マスターピース キングエクスカイザー
マスターピース キングエクスカイザー
タカラ マスターピースブレイブシリーズ
価格9450円(2005年当時の消費税5%込み)

地球の平和を乱すことは、この私が許さん!
このコラムは、2005年12月に執筆した「マスターピース キングエクスカイザー」のリバイバル版コラムです。発売当時の記述は可能な限りそのまま残しつつ、
画像を2025年の環境で撮り直し、さらに現在の視点からの補足を後半に追加しています。
以下の本文は、2005年12月当時の私が書いたままの文章に少し加筆を加えたものです。本文自体は削っていません。平成中期、00年代のあの頃の空気感ごと楽しんでいただければ幸いです。
本家タカラの傑作シリーズ!
最近は、昔のアニメに登場したキャラクターが復刻もしくはリニューアルされるリバイバルが盛んであるが、タカラのトランスフォーマーも例外ではなく、昔発売されていたオモチャを復刻したり、バイナルテックシリーズという実際にあるリアルな車が変形するシリーズが発売されたりした。
そして、トランスフォーマー20周年記念ということで、マスターピースシリーズが発売された。これは乗り物形態とロボットモードの変形をオモチャ的な新解釈を取り入れ、どちらのプロポーションも崩すことなく変形させ、更に可動も追及したシリーズである。要はスタジオハーフアイの完全変形シリーズのような物と考えれば良いだろう。このシリーズでは、これまでにいわずと知れたサイバトロン司令官コンボイと、そのカラーバリエーションであるウルトラマグナス(注1)が発売されている。
そして、2005年になってマスターピースの実質第2弾となったのが、トランスフォーマーシリーズではなく、その親戚の勇者シリーズの『
勇者 エクスカイザー』に登場するキングエクスカイザーであった。この年は勇者シリーズ誕生15周年ということで、そのトリを飾る形で発売されたが、それにふさわしいすばらしい出来である。
注1 サイバトロンシティーコマンダー。トランスフォーマーTHE MOVIEからヘッドマスターズの間に活躍したトランスフォーマーである。オモチャでは、トレーラーの先端部分がコンボイの白いバージョンなので、色変えとして出された。本当は後ろのコンテナと合体して別のロボットになるのだが、本商品ではそのような機構はない。はっきり言って手抜きじゃ・・・。
ボクんちの車は宇宙人!?
エクスカイザーは、元々は宇宙からやってきたエネルギー生命体である。それが、星川 コウタ君の家の車と融合し、ロボットに変形できるようになったのだ。この商品のうれしいところで、同じスケールのコウタ君のフィギュアとその愛犬であるマリオのフィギュアがついているのがうれしいところだ。

小さいのに彩色はばっちり
エクスカイザーの最初の戦闘はガイスター四将の一人であるホーンガイストとの戦いであった。コウタ君が遠足で恐竜博覧会へ訪れたとき、彼のカメラを狙って暴れだした。カメラを狙ったのはコウタ君の「ボクの宝物なんだ」という言葉に反応したため。踏み潰されそうになったとき、コウタ君の車が颯爽と登場した。
「チェンジ!エクスカイザー!!」
「わが命の光が消えるまでは・・・」
「貴様たち悪党の思い通りにはさせん!!」
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自分の家の車がしゃべって、ロボットに変形したのでコウタ君はビックリ。エクスカイザーは、ジェットブーメランでサンダーガイストを蹴散らした。
「ジェットブーメラン!!」
サンダーガイストはたまらず地中の中へ撤退する。エクスカイザーの胸のライオンが吠え、ブレストチェンジで胸の中に反転収納された。
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エクスカイザーはコウタ君のカメラを不思議な力で修復すると、自身の名前をコウタに告げる。
エクスカイザー「私の名は、エクスカイザー。君は・・・?」
コウタ「僕、星川コウタ。エクスカイザーって一体・・・?」
エクスカイザー「コウタ君、今は詳しい話をしている時間はない・・・。私のことはしばらく君の胸にしまっておいてくれたまえ。」
コウタ「え・・・?」
エクスカイザー「つまり、私のことは君と私だけのヒミツということだ。」
こういうと、エクスカイザーは元の車に戻った。これがコウタ君とエクスカイザーの出会いであった。
車と融合したエクスカイザーは、コウタ君の家のガレージに待機している。事件が起こると、コウタ君の家のガレージから出て行く。ちなみに、ママにばれないかどうか疑問を持つ人もいるだろうが、マリオがいつも気を利かせてママの気をそらして、出撃を手伝っているのが面白い。
