スーパーロボット超合金 マイトガイン
バンダイ スーパーロボット超合金シリーズ
マイトガイン 定価:5040円(税込)
ブラックマイトガイン 定価:5040円(税込)(魂ウェブ商店限定)
こ・・・これが噂のバンダイのマイトガインだと言うのか!?
スーパーロボット超合金に勇者旋風が巻き起こる!
バンダイの版権盗りサミット
筆者が子どもだったころ、金曜夕方5時台(大阪圏)はタカラvsバンダイの商品合戦を繰り広げていた。5時から5時半まではタカラが勇者シリーズを、5時半から6時まではバンダイが戦隊シリーズを展開していたのであった。勇者シリーズと戦隊シリーズはいわばライバル関係であり、互いにしのぎを削り合っていたものだった。
そんな折、ガンダムシリーズの制作会社であるサンライズが1995年にバンダイの子会社となった。ライバル会社のキャラクターのアニメを作るというのはバンダイ的には都合が悪い。そういうわけで、その年はタカラがスポンサーだった勇者シリーズも継続が危ぶまれていたほどであった。
このように、バンダイは数十年かけてキャラクターものの版権を押さえに押さえた背景がある。「ウルトラマン」や「仮面ライダー」といった今や国民的なヒーローの制作会社である円谷プロや東映の株を数十年かけて押さえ、その商品化の権利すなわち版権を取得してきたのだった。
そして今や主要なキャラクターフィギュアの発売元は、バンダイばかりになってしまった。このアニメの制作会社を自らの子会社にするという作戦を取り、人気のあるメジャーなキャラはほとんどバンダイからの発売になってしまうことになった。
サンライズがバンダイの子会社になってから16年後の2011年にバンダイはタカラが発売していた『勇者王 ガオガイガー』をスーパーロボット超合金で発売し、いみじくもその商品は大ヒットをマークした。これによりガオガイガー関連の勇者メカも次々と発売、タカラの褌を取って相撲を取る形でバンダイは荒稼ぎをしたのだった。とは言っても、『ガオガイガー』シリーズはコトブキヤやシーエムズ、スタジオハーフアイなどのタカラ以外のメーカーが積極的に発売していた背景もあったので、バンダイが出してもほとんど違和感がなかった。また、ガオガイガーは元々高年齢層に人気が高かった作品であるため、このヒットは妥当なものだったと言える。
バンダイはガオガイガーのヒットに気をよくしたのか、ガオガイガー以外の勇者シリーズのメカも発売することにした。その第1弾として抜擢されたのが『勇者特急 マイトガイン』の主役メカ、マイトガインだったのである。マイトガインは魂Featuresの商品化希望アンケートで上位に入った実績があった。しかし、版権の都合から商品化が難しいと目されていたのだった。
これまでにマイトガインはタカラやそのほかの会社から製品がリリースされている。最小変形 マイトガインのコラムで述べたように、マイトガインは2005年に本家のタカラから超勇者復古列伝で当時品のおもちゃが塗装を新たに再販された。また、スタジオハーフアイも最小変形シリーズでマイトガインを展開し、11センチの小さい体躯に変形ギミックをつぎ込んだ製品が出た。これらの製品は、変形・合体に主眼を置いており、アクションは二の次というものだった。
純然たるアクションフィギュアとしては、シーエムズコーポレーションからサンライズメカアクションシリーズが発売された。こちらはPVC製のアクションフィギュアで、プロポーションは文句はないのだが全身がPVCになっているため各部がもっさりとしており、さらに関節部が破損しやすいという欠点を持っている。
さらに、価格も割高だったため人気製品とは程遠かった。
このように、マイトガインは他社からの製品発売経験があったものの、よもや同じ時間帯でしのぎを削り合ったバンダイから発売されてしまうという事態にまで勇者シリーズは追い込まれた。タカラは、2006年にトミーと合併して以来、勇者シリーズの展開を行っていない。本家に元気がない間に、ライバル社に製品をリリースされてしまう事態を許してしまったわけである。
