1/144 HG スサノオ
発売元:バンダイ
『機動戦士ガンダム00』1/144 HG(ハイグレード)シリーズ
定価:1575円(税込)
「これが私の望む道・・・修羅の道だ!!」
革新の扉
イノベイターの策略によって母艦・プトレマイオス2のシステムがダウンさせられていた間に、緊急の暗号通信が届いていた。発信者は不明。その内容も《ラグランジュ5 コロニー・エクリプス》がある座標が指示してあるだけであった。
スメラギは負傷した操舵士、ラッセ・アイオンに代わり舵を取るティエリアへ、指示されたポイントへと向かうように言う。ティエリアは「ポイントしか送ってこなかった相手に、応えるというのか?」と、訝しがるが、ラグランジュ5へ向かえば避難した組織のメンバーから研究中のガンダムの新装備を受け取る事もできるし、現地に向かうまでの間、ガンダムの補修作業を続ける事もできる。と、メカニックであるイアンの後押しもあり、指示されたポイントへと向かう事が決定する。
「トレミーは迂回し敵の目をひきつけるわ。その間に通信者との接触をお願い。」と、スメラギから指示を受け、刹那は沙慈と共に、ダブルオーライザーでラグランジュ5へと先行するのであった。
刹那「ダブルオーライザー、ラグランジュ5に向け、飛翔する!」
数日後、ダブルオーライザーは目標のコロニーへと到着。
機体の制御を沙慈に預け、刹那は単身、エクリプス内部の合流ポイントへと向かう。そこに待っていたのはソレスタルビーイングの元エージェント、王 留美であった。留美は刹那に、組織のメインシステム・ヴェーダの所在が記されたメモを託し、「この事がイノベイターに知られれば、ヴェーダを移送されてしまいます。一刻も早く、ヴェーダの奪還を!」と、刹那に頼む。
共には行けないという留美を一人残し、コロニーの外部へと出た刹那の目に飛び込んできたのは、一機のMSがダブルオーライザーに刀を突きつけている姿だった。
沙慈「刹那!」
刹那「どうした・・・な、何!?・・・あの機体!」
グラハム・エーカー「4年ぶりだな、少年。」
刹那「あの男は・・・貴様!」
ダブルオーライザーに刀を突きつけている機体は、細部が違いこそすれ、ブレイクピラー事件(注1)の際に刹那の前に立ちはだかった機体。そして、そのコックピットハッチの上に立つ男は、4年前の国連軍との戦いの際に、最後に刹那の前に立ちはだかった、元ユニオン軍の軍人、グラハム・エーカーであった!
ガンダムを盾に取るグラハムは、刹那との一対一の真剣勝負を望む。
刹那「そうまでして決着をつけたいのか!?」
グラハム
「無論だ! 私の空を穢し、同胞や恩師を奪い、
フラッグファイターとしての矜持すら打ち砕いたのは・・・他でもない、君とガンダムだ!!」
グラハム「そうだとも・・・もはや愛を超え、憎しみも超越し、
宿命となった!!」
刹那「『宿命』!?」
グラハム「一方的と笑うか・・・? だが、最初に武力介入を行ったのはガンダムだということを忘れるな!」
「この男もまた、俺たちによって歪められた存在・・・。」と、グラハムの中に歪みを見た刹那は、果し合いを受けることを承諾する。
「これが私の望む道・・・修羅の道だ!!」グラハムはコックピット内で呟くと、ミスター・ブシドーの仮面を再び身につける。
刹那「ダブルオーライザー!」
ミスター・ブシドー「マスラオ改め、スサノオ!」
刹那「目標を・・・」
ブシドー「いざ、尋常に・・・」
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刹那「駆逐するッ!!」
ブシドー「勝負ッ!!」
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激しくぶつかり合う二機のMSの間で、凄まじい火花が巻き起こる!!