自分の家の車がヒーローでいつも自分の家から発進するというのは、子供心を掴むいい演出であると思われる。
勇躍!エクスカイザー
マスターピース キングエクスカイザーでは、エクスカイザーの変形からポーズまで自由に決めることが出来る。
全高わずか9センチメートルのエクスカイザー
パッケージにはロボットモードで入っているので、取り出してすぐに遊べる
2005年当時の技術を集め、幅広い可動範囲と変形ギミックが濃縮されている
武器のエフェクト―パーツや手首が豊富に付属
2005年当時、ここまで付属品が付くのは珍しかった
手首パーツも何種類か付属し、上の様なアニメの中での決めポーズが見事に決まるのだ。
まず、エクスカイザーの変形を見てみよう。エクスカイザーの変形はボンネット部分が前に出て足になり、車の後方の部分が、肩となる。
「とうっ!」
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そして、折りたたまれていた腕が展開し、胸が回転してライオンの顔が出てきてエクスカイザーが完成!
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エクスカイザー「チェンジ!エクスカイザー!!」
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これは当時のオモチャでも完全再現できていたのだが、マスターピースでは足の関節を二重関節にして、可動の実現と車形態の時のスタイルをよくしている。
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スタンドも付属して、その上でアニメでの変形の決めポーズも決めることも出来る。
宇宙警察カイザーズのロゴが土台になっているスタンド
エクスカイザーを空中ディスプレイすることができる
欠点としては、スタンドの保持力が少し低くてエクスカイザーを乗せるとその重みで前に傾いてしまう。これは残念なところである。
変形でのこだわりの部分は、エクスカイザーのマークの部分である。二次元のウソが働いて、車の時のライオンのシンボルが、ロボットになると、消えているのだがシンボル部分のパーツに軸を追加して回転できる様にして、ロボット形態の時にマークが消えるようになっている。
この変形は見事の一言につきますな
胸のライオンの顔への変形(ブレストチェンジ)は、大きさの都合もあってか、オミットされている。その代わりに、胸の部分を差し替えることで、非戦闘形態の時のエクスカイザーも再現でできる。この状態のエクスカイザーは1話のみ登場。変形バンクではいつもライオンの顔が回転しているので目立つ部分ではあるのだが。

胸の変形は差し替え
ちなみに、車形態のときは胸パーツを押し込んでおくので非戦闘形態の胸に差し替えなくても支障は出ない
ちなみに、大きさはわずか9センチ。昔のオモチャでは15センチあった物が、これだけギミックを追加して小型化されているのだ。技術の進歩が感じられる。

小ささを売りにしている最小変形のエクスカイザー(約5センチ)との比較
更に、エクスカイザー単体のオプションも豊富である。手首はもちろんのこと、劇中で使用したスパイクカッターやジェットブーメランのエフェクトパーツもついている。これで、エクスカイザー単体の時の武器のシーンも決まる様になった。

左がスパイクカッター
右がジェットブーメラン
欠点としては、変形が少々細かすぎてやりにくいと言うところ。ちなみに、私は説明書見ながらやっても1時間くらいかかった。説明書では、足を両方付けて変形するようなっているが、引っ付けた状態で二重関節の調整をするのは難しいので、片方ずつ変形させたほうがよいだろう。
後、少々強度が不安である。足にはダイキャストが使用されていて、一見強度は高そうに見えるが、関節部分がプラスチック製で、ボールジョイントがむき出しなので折れないかどうか不安を感じてしまう。タカラ製なので、すぐに壊れる事はないのだが。
フォームアップ!キングエクスカイザー
エクスカイザー単体では、スピーディーな戦いが出来るのだが、パワー不足は否めなくピンチになると、サポートメカであるキングローダーを異次元から呼び出す。これは、乗り物形態ではトレーラーのコンテナのようなメカである。
番組終了5分前になると、毎回呼び出されるメカ
最初のマスターピースであり、トレーラーから変形するコンボイは、コンテナの部分が内箱をペーパークラフトにした紙製で、エクスカイザーがマスターピースになるなら、同様にこの部分も紙製になるのではないかと懸念されていたが、そんな事はなくキングエクスカイザーへ完全に変形する。ちゃんと、エクスカイザーが牽引できるようにギミックが追加され、差し替えや追加パーツなしで牽引状態にもなれる。