このバンダイが版権を奪ってリリースした、マイトガインの出来を見てみよう。
あれが噂のスーパーロボット超合金 マイトガイン
スーパーロボット超合金系列で発売されたので、各マシンへの分離、変形は再現されていない。その分、プロポーションとアクションに力が入れられている。まずは、全体のプロポーションを見てみよう。
単体としてみると頭がやや大きい感じがするマイトガイン
足首や胸パーツにダイキャストが使用されています
スタジオハーフアイやシーエムズが発売されたマイトガインは、作成者の趣味からか合体バンクやOPを担当した大張正巳氏の描くマイトガインをイメージして作られていた。一方、スーパーロボット超合金では、アクションを担当したまさひろ山根氏の描いたイメージが採用されている。
そのため、頭部がやや大きく肩が小さいデザインとなった。これは人によって趣味が分かれるところであろう。
背面には立体物では省略されがちなバーニアパーツも再現されている。このバーニアパーツは劇中と同じく上下に可動させることが可能である。
ロールオーバーで画像が変わります
サイズとしては、スーパーロボット超合金 ガオガイガーより少し小さいくらいである。
ダイキャストパーツは胸と脚部、そして股関節に使用されている。ダイキャストを使用したアクションフィギュアというコンセプトを持つスーパーロボット超合金の名にふさわしく、可動面ではバンダイならではのアレンジが施されている。まず、白い板で繋がった足首パーツは、そのデザイン上動かしにくい箇所であった。板と足首が繋がっているため、立体化すると可動範囲が制限されてしまうが、バンダイは足首を引き出すことで可動範囲を広げている。
足首を引き出すと白い板も一緒に引き出される。
白い板はボールジョイントで接続されている
白い板の先端はボールジョイントで接続されているため、足の可動に対応することが可能である。足首の可動範囲が広がったことにより、接地性が向上し足を広げたり踏ん張ったポーズを取らせることが可能となった。
また、太ももパーツにはガンプラのMGでおなじみのスライド機構が備わっている。足を曲げることで太もも部の装甲がスライドし、可動範囲を広げるのに役立っている。
足の動きに合わせて太ももの装甲がスライドする
ロールオーバーで画像が変わります
また、膝の装甲パネルも連動して上にスライドして動くようになっている。この箇所は、スライドさせるとパネルが現れて開いた隙間を埋めるようになっているのが憎いポイントである。
アクション時に干渉してしまう膝のパーツは水平になるようにスライドして移動する
この機構のおかげで正座させることも可能である。
ロールオーバーで画像が変わります
また、肩関節はボールジョイントで接続され、さらに受け側を引き出すことが可能になっている。そして、上半身は胸を引き出すことが可能。これにより上体を反らしたりひねったりすることも可能である。こういった可動域
を利用して、動輪剣を両手持ちさせるなどの幅広いポーズを取らせることが出来る。
さらに、オプションパーツとしてコクピットが露出した状態のマスクパーツが付属している。これを使用すれば、最小変形では出来なかったコクピットマスクが閉じる演出も再現可能である。というわけで、合体バンクの最後のあたりを再現してみた。
ロールオーバーで画像が変わります
マイトガイン完成!
ロールオーバーで画像が変わります
手首は、デフォルトの握りこぶしのほかに武器持ち手と定番の平手が付属している。さらに、名乗りポーズの時の指差し用の右手首も付属しているため、最小変形と同じく名乗りポーズも再現することが可能である。
敵「こ・・・これが、マイトガインなのか!?」
舞人「そう、そのとおり!」
銀のつばさに
のぞみを乗せて
灯せ、平和の青信号!
勇者特急、マイトガイン!
定刻通りに
ただいま到着!
