ULTRA-ACT ウルトラマンガイアV2

ウルトラマンガイアV2 定価:3360円(税込)

ウルトラマンガイアV2(スプリームバージョン) 定価:3675円(魂ウェブ商店限定)

ULTRA-ACT ウルトラマンガイア
大地の守護者、ウルトラマンガイアがULTRA-ACTにバージョンアップして登場!

光をつかめ!
ウルトラマンティガ』から始まった平成ウルトラマンシリーズはVTR映像やCGを利用した新たな特撮技法を生み出し、大人も子どもも楽しむことのできるシリーズとなっていった。その第3弾として、1998年には『ウルトラマンガイア』が放送を開始する。前作、『ウルトラマンダイナ』は『ウルトラマンティガ』の数年後を描き世界観を共有していたが、このウルトラマンガイアでは世界観をリセットし、第2のウルトラマンの登場などの新しい趣向をウルトラマンシリーズに取り入れたシリーズとなった。今回は、この作品の主役ウルトラマンのアクションフィギュア、ULTRA-ACT ウルトラマンガイアを紹介する!

城南大学で量子物理学を専攻する天才科学者、高山我夢は、量子力学の実験中に不思議な空間へと迷い込んだ。その空間で、彼は赤い巨人が巨大な怪獣と戦っているのを目撃する。その後、街に巨大怪獣、コッヴが襲来した。逃げ惑う群衆の中、我夢は量子空間で遭遇した巨人のことを思い出す。その時、我夢が立っていた地面が突如として消失、我夢は再び量子空間へと迷い込み、その巨人と再び邂逅を果たした。

街を守るため、自分が巨人になりたいと我夢は巨人に向かって懇願する。するとその巨人は我夢に光を与え、彼を大地を守る赤き守護者、ウルトラマンガイアへと変身させた。ガイアに変身した我夢はコッヴに勇敢に立ち向かい、量子空間でその巨人が見せた技、フォトンエッジでコッヴを撃滅する。

このように誕生したウルトラマンガイアは、ほかのウルトラマンのように宇宙人であるという設定ではなく地球が遣わした大地の守護者というキャラクターである。故に、ほかのウルトラマンと違いエネルギーさえ尽きなければ活動時間に制限はない。

また、番組前半ではウルトラマンガイアは前作までで恒例だったタイプチェンジを行わない。デザイン自体も、金色のプロテクターがあるのは前作と共通だが、銀色を中心として赤・青のラインが入ったカラフルなカラーリングだったティガやダイナと違い、ガイアのカラーは銀色と赤色のみとなっている。このデザインは、初代ウルトラマンを意識しており、前2作とうまくデザインの差別化を図ることができている。

タイプチェンジを行わない代わりに、『ウルトラマンガイア』ではライバルのウルトラマン、ウルトラマンアグルが登場する。このアグルも地球が遣わした海を守護する青い巨人であるが、考え方の違いからウルトラマンガイアとたびたび衝突を起こし、物語に緊張感を与えている。

天才科学者であるという設定の我夢だが、ウルトラマンの光を手にして以降はG.U.A.R.D.(対根源破滅地球防衛連合)の特捜チーム、XIGにアナライザーとして入隊。怪獣や異常現象の分析を行いながら、身体を鍛え上げ戦士として成長していく。

新たなる戦い〜ヴァージョンアップ・ファイト!〜
シリーズ中盤で、ウルトラマンガイアはウルトラマンアグルの力を得た。アグルの青い光を得たガイアは、胸のアーマーの赤いラインが黒いラインへと変化し、アグルの技も使用することができるようになった。また、前作で恒例だったタイプチェンジも可能になり、パワーアップ形態のスプリームバージョンに変身することができるようになった。

ULTRA-ACTで最初に製品化されたのが、このアグルの青い力を得たウルトラマンガイア(V2)である。劇中ではこのパワーアップは「ヴァージョンアップ」と呼称されていたが、このULTRA-ACT ウルトラマンガイアV2を境にULTRA-ACTシリーズは「ヴァージョンアップ」を果たすことになる。その詳細を見ていこう。