けん引モード時のジョイントは収納式になっている
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オープニングで、おなじみのこの形態もそつなく再現
何度も言っているように、キングエクスカイザーへの合体はエクスカイザーがキングローダーの中に入って収納されるというゴーディアン方式を取っている。マスターピースキングエクスカイザーでは、最小変形キングエクスカイザーのようなパーツの余剰は発生せず、
尚且つ可動も出来るような合体機構になっている。それを見ていこう。
まず、エクスカイザーが異次元空間からキングローダーを呼び出す。このシーンは毎回番組終了5分前になると必ずやるシーン。お約束中のお約束だ。
エクスカイザー「キングローダー!!」
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キングローダーの変形であるが、タイヤの部分は見事に内部に収納される。更に、劇中ではキングローダーが浮き上がるときにタイヤの片方がバーニアになってるシーンがあるのだが、それも回転で再現できるようになっている。アニメのイメージそのままに、ウイングパーツも内部に歯車が仕組まれていて、片方を動かせば連動してもう片方も変形できる。

説明書では、この状態をフライトモードと呼称しています
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フライトモードになって、空中に浮かぶと、左右の腕をまっすぐに伸ばす。
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バックパックはスタジオハーフアイの物と同じ解釈で、前のオモチャの様にアニメの形状と違うと言うようなことはなくなった。バックパックと背中の固定もジョイントでしっかり固定される。この部分は、後のグレートエクスカイザーへの合体も考慮に入っているのが伺える。

バックパックも劇中どおりに変形
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そして、アニメでの合体シーンの最大のカタルシスであるエクスカイザーの収納である。キングローダーが立って、全面がガバッと開く。肩パーツの展開が凝っていて、ヒンジを肩の赤い部分の後ろに追加し、美観を損ねないようにしている。また、胴体部分も収縮させることが出来るので、キングローダー時とロボット時のバランスを見事に両立できる。このギミックは、ハーフアイも導入していた。
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内部ディティールが細かく作られているのがポイント
スタンドパーツを使って、エクスカイザーがキングローダーに飛び込むシーンも再現できる。
エクスカイザー「とうっ!」
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そして、エクスカイザーを中に収納する。エクスカイザーが中に飛び込んだ後は、展開した部分を閉じて、胸の部分を下げる。
エクスカイザー「フォームアップ!」
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この収納部分のクリアランスがギリギリで、なかなか収納しにくい。やりにくいなと感じた人は、あらかじめ腕の白い部分をまっすぐ前に出しておき、肩のジョイントと背中のジョイントを中に固定させてから腕を90度曲げる方式を取ればうまく入れることが出来る。
このようにエクスカイザーの腕を前に出しておき、トレイの中に入れて背中のジョイントで固定する
その後、脚部をはめ込んでいくとすんなり入る
取り外しの要領は、逆の手順で腕を上げてから外していくと効率が良い。また、下腕部は無理にトレイに入れなくても固定されるので、筆者は腕を上に逃がしておいて、収納した状態にしていない。カバーでふさがれ、拳がほぼ見えなくなるので分離させやすさを狙うなら無理に固定しない方が良いだろう。
劇中では、エクスカイザーの顔がキングエクスカイザーの兜に出現して、マスクが閉じる。昔のオモチャではエクスカイザーを入れないと、キングエクスカイザーの顔が現れないようになっているが、これは劇中シーンの再現であろう。マスターピースではそのギミックはオミットされているが、マスクのパーツが取り外せるようになっていて、エクスカイザーの素顔を見れるのだ。
マスクはバトルモードであるという意思の表れ
