スーパーロボット超合金 ダイ・ガード

バンダイ スーパーロボット超合金シリーズ

定価:5040円(税込)

スーパーロボット超合金 ダイ・ガード
スーパーリアルロボット、ダイ・ガードがスーパーロボット超合金に登場!

我ら広報二課
たいていの巨大ロボットアニメというと、地球を守る秘密組織が登場したり、宇宙からのスーパーテクノロジーで無敵のロボットが登場したりするものであるが、そう言った定石を無視し、変わった魅力を放つロボットアニメがある。それが今回紹介する『地球防衛企業 ダイ・ガード』である。この作品では、巨大ロボットを動かすのはごく普通のサラリーマンとOLである。民間の警備会社、21世紀警備保障に所属するごく普通の会社員たちが、謎の巨大生命体ヘテロダインから人々を守るため、対ヘテロダイン用に開発されたダイ・ガードを駆り、日夜闘うという内容。

ヘテロダインによって甚大な被害を受けた日本政府は、対ヘテロダイン用にダイ・ガードを完成させたものの、ヘテロダインは十数年以上出現せず、ダイ・ガードはその開発費と維持費で国家予算を圧迫、その結果安保軍を大株主として設立された半民半官の起業、21世紀警備保障の一部となった。ダイ・ガードの維持管理は、閑職である広報二課が担当し、ダイ・ガードは起動しないまま、会社のマスコットキャラとなり広告塔として静かにたたずむだけであった。

人々がヘテロダインの襲来を忘れ平和な日々を享受している時、再び海からヘテロダインが現れた。この時を待っていたとばかりに、広報二課の課員である赤木駿介桃井いぶき青山圭一郎の3名はダイ・ガードに乗り込み、ヘテロダインを迎え撃つ。

ダイ・ガード、発進!
赤木「ダイ・ガード、発進!」
ロールオーバーで画像が変わります

しかし、このダイ・ガードは主役メカにもかかわらず序盤は非常に弱い。その弱さの比は同じく序盤にもろさを見せたガオガイガーのそれを凌駕し、炎に近づいただけで中のパイロットがその熱で苦しむ、敵と取っ組みあっただけで装甲が壊れていくなどのおよそスーパーロボットらしからぬもろさである。それもそのはず、初期のダイ・ガードの装甲はスーパーテクノロジーなどは使われておらず、トタンよりも少しましな程度、単体では武器も装備されていないというありさまである。

この弱いスーパーロボットが、企業努力と会社員たちの努力と成長を通して強くなっていくというのが、このアニメのだいご味である。番組が進行するにつれてダイ・ガードには次々と新しい装備が追加されていき、果てには分離・合体も可能となるほどバージョンアップを果たした。そういうわけで、この作品をスーパーリアルロボットと呼ぶファンもいたりする。

勝利ヘノ道
このダイ・ガードは、2000年にテレビ東京系で放送されたマイナーなロボットアニメなのだが、『第二次スーパーロボット大戦Z』シリーズに登場し、その知名度を上げた。スパロボに出たということで、バンダイがスーパーロボット超合金シリーズでの発売を決定、2011年9月に発売された。このダイ・ガードは立体化の機会に恵まれず、このスーパーロボット超合金シリーズで初めて立体化された。(注1)

このスーパーロボット超合金 ダイ・ガードはダイ・ガードの重厚なボディをダイキャストを使用して再現し、オプションパーツも豊富に付属した良製品となった。というわけで、その模様をお届けしよう。

スーパーロボット超合金 ダイ・ガード 前 スーパーロボット超合金 ダイ・ガード 後
ダイキャストをふんだんに使用し、ダイ・ガードの重厚さを演出!