まず、ウルトラマンガイアでプロポーションと関節の再設計が行われた。

ULTRA-ACT ウルトラマンガイアV2 前 ULTRA-ACT ウルトラマンガイアV2 後
ウルトラマンのスリムなイメージはそのままに、筋肉質に造形された新素体
Figuartsよりも格好良くをコンセプトにしているらしい

これまでのULTRA-ACTはS.H.Figuartsをベースとしたスリムな体型だったが、このウルトラマンガイアでは素体を一新し、スリムなイメージはそのままに全体的に筋肉質になった。これは、ウルトラマンは平成仮面ライダーなどと違い、派手な外装が付いていないため、ボディラインのごまかしがきかず、肉体の「一体感」が求められるため、S.H.Figuartsを基にしてしまうとどうしても関節などに違和感が出てしまっていた。
ティガとの比較@
同じ平成ウルトラシリーズのティガとの比較
ティガと比べて肩のラインが自然になっているのがわかる

実際に平成ウルトラマンであるウルトラマンティガと比較してみるとわかるが、ティガの場合関節部が身体から浮き出て違和感が出てしまっている。ウルトラマンは体のラインがシンプルな分、ごまかしが利かず、関節を自然に見せるのがULTRA-ACTの課題であった。

そこで、このウルトラマンガイアでは肉体のラインがしっかり出るように筋肉質な素体へとバージョンアップさせた。さらに関節を動かしても隙間が空いてしまわないように再設計され、アクション時のボディラインが崩れるようなことはなくなった。また、可動範囲も従来の製品以上に広がるようさらに工夫が施されている。

ティガとの比較A ティガとの比較B
ティガの場合は腕や膝を曲げると関節パーツが露出したり妙な隙間が出来たりする。
ガイアでは露出が目立たないように改良されている

ティガとの比較C
また、足首の関節が変更されより自然に可動範囲が向上している

ただ、新素体になってから首の可動が狭まってしまい、上を向かせるのが難しくなった。このため、飛行ポーズを取らせにくくなったのが難点である。

光線のエフェクトパーツもバージョンアップし、原作に忠実だったティガまでと違い、立体化した時のケレン味が出るような派手なエフェクトに変化した。また、昨今写真を撮って楽しむユーザーが増えたためか、写真にした時に迫力が出るようにパースもかけられて造形されている。

光線エフェクト
従来のシリーズに比べ、よりとげとげしくより躍動感が出たエフェクトパーツ
その代わり、劇中の様な光線でなくなったためそれを不満に思うユーザーもいたりする

これは原作の雰囲気を大事にする層と立体化した時の派手さを大事にする層とで意見が分かれ、賛否両論の議論を巻き起こした。しかしグラデーション塗装されたエフェクトパーツ自体の品質は間違いなく向上したと言えるだろう。

また、このウルトラマンガイアから光を当てれば目が発光するというギミックが付いた頭部も付属している。これは往年の勇者メカよろしく、後頭部がクリアパーツになっておりそこに光を当てれば目が光るように出来ているのである。

発光頭部
クリア部分に光を当てれば目が光ります

ガイア(V2)単体の付属品は、平手二種類とカラータイマーが点滅している時の物が付属している。これは従来のシリーズとまったく同じ構成である。さらに今回から追加されたパーツとして魂STAGEとの接続パーツが付属している。これは背中の一部分を取り外し、接続パーツと差し換える。これで魂STAGEと連動させてディスプレイさせやすくなった。

魂ステージとの接続パーツ

さらに特筆すべき点は、ガイアの必殺技である2種類の光線、フォトンエッジクァンタムストリームのエフェクトパーツが付属していることである。特にフォトンエッジを再現するための専用の頭部が付属しており、発射時のシーンを再現することが出来る。

まず、従来通り腕を交差して発射するクァンタムストリームは、手首を専用の手首パーツに交換してエフェクトを取りつける。発射態勢は腕をTの字に交差させ、胸の前に持っていき光線を発射する。この技はウルトラマンの必殺技オーソドックスな発射ポーズをとるが、つなぎの技で何度か発射を妨害されたり怪獣に通用しなかった事もあった。