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マスクを取り付ける分、少々厚ぼったく見えるのが難点
マスクの下には非常にイケメンな顔が隠れている
なお、首を取り外せるようになっているが、この首が滅茶苦茶硬くて取り外しにくい。顎の下の部分にお親指を引っ掛けて、後頭部の下に人差し指を引っ掛けて思いっきり引っ張れば取れるが、気を付けないとジョイントや角をを壊しそうで怖い。頭側の受け皿のサイドについている出っ張りを削っておこう。これは某匿名掲示板での情報だが、顔を横に向けて奥に倒すように力を加えると、かなり外しやすくなる!お試しあれ。
手首と胸のライオンを手前に取り出せばキングエクスカイザーの完成である。
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「巨大合体!キングエクスカイザー」
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内箱がアニメのライオン背景になっていて、ポーズを取らせるとそのままアニメを立体化したような絵になる。
アニメの背景のライオンが印刷されている内箱
まるで、劇中の合体シーンを見ているかのようである。
さて、ここまで再現しているのは良いのだが、可動は駄目になるのではないかと言う人がいるだろう。しかし、このマスターピースは違った。この様な劇中の完全再現を実現しながら、可動もばっちりなのだ。秘密は肩の部分にある。マスターピースの肩の機構は、内部の合体用の肩に外側の肩をボールジョイントで取り付けているので、エクスカイザーを収納しながら肩の自由なスイングも再現しているのだ。
この機構のおかげで
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こんなポーズもお手の物
足の可動も内部のエクスカイザーがよく動きキングローダーの動きに合わせてある程度動くので、内部にエクスカイザーを収納しながらここまでの可動が実現できるわけである。
内部のエクスカイザーが脚部の動きに合わせて可動する
このため、エクスカイザーが内部に収納されても足を前に出すことが可能
さすが、本家本元のタカラと言おうか。残念ながら、完全にはカイザーソードの両手持ちはできないが、それを考慮に入れても、すばらしい可動となっている。
エクスカイザー同様、豊富にオプションパーツも付属している。デフォルトの手首は可動するタイプだが、2種類の平手手首や右手の指差しポーズの手首が付属している。
剣2種に加え、様々な手首パーツが豊富に付属している
手首が少々外しにくいが、劇中の指差しポーズや、剣を構えたときの自然な状態を再現できるのだ。
カイザーソードに関しては、足に収納するための短いカイザーソードと、見た目を重視したカイザーソードが付属している。長いほうは、柄の部分にジョイントパーツがあり、デフォルトの可動指の穴にはめ込む事でしっかりと保持される。また短いカイザーソードは剣の鍔の部分が劇中同様に稼動する上に、脚部パーツに剣を分割する事で収納する事が出来るのだ。この部分は、新たな解釈と言える。
収納はこんな感じ。
剣の部分はもう片方の部分に収納する。
長短2種のカイザーソードが付属する
収納や鍔の展開などのギミックを再現したい場合は短いほう
形状重視したいときは長い剣を使用する
キングエクスカイザーの必殺技は、カイザーソードによるサンダーフラッシュである。
まず、収納されているカイザーソードを脚部から取り出す。
「カイザーソード!」
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取り出したカイザーソードを構えて、ライオンの口から炎が噴出し、剣をあぶる。これによりエネルギーをチャージするのだ。
可動範囲が広いものの、劇中どおりに前に構えにくいのが難点
剣を真上に掲げて、貯めたエネルギーを放出し、そのまま相手を一刀両断する。
「サンダーフラッシュ!」
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真っ二つにされた敵は当然大爆発である。爆発を背景に決めポーズに入る。
敵を倒した後に、胸のライオンが吼えるのはお約束です
ロールオーバーで画像が変わります
可動範囲が広がったため、劇中の再現が非常にやりやすくなった。ただ、もう少し腕が長ければ自然と剣を上に掲げられたのだが・・・。
カイザーソード以外の武器の再現もなされている。まず一つ目は、キングエクスカイザーが使うスパイクカッターであるカイザーショットである。エクスカイザー同様に発射のエフェクトが付き、更に手裏剣の部分は回転が出来るのだ。

カイザーショット!