マイトガインの必殺技縦一文字斬りを再現するために、武器パーツが合計4本付属している。展開前の動輪剣、展開後の動輪剣が2本、そしてパース付きの動輪剣が付属する。
動輪剣だけで3種類、計4本付属する
展開前の動輪剣と展開後の動輪剣を使用すると、劇中の縦一文字斬りのモーションを完全再現することが可能である。
舞人「動輪剣!」
マイトガイン「フンッ!」
舞人「縦一文字斬り!」
マイトガイン「でええええええいっ!」
この縦一文字斬りのジャンプの構図は、インタビューでメカ作画監督のまさひろ山根氏をして、「確かに自分はこう描いた」と言わしめるほどの出来栄えで、スーパーロボット超合金はこの動きを再現することを優先して作られていると言ってもよい。素立ちではバランスに違和感が出る物の、アクションをさせれば変わる不思議な商品となった。
また、付属のパース付き動輪剣を使用すると俗に言うサンライズパースと呼ばれる剣の構えポーズが再現することができる。パース付き動輪剣は、ほかの剣に比べて長く造形されており、剣の先端が太くなっている。
サンライズパースを再現するためだけの動輪剣が付属
写真で見ると、劇中の構図そのままである
さらに、展開後の動輪剣は柄を交換することで連結させることもできる。この上で挙げたコクピットが開いた状態の顔パーツと同時に使用することで、最終回のシーンも再現することが可能である。
最終回のこんな1コマも再現することができます
初回特典にはトライデントステージが付属している。これは三又に分かれたスーパーロボット超合金用のディスプレイスタンドで、同時に3体の製品を並べることが可能である。接続ジョイントは魂STAGEと同じものを使用しているため、スーパーロボット超合金以外ももちろんディスプレイさせることが可能。
重いスーパーロボット超合金を載せても耐えられるように設計されたトライデントステージ
ぜひ一般販売もしてもらいたいものである
このように、1年前に発売されたスーパーロボット超合金 ガオガイガーの反省を生かし、さらにブラッシュアップされている。2012年8月現在マイトガイン系列で発売される予定なのが、第16話で登場したブラックマイトガインである。これは俗にマイトガイン3大悲劇と呼ばれる話の中の最初の1話に登場したメカで、マイトガインのパチモンである。これを新規造形で出る予定が立てられている。
筆者としては、最強形態のグレートマイトガインや2合ロボのマイトカイザーはもちろんのこと、マイトガインの仲間のロボットであるバトルボンバーやガードダイバーもリリースしてほしいものである。
ライバル会社のバンダイはこのほかにもタカラプロデュースのキャラであるグリッドマンも発売予定である。ライバル会社のバンダイがこれだけ精力的に商品をリリースしているのだから、本家本元のタカラトミーも変形・合体出来る製品をぜひリリースしてほしいものである。タカラトミーにはライバルに褌を取られたままで黙っているのはやめてほしいものである。
来臨!スーパーロボット超合金 ブラックマイトガイン
悲劇の悪役メカ、ブラックマイトガインがスーパーロボット超合金に登場!
スーパーロボットアニメにしばしば登場するのが、主人公のスーパーロボットをコピーした悪役ロボットである。この悪役ロボットは、元のスーパーロボットと同等かそれ以上の能力を持ち、ライバルポジションのメカとしてしばしば主人公の前に立ちふさがる。このパターンを踏襲したメカが、ブラックマイトガインである。
ブラックマイトガインは、マイトガインの敵勢力の一つである中華マフィアの親玉、ホイ・コウ・ロウがマイトガインのデータを収集することで完成させた悪役メカである。ブラックマイトガインは中国のお国柄を反映したパチモンメカなのだが、ガインの正義の心までコピーしてしまい、ホイ・コウ・ロウを裏切り一時的に勇者特急隊の仲間となった。しかし、最後はホイ・コウ・ロウに操られてしまい悲劇的な最後を迎えたキャラクターである。
