1/144 HG Oガンダム(実戦配備型)

発売元:バンダイ

『機動戦士ガンダム00』1/144 HG(ハイグレード)シリーズ

定価:1260円(税込)


HG Oガンダム(実戦配備型)
「Oガンダムで出る!」(byラッセ・アイオン)

未来のために
王 留美ワン・リューミンが命懸けでもたらした情報により、ソレスタルビーイングのメインシステム・【ヴェーダ】の所在地が明らかとなった。連邦政府を影で牛耳る人造人間たち・イノベイターの本拠地にもなっているそのポイントへ向かう準備を進める母艦・プトレマイオスUの元へ、ラボで開発されたガンダムの新装備など、各補給物資を携えた補給艦が合流する。補給物資の中には、組織が最初に開発したガンダム・O(オー)ガンダムの姿もあった。

Oガンダム
イアン「Oガンダムまで!」

粒子貯蔵タンク
リンダ「粒子貯蔵タンクをつけたから、一定時間の戦闘は可能よ。」

イアン「よし、急いで搬入するぞ!」

補給作業を終えたプトレマイオス2は、イノベイターとの決戦の地となる、ヴェーダの所在地・ラグランジュ2にある月の裏側の宙域へと向かう。そこにはソレスタルビーイングを待ち受けるかのごとく、アロウズの艦隊が集結していた! スメラギは各ガンダムに発進指示を出す。

ある者は大切な人を取り戻すために。ある者は自分と同じ悲しみを背負う者を、これ以上増やさぬために。ある者は今は亡き仲間の想いを受け継ぐために、ある者は未来のために・・・。ガンダムマイスターたちは、それぞれの想いを胸に、決戦の地へと向かうのであった・・・。

O(オリジン?)ガンダム
Oガンダムはソレスタルビーイングが開発した最初のガンダムで、第一世代と呼ばれている機体である。。粒子ビームを用いた射撃武器・格闘武器の装備、GNフィールド発生器付きのシールド、太陽炉を用いた推進システムなど、後のガンダムに採用されている技術の基本形態の全てがこのガンダムには詰まっている。1stシーズン時にソレスタルビーイングのガンダムマイスターが搭乗していたエクシアなどのガンダムは、第三世代と呼ばれる機体であり、全てのガンダムはOガンダムの発展機であるとされている。

武装組織の少年兵であった頃の刹那が遭遇した時は、イノベイターの一人、リボンズ・アルマークの操縦で、武力介入のテストを行っている時であった。その時の、まるで神を見上げるかのような刹那の視線が、リボンズ自身を人類の救世主へと向かわせるきっかけのひとつなり、また、ヴェーダに介入して刹那をマイスターへと推薦させるきっかけともなった。(注1)

Oガンダム降臨
「あの少年の目・・・。そうか、僕は僕が望みさえすれば、人類の救世主にだってなれるんだ・・・!」

と、リボンズがコックピット内で呟いていたかどうかは不明である。

後の武力介入の時には、Oガンダムはソレスタルビーイングのミッションをサポートする目的で結成された組織・フェレシュテに預けられていた。Oガンダムに搭載されていた太陽炉を用いて、同じく預けられていた、第二世代と呼ばれるガンダムを、番外編『00F』の主人公でマイスターの、フォン・スパークの操縦で運用。ソレスタルビーイングに所属するマイスターらのミッションのサポートを行った。

国連軍の決戦でソレスタルビーイングが壊滅してから後は、フェレシュテも組織へ合流。ダブルオーガンダムの開発のため、Oガンダムとその太陽炉を返還している。

イノベイターとの最終決戦時には戦力差を少しででも補うべく、太陽炉の代わりに超大型GNコンデンサーを搭載。予備のマイスターであり、プトレマイオス2で操舵士兼砲撃手を務めるラッセ・アイオンが、毒性を持つ赤いGN粒子に侵された体をおして搭乗。エネルギーが尽きるまで、そして彼自身の身体が限界を迎えるまで戦い抜いた。
注1『ヴェーダに介入して刹那を推薦』:ロックオン・ストラトス(ニール・ディランディ)や、アレルヤ・ハプティズム(披検体E-57)など、ガンダムマイスターの候補としてリストに挙げられていた者は、組織のエージェントによりその身辺をくまなく調査されていたが、刹那のみ、リボンズがデータを書き加えたため、その情報は他の者より不足していたようである。