注1『ブレイクピラー事件』:連邦軍から独立治安維持部隊アロウズの排除を訴えるクーデター派に占拠された、アフリカに存在する軌道エレベーター・【ラ・テール】を、アロウズが衛星兵器・メメントモリで撃ったことで起きた、タワーが崩壊した事件。
ヴェーダを用いた情報統制により、一般市民には事実とは経過・結果が違う形で報道されている。
「やぁ、グラハ・・・おっと、今はミスター・ブシドーだったね。」(其の二)
ミスター・ブシドーこと、グラハム・エーカーは、地球連邦政府が樹立される以前は、その母体となった超大国連盟の一つ、ユニオンに所属する軍人であった。(当時の)新型機、ユニオンフラッグのパイロット《フラッグファイター》であった彼は、ガンダムの圧倒的な性能に対抗すべく、カスタム化された専用フラッグを駆り、幾度となくガンダムと戦いを繰り広げた。ちなみに1stシーズン開始時の階級は【中尉】。ガンダムを調査する任務を受けた際、【上級大尉】へと異例の昇進を遂げた。・・・いわゆる二階級特進・・・死んで来いってか?
俺呼んでの愛称は、【ハム中尉】→【ハム上級大尉】→【ハム仮面】・・・えーと、お中元のハムの人や、某ハムスターとは関係ないよ?
1stシーズンの、国連軍とソレスタルビーイングの最後の戦いの際には、各国のエースパイロットたちがガンダムに匹敵しうる性能を持つ新型機・GN-Xに乗り換える中、グラハムだけは戦死した部下の墓前に誓った「フラッグでガンダムを討つ」という誓いを果たすため、GN-Xへの乗換え、国連軍への参加を辞退。研究用に提供された擬似太陽炉を専用フラッグに搭載し、刹那の操縦するガンダムエクシアと激闘を繰り広げ、壮絶な相打ちとなった。
顔に大きな傷を負ったものの、この戦いで生き残ったグラハムは、《独立治安維持部隊アロウズ》が結成される際、司令官と部下として、また親友の伯父として親交があったホーマー・カタギリの元を訪れ、ある目的を果たすため、ソレスタルビーイングが復活した時にはガンダムと戦う機会を与えてほしいと直訴する。彼のガンダムに対する執念が、連邦の黒幕であるイノベイターに認められたということなのか、この結果、グラハムはライセンサーとなり、ワンマンアーミー(たった一人の軍隊)となったのであった。
なお、ホーマー・カタギリは大の日本通であるらしく、グラハムと面会した部屋も畳の敷かれた、いわゆる日本風の和室であった。グラハムがミスター・ブシドーと呼ばれるほど、ここまで偏ってしまったのは、もしかしたらホーマーの影響によるところが大きいのかもしれない・・・。
「生きてきた! 私はこの(専用機発売の)ために生きてきた!」
牡牛座タウラスのHUYU(
コナミより発売中の、同名カードゲームを題材としたアニメ『遊戯王5D's』の、如何にも最終回っぽい展開に、友人・射手座サジタリアスのBP君が言う通り、『ドラゴンボール』のアレを思い出した。「5D'sはまだ終わらんぞ! まだ、ちぃーっとだけ続くんじゃ!」以下HUYU)「「生きてきた・・・このために私は生きてきた! イノベイターの傀儡となろうとも! この、武士道だけはぁッ!!」」
電光勇者超特急ヒカリガイン(
HUYUの脳内に生息するイマジン其の壱。『遊戯王5D's』を見て異様にテンションが上がり、胸の内でくすぶっていた決闘者(と、書いてデュエリストと読む。)の熱い魂が再び燃え上がってきた・・・ように感じている、勘違いマン。以下ヒカリ)「「戦いに集中する!」」
まじめにふまじめ怪傑ゼロリ(
HUYUの脳内に生息するイマジン其の弐。基本的にKY(空気読めない)なので、別の話題。新しい方の『鋼の錬金術師』のアニメは、原作を忠実になぞる展開だということで、「ならば見る価値も無し!」と切り捨てていたが、ちょっとした気まぐれから見てみたら、たまたま面白いところに当たり、30分間ガッツリ楽しんだ。以下ゼロリ)「・・・ブサイク男が二人、顔をつき合わせて何をやっているのよ? 暑苦しいったらありゃしないでしょ!」
HUYU「何をしているのか、見てわからんか?」
ゼロリ「見てわからんから質問しとるのだが・・・。」
ご説明しましょう! 二人がやっているのは「アテレコごっこ」といわれる遊びで、フィギュアなどを用いて作品中の名台詞などを叫んだりする、とてつもなくイタイ部類に入る遊びなのです。
HUYU「ああ、天の声! 一言多いよ!」
ゼロリ「あんたら・・・なんてイタイ遊びを・・・。」
HUYU「哀れみの視線をコッチに向けるなぁッ! 俺の妄想から生まれた存在自体がイタイ存在の分際で!! かくなる上は、プラモシミュレーター・レディ、ゴー!!」
ゼロリ「スサノオなんて召喚して、どうする気!?」
HUYU「知れたこと・・・。まずは斬る!」
セザンヌッ!