このブラックマイトガインは16話だけに登場した1話限りのメカなのだが、その立ち位置からファンの間で人気があり後年のゲーム、ブレイブ・サーガにも登場するほどのキャラクターとなった。しかし、1話限りのメカが当時に商品化などされるわけはなく、立体物は10年以上経過してからスタジオハーフアイが、最小変形シリーズで限定販売するまで存在しなかった。
この最小変形 ブラックマイトガインは最小変形 マイトガインを見習いだったニシ氏がリデコし作り上げたものである。最小変形シリーズの流用品なため、一連の変形・合体もこなしブラックガイン側には通常の頭部と洗脳状態の頭部を交換できるよう追加措置が取られている。この製品は黒祭りというイベントで作られた限定商品であり、今では入手が難しい製品となってしまった。
この悲劇のメカに再び焦点を当てたのがバンダイである。バンダイお得意の金型流用で出せるマニアックなメカということで、マイトガインがリリースされた直後から魂ウェブ商店で12月発送の商品として取り扱いを開始、製品受注ページでは当時の16話を期間限定で視聴できるなどのテコ入れが施された。これにより、当時の放送を知らない人も取り入れようという魂胆だったのであろう。
最小変形シリーズと同じく、スーパーロボット超合金 マイトガインの一部のパーツを改修した仕様なため、同シリーズのマイトガインと基本的な仕様は変わらない。しかし、細かいディティールを新規パーツで再現しているのでそれを詳しく観ていこう。
その名の通り、マイトガインを黒くした造形のブラックガイン
各部のディティールが悪役らしくまがまがしくアレンジされている
ブラックという名の通り、マイトガインを黒くし中国のパチモンよろしく一部の造形が違っている。アニメの劇中とは違い、各部の造形がまがまがしいものにアレンジされているのが特徴である。マイトガインと比べてみるとその違いは一目瞭然である。
下半身と腕パーツはマイトガインと共通
他の箇所はすべて新規造形となっている
比較してみると上半身に新規パーツに集中しているのがよくわかる。胸パーツはMGのマークから、中華の「中」の字をあしらったものに変更されている。
マイトガインで言うところのマイトウイングを使用している右肩は、サメをあしらったような牙が追加されている。この牙パーツは塗装で再現されている。また、左肩のブラックガインを使用しているところは本来はマイトガインと同じデザインのはずだが、鋭角的なデザインに変更されている。
左肩はガインの色変えで済むはずだが、デザインを変更して悪役らしさを際立たせている
また、マイトガインと大きく違う頭部パーツは金色のラインがしっかりと塗装で再現されている。この頭部の内部にはマジンガーZよろしく、コクピットブロックとなる小型ジェットが格納されているのだが、そのギミックは再現されていない。
パイルダーオンと言いたくなるようなギミックが劇中である頭部パーツ
元となったマイトガインから大きくデザインが変更されている箇所である
全体的な可動範囲は元となったマイトガインと大きく変わらない。マイトガインで搭載されていた太ももパーツのスライドや、上半身・足首の引き出し機構もそのまま受け継がれている。このためマイトガインと同じく幅広い可動が可能となっている。
手首パーツもマイトガインとまったく同じで人差し指を差した指パーツ、平手と剣の持ち手が付属している。デザインが変わった剣パーツも当然付属しており、さらにパース用動輪剣で使用された長い柄のパーツが付属しているため両手持ちも可能である。
中の文字があしらわれた剣が1本付属
ただ、劇中では刃の色が金色になっている状態にもなったので、それ用のパーツも付属させてほしかったところ。マイトガインに比べて剣の本数が少ないのが難点である。
今のところ出ている本編に登場した悪役のメカということで、是非とも2体そろえて対決や本編ではかなわなかった共闘を再現したい物である。
ブラックガイン
ここからは、スーパーロボット超合金 マイトガインとスーパーロボット超合金 ブラックマイトガインを使用して16話の劇中再現を行う!
