HGUC サザビー

バンダイ HGUCシリーズ

定価2940円(税込み)

HGUC サザビー
シャア最後の搭乗機がHGUCに登場!

赤=通常の3倍
本コラムシリーズにおいて宇宙世紀のモビルスーツはガンダムとそのパイロットを中心に紹介をしてきたが、宇宙世紀の歴史に大きく影響を与えた人物はなんといってもシャア=アズナブルがあげられるだろう。一年戦争時、赤いザクを駆り、華々しくデビューした彼はジオン側で大きな活躍をした。ガンダムの大きな敵としてガンダムの前に立ちはだかる彼の姿に多くのファンが魅了されており、ヘタをするとガンダム以上の人気を誇るかもしれない。

シャアのわかりやすい特徴としては赤いモビルスーツを使っていることである。しかも、ただ単に赤いというわけではなく、通常のモビルスーツよりも高い性能を発揮させる。一説によると、彼の赤いザクの動きは通常の3倍の速さといわれており、赤=シャアの色もしくは赤=通常の3倍というステレオタイプな図式を作り上げた。

今回のコラムは、HGUCシリーズの初のガンダムでないキットの紹介を行うということで、彼が最後に使用した赤いMS、MSN-04 サザビーの紹介を行う。

私、シャア=アズナブルが製作しようというのだよ、アムロ!
サザビーは、第二次ネオ・ジオン抗争の際にシャアが使用したニュータイプ専用MSである。ネオ・ジオンは、この機体に先行してヤクト・ドーガを開発していたが、「シャア専用機」としてのスペック要求値が満たせず、新たに作り起こすこととなったMSである。サイコミュ技術として新たに開発されたサイコフレームを使用することで、サイコミュシステムの小型化に成功し他の武装や装甲、アクチュエーターなどが強化され、信頼性も安定性も飛躍的に上がった。

サザビー 前 サザビー 後
キットでは重厚なフォルムを余すことなく再現

サザビーは、2000年にMG化されているのだが、8000円もするキットの割には可動やプロポーションに難が見られた。その反省点を活かしたのか、HGUCではHGUC νガンダムで培われたABSと新型ポリキャップを併用することにより、重厚なフォルムを再現しつつ幅広い可動範囲を実現している。

クインマンサなどの第一次ネオ・ジオン抗争の際のニュータイプ専用MSより、小型化されているがそれでも通常のモビルスーツよりも大きな全高25メートルのサイズとなっている。これは、アムロの乗るνガンダムやリ・ガズィよりも高く、リ・ガズィと比べてしまうとリ・ガズィが貧相なモビルスーツに見えてしまうほどである。

νガンダムと比較
ライバルのνガンダム(頭頂高22メートル)との比較
迫力が段違いで、ラスボスの貫禄がある

リ・ガズィをなじる図
リ・ガズィ(全高20メートル)と
情けないMSに見えるのもうなずける

これだけの大きさのため、一つのパーツの大きさも半端ない。にもかかわらず、パーツの分割構成は非常によく練られており、パネルラインに合わせて分割されているのである。これにより、合わせ目が目立つことはない。色分けも充実しており、本体に関してはブースターの内側を黄色に塗り、リアスカートのダクトや四角いパネルを黄色に塗れば箱の写真のサザビーが簡単に完成する。

首は、元のデザインからして動きにくそうな形となっているが、見かけによらず広い可動範囲を誇っている。回転させることはもちろん、関節パーツが後に広く倒れるので上を向くことも可能。

首の可動
上を向くのもお手の物
ロールオーバーで画像が変わります

手持ちの射撃武装は、ビームショットライフルが付属している。ビームショットライフルは、最中割り形式なので気になる人は合わせ目を消す必要がある。また、チューブ状のディティールも赤く塗装する必要がある。

ビームショットライフル
通常のビームライフルよりも大きめに作られております

接近戦用の武器として多く使用される武装が、ビームトマホークである。こちらはシールドの裏に内蔵されており、斧としての使用も可能な万能な武装である。キットには最大出力時の状態と斧としての状態の両方を再現することが出来る。

最大出力 斧

構成図
ビーム部分を差し替えることで、二つの形態を再現することが可能

シールドの裏への収納ギミックもしっかりと再現されている。

シールドの裏への収納

手首パーツに用意されているジョイントにはめ込むことで固定もかっちりしたものになるのだが、腕が上方向に90度曲がるようにしたときもたせると下腕部の装甲とトマホークの柄が干渉してしまい、手首から外れてしまうことがあるので注意すること。

