1/35 メカニックコレクション
ランスロット・コンクエスター

発売元:バンダイ

定価:2730円(税込)

1/35 メカニックコレクション ランスロット・コンクエスター
黒の騎士団再び!
新型装備でナナリー総督を救出せよ!!

おめでとぉ〜!ゴールデン枠進出だよ〜♪
2006年に放送された『コードギアス 反逆のルルーシュ』は、深夜枠にも関わらず結構な人気を得た。CLAMP木村貴宏をキャラクターデザインに招き、『装甲機兵 ボトムズ』を髣髴とさせるロボット、ナイトメアフレーム(KMF)による熱いバトル、ルルーシュによる策略、めくるめく政治劇、ジェットコースターのような超展開、そしてほのぼの学園ドラマとキムタカデザインのお色気たっぷりの女性キャラを悪魔融合させたコンセプトは、若い年代の支持を集めたわけである。

このコンセプトの説明を作品監督の谷口悟郎氏が、アニメ誌のインタビューで行っている。氏によると、ロボットアニメは滅びいくジャンルであるということである。つまりはどういうことかというと、世の殿方どもは美人なお姉さん(女体)を求めており、もう巨大なものを操って戦うということにはロマンを感じなくなったということである。情けないような腹立たしいような説明であるが、この読みは当たっていたようでコードギアスは一定の支持を集めている。

その悪魔融合路線はそのままに、日曜日の午後5時枠に移行し、続編『コードギアス 反逆のルルーシュR2』が放送を開始した。2007年の夏に放送されたテレビスペシャルからおよそ9ヶ月、まんま2期に丸投げしますというラストの続きということで、みんなが面白いと言っている間は手を出さない筆者も、すっかりコードギアスのとりこになってしまった。

残念でしたぁ。もうプラモは展開されないの
ゴールデン枠に進出したことにより、バンダイのコードギアスのプラモデル展開はより活性化すると思われていた。その根拠としては、円卓の騎士をモチーフにしたことが明白のナイト・オブ・ラウンズが登場。12人のメンバーそれぞれが専用のKMFを所有しているとのことで、アニメの展開に合わせてプラモデルをリリースしようという意気込みが丸分かりである。そのほかにも、1期のとき大人気だった紅蓮弐式の改造機である紅蓮可翔式、中華連邦最強のKMF神虎(シェンフー)に、ガウェインに代わるゼロ専用KMF、蜃気楼などなどが、ジェットコースターのごとく投入されて行ったのである。

しかし、蓋を開けてみるとプラモデルの展開は悲惨そのものだった。まず、新キャラのロロが搭乗する新型KMFヴィンセントが出て以降、新型機のプラモデル展開が行われていないのである。そのヴィンセントも活躍したかといいうとそうでもなく、初登場の2話以降はパッとした活躍は与えられなかった。比較的活躍しているトリスタンモルドレッドは製品化の声すら上がっていない。

ロロ専用のヴィンセント(通称、金セント)が出た後、よせば良いのにいきなりカラーバリエーションのヴィンセント(指揮官機)(通称、銀セント)が発売された。これは本当に単なるカラーバリエーションで金色だったヴィンセントの色を銀色に変更し、パイロットがロロからギルフォードに代わっただけの代物である。しかも、初登場時に装備していたフロートユニットを付けるということすらもやっていない。それだけに飽き足らず、この銀セントは、初登場にして紅蓮可翔式に撃墜されるという前代未聞の出来事が起った。このせいか、この銀セントは模型店で山積み状態である。

プラモの展開がモタモタしている間に、紅蓮可翔式はブリタニアに捕縛されロイドの手によって紅蓮聖天八極式に魔改造されてしまうは、強化されたはずのランスロット・コンクエスターもあまりパッとした活躍を見せないまま、オープニングではランスロット・アルビオンに強化されるはという事態が起った。さらに、ナイト・オブ・ワンやナイト・オブ・テンの専用機、ギャラハッドパーシヴァルも登場し、全く商品展開が追いつきそうにないのである。

しかも、これだけプラモ化すべきメカがわんさか出てきているのに、放送終了間際の9月には紅蓮弐式とヴィンセントのロイヤルコーティングバージョンが出ることが決定し、いよいよまずい雰囲気が漂ってきた。メカニックコレクションで今の所出ているのは、ランスロットのバリエーション4つ、紅蓮弐式、ヴィンセントのバリエーション2つだけである。「ラインナップ続々登場!」と謳っている宣伝も放送されなくなり、いよいよ終了説が濃厚になってきた。

プラモデルは非常にまずい状況なのだが、今回は7月になってかろうじて新規キットとして発売されたランスロットの新たな姿、ランスロット・コンクエスターの紹介を行おうと思う。