更に、劇中では23話でしか登場しなかった膝の黄色い部分にある隠しミサイルのカイザーミサイルまで再現されている!この武装はDVDボックスを買った人でないと覚えていないと思うのだが、こんな細かいところまで再現されてるのだ。
劇中では左足のみ使用したが、右足にも同じギミックがある
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可動、オプション、造形どれ取っても、まさにマスターピース(傑作)!その名に恥じない出来となっている。これが10000円未満で入手できるのだから、すばらしい世の中になった物である。
豪華に、塗装が多め!・・・なのは良いんだけど
マスターピースシリーズは、高年齢層に訴えかけるために成型色そのままでなく、塗装を施されている。ディープなオモチャファンの人間は高級感が出ている塗装を好むのであるが、それにあわせるようにキングエクスカイザーも塗装とダイキャスト中心で攻めてきている。
しかし、この塗装には欠点がある。機械が塗装しているわけではなく、塗装を施しているのは人間の手なので、どうしても塗装の美しさに個体差が出てしまうのだ。しかも、このキングエクスカイザーでは、ライオンの顔がメッキの上に白の塗装を施しているので塗膜が剥がれやすいのだ。ここは成型色とメッキに色分けした欲しかったところである。
箱は、上の箱を持ち上げると中身が見えるようになっている。というわけで、数に余裕があるときは、品定めをするのをお勧めする。この商品以外でも塗装を施されている物は、中身をチェックできるのならば、きちんと選んで買うようにしよう。特にバンダイのMS IN ACTIONや造形を売り物とした美少女フィギュアなどは、マークがずれていたり汚い塗装(注2)がある場合があるので、購入前に気になる人は選んだほうがよい。
3月にはマスターピース ドラゴンカイザーの発売も決まっており、いよいよグレートエクスカイザーもこのクオリティで再現されるようになるのだ!このマスターピースシリーズには、是非このクオリティを維持してもらいたい物である。
注2 特に顔の部分には気を付けよう。かなり複雑なため、個体差が大きい場合が多いのだ。特に、美少女フィギュアで顔のプリントがずれていたら泣けて来る。
あれから20年・・・。色褪せないマスターピース
ここからはこの製品のコラムを書いた20年後の2025年の追記である。2005年代は、ちょうどハイエイジ向けのフィギュアの文化が花開いたところで、各社も手探りの状態が続いていた。特に合併する前のタカラは、採算度外視で本当に担当者が作りたいギミックを詰め込んだ製品を作ってきており、今の目から見ると空前絶後の安さで変形合体を煮詰めた製品を発売していたのである。
さすがに20年経過しているので、作りが古く感じる箇所もたくさんある。しかし、劇中の変形合体を忠実に再現している商品は、令和の世に入っても非常に少ない。しかも、極力箱体型にならないようにプロポーションが調整され、なおかつ可動するというのは今でも色褪せない箇所である。
発売から20年経ったマスターピース キングエクスカイザー
つくりは古いが、構造は今でも一級品である
白いプラスチックが経年劣化で変色している年季物になった
キングエクスカイザーの大きさは21センチ
エクスカイザー単体では9cmなので、ややエクスカイザーが劇中よりも小さくなっている
当時のコラムで省略している箇所を補足しておこう。まず、キングローダーとキングエクスカイザー時のプロポーションをよくするために上半身には伸縮ギミックが追加されている。これは、スタジオハーフアイの最小変形でも取り入れられていたギミックで、マスターピースではスライドさせることで実現している。
スタジオハーフアイはクランク軸で伸縮させたが、マスターピースはスライドさせる
こうすることにより、ビークル形態時は長く、ロボット形態時は短くなり、プロポーションが維持される