このほかにも、手首付近に内蔵されているビームサーベルも付属している。こちら用のビーム刃も2本とも用意されている。

ビームサーベル
劇中でも地味に多く使われていた武装

ただし、サイズの都合からかこのビームサーベルの内蔵ギミックは再現されていない。ビームサーベルが内蔵されている箇所に、それらしいディティールが加えられているのみである。

武装の以外のオプションとして、左手の平手パーツが付属している。これは、ポージングの幅が広がる良いアクセントとなってくれている。

大佐、何でファンネルを使わないんです?(使えないからです)
ニュータイプ専用MSであるサザビーには、ファンネル装備されている。これは、蓑負スキー粒子による影響でホーミングミサイルなどの追尾射撃武器が使用できないために開発された武装で、オールレンジからの攻撃が可能となっている。グリプス戦役〜第一次ネオ・ジオン抗争に登場したの際のファンネルの形状は漏斗型だったのだが、第二次ネオ・ジオン抗争時のファンネルは円筒型となっている。

サザビーのファンネル
普段は円筒状だが、射出されると羽が広がりビーム発射口がせりあがる

サザビーのファンネルはバックパックの上にあるファンネルラックに装備されている。ファンネルを射出する際は、ラックが展開しファンネルが射出されるわけである。

ファンネルラックのギミック
ラックはABS製なので、強度も抜群
ロールオーバーで画像が変わります

MGではファンネルの羽の展開ギミックも再現されていたのだが、HGUCでは大きさの都合でそのようなギミックは仕込まれていない。しかし、射出時のファンネルはそのままの形でランナーにくっついているのである。つまり、ランナーから切り離してしまった時点で射出時のファンネルは完成することとなる。

ランナーの状態
νガンダムの頭の技術がこんなところで

しかし、すごいと思えるのはここまでで、これらのファンネルは飾っておくことしか出来ないのである。さすがに宙に浮かせるというギミックはないので、地面に置いておくことしかできず、面白みがないのである。アクションベーススタンドにくっつけることが出来るジョイントくらいあれば良かったのだが。

また、収納時のファンネルも一体成型で1個だけ飛ばしたときなどの状態が再現できない。切り離してしまえば問題はなさそうなのだが、固定に不安が残りそうなので筆者はやっていない。というわけで、ファンネルの付属に関してはもう一ひねりほしかったところである。

尚、今回は普段使うアクションスタンドを使用してファンネルを宙に浮かしている。このスタンドの先端部分を取り外してリード線部分と接続すると丁度はまるのである。これで、トップ絵のような再現も可能となるのでお試しあれ。

コクピットのサイズのこと、計算してないんだな?
HGUCのサイズにも関わらず、サザビーのモノアイは可動する。可動させる場合は、頭の角飾りのパーツをはずしモノアイを回転させる。

モノアイの可動
小さいサイズにも関わらずモノアイも可動!向きに合わせて調整しよう
ロールオーバーで画像が変わります

実は、サザビーのコクピットは頭部にあり、丁度モノアイパーツの回転軸となっている部分に球状のコクピットが備え付けられている。機体が撃破されたときは、脱出機構が働きコクピットブロックが放出されるわけである。

このコクピットブロックの大きさが曲者で、劇中の終盤でνガンダムがつかんだときのコクピットサイズが異常に大きくなっているのである。このHGUCのサイズで説明するとだと、精々BB弾が入るか入らないかの大きさだが、νガンダムがつかんだときのサイズがビー玉サイズとなっているのである。この大きさのコクピットブロックを入れる場合、サザビー本体の大きさがおよそ70メートルなくてはならないのである。二次元のウソが大きく働いているサザビーなのであった。

天に火を噴くもの
宇宙世紀0093年、グリプス戦役以来行方不明になっていたシャア=アズナブルは、ネオ・ジオンを再編成し、腐敗を極める地球連邦政府に宣戦布告を行った。これを受けて地球連邦軍の組織であるロンド・ベルに属するアムロ=レイブライト=ノアは部隊を率いてシャアとの戦いを開始したのだった。