ゼロリ「ギャア!」
HUYU「そして、ワックスをかけてよく滑る床を滑らせる!!」
ルノワ〜ルッ!!
ゼロリ「あーれぇー・・・」
HUYU「ハッハッハ! 貴様はこのまま、今回のコラムからは追放だ!」
ゼロリ「覚えてらっしゃ〜い! あーれぇー・・・」
HUYU「さてと、邪魔者が消えた所で、早速キットの紹介と行こうか。」
ヒカリ「(相変わらず容赦ねぇーと、思いつつ)いやぁ、今回はあのまま、もう出番がないのかと思ったぜ。」
HUYU「何を仰る、ヒカリさん。お前の出番がなくなるなんてことは無いさ。」
ヒカリ「HUYU・・・お前ってヤツは・・・(感涙)」
HUYU「そう・・・俺に逆らわん限りはなッ!」
ヒカリ「暴君だ・・・暴君がおる・・・。」
HUYU「冗談はさておき、ガンダム00のライバル機体特集パート2って事で、今回紹介するのはコイツ、HG スサノオだ。」
ヒカリ「ほ、本当に今のは冗談だったのだろうか・・・?」
HUYU「スサノオは元々、グラハムの親友でもある元ユニオンの技術者、ビリー・カタギリが、GN-XVやアヘッドに代わる連邦軍の次期主力機として開発した試作機なのだ。」
ヒカリ「へー。ユニオンの技術者が開発したのか。それならフラッグみたいに見える機体になっても無理はないかな。愛国心に満ち満ちている感じで。背中にはユニオンの国旗のマークみたいなのも背負ってるし。」
いろんな部分にフラッグの面影が残る機体。刹那が見間違えるのも、無理ないかも・・・。
背中中央に追加されたGNコンデンサーのおかげで、ちょっとわかりにくいが、背中にはユニオンのシンボルを背負っている。
HUYU「いや、愛国心云々って話じゃないんだ、これがな。」
ヒカリ「どういうこと?」
HUYU「スサノオがフラッグそっくりになったのは、愛国心からではなくてだな。グラハムのオーダーにビリーが応えた結果なんだよ。ビリーが開発していたこの次期主力機ってヤツは、元々はアヘッド・サキガケ をベースに開発されていた物だったみたいなんだけど、【グラハムの専用機となる事が決定した時点で計画を一度白紙に戻し、フラッグをベースに設計し直した】んだとさ。その時に機体のデザインも見直され、グラハムの趣味に合う、武者的な要素を取り入れたんだと。【頭部にはベースとなったカスタムフラッグの物がほぼそのまま用いられている】って言う設定も、キットでは顔のバイザーが外れ、中にフラッグの顔を確認する事が出来るようになっているので、わかり易くなっている。」
頭部にはグラハムの戦死した部下、ダリル・ダッジの機体の物が使用されている。
写真が少しわかりづらいので、バイザーだけでなく、マスク部分も取り外しております。
ヒカリ「そういえば、『開発中の試作機を、私色に染め上げてもらいたい。』とか言ってたもんな、あの人(グラハム)。その結果がこれだと。ビリーもよくやるよ。よくぞここまで【グラハム色】に染め上げたもんだ・・・。」
HUYU「持つべき者は、上辺だけの友人多数よりも、たった一人の親友ですな。ってか、グラハムの友達って、ビリー以外に他にいるのか・・・? ま、それはそれとして。本当はスサノオになる前の機体としてマスラオってのがいるんだけど・・・、コイツは後日ROBOT魂のヤツを紹介するんで、今回はまぁ、割愛ってことで。」
ヒカリ「ところでこのMS、足とか独特の形してるよな。こんな形でちゃんと地上に立てるんだろうか?」
かかとのストッパーを動かす事で、着陸形態(?)になる。
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HUYU「PCパーツの強度のおかげで、キットでは割としっかり立っているけど、実在したらこんな形ではまず立てそうにないな。最近のロボット作品の流行なのか、『00』もその例には漏れず、登場する機体は基本空中戦がメインだから、脚部は母艦に着陸するためのランディングギアとしての役割さえ果たせればいいと、省略されてるのかもな。」
ヒカリ「ディスプレイにはスタンドが必須だな。一応、ダブルオーライザーに蹴りいれていたから、格闘戦に対応できるだけの強度はあるんだろうけど。」
HUYU「だろうな。じゃあ次は、武器について見ていこうか。」
ヒカリ「マスラオの手持ち武器はサキガケと同じく、強化されたビームサーベルだったんだけど、スサノオでは実体剣になってるんだよな。」
『日本刀っぽく塗装してみよう』というワケで、シルバーに黒を適量混ぜたガンメタリック風の色で塗装した刀身に、
マスキングテープを用いてシルバーで刃を塗り分けしてある。・・・写真じゃちょっと、見えにくいか?
