聖闘士聖衣神話
魚座ピスケスのアフロディーテ

バンダイ 聖闘士聖衣神話シリーズ

定価:4200円(税込み)

聖闘士聖衣神話 魚座ピスケスのアフロディーテ
襲い来る美の戦士!
バラの香気が死を招く

聖域決戦は続く!
邪悪の矢を受け倒れたアテナを救うためにも
黄金聖闘士の立ちはだかる十二の宮を突破せよ!
急げ、アテナの聖闘士たち!!

十二宮最後の宮、双魚宮で
魚座の黄金聖闘士、ピスケスのアフロディーテと対峙した瞬は
恐るべき事実を知らされた

教皇の間へ向かった星矢は、道を覆った魔宮バラの花粉と猛毒によって
まもなく死ぬというのである!

それだけではない。アフロディテこそ瞬の師、アンドロメダ島のアルビオレを殺した張本人だったのである
そして、アフロディーテの放ったロイヤルデモンローズによって瞬もまた倒れようとしていた

だが、アルビオレが教えてくれたやさしさを超えた真の強さを証明するためにも
瞬は立ち上がった!!


冒頭部ナレーションより。BGM「銀河戦争」を流しながら田中秀幸氏の声で読むべし!
美の戦士!アフロディーテ
射手座サジタリアスのBP(射手座のロリ黄金聖闘士。黄金聖闘士のコラムシリーズを放置しいていたが、最近始まった『聖闘士星矢Ω』により、心に眠る小宇宙が復活し再び筆を執ることにした。以下BP)(なんだか前のコラムからすっかり時間が経過したような気がするが、十二宮最後の宮、双魚宮の戦いをご覧ください。)

まじめにふまじめ怪傑ゼロリ(HUYU君の脳内に生息する、腐女子への寛容から生まれたイマジン!幾多の戦いを経て腐のセブンセンシズに目覚め始めている。以下ゼロリ)「オーホッホッホ!最後の宮、の双魚宮に到着したわ!この宮さえ突破すれば、教皇の間は目前よ♪」

魚座ピスケスのアフロディーテ「この最後の宮、双魚宮によく来た!この美の戦士ピスケスのアフロディーテが相手になってやろう!」

ゼロリ「な〜にが美の戦士よ!?セーラー服美少女戦士じゃあるまいし、男のくせに何が『美』よ!?」

アフロディーテ「ふっ・・・。化粧もせずにスッピンの貴様が何を言うか・・・。女のくせにメイクに気を付けない貴様は、女失格だな・・・。」

ゼロリ「ふんだ、メイクは好きな男のためにやるのよ!このブ男しかいない神話十二宮でメイクなんざ不要に決まってるじゃないの!」

アフロディーテ「フッ・・・。よく言う。貴様は私のバラの葬列であの世に送ってやろう!喰らえ、ピラニアンローズ!」

ビシュゥッ!

ゼロリ「フッ・・・、そんなバラ私のガンカタでおとしてやるわ!」

パーン、パーン!

アフロディーテ「私のバラをおとすとは・・・!」

ゼロリ「オーッホッホッホ!幾多の戦いをくぐりぬけてきた私にはその程度の攻撃は効かないのよ!」

アフロディーテ「ぐぬぬぬぬ。聖闘士でもないくせに生意気な!」

ゼロリ「フフフフ。あなたなんか、1発で仕留めてやるわ!燃えなさい、私の腐女子心!!

ピスケスのアフロディーテ「何!?この力は・・・。!?」

ゼロリ「喰らえ!ゼロリ最大の奥義、邪神作画幻魔拳!

