装着変身
仮面ライダー電王 ソードフォーム

発売元:バンダイ

定価2100円(税込)

俺、参上!
「俺、参上!」

最近はどうも、旬の過ぎた今更な物にハマる傾向があるようである。

それというのも、某ギアスの第一期が、散々熱中させといてあんな酷い終わり方を迎えてくれた上に、あんなに苦心して完成させたランスロット (注1)も、第二期の放送時期に合わせて、追加装備を付属した、ランスロットエアキャバレリーを発売するという暴挙をやってのけてくれるからである。

と、いう訳で、皆が面白いとか、カッコイイとか、熱にうかされている間は無視して、熱が冷めた頃に冷静な目で見たほうが精神衛生的にも、財布にも良いという事に気付いてしまったのであった。

今から公言しておこう。「俺はおそらく、4月から放送が開始される某ギアスの第二期は、ろくに見ないだろう!」

と、いうわけで(どういうわけ!?)、今回はテレビでの放送が終了してからハマり始めたニュー(?)ヒーロー・装着変身 仮面ライダー電王 ソードフォームの紹介をするぞ!
注1『苦心して完成させたランスロット』:第一期の放送終了後に、バンダイからメカニックコレクションという、ガンダム以外のロボットアニメのメカを発売しているシリーズでほぼ主人公機であるランスロットが発売された。
筆者はコラムを書くため、一旦素組みで写真の撮影を済ませた後、完成させようと意気込んで工作を始めたが、第一期の最終話にあたるテレビスペシャルの『次回に続く』的な終わり方にショックを受け、しばらく工作を中断していた。
その三ヵ月後、なんとかトラウマから回復。完成させたのであった・・・。

せっかくなので、ここに完成版ランスロットの写真でも載せておこうと思う。

ランスロット完成版

俺、参上!
2007年のある日、空から無数の発光体が現れる。それは未来から時間を越えてやってきた侵略者・「イマジン」のエネルギー体であった。

超不運な体質を持つ、気弱な少年・野上良太郎は、その日も自転車に乗っていたところに、風で倒れた看板に乗り上げ、街路樹に引っかかったり、転倒した上に不良達に絡まれ、袋叩きにされたりと、不運すぎる目に見舞われていた。不良たちが立ち去った後、良太郎は偶然にも奇妙なパスケースのようなものを拾う。

それを交番に届けようとした良太郎の前に、突如謎の列車が現れ、さらにその列車から、パスを返すよう迫る謎の少女・ハナが現れる。

ハナとはぐれた良太郎の前に、再び不良達が現れる。彼らはメンバーの一人が落としたキーホルダーを拾ったのが、良太郎であると勘違いしていたのだ。袋叩きにされかけた良太郎は謎の「声」と共に豹変、人間ではありえないほどの力を発揮し、彼等を返り討ちにしてしまうのだった。

突如起こった数々のできごとに戸惑う良太郎の前に、先の「声」の主が現れる。自らをイマジンと名乗る彼は、良太郎の望みを問う。が、その企みはハナの出現によってさえぎられる。

ハナはイマジンに、良太郎が《過去にどんな変化が起ころうとも影響を受けない、特異な存在・『特異点』である事を告げる。イマジン・モモタロスは、「それじゃあ意味がねぇ〜じゃね〜か〜!」と、落胆するのであった。

するとそこに、一人の少年が現れる。良太郎を袋叩きにした際、キーホルダーを落としたという、例の彼であった。しかし、その様子はどこかがおかしかった。

「キーホルダーを返せ・・・!」と、呟きながら近づいてくる少年。その身体からは白い砂のようなものが絶えず溢れ出していた。そして、彼の身体から溢れ出た砂から、コウモリを象った怪人が出現する!少年に憑いていたイマジンが、その望みを受け、バットイマジンとして実体化したのであった。

良太郎が彼のキーホルダーを持っていると考えたイマジンは、良太郎に狙いを定め、襲い掛かってくる。イマジンは契約者の望みをかなえるためには手段を選ばないのである。

ハナは良太郎に「電王」に変身し、戦うよう告げる。良太郎は促されるままに、手に持つパス『変身』の掛け声と共にを腰に巻かれたベルトにかざす。これにより良太郎はライダースーツを思わせる容姿へと変貌を遂げる。

電王《プラットフォーム(仮)》
良太郎「え?えぇ?なに、これ!?」

が、戦う術を持たない良太郎は、バットイマジンの猛攻に対し逃げる回る事しか出来ない。そんな良太郎を見るに見かねたモモタロスは、良太郎に「代わる」ように言う。

敵の攻撃を受け、気を失った良太郎に、再びモモタロスが憑依、パスをベルトにかざし、赤いボタンを押すことで、さらに別の姿へと変貌を遂げる!