HUYU「『00』の世界ではビームシールドやGNフィールドはビーム兵器では貫けない。これらの防御装備に対抗できるのはエクシアやダブルオーに装備された、GN粒子で刀身をコーティングされた実体剣のみって話だからな。後は強力なビーム砲で無理矢理突き破るって所かな?スサノオの刀もそれに対抗しての物なんだろう。スサノオの剣はマスラオのビームサーベルからビーム発振器を移植した、コンビネーションソードとなっているぞ。」
ヒカリ「へー。」
本体の割と広い可動範囲の恩恵により、色々といいポーズが決まる。
肩口の襟が邪魔して、腕を上に振り上げられないんだけど・・・。
HUYU「左手に持つ長い刀がマスラオのビームサーベル【ハワード】から発振器を移植した【シラヌイ(不知火)】、右手に持つ短い刀が同じくビームサーベル【ダリル】から移植された【ウンリュウ(雲龍)】だ。この二本の刀は合体してナギナタ状の武器【ソウテン(蒼天)】となるぞ。」
ガンダム作品によく見られる、ナギナタ形態の武器。
ヒカリ「背中にエネルギーケーブルが生えてるけど、これはまたサキガケみたいに飾りで付いているだけなのか?」
HUYU「スサノオはちゃんと、分離時には直接刀に、ソウテン時には左肩に接続できるようになっているぞ。エネルギーケーブルを直接つなぐため、エネルギーの逆流が起こることも考慮して左腕にはそれを防ぐためのガントレットも装備されているのだ。」
ヒカリ「スサノオに搭載された数少ない射撃武器、トライパニッシャーも再現されてるんだろ。」
HUYU「ブシドーのオーダーにはない武器って奴だな。」
ヒカリ「どうやって展開してるんだ?」
HUYU「まず、両肩アーマーの黒い部分を回転させ砲口を出す。それから上半身の前半分を上に伸ばし、腹部の装甲を開いて、左右腰バインダーを後ろに移動させれば発射体勢の完成だ。・・・ま、本編中でも使用していた武器なんだし、再現されて当たり前というところだろうな。」
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ヒカリ「その一方で設定にはあるけれど、本編で一回も使用されてなかった武器も再現されてるんだろ。」
HUYU「あー、バインダーが変形するGNクローとか、頭の角の間から撃つビームチャクラムとかだな。『00』は作画スタッフの負担軽減のためか、戦闘に入るとやたらと遠くからの俯瞰図になるから、もしかしたらこっちが気付いてないだけで、こっそり使ってたりしてな。」
爪の展開は差し替えで行われる。
敵の両腕を掴んだりして、その動きを封じたりする武器・・・なのかもしれない。
「どうせ本編中で使用されてないしー」ってことで、塗装はおろか切り取りすら行っておりません。
角の間で形成されるリング状のビームが、敵を切り裂く・・・のかもしれない。
ヒカリ「だと良いんだが。」
HUYU「さてと、そろそろ総評と行くか。プラモデル用のアレンジってことなのか、設定画と比べると大分太い気がするんだけど、これはこれでアリっていえるところかな。この体型が認められないって人は、7月に発売されるROBOT魂のマスラオが、結構設定に近い細いプロポーションを再現できているので、同シリーズでスサノオの発売を待てば良いと思うぞ。プロポーションで負けてる分ということで、今回は75〜80点って所かな。」
ヒカリ「しかし、バンダイもすごいよな。身内同士でここまで競合するとは。」
HUYU「あの会社、事業部が違えばそれだけで敵と見なしてるっぽいからね・・・。さて、これより下段では、ギミック紹介の都合で上では書ききれなかったストーリー紹介の続きをお送りする。」
ヒカリ「おお? これで終わりじゃなかったのか。」
HUYU「やっぱり途中で終わるのも、なんか気分が悪いからねー。・・・ってなワケで、ブシドーの戦い様、とくとご覧あれ!!」
ヒカリ「プププ。何カッコつけてやがるんだか・・・。」
HUYU「・・・・・・・・・(怒)」
ヒカリ「って何? もしかして怒った? ってか無言で怒るのやめろよ。なんか怖いよ!? ・・・って、なんで刀を振り上げる!? そしてなんで振り下ろそうとする!!??