アフロディーテ「フフッ・・・。何が飛び出るかと思ったら、私の美しい体に傷一つ付いていないではないか・・・。」

ゼロリ「それはどうかしらね・・・?この鏡で己の顔をよく観てみなさい!!」

アフロディーテ「美しい・・・バラも・・・この私・・・も?ぎゃあああああああ。何だこの顔は!?」

ゼロリ「オーッホッホッホ!これこそ、聖闘士星矢作画の中で最も恐れられた河合作画!美の戦士もあっという間にブの戦士よ〜♪」

アフロディーテ「バカな・・・これが私だと言うのか・・・あり・・・えな・・・い・・・。」

ドシャァッ!

ゼロリ「オーッホッホッホ!ついに黄金聖闘士を実力で倒したわ!!さあ、教皇の間は目の前よ〜」

邪神作画!ブの戦士となった美の戦士
聖闘士星矢にはギリシア神話にちなんで美を前面に出すナルシーな聖闘士が二人存在する。一人は白銀聖闘士であるリザドのミスティ である。彼は生まれてから一度も傷ついたことのない身体を誇りに思っており、星矢と戦った際に返り血が体に付着した時水浴びをしながら全裸で「神よ、私は美しい」と悦に入っていた。アニメ化された際もこのシーンはカットされておらず、ゴールデンタイムのお茶の間に全裸をさらした変態となってしまった。

そしてもう一人が、今回紹介する魚座ピスケスのアフロディーテである。ギリシア神話の美の女神、アフロディテの名前を冠する彼はその名の通り美の戦士を自称する黄金聖闘士である。技も美の象徴であるバラを投げつける物で、なんとも言い難いキャラクターなのだった。このアフロディーテはそのキャラクターもさることながら、作画面でもネタにされるかわいそうなキャラなのである。

頻繁にアニメを見るアニメファンは作画、つまりアニメの中での絵を非常に気にする。アニメをそんなに見ない人は、絵の違いにほとんど気付かないものなのだが、動きと同じくらいアニメは作画が大事なのである。特に、最近のアニメは女の子が必ず出るようになっているので、作画が崩れてしまうと自分のイメージ通りのキャラクターでなくなってしまったり、あまりに作画が崩れてしまうと、美少女がブサイクになってしまったりする。

基本的にアニメの作画は原画家の描いた絵を作画監督が修正していくというプロセスを経る。特に作画監督によって絵の特徴が生まれやすく、絵がうまい人が描くと、美麗なキャラクターが画面に登場することになり、神作画と呼ばれる。逆に、崩れまくった作画のことを俗に邪神作画呼ぶ。

筆者のよく観るアニメシリーズである『遊戯王シリーズ』は、作画に関してよくネタにされる。初代(実質2作目)の『デュエルモンスターズ』時代では、井上善勝氏が作画監督を務めた際の一部キャラクターの顎が異様にとがっており、AGOとネタにされているのはファンの間では有名である。一方で、DMや『遊戯王5D's』シリーズで作画監督を手掛けている原憲一氏は、非常に美麗な作画を描くことで有名で、動きもほかの作画監督らが手掛ける物よりも非常にダイナミックになる。

基本的にアニメの原画は1000枚以上行くのがザラで、一枚一枚を手作業で描くし、その作業を複数のグループがこなす上に、スケジュールが厳しい状況で納品しなければならないため、作画が崩れたまま放送されてしまうということは日常茶飯事である。現場の人のことを考えると作画が崩れてしまうのは責められないが、ファンとしては安定した作品を提供してもらいたいというのも本音である。

1980年代に放送された古いアニメの聖闘士星矢も当然ながら、神作画と邪神作画に分かれてしまう。キャラクターデザインを手がける荒木伸吾 氏と姫野美智氏が担当する回は例外なく神作画である。この二人のキャラクターデザインの高さが話題を呼び、本来少年漫画であるはずのこの作品に女性ファンを呼び込み、人気が確立したと言っても過言ではない。

この二人は、本編が放送されている最中に作られた劇場版3作の作画監督も手掛けているため、本編での登板は少なめである。故に、ほかの人が作画監督を手掛けることが多いのだが、当然ほぼすべての作業が手作業であり現在よりもアニメ制作に時間がかかった当時にも邪神作画を描く人がいた。