手足が太くデザインされたダイ・ガードの特徴を押さえたプロポーションである。ダイキャストパーツがふんだんに使用されており、胸、腰、太もも、ふくらはぎがダイキャストパーツである。これだけダイキャストを使用しているため、本体重量は非常に重たく、手に取るとずっしりとした重量感を味わうことができる。

これだけの重さを支えるため、膝関節にはクリック関節を採用。簡単にヘタれる事はない。

膝の可動
ロールオーバーで画像が変わります

また、肩関節は前方に引き出す事ができ、幅広い可動を実現している。股関節、肩関節の受け側はともにダイキャストを使用しているため強度も安定性も抜群である。

肩関節の引き出し
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腕パーツは、ほかの武器パーツを付ける都合で取り外すことが可能となっている。取り外しが利くため、あの独特なロケットパンチも再現することができる。

ロケットパンチだ!
赤木「よーし、ロケットパンチだ!」

青山&桃井「えっ!?」

腕を引きちぎるダイ・ガード
赤木「青山、出力最大!」

青山「知らねえよ、俺は・・・。」
ロールオーバーで画像が変わります

片腕を手に持つダイ・ガード
赤木「このヘテロ野郎、正義の鉄拳食らうが良い!!」

ロケットパーンチ!
赤木ロケットパーンチ!!
ロールオーバーで画像が変わります

このように、ダイ・ガードのロケットパンチ(?)は、腕パーツに推進剤がないので自分で腕を引きちぎり投げて攻撃する。このほかにも単体で武器を持たない序盤のダイ・ガードはその辺にある物を投げつけてたびたびヘテロダインに攻撃を仕掛けていた。そのため、被害額が増し始末書を書くのがお約束となっている。

ダイ・ガードは腕のパーツを交換することで武器を装着する。この武器は物語が進行するごとに追加されていき、それに合わせてダイ・ガードもバージョンアップしていくのである。スーパーロボット超合金では、ダイ・ガードが使用したほぼすべての武器が付属している。

オプションパーツ
単体の商品に豊富な武器パーツが付属!
手持ち武器ではなく腕ごと換装するのがダイ・ガードの特徴

手首パーツはデフォルトの握りこぶしのほかに平手が用意されている。この平手には、振動地雷を乗せることが可能である。

振動地雷 振動地雷(展開)
通常通り地雷として使用したり、ヘテロダインに押しつけて爆発させたりなど、用途が広い振動地雷

この振動地雷はヘテロダインに押しつけて、振動による爆発でヘテロダインを内部から崩壊させる。ヘテロダインの弱点がわからない段階では効果を発揮し、某所では「安心と信頼の振動地雷」と呼ばれている。製品版ではただ単に平手の上に乗せているだけなので固定されないのが難点である。劇中通りに押しつけるモーションを再現する場合は両面テープなどで固定する必要がある。

ダイガード用のオプション装備として開発された武器の一つがドリルアームである。その名の通り、スーパーロボットの武器の一つであるドリルを使用する武器で、ヘテロダインの装甲も貫くことができる。

ドリルアーム
初登場時には「誰がこんなもん作ったんだよ」と突っ込みを入れられたドリルアーム
先端部が4つ又に分かれているのがポイント
加速装置も付いており、威力は絶大

しかし、投入されたのが2話目だったためダイガードはドリルアームを使いこなすことができず、逆にドリルの出力にダイ・ガードが追い付かないという事態を引き起こした。

ドリルが抜けないダイ・ガード
桃井「ちょっと、何やってるの!?」

青山「ドリルのパワーを切れ、赤木!」

赤木「さっきからやってるんだけど、止まんねえんだ!」

桃井&青木「ええっ!?」

また、ヘテロダイン捕縛用の装備としてフィンガーネットがある。このフィンガーネットはその名の通り、指からネットを射出することができ、ヘテロダインを捕縛することができる。製品では展開前の指とネット展開後の指を差し替えることで再現されている。

フィンガーネット
スーパーロボット大戦Zでは、捕縛後に敵を振り回したりて攻撃します
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これらの装備は、技術部主任であり、弱冠17歳にしてヘテロダイン研究の第一人者である怒目鬼里香によって開発され、対ヘテロダイン戦に大きく貢献している。
注1 スタジオハーフアイの秘密研究所で見習いの細井氏が原形を製作していたが、商品化には至らなかった。
炸裂!ノットパニッシャー
ヘテロダインと幾度か戦闘を繰り返した際、ひょんなことからヘテロダインの弱点が露呈した。ヘテロダインはフラクタルノットと呼ばれる核を破壊すればたちまち消滅してしまうことが判明したのである。この弱点に目を付けた怒目鬼は、フラクタルノットを破壊するための兵器ノットバスターを開発した。このノットバスターは、炸薬式に杭を打ちだしその杭でフラクタルノットを撃ち砕く武器である。しかし、この装備は法的不備を付いてきた安全保障軍によって押収され、安保軍が開発したコクボウガーの主力武器となってしまった。

