フロイライン リボルテック
遠坂凛

発売元:海洋堂

リボルテック フロイラインシリーズ

定価:2300円(税込)


フロイラインリボルテック 遠坂凛
「逃げてもいいけど辛いだけよ。どうせ勝つのは私なんだから。」

赤の主従
聖杯の研究―それは遠坂家において魔術師の血と共に代々受け継がれてきた、宿願である。

私の父は前回の聖杯戦争で帰らぬ人となった。

それ以来、私も聖杯戦争へ参加するため、準備を重ねてきたのだ。


所有者の願いを叶える幻の秘宝―聖杯。これを巡り、7人の魔術師によって行われる戦いの儀―聖杯戦争。魔術の師でもある、父の遺言に従い、聖杯戦争に参加するための準備を続けてきた遠坂凛は、参加条件となるサーヴァントの召喚を行おうとしていた。

地下室の床に魔法陣を描き、呪文を唱えると、魔法陣が激しい閃光を放つ。

呪文を唱える凛
「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者。我は常世総ての悪を敷く者。
汝、三大主、言霊を纏うもの。
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―!」

凛はその確かな手ごたえに儀式の成功を確信するのだが、何故かその場には、何者も現れない。儀式の失敗を疑いかけたその時、階上の居間から、轟音が響いてきた。

地下室の扉を蹴破り、居間へとなだれ込んだ凛の眼前に居たのは、白髪・褐色の肌を持つ、赤い衣服を纏った男だった。

「・・・やれやれ、こんな乱暴な召喚は初めてだ。これはまた、とんでもないマスターに引き当てられたものだな。」

「アンタが私のサーヴァントって事に、間違いはない?」と、問う凛に対し、男は「君こそ本当に、私のマスターなのかね?」と、問いで返す。問いの答えとして腕に刻まれた、魔術師とサーヴァントの契約の証―令呪(レイジュ)を見せ付けると、男は渋々、凛がマスターである事を認めた。が、男はさらに、「どうせ戦いの経験などは無いのだから、大人しく家にでも隠れていれば良い。」と、続ける。

男の態度に完全に頭に来た凛は、男に自分の立場というものをわからせるため、令呪を使おうとする。令呪はサーヴァントに、その信念や、あらゆる物理法則を無視した命令を強制できる、聖杯戦争の切り札とも言えるモノ。男はそれを使おうとする凛を制止しようとするが・・・、

「うるさい、うるさい、うるさーい!大人しく私の言う事を、聞けーーーっ!!」

凛は聞く耳を持たず、男に対して怒鳴りつけるように、命令を告げるのだった。

通常、令呪による命令は、「命令の内容と実行される期間が明確である事」が絶対の条件となる。凛の、「私の言う事を聞け」という命令は、本来であれば無効となるはずであった。だが、凛の魔術師としての力の強さを示すかのごとく、男は凛の言葉に強い強制力を感じていた。

これにより、凛がマスターとして、十分な資質と実力を兼ね備えている事を認めた男は、凛を自らのマスターと認め、その指示に従うことを誓う。

ここに凛と弓兵のサーヴァント・アーチャーの、強力タッグが誕生したのであった。

フロイラインとは『お嬢さん』という意味の、ドイツ語なのですよ。にぱー。
可動部にへたれることの無い可動軸・リボルバージョイントを仕込んだアクションフィギュアであるリボルテックシリーズは、2年目となる今年(2008年)、さらなる新基軸、フロイライン リボルテックというシリーズを立ち上げた。

ドイツ語で『お嬢さん』を意味する言葉をタイトルに冠するこのシリーズは、新開発の汎用女性型素体"E.L.F."(「エルフ」と読みます。)を使用することで、これまでは難しかった、アクションフィギュアとしての可動と、女性フィギュアとしての見栄えを両立させる事に成功している。

シリーズ第一弾として、『新世紀エヴァンゲリオン』より、綾波レイがリリースされ、第二弾としてリリースされたのが、今回紹介する、PCゲーム『Fate/stay night』のヒロインの一人、遠坂凛であった。これが発売される前年にはリボルテックシリーズでセイバーが発売されており、この商品化はある意味順当なものであると言えた。

今回は聖闘士星矢関連のコラムを書くのに忙しい、射手座サジタリアスのBP君に代わり、この俺、牡牛座タウラスのHUYUが、フロイライン凛の魅力に迫っていきたいと思う!