一人が描く漫画内でならともかく、複数の人間によって制作するアニメでは別の意味でもろくなことにならない。特に、このアフロディーテは美の戦士のくせに作画にも恵まれなかったのである。68話の初登場のシーンは、あらかじめ荒木氏らが作った原画を使用したため、しっかりと美の戦士を果たしていたのだが、その後の作画がヘロヘロなのである。特に69話の作画では、アフロディーテの特徴である泣きぼくろやリップでも塗っているかのような唇が必要以上に大きく描かれており、顔もなんだか平べったくなっているのである。しかも、そのような状態の作画で顔のアップになるのでかなり見苦しい。

続く70話では勇者シリーズで一人原画を上げることで有名な佐々門信芳氏が担当したのだが、前回の作画よりはマシとはいえ、テレビアニメ本編でアフロディーテの最後の出番となる回にしてはやはり残念な作画なのであった。テレビで1回だけ見るのならば、さほど気にならないが、DVDなどで繰り返し映像を見てしまうと苦しくなるのがきついところである。

尚、このアフロディーテが登場した回に重要な作画監督や原画を回せなかったのかと言うと、荒木氏などの主要なスタッフがこのころ劇場版第2作の『神々の熱き戦い』を制作しており、スケジュールが合わなかったためである。その後、劇場版3作目『真紅の少年伝説』では荒木作画のアフロディーテが堪能できるので、アフロディーテが好きな人はこの作品を見るようにしよう。

きれいに仕上がった魚〜♪抱きしめても良いかい?
アフロディーテはアニメ本編では十二宮編の双魚宮での戦いのみでしか登場しなかった。しかも、このアフロディーテは力こそがすべてと考えるデスマスクと同類だったである。つまり、根っからの悪役の聖闘士と言うことで星座カーストにおいて一番下に位置し、しかもキワモノキャラとなってしまうのだった。

こういった事情から、アフロディーテの人気は低い。人気が低いということは売れないという判断をされたのか、聖闘士聖衣神話の黄金聖闘士シリーズの中で一番最後にリリースされた。

発売の遅さという点においては不遇の扱いだったが、このアフロディーテの場合は逆に発売が遅れたことで、人気のあったキャラクターたちよりも造形面ですぐれていたのであった。この一つ前のジェミニサガの顔の造形が荒木作画のサガに非常に近いと好評を得るほど人気だったのだが、このアフロディーテも美の戦士の名に恥じぬ顔の造形だったのである。

アフロディーテ 素体 前 アフロディーテ 素体 後
色白なアフロディーテの顔立ちを再現している
このころから顔の造形がアニメに近く安定したものとなっている

魚座の黄金聖衣のオブジェ形態は、文字通り魚を象っている。

オブジェ形態 前 オブジェ形態 後

オブジェ形態横
魚座の黄金聖衣のオブジェ形態
シーラカンスみたいな形になっております

本来、魚座の星座は2つの魚が糸のようなもので繋がっている形なのだが、聖闘士星矢においては1匹の魚として扱われている。オブジェもまんま魚の形態となる。ほかの黄金聖衣と違い、ヘルメットのパーツを前後で分割して前半分のパーツを頭部に、後ろ半分を背びれとしてフレームパーツにはめ込んでいくのが特徴的である。

また、魚のオブジェを安定して飾りたかったのか、ほかの黄金聖衣のオブジェよりも大きめなダイキャストのスタンドを使って魚本体を支えるようになっている。このスタンドには、双魚宮のマークが刻まれており、ほかのオブジェとは少々趣が異なる。