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しかも、バンクの時に浮き上がるフライトモード時のバーニアも車輪のパーツを回転させていくことで再現しているのが驚きである。
キングローダー、フライトモード、ロボット形態時で形状の変わる脚部
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このフライトモードは、20年後に発売されたトイライズでも採用されている形態である
20年が経過した今、確かに作りの古さを感じる部分はある。しかし、劇中の変形・合体をここまで忠実に再現した商品は、令和の現在でも極めて少ない。
さらに、極力箱体化を避けたプロポーション調整と、当時としては破格の可動範囲。これらは今なお色褪せない「技術の結晶」である。
20年後の後継たち──しかし越えられない「変形合体」の壁
発売から20年経過したが、後継となるキングエクスカイザーの発売はなかなか実現に至っていない。まず、カバヤの勇者伝説ブレイブガムでは、この収納式のギミックをわずか300円で実現した。もちろんその値段の安さから可動範囲はほぼないが、エクスカイザーの変形から収納、さらにドラゴンカイザーとの合体までも再現している恐ろしいクオリティだったのである。
そして、バンダイからはSMP オルタナティブデスティニー(SMP AD)でキングエクスカイザーが発売された。ただ、こちらはガレージキットを食玩に落としこんだというコンセプトで、キングエクスカイザー単体での発売であった。すなわち、このキングエクスカイザーは変形・合体ギミックが省略されているのである。造形とアクション面は申し分なく、これはこれで刺さる層は確かに存在するのだが、変形・
合体機構を望むユーザーには刺さりにくいものであった。
そして、バンダイは超合金魂でもキングエクスカイザーの製作を発表している。しかし、発表から数年が経過してもなかなか発売にはこぎつけられていない。これは、プロポーションと可動、変形機構を煮詰める必要があるからで、2025年11月の魂NATIONSでようやく合体機構までたどり着いた様子が展示されていた。この合体機構は小型化されたエクスカイザーが収納されていたのだが、マスターピースの変形位置そのものであった。
もちろん、超合金魂の造形は素晴らしいものであった。エクスカイザーも劇中により近くなり、可動範囲もプロポーション、造形も申し分なさそうである。小型エクスカイザーを内部に収納する方式は、ほぼMPの変形位置を踏襲しており、MPが提示した「正解」の強度を改めて感じさせる。
しかし、そのギミックの煮詰めに時間がかかりすぎてしまい、タカラトミーの新ブランド、トイライズに先を越されてしまった結果となった。このトイライズは、変形合体機構の解釈を大幅に変え、プロポーションと造形、可動範囲を飛躍的に上げている。超合金魂の間隙を縫う形での発売になり、賛否は分かれたものの玩具としての出来は申し分ないわけである。
トイライズとの比較
トイライズは最近のTHE合体に合わせた大きさとなり、巨大感が増している
ただし、プロポーションや可動範囲を広げるため合体ギミックは大幅に変更されている
キングエクスカイザーは、勇者シリーズの始祖でありながら、再現が極めて難しいロボットである。その難題を、今より安い価格で、しかも20年前に解決していたタカラの技術力は、やはり異常なレベルだった。
アニメから飛び出てきたような絵が再現できるマスターピース キングエクスカイザー
マスターピース キングエクスカイザーは、勇者シリーズのみならず、変形合体ロボット玩具という文化そのものを更新したエポックメイキングな存在である。20年が経った今こそ、その名が示す通り、これは紛れもない「マスターピース」であった。
逃さんぞ!ダイノガイスト!!
(マスターピース ドラゴンカイザーのコラムへ)
かの地で与えられし力と技!見るがいい!!(マスターピース グレートエクスカイザーのコラムへ)
キミんちにも宇宙人、いる?(もどる)