まずは、全身像から見ていこう。

凛・正面 凛・背面
すらりとした足と、絶対領域に目が行ったアナタ!そう、そこのアナタです!!
大丈夫!筆者もそこに目が行ったから!!

女性的な立ちポーズを意識してか、各所に新素体ならではの工夫が凝らされている。たとえば、肩。ロボットや、男性フィギュアであれば、特に問題は無いのだが、女性フィギュアの場合は細身の体型にするためにも肩が出っ張ってはいけない。そのため、フロイラインは小型のリボルバージョイントを内部に仕込む事で、肩周りを細くする事に成功している。

肩内部
肩周りを細くしつつ、幅広い可動範囲を実現

また、幅広い可動範囲も維持されているので、胸を腕で支えるようなポーズを取らせる事も出来る。

腕組み

足の付け根は、パンツラインで分割、可動ラインを取っており、ボディ側に埋め込まれたジョイントで、あらゆるポーズに自然に対応できるようになっている。また、足のロール軸はストッキングのラインに設けられており、違和感を無くす事に成功している。スカートは軟質素材で成型されているので、足回りの可動を妨げる事は少ない。

グラビア風のポーズ
とりあえず、グラビア風のポーズをとらせてみる。
上半身と下半身を分離させれば、スカートを取り外すことが出来るが・・・、流石にこれ以上は禁断の領域である。

首、手首、腰、足首のリボルバージョイントは、 リボルテックセイバーなどと同じ方式で接続されている。腰のジョイントは奥まった位置で接続されているので、見た目を損なう事は無い。

人形の命ともいえる顔は、セイバーと並べた時の違和感を無くすため、一番無難なすまし顔となっている。髪の毛はポーズ再現の幅を広げるため、ツインテールの根元がリボルバージョイントで接続されている。

凛・顔
表情が無いのが残念だが、無難な選択といえるすまし顔。

付属品として、凛の父の形見であるアゾット剣のほか、デフォルトとあわせて左右それぞれ4種類の手首が付属する。
ここで付属品だけの写真を載せるのもなんだか味気が無いので、付属品を使ったいろんなポーズをお楽しみいただこう。

ガント撃ち
凛が得意とする魔術の一つ、標的に呪いを打ち込む『ガント撃ち』

アゾット剣
父の形見のアゾット剣

宝石魔法
よく多用する宝石魔法。魔力を込めた宝石を、弾丸のように投げつける。

ジャンプしているシーン
付属スタンドを使えば、ジャンプしているシーンも取らせられる。
是非ともアーチャーも商品化していただきたい所である。

付属するスタンドは、商品名が記された特別製。

特製スタンド
台座に記された商品名が、特別感を強調している。

根元にリボルバージョイントを使用しているので、アクションポーズの幅を広げるのに一役買っている。figmaスタンドのように高さの変化を付けることは出来ないが、固定方法が差し込み式ではないので、本体の見た目を損ねていないのが利点である。

難点を挙げるとすると、まず、顔の表情を変えるパーツが無い事が挙げられる。figmaセイバーのコラムでも言及したが、やはり、ポーズに見合った表情というものが無いと、イマイチ物足りない。 また、服の胸の部分にタンポ印刷されている、十字模様の位置が設定と違うというのも残念なポイントであろう。それに、宝石魔法再現用の手首についている宝石は塗装による再現となっているのだが、塗り残しがあって見た目を損ねており、まるで手からキノコが生えているように見えるのが残念でならない。

フロイライン凛は、よく動いて、且つ、見栄えも良いという、ある意味、figmaに近いコンセプトを持っていると言える。ただし残念な部分もそれなりに多いので、リボルテックよりfigma派の筆者としては、figmaセイバーが発売された今は、凛もfigmaで発売されるのを待った方が、アクションフィギュアとして、より洗練されたものを望む事が出来るんじゃないかと思う。

