレルタイプのビームライフルやシールドブースターなど、ヘイズルを象徴する装備が付属し、なかなか好印象。
ライフルはエネルギーパックの部分が着脱可能となっており、塗装や合わせ目消しに配慮した構造となっている。またキットの腰部には予備のエネルギーカートリッジを模したパーツを取り付けるようになっている。

ビームライフル
ビームライフルの両手持ちも可能

シールドのマウントパーツは接続軸が目立たない、《MGガンダムMk-U Ver2,0》等と同じ方式になっている。
シールドブースターは書いて字の如くシールドとブースターを一体化した装備。

シールドブースター
シールドがブースターになるという面白い発想

2枚のシールドを腕に取り付けることで強襲形態、更にバックパックに装備して高機動形態にすることも出来る。…のだが、キットには一枚しか付属していない。(ついでにシールドのマウントパーツも一個しか付属しない。)ジムコマンドと同デザインのシールドを付属するくらいなら、シールドブースターの方を2枚付属して欲しかった。(泣)

強襲形態
アドバンスドヘイズルから武装を借りてきました

ビームサーベルはもはや慣例となっている、クリアー成型のビーム刃が付属。ただし、これまでの物と違い軸が細くなっているらしく、うっかり他のキットのパーツを取り付けようとすると、捻じ切れるので、保管する際には混ざらないように注意が必要だ。 これらのほかに、肩に取り付けるグレネードランチャーが付属するぞ。
注8;後に発売された《HGUCヘイズル改》の金型流用品。
設定では「《ヘイズル改》の予備パーツ扱いの機体《ヘイズル2号機》を、激化するエゥーゴとの戦闘に対処するため《ヘイズル改》と同じ仕様に改修。さらにこれまでのテストで有効と認められたオプションパーツを装備した、現時点におけるヘイズルの完成形」とされる機体。

注9;《電ホビ》2006年2月号の付録。
設定では《ヘイズル改》及び《アドバンスドへイズル》対応のオプション装備となっており、バックパックと腰部ウェポンラッチに一機ずつ装着することが可能になっている。また、一年戦争中に登場したガンダムの支援メカ《Gファイター》のように単独で運用できるようになっている。
コレが付録に付いた2006年2月号は筆者の地元ではあっという間に売切れてしまい、一個しか手に入らなかった。現在は入手が困難になっている。

フルドドユニット
パッと見は戦闘機みたいですな

選ばれた者にはそれらしい威風も必要だぞ(もどる)