クァンタムストリーム
ウルトラマンのオーソドックスな必殺技発射ポーズをとるクァンタムストリーム
ロールオーバーで画像が変わります

ただ、製品では胸のプロテクターが干渉してしまい、うまいこと胸の前でTの字に腕を構えさせることができないのが欠点である。

ガイアの本命の必殺技は頭部から発射されるフォトンエッジである。このフォトンエッジは、往年のウルトラセブンを意識した技なのか、「光の刃」と形容される。頭部にエネルギーを集中させると、鞭のようにしなる光線が形成されその光線を射出する。

フォトンストリーム@
ロールオーバーで画像が変わります

フォトンストリームA
ロールオーバーで画像が変わります

このフォトンエッジは発射時のイメージを再現しているため鞭のようにしなった状態で光線が再現されている。

フォトンエッジ用エフェクト
艶消しピンクで再現された光線エフェクト
光線のしなり具合に躍動感を感じられる作りとなっている

このウルトラマンガイアでは初回限定特典として、光臨エフェクトが付属している。ガイアは大地の力を宿したウルトラマンであるということで、登場時着地すると地面に大きな衝撃が発生し、周囲の地面が吹き飛ぶという演出が施されている。これによりウルトラマンの重量感を再現しているわけであるが、その衝撃と砂ぼこりを再現しているのである。

光臨エフェクト ガイア光臨!
艶消しクリアオレンジのパーツに塗装が施されている
おまけの割にボリュームがある上に爆発用のエフェクトにも使える

このエフェクトはただ単なる砂ぼこりではなく、爆発にも見立てることができるため、非常に汎用性が高い。各キャラクターに付属している射撃パーツと合わせれば、キャラクター同士の熾烈な激闘を再現することができる。そのためか、この初回限定パーツが付属しているガイアは早々と売り切れてしまった。

ガイアが・・・変わる!
初回限定付属のガイアが早々と売り切れた一方、特典が付属しない通常のガイアの売れ行きはさほど良くなかった。長いこと店頭に置きっぱなしになっているのを見かけたし、ライバルとして発売されたウルトラマンアグル(V2)も商品のでき自体は良かったものの、特典パーツが付属しなかったからかガイア同様店頭に並びっぱなしという事態が起きてしまった。

そのためか、バンダイはウルトラマンガイアのバリエーションは通常販売ではなく魂ウェブ限定に早々と切り替えた。ガイア最強のフォーム、スプリームヴァージョン(SV)は新規造形であるにもかかわらず一般販売はされず、2012年6月に唐突に9月発送商品としてラインナップに加えられたのだった。

このスプリームヴァージョンはガイアの光の力とアグルから授かった光の力の両方をすべて解放した状態である。アグルの力を解放したことに伴い、ボディラインには青いラインが追加され体もさらにマッチョになる。この色が追加される変身方法は、タイプチェンジすると単色になった前2作のウルトラマンとは逆の発想で、劇中の位置づけでも「パワーアップ」として扱われている。戦況に合わせて能力を変動させたティガとダイナとの違いが如実に表れていると言えるだろう。

変身ポーズも前2作に比べて複雑な動きを経て変身する。これは実際にロールオーバー画像で見てみよう。

スプリームヴァージョンへの変身@
ロールオーバーで画像が変わります

スプリームヴァージョンへの変身A
ロールオーバーで画像が変わります

スプリームヴァージョンへの変身B
ロールオーバーで画像が変わります

画像を見てわかるように、変身の動きの中に合掌のポーズが盛り込まれている。これは元々初代ウルトラマンが観音様をイメージして作られていることにあやかったポーズらしく、必殺技のときも手と手を合わせて繰り出すようになる。

この形態に変身したガイアはまさに無敵と言え、この形態に変身したガイアは最終回まで負けなしで通ってきている。SVのスーツアクターは中村浩三氏が担当しており、彼の体格に合わせてウルトラマンも筋肉質になっている。さらに中村氏はただでさえ重い怪獣のスーツを操演者が入っている状態で軽々と投げ飛ばすことができるくらいの力持ちで、劇中のガイアは容赦なく怪獣を投げ飛ばす。それゆえ、投げ飛ばされた怪獣の役者があざだらけになったこともあるらしい。