スタンドパーツ
オブジェ本体の横にスタンドの柱を接続しオブジェを展示する
ダイキャスト製のスタンドのおかげで安定した保持が可能

オブジェ形態を分解し、素体に聖衣を装着していくとこのようになる。

魚座ピスケスのアフロディーテ 前 魚座ピスケスのアフロディーテ 後
魚座ピスケスのアフロディーテの全身画像
最後発の黄金聖衣だけあり、顔も聖衣の造形もばっちりである

最後発の製品なだけあり、非常にバランスよくまとまったスタイルとなっている。ダイキャストの使用比率がかなり高く、ヘルメットと腰アーマー以外はすべてダイキャスト製である。黄金聖衣に恥じないずっしりとした重量感を味わうことができる。

顔の造形は文句なしにアフロディーテの美しさを再現している。目じりの泣きぼくろや、唇のルージュもタンポ印刷と塗装で再現されており、小顔でしっかりとした出来の頭部になっている。長髪は、スコーピオンのミロと同じく首に引っ掛ける形で再現されている。さらに、顔の造形はそのままに、バラを咥えた専用の顔も用意されている。

バラを咥えている顔
赤いバラを咥えている表情パーツ
顔を差し替えることで再現する

ヘルメットパーツは、髪の毛のパーツを取り外してヘルメットをかぶせるための専用の髪の毛パーツに差し替えてからかぶせるようになっている。こうすることで、ヘルメットの下から前髪が出るようになるのである。

ヘルメットの取り付け
ヘルメットを取り付けるために別の髪の毛パーツを取りつけます
ロールオーバーで画像が変わります

ヘルメットをかぶらない時の髪の毛は前後で分割されているのだが、極力自然なラインになるように配慮されているものの、少々分割線が目立ってしまうのが残念な点である。

ちなみに、マントを取りつけない時にできるジョイントの穴はオブジェ形態の胸ビレを使って隠すことができる。

マントのジョイントを隠したところ

手首パーツは平手と武器持ち手はもちろんのこと、バラの茎をもった手首パーツが左右に付属している。この手首の薔薇の茎に赤・白・黒のバラの花を取りつけることで、アフロディーテのバラを使った必殺技を再現することができる。バラの花は2つずつ付属しているので、同じ色の花を両手に持たせることも可能である。

このように、不人気なキャラクター故に黄金聖闘士最後のリリースとなったアフロディーテだが、発売の遅さが安定した顔の造形を可能にし、様々なオプションパーツにも恵まれた。造形面に関しては黄金聖闘士の中でも上位なので、全国の魚座諸氏は買って損はないと思うぞ!

デモンローズ!甘き死の香り
宝瓶宮の激戦は、師弟同士の必殺技の激しい撃ちあいによる相討ちに終わった。氷河が倒れたことを悲しむ間もなく星矢と瞬は最後の宮、双魚宮を目指した!

双魚宮で二人を待ち受けていたのは、魚座ピスケスのアフロディーテだった。アフロディーテは、二人に深紅のバラを二本飛ばし、彼らに襲いかかってきた。

アフロディーテ登場!
アフロディーテ「魚座ピスケスのアフロディーテ・・・。」

星矢「あいつが十二宮、最後の黄金聖闘士・・・アフロディーテ!」
ロールオーバーで画像が変わります

アフロディーテのバラにどこか違和感を感じる瞬であったが、手はず通り自分が双魚宮に残り、星矢を先に進めた。アフロディーテの頭上をやすやすと飛び越える星矢だったが、アフロディーテは彼にバラを投げつけた。そのバラを星矢はたたき落とし、星矢は教皇の間へと歩を進めていった。

星矢の方を向いたアフロディーテの動きを、瞬はサークルチェーンで止めた。

サークルチェーンで動きを止める
「アフロディーテ、あなたには星矢がこの双魚宮を抜けるまで動かないでいてもらうよ。」

瞬の決意
「僕は男だからね。友との約束は必ず守ってみせる!一輝兄さんにも誓ったように、最後まで男らしく戦いぬいてみせる!」

動きを止められたアフロディーテは余裕の表情で瞬に星矢は教皇の間にたどりつけないことを告げる。教皇の間と双魚宮の間の階段は、アフロディーテの猛毒の赤バラが咲き乱れており、その花粉を吸い、棘に触れてしまった者は五感を失い命を落としてしまうのだという。