マイトガインを倒せないでいるホイ・コウ・ロウは、マイトガインがおとりメカと交戦している最中に超小型のスパイメカをマイトガインの内部に侵入させた。スパイメカは、マイトガインの人工知能である超AIの情報を収集し、その情報を基にホイ・コウ・ロウは部下のチンジャ・ルースとともに、ガインのコピーメカ、ブラックガインを完成させた。
ガインを始末するために、ホイ・コウ・ロウは郊外を走る列車の橋を爆発させた。舞斗とガインは現場に急行し、列車が落ちる寸前のところで橋を支える事に成功した。ガインが橋を支えている間に乗客たちは避難を始めたが、そこにブラックガインが現れた。
ホイ・コウ・ロウの狙いは、動けないガインをブラックガインで破壊することにあったが、ブラックガインはなぜかガインと一緒に橋を支え始めた。ブラックガインはガインの正義の心までコピーしてしまい、悪事に加担しなかったのである。宛が外れたホイは撤退を余儀なくされ、ブラックガインは勇者特急隊と合流した。ガインと超AIが同一であるブラックガインは、兄弟のように打解けるようになった。
そんな折、怪電波を発生するメカが街に出現。エレカ同士をぶつけさせ、事故が多発するという事件が発生した。ガインとブラックガインは現場に急行したが、メカの電波により動きを封じられてしまう。そして身動きができないブラックガインの頭部にそのメカが取りついてしまった。
事件を発生させていたメカは、ホイ・コウ・ロウが開発した超AIを乗っ取るためのマシーンだった。このメカをブラックガインに取りつかせ、今度こそ悪の戦士として覚醒させたのである。悪の戦士となってしまったブラックガインはガインめがけてビームガンを乱射、ガインを追い込んだ。そんなブラックを前に、舞斗は合体してマイトガインで立ち向かおうとした。
しかし、この事態はホイにとって想定の範囲だった。負けじとホイ・コウ・ロウは部下のチンジャとともに、ブラックガイン用のサポートメカを発進させ、ブラックマイトガインに合体したのだった。
ホイ・コウ・ロウ「合体!ブラックマイトガイン!!」
オウム「ポ〜ッ!」
舞斗「な・・・何だって!?」
合体を完了したブラックマイトガインの中で、ホイはマイトガインよろしく名乗りを上げた。
ホイ・コウ・ロウ「黒い翼に」
ホイ・コウ・ロウ「殺意を乗せて」
ホイ・コウ・ロウ「灯せ、不幸の赤信号!」
チンジャ・ルース「悪者特急、ブラックマイトガイン!」
チンジャ・ルース「定刻破って」
チンジャ・ルース「ただいま到着!」
オウム「ト〜チャク、ト〜チャク」
何から何までマイトガインそっくりのブラックマイトガインを前に、舞斗は驚きを隠せないでいた。マイトガインとブラックマイトガインは互いににらみ合う。
舞斗「ぐっ・・・」
ホイ・コウ・ロウ「さあ、行けブラックガイン!お前の力を見せてやれ!」
ホイ・コウ・ロウの命令通りに、ブラックマイトガインはマイトガインに殴りかかった。ブラックマイトガインの攻撃を前に、ガインはどうしても攻撃できないでいた。
ブラックマイトガイン「オウッ!」
マイトガイン「やめろ、ブラック。私とお前は一つ・・・お前と戦うことはできない。」
しかし、ガインの言葉には耳も傾けずブラックマイトガインはマイトガインに容赦のない攻撃を浴びせた。ブラックマイトガインの攻撃により、マイトガインは地面に倒れてしまう。倒れたマイトガインをブラックマイトガインは執拗に踏みつけた。
ブラックマイトガイン「断っておくが、無抵抗だからと言って容赦はしないぞ。」
ホイ・コウ・ロウ「その意気だ、ブラック!」
チンジャ・ルース「ゴー!ゴー!」
マイトガイン「ぐあっ。よせ、目を覚ましてくれ、ブラック!」
ブラックマイトガインの前になすすべのない舞斗は、ダイバーズとホーンボンバーに応援を要請した。そうしている間に、ブラックマイトガインは剣を抜き、マイトガインにその切っ先を向けた。
マイトガイン「!」
ブラックマイトガイン「死ね・・・マイトガイン!」
ホイ・コウ・ロウ「ぬふふふ。いよいよマイトガインの最期だ!」
ロールオーバーで画像が変わります
・・・とそこに、ダイバーズとホーンボンバーが駆け付けた。ダイバーズは合体してガードダイバーになり、ホーンボンバーは動物形態でブラックマイトガインに攻撃を仕掛けた。しかし、単体メカのホーンボンバーと戦闘向きでないガードダイバーではブラックマイトガインの進撃を止めることは出来ず、返り討ちにあってしまう。この2体に止めを刺そうとブラックマイトガインは剣を構えた。
ブラックマイトガイン「他愛もない・・・。まずお前たちから始末してやろう・・・。」
仲間のピンチにさしものマイトガインも黙ってはいられなかった。マイトガインは立ちあがり、ブラックマイトガインに体当たりを仕掛けた。
マイトガイン「うおおおおおおッ!」
ロールオーバーで画像が変わります
ブラックマイトガインがひるんだ隙に、マイトガインは動輪剣を抜き切りかかった。
舞人「動輪剣!」
ブラックマイトガイン「やるな!」
二人の剣技は演習のときとは違い、まったくの互角だった。ブラックマイトガインは閃光を放ち、マイトガインのセンサーをくらませ、ひるんだすきに縦一文字斬りのごとく大きく跳び上がりマイトガインに止めを刺そうとした。
ブラックマイトガイン「死ねえええええええッ!」
ロールオーバーで画像が変わります
しかし、とびかかり無防備になったところをガードダイバーが狙い撃ちにし、ブラックマイトガインは攻撃を当てられず吹き飛ばされてしまう。
その隙をついて今度はマイトガインが、必殺技の縦一文字斬りを繰り出した!