残念でしたぁ。HUYU君、だまされちゃったの(バンダイに)
ランスロット・コンクエスターは、ゼロを皇帝の前に引き釣り出したことでナイト・オブ・セブンに昇格した枢木スザクの使用するランスロットの新たな姿である。ランスロット・エアキャヴァルリーをベースとして主動力のユグドラシル・ドライブを強化し出力を向上させ、ハドロンブラスターを新たに追加し、攻撃力を強化した。更に、全身にブレイズ・ルミナスを展開できるようになり防御力も飛躍的に上がっている。

ランスロット・コンクエスター 前 ランスロット・コンクエスター 後
攻撃力と防御力が強化されたランスロットの強化型
コンクエスター(征服者)という名にふさわしいパワーアップである

エアキャヴァルリーは、ランスロットにそのままフロートユニットを装着したものに過ぎなかったが、コンクエスターについては本体の形状も変化している。

本体 前 本体 後
ブレイズ・ルミナスを展開する都合で微妙に各部の形状が変わっております

パッと見はわからないのだが、本体は胸のアーマーの形と、肩と脚部パーツが変更されている。形状的には変化前も変化後も非常に似ているので、前のランスロットと並べて実際に比べないとわかりにくい。

実際に比べてみた 変更点だけ切り出してみた
実際に比べないとわからない変更箇所
劇的にシルエットが変わっているわけではないのがよくわかる

変更箇所自体の数はさほど多くないので、キットの仕様としてはランスロットエアキャヴァルリーに、ハドロンブラスターと新規パーツを寄せ集めたFL2ランナーとラウンズ仕様のスザクが付いたHランナーを追加したものにすぎない。ということで、実は通常のランスロットエアキャヴァルリーもやろうと思えば、組めてしまうのである。ただ、忌々しいことにフロート用のランナーからはブレイズ・ルミナス用のパーツが排除されており、ブレイズ・ルミナスのパーツも付属していない。これらがほしければ、エアキャヴァルリーを買えということか。

更に、追加パーツとしてはヴァリスの非展開状態も付属している。これは、ハドロンブラスターに装備する都合で付いているものだが、これを受けて苦労してヴァリスを自作したHUYU君は激怒しまくっていた。

ヴァリス一覧
左が私のヴァリスで、右がHUYU君のヴァリス
苦労して作ったHUYU君、涙目

ここまで付属してランスロット・エアキャヴァルリーと同じ2600円!いよいよ、消費者を馬鹿にしている仕様である。少なくとも、初期のランスロットの価値はなし。エアキャヴァルリーもブレイズ・ルミナスパーツだけが特徴となってしまったわけである。もう一度言おう、消費者舐めてるだろ?

ランスロットにゴテゴテした装備を追加していった結果、自立がだんだん難しくなってきている。ハドロンブラスターが後に突き出しているせいで、ランドスピナーを展開しているときですら、重さが後に傾いているせいで自立しにくく、翼を広げようものなら油断しているとこけてしまう。

翼展開状態 前 翼展開状態 後

ハドロンブラスター
後に突き出たハドロンブラスターが自立を妨げてくれてストレスの元
こんなのがよく空を飛びまわって立ち回れるな・・・

こういう理由で、ランスロット・コンクエスターで飾る場合はアクションスタンドは必須である。

ハドロンブラスターをフロートに装備する仕掛けであるが、フロートの天蓋部分を新規パーツにしているだけである。というわけで、通常のフロートの天蓋は使用されない余剰パーツになる。これに、ABSで出来た太目のジョイントパーツでブラスターを装備しているわけである。

新型フロート 前 新型フロート 後
アニメではフロートに更にハドロンブラスターを装備した状態となっている

コンクエスターの大きな特徴であるハドロンブラスターは取り外しなどなく、劇中どおりに展開することが出来る。その展開ギミックを見ていこう。

まず、ハドロンブラスターを基部ごと左に180度回転させる。これにより、ブラスターの上下が逆転する。

基部の回転
ロールオーバーで画像が変わります

そして、砲身を後に展開させて砲身を完成させる。そして、砲身を前に倒す。

砲身が伸びる図
ロールオーバーで画像が変わります

そして、砲身にヴァリスを被せればハドロンブラスターが完成する。

ヴァリス装填
ロールオーバーで画像が変わります

ハドロンブラスター ハドロンブラスター
ハドロンブラスターを装備したところ
その威力は紅蓮弐式の甲壱型腕を破壊するほど

ハドロンブラスターを装備してもポーズを決められるようにヴァリス側のジョイントが長めに設定されている。ジョイントは傾いて作られているため、ヴァリスをまっすぐ構えることが出来るし、ブラスターを装填しても違和感が出ない。また、ハドロンブラスターの基部は回転するので、好きな方向にハドロンブラスターを構えることが出来る。