リボルテックが好きです(よく動くから)でも、figmaの方がも〜っと好きです!(キレイだから)
で、特に待ってもいなかったが、それからしばらくしてfigmaでも凛が発売された。先に発売されたセイバーと違い、特に欲しいとも思わなかったので、長らくスルーしていたのだが、ある日、筆者の携帯電話に、よく買い物にでかける家電量販店で、オモチャが大安売りというメールマガジンが入っていた。「たいした物は無いだろ・・・」と、期待があるでもなくでかけると、figmaの凛が安売りになっていたのだった。

かつてスルーしたフィギュア。こういう時に買わずに、いつ買うのじゃ?(←誰?) と、いうわけで、購入したのであったとさ。

figma 凛・正面 figma 凛・背面
立ち姿がF・リボルテックよりもキレイに見えるのは、撮影技術の向上だけが理由ではない・・・。

全身の関節の継ぎ目が、こころなしかリボルテックよりも目立たなくなっており、立ち姿が良くキマル。リボルテックの時には不評だった胸の十字マークの位置も、figmaでは設定どおりの位置となっている。

特徴的なツインテールはボールジョイントで接続されているので、そこそこ動くようになっている。また、いつも通りのfigmaスタンドが付属するので、アクションポーズも決めやすくなっている。

表情パーツ2種
右・交換用表情パーツ。 左・デフォルトの表情パーツ

表情を再現するフェイスパーツはデフォルトを含め、2種類が付属。デフォルトの顔はちょっと無表情すぎて怖い気がするのだが、交換用の顔は、「まさしく遠坂 凛!」と言える、迫力のある表情となっている。・・・ある意味、こっちも怖いな。

凛様がお怒りのようです
「聖杯戦争、舐めてんじゃないわよ!」

付属武器を持たせたり、様々なアクションの再現に使用できる交換用手首が、左右5種類ずつ付属する。

交換用手首
右から、握り拳、武器持ち手、指差し手、開き手、宝石を指に挟んだ手。

色々いじっている時に気付いたことだが、実はこの交換用手首のセット内容は一部を除いて、figma シャナと同じになっている。figmaではこれが、手袋などを装備していない女性キャラクターのデフォルトという事になるのだろうか?

また、差替えパーツとして、左腕の前腕を丸ごと取り替える、袖まくり状態の腕が付属する。こちらのパーツは、魔力を高めるために身体に刻まれると言う、魔術刻印が塗装で再現されている。

左腕の魔術刻印

付属武器は、リボルテックにも付属していたアゾット剣のほか、宝石剣ゼルレッチが付属する。

アゾット剣 宝石剣ゼルレッチ

・・・ほんと、明らかにfigmaはリボルテックに喧嘩売ってるような。

2009年11月にFate/stay nightの主人公である衛宮 士郎と、そのサーヴァント・セイバーの私服バージョンがfigmaで発売される。と、いうわけで士郎&セイバー組に対抗するためにも、凛と共に戦う弓兵のサーヴァント・アーチャーのがfigma化されるのを望んで止まない。

聖杯戦争最強タッグ?
凛「いくわよ、アーチャー!」

クウガ「ハイ!」

鬼嫁日記?
凛「って、あんたは違うでしょーが!」

・・・凛さんがマジギレする前に、お願いします・・・。

フロイライン・リボルテックやfigmaは、モノによっては残念な箇所があるものの、それを差し引いてもなお出来が良いため、男の子だったらつい、いやらし〜いポーズをとらせてみたくなっちゃうだろう。そんな時、家族が現れたりすると、気まずくなる事必至なので、こういう美少女フィギュアで遊ぶ時は、自室に篭って、一人きりでいるか、若しくは部屋のドアに鍵をかけ、篭りきって遊ぶ事をオススメするぞ!

「やっぱりサーヴァントにするなら、セイバーが一番よね。」(リボルテックセイバーのコラムへ。)

「これがセイバー、白兵戦最強といわれるサーヴァント!」(figmaセイバーのコラムへ)

「私たち二人でこの勝負、キッチリ勝ちにいくんだからね!」「了解だ、マスター。」(戻る)