舞斗「今だ!」
マイトガイン「フンッ!」
ロールオーバーで画像が変わります
マイトガイン「トウッ!」
ブラックマイトガイン「!?しまった・・・!」
ロールオーバーで画像が変わります
舞人「縦一文字斬り!」
マイトガイン「でええええええいっ!」
ブラックマイトガイン「のああああああ!」
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縦一文字斬りがブラックマイトガインの胴体を見事に切り裂いた。胴体を袈裟切りされたブラックマイトガインはその場に倒れこみ、ホイ・コウ・ロウは頭部から脱出した。しかし、負けを認められないホイ・コウ・ロウは、ブラックガインを操っていたコントロールマシーンで今度はマイトガインを乗っ取ろうとした。
ホイ・コウ・ロウ「くそぉ!こうなったら、マイトガインを乗っ取ってやる!」
舞斗「気を付けろ、ガイン!そいつに取りつかれたら終わりだぞ!!」
コントロールマシーンが外れたことにより、ブラックマイトガインは正気を取り戻した。
ブラックマイトガイン「私は一体何を・・・?ハッ!」
マイトガインにコントロールマシーンが取りつこうとしているのに気付いたブラックガインは、分離してコントロールマシーンを掴みかかった。コントロールマシーンを掴んだブラックガインは、そのまま上空へとフルブーストで飛翔した。
マイトガイン「ブラック!何を考えている?よせ!!」
先の戦いで負ったダメージから、ブラックガインは自身を苦しめたコントロールマシーンを道連れに大爆発を起こしてしまう。
マイトガイン「ブラックッーーーーーー!!」
舞斗「ブラックガイン・・・」
ブラックガインが爆発するのを見たホイ・コウ・ロウはこれはまずいと、その場を立ち去った。爆発したブラックガインの頭部だけが無残にも残された。マイトガインは残されたブラックガインの頭部をそっと持ち上げる。
ブラックガイン「マイトガイン・・・。私とお前は一つ・・・。お前の中で私は生きる・・・。」
ブラックガイン「特許許可する東京都特許許可局・・・。これで良いのか・・・?」
マイトガイン「ブラック・・・」
ブラックガイン「特許許可する・・・東京都・・・特許許可局・・・特許許可する・・・東京都・・・特許・・・許可・・・」
演習のとき、自身が言えなかった早口言葉を何度もつぶやきながらブラックガインはその機能を停止した。正義の心を持ちながら敵に操られてしまったブラックガインを想い、舞斗は打倒ホイを誓うのだった。
舞斗「ブラック・・・。クッ!許さない、ホイ・コウ・ロウ!俺は・・・お前を、絶対に許さないぞ!!」
その後、ブラックガインは劇中で姿を現さなかったが、最終回のエピローグにてこっそりと修理されているシーンが挿入されている。悲劇的な結末を迎えたブラックガインだったが最後の最後で救われたのであった。その後はガインとともに街の平和を守るために尽力したのだと我々は信じたい・・・。
黒い力を正義に変えて、灯せ悪への赤信号!勇者特急ブラックマイトガイン、声援受けてただいま見参!!(もどる)