尚、コクピットから出るときはこのハドロンブラスターを上にセットしシートがせり出すときに邪魔にならないようになっている。

コクピット
シートがせり出しても邪魔にならないようになっています

ちなみに、キットの説明書によるとランスロットコンクエスターになり、はじめて脱出装置が追加された。キットでは再現されていないが、これによりスザクはデバイサーから実質パイロット扱いになったとのことである。

キットの出来としては、そのまま使いまわしたキットだけあってランスロットと変わらない。アゴスロットと呼ばれるゆえんの広すぎるチンガードも削ってあげる必要があるし、色分けもランスロットのままで塗装が少し大変である。ハドロンブラスターのギミックは確かに面白いが、アンバランスにしてしまうし微妙なところである。何よりも、使い回しという時点で前のランスロットを買った人は手放しには喜べない。ということで、ランスロットを持っていない人にはお勧めできるが、持っている人は殺意が沸いてくると思うので、購入は控えたほうが良いだろう。

太平洋 奇襲 作戦
さて、ハドロンブラスターを背負って登場したランスロットコンクエスターだが、劇中ではパッとした活躍はあまりない。というのも、R2に入ってからルルーシュの視点で話が進行したので、スザクの活躍シーンが一期の頃ほどないのである。初登場の回ですら、後から登場した紅蓮可翔式に出番を取られ、その後は藤堂の駆る斬月にフロートユニットを切られてしまっている。ということで、今回の劇中再現はランスロットコンクエスターの発進シーンをお届けする。

トウキョウ決戦以来、行方不明になっていたルルーシュの妹、ナナリーはV.V.の手によって本国に送還されていた。ゼロとしての記憶を取り戻したルルーシュは、ナナリーが日本総督として派遣されることを知り、黒の騎士団を率いてナナリーを奪還しにやってきた。

陸戦兵器であるKMFを空に上げるという無茶な作戦だったが、サーフェイスフレアによって熱源をカモフラージュし、煙幕に集中した航空戦力を火薬によって全滅させ戦いを有利に進めて行った。

しかし、気を利かせていたギルフォードは、フロートユニットを装着したヴィンセントとサザーランドでナナリーを乗る空母を護衛していた。更には、ナイト・オブ・スリーのジノ=ヴァインベルグの駆るトリスタンと、ナイト・オブ・シックスのアーニャ=アールストレイムの駆るモルドレッドが現れ、徐々に黒の騎士団を追い詰めていく。

スザクも小型飛行機でアヴァロンと合流し、パワーアップしたランスロットを受け取った。ランスロット・コンクエスターの初陣である!

ランスロット起動!
スザク「ゼロがナナリーを奪いに来た
しかし、機情からの報告はない
敵はゼロか、ルルーシュか?」

状況確認
セシル「枢木卿、状況を確認します。」

フロート装備
セシル「ナナリー総督を乗せた機体は2番フロートが停止状態、3番、4番フロートに相互連動、ケースθ発生!」
ロールオーバーで画像が変わります

コンクエスター起動!
ロイド「まあ早い話が、このままだとみんなで海水浴ってこと。
アプソン将軍が戦死したって報告もあるけど〜♪」

ホイールをカタパルトに乗せる図
スザク「今は、総督の救出を優先します!」
ロールオーバーで画像が変わります

ホイールをカタパルトに乗せる図
セシル「ホイールチェアの信号探索開始!」
ロールオーバーで画像が変わります

信号受信
セシル「ECMによるノイズ、クリーニングスタート!」

発進準備!
セシル「フェイズをプリセット!先行して艦内配置送信!」

スザク「データリンク確認」

セシル「コンプリート!」

スザク「総督現在位置確認後、送信願う!」

セシル「チャンネルMB、ラジャー!」

ランスロットコンクエスター、発艦!
セシルランスロット・コンクエスター、発艦!

スザク「発艦!!

ロールオーバーで画像が変わります

アヴァロンから発進したランスロット・コンクエスターは、混戦のさなかに突っ込んでいく!艦上の紅蓮弐式に対して、ヴァリスを放つスザク!

ヴァリスで攻撃するスザクの図
カレン、僕はナナリーを助けなくちゃいけない。
今更、許しは乞わないよ!

果たしてスザクは、ナナリーを救出できるのか!?ルルーシュとスザクの運命は!?

次回に続く!!
(紅蓮可翔式のキットが出れば)

敵はゼロか、ルルーシュか?(もどる)