押収されてしまったノットバスターに変わって登場したのがノットパニッシャーである。ノットパニッシャーもノットバスターと同じく杭を打ち出してフラクタルノットを撃ち砕くために開発された武器である。

ノットパニッシャー装備 前 ノットパニッシャー装備 後
ダイ・ガードの武器では最大の威力を誇るノットパニッシャー
その大きさはダイ・ガードとほぼ同じ大きさである

ノットバスターが炸薬式で杭を打ち出していた一方、ノットバスターはリニア方式で杭を打ちだす。杭を打ちだすノットパニッシャーはノットバスター以上の大きさを誇る。左腕はフライホイールと呼ばれる回転式のパーツに換装し、ノットパニッシャーに接続することで杭を打ちだす動力となるのである。

この超大型武装であるノットパニッシャーをスーパーロボット超合金では劇中比率そのままに完全再現している。ダイキャスト製の脚部により、この重量の装備を付けてもダイ・ガードはしっかりと自立することが可能である。また、フライホイールに換装した左腕はノットパニッシャーに接続することが可能である。また、杭も2本付属し待機形態と射出形態を両方再現することが可能である。

それでは、実際にノットパニッシャーを射出するシーンを再現してみよう。まず、ヘテロダインのフラクタルノットの座標位置を特定する。敵に近づき、ノットパニッシャーの先端部のアームでヘテロダインを掴み、桃井がフラクタルノットに照準を合わせる。その後、青山の管制でフライホイールを出力全開で回転させ、ノットパニッシャーに接続する。

フライホイールを接続する図
桃井目標、ロックオン!

青山「フライホイール、最大出力!

ロールオーバーで画像が変わります

ノットパニッシャー、シュート!!
赤木行けえええ!ノットパニッシャー、シュート!!
ロールオーバーで画像が変わります

ヘテロダインを捕縛するために使われるアーム部分は当然展開させることが可能である。

アーム部分
ロールオーバーで画像が変わります

商品では実際に杭を撃ち出すことは出来ないが、アーム部分を展開し出来た部分に射出用の杭を取り付けるようになっている。

このノットパニッシャーは、番組終盤ではグレートパニッシャーにグレードアップした。名前こそ仰々しいが、このグレートパニッシャーはノットパニッシャーとフライホイールにマニピュレーターを取り付けだだけの物である。ボールジョイントが付いたパーツと手首をノットパニッシャーとフライホイールに取り付ければあっという間にグレートパニッシャーを再現したダイ・ガードが再現できる。

グレートパニッシャー装備 前 グレートパニッシャー装備 後

グレートパニッシャー装備 横
いちいち武器の取り換えをするのが大変という理由で、マニピュレーターが装備された
マニピュレーターのままフライホイールをノットパニッシャーに取り付ける乱暴な仕様
威力自体はノットパニッシャーと変わらない

このほか、初回特典としてインパクトエフェクトが付属している。このインパクトエフェクトは、ノットパニッシャーの後部にボールジョイントを介して取り付けることができる。これで、発射時の衝撃を再現できるというわけである。

インパクトエフェクト
電撃を意識したかのようなインパクトエフェクト
技の衝撃の再現をしたり電撃の再現をしたりとその用途は非常に広い

このインパクトエフェクトは魂STAGEにも取り付けることが可能で、非常に汎用性の高いエフェクトパーツである。このエフェクトパーツを目当てにこの製品を買った人も多く、限定品にしておくには惜しい逸品である。

このほか、ダイ・ガードのバリエーションとして先述の安保軍の開発したコクボウガーが魂ウェブ限定商品として発売されている。こちらはダイ・ガードの流用品で劇中と同じくオリーブドラブ一色で成型されており、さらにノットバスターが付属している。このコクボウガーをそろえるとダイ・ガードのすべての装備がそろう事になる。

このようにスーパーロボット超合金シリーズは、ROBOT魂と同じく門戸の広いシリーズになりつつある。個人的にはアクションのみならずある程度の変形・合体もこなせる商品が増えてほしいと考えている。比較的マイナーなキャラクターの商品も出してくれるシリーズなので、ロボット好きな人は是非ともそろえていこう。

サラリーマンだって、平和を守れるんだ!(もどる)