ネオ・ジオンは、小惑星5thルナを占拠し、地球に降下させようとしていた。ロンド・ベル隊はこれを察知し、ネオ・ジオン部隊と交戦するが、健闘むなしく核ノズルに火がともされてしまう。アムロはリ・ガズィでネオ・ジオンのニュータイプ専用MS、ヤクト・ドーガを駆る強化人間ギュネイ=ガスと落下を始めた5thルナ交戦していた。直線的な動きしか出来ないスペースファイターモードのリ・ガズィでアムロは、ギュネイの乗るヤクト・ドーガを手玉に取り、徐々に追い詰めていく。

5thルナの投入に成功したネオ・ジオンだったが、ギュネイの乗るヤクト・ドーガの空域が膠着状態のため、総帥のシャア自らが援護に回ることとなった。シャアが最後に使用することとなる機体、サザビーの初陣である。

出撃準備中のサザビー
ナナイ「大佐、ギュネイ=ガスの空域が膠着状態です。援護の必要を認めますが?」

シャア「5thルナの投入は終わったのだ。総員引き上げのサインを出せ」

ナナイ「出しましたが、モビルスーツの後退の為に、ミノフスキー粒子を散布して電波攪乱をすることができません」

シャア「その分ギュネイが危険か・・・。よし、ギュネイのヤクト・ドーガを援護、回収する」

サザビー出撃!
オペレーター「サザビー出ます!サザビー発進!!」

一方、アムロとヤクト・ドーガは交戦を続けていた。アムロはリ・ガズィのBWSを排除すると、ビームライフルをヤクト・ドーガに放った。そのビームはヤクト・ドーガに直撃するコースだったのだが、そのビームを別のビームではじいた機体がいた。

サザビー現る
アムロ「まだ援護がいた・・・。シャアかっ!?」

目の前に現れた赤い機体を視認したアムロは、その機体がシャアのものだと判断した。ダミーを放出しながら距離を開けつつビームライフルでサザビーに攻撃を繰り出すアムロ。そして、アムロはシャアにこう問いただした。

アムロとシャア
アムロ「何でこんなものを地球に落とす?これでは地球が寒くなって人が住めなくなる。核の冬が来るぞ!」


シャア「地球に住むものは自分たちのことしか考えていない
だから、抹殺すると宣言した!

サザビーはファンネルを一基だけ放ち、リ・ガズィに攻撃を仕掛けた。アムロは、ファンネルを封じるためにビームライフルでけん制しつつ、今度は接近戦を仕掛けた。

ビームサーベルで切りかかるアムロ
アムロ「人が人に罰を与えるなどと!」
ロールオーバーで画像が変わります

この攻撃でサザビーのビームショットライフルを切り落とすことに成功したものの、サザビーも腕に内蔵されたビームサーベルで応戦してきた。

ビームサーベルで応戦するサザビー
シャア「私、シャア=アズナブルが粛清しようというのだ、アムロ!!」

アムロ「エゴだよ、それは!」

シャア「地球が持たんときが来ているのだ!!」

リ・ガズィと切り結んだサザビーは、リ・ガズィのサーベルを打ち消した。アムロは、後退を判断しビームライフルでサザビーとヤクト・ドーガをけん制しながら、撤退するのだった。リ・ガズィの撤退を確認したサザビー も、ヤクト・ドーガとともに撤退したのであった。

サザビーの圧倒的な性能を目の当たりにしたアムロは、月にいき自身の開発していたνガンダムを受領し、シャアとの決戦に備えていた。一方、ネオジオンはロンデニオンで地球連邦政府に虚偽の和平交渉をし、まんまと資源衛星アクシズを奪取したのだった。ロンデニオンで行われた和平交渉が虚偽のものと看破したロンド・ベルは、アクシズへと急行した。ここに、アムロとシャアの最後の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた・・・。

HGUCシリーズEX 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのコラムに続く!

HGUCシリーズEX 機動戦士ガン
ダム 逆襲のシャアのコラムへ
アムロとシャア最後の戦い!
HGUCシリーズEX 機動戦士ガンダム 逆襲のシャアのコラムへ

情けないモビルスーツと戦って勝つ意味があるのか?(HGUC リ・ガズィのコラムへ)

アムロ、これ以上はやらせん!(HGUC νガンダムのコラムへ)

アクシズ、行け!忌まわしい記憶とともに・・・。(もどる)