この事からティエリア・アーデは刹那の実力を疑問視。ガンダム同士で模擬戦を行った。と、いう話がドラマCDで語られている。

見れば見るほどそっくりですが、決して類似品というワケではありません。
Oガンダムは元々、『機動戦士ガンダム00』のキットシリーズ、FG(ファースト・グレード)でキット化がなされた。ガンプラの初心者入門用キット(?)として発売されたFGは、ガンダムエクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェの4体が発売されており、Oガンダムはそれら4種を揃えた猛者のみが購入を申し込める、《特典キット》であった。ちなみに筆者はエクシアは購入したものの、あまりの色分けの少なさに途中で挫折してしまったため、残る3体のガンダムは購入していなかった。当然の事ながらOガンダムも持ってはいない。

特典キット以来、全く商品化に恵まれていなかったOガンダムのHGキット化を、どれだけのファンが望んでいたかは知りはしないが、2ndシーズンでの思わぬ再登場、リボンズが搭乗してからの刹那との最後の決着など、意外なほど活躍が多かったOガンダムは、今回、やっとこさ待望のHGキット化となったのだった。

Oガンダム正面 Oガンダム背面
オリジナルの太陽炉は数に限りがある。戦力を補うため背部に超大型GNコンデンサー(粒子貯蔵タンク)を搭載している。

キットにはリボンズがダブルオーライザーから奪った太陽炉が付属。GNコンデンサーと差し替えること可能となっている。なお、GNコンデンサー/太陽炉の接続部分にはPCパーツが使用されているので、差し替えは幾分かラクである。

太陽炉をつけた際の背面
キットに付属の太陽炉を装着したところ。

「まだ僕は・・・戦える!!」

背中に搭載された太陽炉は、少し大き過ぎな気もするのだが、ダブルオーガンダムと比べると、実は同じ大きさであることがわかる。

ダブルオーの太陽炉と比較

惜しむらくは、やはり1stシーズン第1話登場時の、プロトタイプであるが故に妙に巨大な、あの太陽炉が付属していないことであろうか。アレさえあれば、ちょっと色を塗り替えるだけで初期Ver.も作れたんだけど・・・。

キットの腰部にはパーツを上にスライドさせる事で現れるジョイント用の穴が存在する。

謎ジョイント
ロールオーバーで画像が変わります

この、一見「バズーカでも背負わせろ」とでも言いたげなジョイントは、実はスタンド用のジョイントで、Oガンダムには恒例の股間部と合わせて2つのジョイントが付いている。このおかげで他のキットでは難しい、脚を閉じての飛行ポーズや、宇宙空間ならでは上下が逆となっている戦闘シーンのディスプレイも可能となっている。

宇宙空間ならではのアレ
他のキットでこういう事ができるのは少ない・・・と、思う。

可動箇所のジョイントには2ndシーズンに登場するガンダムから使用された新型PCパーツが採用されており、二重関節となっている肘のおかげで背中のビームサーベルに手が届くなど、HG ダブルオーガンダム に匹敵する可動範囲を誇る。設定上はエクシアよりも旧型なのに、関節構造はエクシアより新型という、後発キットとならざるを得ない旧型機ゆえの、いわゆる《旧ザク現象(注2)》が起きている。

ビームサーベルにもラクラク手が届きます。 横から見たところ。
見た目は旧型、中身は新型! その名もOガンダム!!

武装は小型のビームガンやガンダムシールド、ビームサーベルが付属する。

ビームガンとシールドを構えているところ ビームサーベル
初代ガンダムを踏襲してか、プロトタイプだからか、基本的な装備のみ

キットにはビームサーベルの柄は一本しか付属しないが、他キットからの金型流用の都合上、ビーム刃が2本付属する。折角付属しているのだから、ビームサーベルがただの白い棒なエクシアリペアU に1本使うようにすればいいだろう。

エクシアリペアUにサーベルを貸したところ。

色分けや組立てやすさ、可動範囲など、付属物がプレーンな分、非常に良いレベルになっていると思われる。2ndシーズン最終回の激闘を再現するためにも、エクシアリペアUと合わせて買うことをオススメしたいキットである!
注2『旧ザク現象』:設定では旧型機であるのに、アニメでの登場頻度・人気などから後発キットとなってしまい、結果、新型機のキットよりも優れた旧型機のキットとなってしまう事。
「粒子残量が・・・! ぐふぅっ・・・身体もかよ!」(戻る)