やめろよ、シャレにならんて、マジで!! ギャァァァァァァァァッ!!」
ちゃんちゃん♪
迫り来るスサノオに対し、ダブルオーライザーはビームライフルで応戦する。
ダブルオーライザーのビームを回避したスサノオは、コロニーの壁面に着陸すると、ダブルオーライザーに対しトライパニッシャーを放つ!
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トライパニッシャーを回避したダブルオーライザーに再びスサノオが迫る!
生きてきた・・・このために生きてきた!
例えイノベイターの傀儡と成り果てようとも・・・
ブシドー「この武士道だけはァッ!!」
刹那「そうまでして!」
互角の戦いを繰り広げる二機のMS。「このままでは埒が明かない」と、互いに切り札である、トランザムを起動させる!
刹那「トランザム!」
グラハム「トランザム!!」
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螺旋を描くようにしながらぶつかり合うダブルオーライザーとスサノオは、GN粒子による激しい閃光に包まれる。
グラハムが涅槃(死後の世界)と勘違いしたそこは、トランザムライザーによって開かれた量子空間であった。刹那はそこで、グラハムに自らが到達した創始者、イオリア・シュヘンベルグの計画の真意を聞かせる。
「武力介入はこのための布石・・・イオリアの目的は、人類を革新に導く事。そう、俺は、変革しようとしている・・・!」
そのように語る刹那の眼は、イノベイターと同じように金色に輝いていた。そう、今まさに、刹那は人類初のイノベイター【純粋種】として、覚醒を遂げたのであった!
「変革?・・・それが君が会得した【極み】だというのか?」
グラハムがガンダムとの戦いにこだわる理由。それは【戦いに生きる者】のみが到達できる【極み】にいたること、そして、その先にある、勝利を掴む事にあった。
刹那「勝利だけが望みか!?」
ブシドー「他に何がある!?」
刹那「決まっている・・・!」
刹那はダブルオーライザーのソードを連結させ、ビームサーベルモードでスサノオに対し渾身の一撃を放つ!
刹那「未来へと繋がる、明日だッ!!」
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が、その一撃はスサノオによって捌かれてしまい、一瞬のうちに間合いへと入り込まれてしまう。
ガキィィィン!
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刹那「くッ!」
武器を失ったダブルオーライザーに対し、トドメを刺そうと、スサノオは刀を振り下ろす! しかし、刹那はその一撃を見切り、振り下ろされる刃を受け止める!
ブシドー
「切捨て・・・御免ッ!!」
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ブシドー「白刃取りだとッ!?」
スサノオの刀を折ると、ダブルオーライザーはビームサーベルを取り出し、スサノオの両肩を貫く。
刹那これが俺の、戦いだァーッ!!」
ブシドー「おわァッ!?」
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ビームサーベルに貫かれた両肩が爆発し、さらにその反動で頭部も破損。その内に隠されていた、フラッグの顔があらわとなる。
ロールオーバーで画像が変わります
自らの勝利を示すかのように、スサノオに対しビームサーベルを向けるダブルオーライザー。ブシドーはスサノオのコックピットから這い出すと、声の限りに叫ぶ。
グラハム「戦え・・・少年!
私を切り裂き、その手に勝利を掴んで見せろォーッ!」
しかし、刹那は彼の意に反するかのごとく、ビームサーベルの刃を納めると、トランザムも解除する。
グラハム「何故だ!? 何故トドメを刺さん!?」
刹那「俺は・・・生きる。」
グラハム「なッ!?」
刹那「生きて、明日を掴む。それが俺の戦いだ。
生きるために、戦え。」
刹那はそれだけを言い残し、立ち去っていった。
「変革? それが君が会得した、【極み】だというのか?」(HG トランザムライザーのコラムへ。)
「私を切り裂き、その手に勝利を掴んで見せろッ!!」(戻る)