電王、変身!
モモタロス「変身!」
ロールオーバーで画像が変わります

ソードフォーム!
Sword Form!(ソードフォーム!)
ロールオーバーで画像が変わります


名乗りを上げる電王
電王「俺、参上!」
ロールオーバーで画像が変わります

その姿が変わったことで、目の前の敵も同じ存在であることを知ったバットイマジンは、電王に対して「イマジンの使命を忘れたのか!?」(注2)と、糾弾する。が、彼にとって、使命なんてものは最初からどうでも良かったのであった。

唯我独尊な電王
電王「使命だぁ?そんなもん、俺にとっちゃぁどうだって良いんだよ!
俺は自分がカッコ良く戦えれば、それで良いんだからな!!」
バットイマジン「オマエ・・・、バカダロ!?」


俺は最初から最後まで、クライマックスだ!
「いいか、俺に前フリはねぇ・・・。俺は最初から最後まで、クライマックスだ!」

ベルトにパスをかざす事で、今度はエネルギーが充填されていく。ベルトから「Full Chage!(フルチャージ!)」と声が発せられると同時に、手に持った剣の切っ先が分離。柄を振りぬくのと同時に、切っ先がついてくるような形で、バットイマジンに斬撃を浴びせていく!

俺の必殺技
電王「俺の必殺技、パート2!
でやぁぁぁーーーっ!!」
ロールオーバーで画像が変わります

この攻撃によってバットイマジンは爆散する。戦いが終わった事で電王は変身を解き、良太郎の姿に戻る。同時に意識を取り戻し、心身ともに疲れ果てた良太郎はその場に崩れそうになる。

と、その時、謎の列車が再び眼前に姿を現す。その列車の名はデンライナー。時間の狭間を走る事で過去と未来を行き来する、いわゆるタイムマシンであった。そんなことは知る由も無く、突然姿を現したその列車を前に、良太郎は再び気を失うのだった。

仮面ライダー電王とイマジンの、時間を越えた戦いは、こうして幕を開けたのであった!
注2『イマジンの使命』:人間と契約し、その契約をどんな形であれ果たすと、契約に関する記憶が過去の時間につながり、イマジンは過去へ移動する事が出来る。イマジンの使命とは、過去へ渡り、その時代を破壊する事で、未来の分岐点をイマジンの世界へ繋げる事である。
装着変身で、俺、参上!
『仮面ライダー電王』は2007年1月28日から2008年1月20日まで放送された 、『平成仮面ライダーシリーズ(以下平成シリーズ)』としては8作目となる作品である。『平成シリーズ』の商品展開は、大抵の場合、ソフビ人形、変身ベルトなどの変身グッズ、そして装着変身シリーズの3種が主な路線として発売される。

これら3種の中でも最も人気が高いのはやはり装着変身シリーズではなかろうか?なにせ、番組の放送が終了すると不良在庫となってしまう変身グッズなどとは違い、装着変身はそう簡単には暴落価格での叩き売りにはならないのである。俺のように放送終了後に買いに来る客の事でも見越しているのだろう。

・・・以前紹介した装着変身シリーズの商品が、発売後半年という短い期間で叩き売りになっていたのは、決してキャラ自体の不人気が原因ではないと信じたい・・・。やはり、平成シリーズと違って昭和シリーズはオッサンしか買わないから、売れにくいと言う事なのだろうか・・・?

「装着変身シリーズとはどのような物なのか?」と、いうのは、以前執筆した装着変身 仮面ライダーBLACK RXのコラムにて解説しているので、そちらを参照していただきたい。

さて、平成シリーズとしては8作目となる電王も、例によって装着変身シリーズで商品化された訳であるのだが、今回紹介するソードフォームからは、可動範囲が大幅にアップした新素体が使用されるようになった。

素体正面 素体背面

コレは聖闘士聖衣神話 ペガサス星矢(最終青銅聖衣) などに使用されている通称・2nd素体をベースとして縮小したものを使用しているようで、可動範囲は従来のシリーズよりもさらに広くなっている。

プラットフォームでストレッチをしてみた
肩の可動範囲を活かしてこんな事をさせてみたり、

膝立ち
また、下半身の可動範囲も広いので、膝立ちもより自然に決まるぞ。

また、見栄えを考慮しての事か、足や、背中の周辺の目立つ箇所にはネジが使用されていない。この手のアクションフィギュアはネジ頭が露出すると、見た目を損なってしまい、残念なポイントとなる事が多いのだが、電王ではそのネジも目立たないようになっているのだ。