ULTRA-ACTではその体格の変化に合わせ、より筋肉質になった新規ボディを採用している。

ULTRA-ACT ウルトラマンガイア(SV) 前 ULTRA-ACT ウルトラマンガイア(SV) 後

3大ウルトラマンここに集結!
ティガやダイナと同じく平成ウルトラマンシリーズらしいカラフルなカラーリングとなったSV
体のラインはすべて塗装で再現されている

ガイア(V2)との比較
体が全体的により筋肉質になっているため、ほぼすべてのパーツが新規造形になっている

体の大きさが変わってしまったため、頭部のパーツも新規造形されており全体的に少し大きくなっている。全体的に太くなったとはいえ、素体の構造自体はV2と変わらないため幅広いポーズをとらせることができる。付属の平手を使えばファイティングポーズを再現することができるし、魂STAGEと併用することでサブタイトル画面のポーズも取らせることができる。

ファイティングポーズ サブタイトルのポーズ
ボディが全体的に太くなっているため、ガイアの力強さがより際立つようになった

V2のときに難点だった胸のプロテクターは、新規造形されたおかげである程度の余裕が出るようになっている。腕を前に出すとプロテクターの前の部分がある程度曲がるようになっているのでので、V2より腕を前に出しやすくなった。

必殺技のエフェクトパーツはV2とは違う技が用意されている。まず一つ目は、シャイニングブレードである。この技は敵を切り裂く大きな刃を発射する技で、怪獣を一撃で撃破する威力を持つ。

シャイニングブレード
ロールオーバーで画像が変わります

このシャイニングブレードは、翌月に発売されるウルトラマンエースのバーチカルギロチンと同じパーツらしく、発射の様子が劇中のそれとは異なる。また、両腕のボールジョイントに取り付ける都合からか、角度が限定されるのが難点である。また、腕の角度も限定されるため決まった角度にたどりつくのに時間がかかってしまう。

シャイニングブレード シャイニングブレード
シャイニングブレードは腕を広げて取り付ける
劇中では腕を前に突き出して射出していたため違和感がある

そしてウルトラマンガイア(SV)の最強の必殺技であるフォトンストリームのエフェクトパーツも用意されている。この技はクァンタムストリーム以上に太い光線を発射するため、その光線を保持できるように専用の固定腕が用意されている。下腕部を丸ごと取り外し、この固定腕を取りつけることで発射前後のポーズをしっかり再現できるようになっている。

フォトンストリーム用のパーツ
腕パーツを丸ごと差し替えることでフォトンストリームを再現

変身時と同じく、腕を回転させて体をのけざらせた後、腕を合掌させ上下にずらすことで極太の光線が発射される。

フォトンストリーム@

フォトンストリームA
ロールオーバーで画像が変わります

フォトンストリームB
ロールオーバーで画像が変わります

フォトンストリームC
ロールオーバーで画像が変わります

フォトンストリームD
ロールオーバーで画像が変わります

この技の威力はすさまじく、あらゆる怪獣を撃退することが可能である。初代ウルトラマン(2012年度版)に付属した地面のエフェクトパーツと合わせれば、そのすさまじい威力を存分に再現できる。また、ウルトラマンアグル(V2)と一緒に飾るのも手である。

別売りの製品の地面エフェクトを使ったところ バーストストリーム
他製品や他のエフェクトパーツを使用することでより迫力が増す

このように最強形態にあるにもかかわらず限定販売になってしまったのが惜しい逸品である。そして、製品を出す順番の都合だったのかいまだにプロテクターのラインが赤い初期のガイアはいまだに発売されていない。相方のアグルは初期バージョンが限定販売でリリースされるのが確定しているので、それと対決させるために是非ともガイアも初期仕様を出してもらいたいものである。

このままじゃ、地球も人類も本当に滅びる・・・。(ULTRA-ACT ウルトラマンアグルのコラムへ)

大事なものなんて、いくらでもあるじゃないか!(もどる)