さて話は変わるが、フィギュアの命はやはり顔である。従来のシリーズでは、変身のイメージを再現するため、素体には元の俳優の顔を元にした素顔が取り付けられていたが、似てるようで似ていない、悲惨な顔であったし、マスクのパーツを上から被せる関係上、どうしても小さくなってしまうので、身体と比べてバランスがおかしかった。

中には『素体の顔は劇中の人物とは異なります』と箱に明記し、過去の商品から使いまわしているものもあったくらいである。

その点、電王は設定に助けられたといえよう。電王は一度、プラットフォームと呼ばれる基本の形態に変身。その上から各アーマーを装着することでソードフォームなどの各形態に変身する。その設定の再現のため、素体の頭部は、プラットフォームを再現したものになっているのである。おかげで、素体のままでも十分に見れるものになっている。

素体顔面アップ

また、素体にデフォルトでセットされている握り拳の他に、平手や、武器を持たせるときに使う、指の可動する拳が付属しているぞ。

この素体に、付属している各パーツを取り付けることで、電王ソードフォームへの変身を再現している。

ソードフォーム正面 ソードフォーム背面

頭部に取り付ける、桃太郎の桃をモチーフとした電仮面(デンカメン)は軟質素材で出来ているので、アンテナなどが折れる心配は無い。また、前後で組み合わせる方式の胴アーマーは、背中側が二重になっているので、ヒンジが目立たないようになっている。

左右の肩アーマーは従来のように素体の肩に直接取り付ける方式ではなく、胴のアーマーに挟むように取り付けるので、肩の可動範囲を殺すような事は無い。

肩アーマー
写真のように腕を上げると肩アーマーも上がるので、肩周辺の可動範囲は殺されてはいない。

変身や、必殺技を放つ際に使用するキーアイテム・ライダーパスは、プラ製のミニカードの両面にシールを貼ることで再現されている。拳を付け替えれば、それっぽく手に持たせることが出来るぞ。

ライダーパス
このアイテムをベルトにかざす事で電王に変身できる。

腰の左右のホルスターに取り付けられているのは、デンガッシャーという武器で、電王はこの4つのパーツを組み合わせる事で、それぞれのフォームで使用する武器を組立てる。あいにく、設定どおりの組み立てまでは再現されていないが、ソードフォームで使用する、デンガッシャー・ソードモードが別パーツとして付属する。

デンガッシャー、分離状態とソードモード
っていうか、形態によっては伸びたり縮んだりしているので、再現できるわけが無いんだがな。

今更言っても後の祭り以外の何者でもないのだが、どうせなら肩に一体成型されている装甲や、フトモモの装甲も取り外せるようにして、装着変身 仮面ライダークウガ(注3)の時のように、各フォームのパーツを追加パーツという形で出してもらった方が、消費者的には出費がかさまなくて良かったんじゃないかと思う。

もっとも、『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』では、異なる時間の良太郎を連れてきて、全フォームの電王が集結するという展開だったので、別々に売られても、それはそれで正解だったとは思うのだがな。

さて、好評のうちに放送が終了した『電王』であるが、何と驚いた事に、平成仮面ライダーシリーズでは初となる、劇場版の第二弾が2008年4月に公開されると言う。そのタイトルは『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事(デカ)』。タイトルを見ればわかるとおり、現在放送中の『仮面ライダーキバ』と競演しちゃうという映画なのだ。

なんで刑事なのかは映画本編を見ないことにはわからないが、予告編によると『キバ』の物語の発端である「22年前の出来事」とやらに相当肉薄した内容になるらしい。仮面ライダーキバに熱中しているテレビの前のチビっ子&大きいお友達は、是非とも見に行く事をオススメするぞ。

ついでに、装着変身の電王と、3月下旬に発売予定のキバを並べれば、映画の興奮が呼び起こされる事間違いなしである。・・・ま、ひねくれ者の筆者がこの劇場版を見るのは、レンタル屋にDVDが並ぶ頃になるだろうし、装着変身を購入するのは、また大分時間がたってからになるだろうがな。 
注3『装着変身 仮面ライダークウガ』:平成シリーズの第一作であるクウガの変身を、素体に各パーツを装着することで再現したトイ。敵の能力、戦況に応じて姿を変えるクウガの変身を再現するため、基本形態であるグローイング&マイティフォームセット以外の商品は、パーツ+固定式の展示用素体のセットで発売された。
「モモタロス、最後まで僕と一緒に戦ってくれる?」「その望み、聞き届けたぜ・・・。契約完了だ!」(戻る)