その話を聞いた瞬は、急いで星矢の下にかけつけようとするが、アフロディーテはそれを許さず行く手を阻んだ。瞬はアフロディーテを倒し、星矢とともに教皇の間までたどり着くことを決意したのだった。

そんな瞬に、アフロディーテは衝撃の事実を打ち明けた。スコーピオンのミロによって殺された瞬の師、白銀聖闘士のアルビオレの死の原因を作ったのは何とアフロディーテだったのである。アルビオレは白銀聖闘士ながら、黄金聖闘士並みの実力を誇りミロを苦戦させた。そこで、影からアフロディーテが毒バラを投げつけアルビオレを弱らせたのである。そのため、アルビオレの遺体の近くにはアンドロメダ島にはないはずのバラが落ちていた。宮にたどりついたときのバラに対する瞬の違和感の正体はこれだったのだ。

アフロディーテが師の仇であることを知った瞬は俄然闘志を燃やし、アフロディーテに立ち向かっていった。しかし、瞬のネビュラチェーンはアフロディーテには通じず、アフロディーテはロイヤルデモンローズを食らわせた。

ロイヤルデモンローズを放つアフロディーテ
アフロディーテ「さあ、君も魔のバラの香気のとりことなってペガサスの後を追いたまえ。ロイヤルデモンローズ!

ロイヤルデモンローズの香気は瞬の触覚を奪い、光速拳を受けたにも関わらず瞬は痛みを感じずに意識が遠のいていった。薄れ行く意識の中で、瞬はアンドロメダ島の修業時代を思い出し、アルビオレの言葉を思い出した。優しさの奥に秘めた力・・・それが師の言葉であった。その言葉を思い出した瞬は、デモンローズの香気から立ち直った。

立ちあがった瞬はアフロディーテの光速の拳をかわし、小宇宙を燃やした。瞬の小宇宙に呼応し、瞬のサークルチェーンが瞬の周囲を取り巻いた。

サークルチェーンが取り巻く図
「さあ、サークルチェーンが僕の体を取り巻いた。
これであなたがいかなる技を仕掛けてこようとも、決して僕を傷つけることはできない!」

瞬のローリングディフェンスはアフロディーテのロイヤルデモンローズを弾き飛ばし、アフロディーテを吹き飛ばした。攻撃をはじかれたことにアフロディーテは動揺したが、花霞の中に身を隠し瞬を翻弄した。瞬は、追撃の一手として、瞬はスクエアチェーンでサンダーウェーブを繰り出した。

このスクエアチェーンは・・・
「このスクエアチェーンは敵が何万光年かなたに隠れていようと、必ず見つけ出して倒すのさ!」

サンダーウェーブ!
さあ、行け!サンダーウェーブ!!
ロールオーバーで画像が変わります

マスクを飛ばしたサンダーウェーブ
アフロディーテ「ああ・・・。バカな・・・。あれしきのチェーンがここまで威力があろうとは・・・。」
ロールオーバーで画像が変わります

瞬が放ったサンダーウェーブは見事アフロディーテを捉え、彼のマスクパーツを弾き飛ばした。アフロディーテは瞬の思わぬ反撃に驚いた。調子づいた瞬は、追撃のサンダーウェーブを再び放つ!

しかし、瞬が放ったサンダーウェーブはアフロディーテの持つ黒バラによって動きを止められてしまった。

動きを止めるサンダーウェーブ
「何ぃっ!バカな・・・スクエアチェーンの動きが止まった!あの黒バラは何だ!?」

安らかに!瞬、最後の微笑
瞬のスクエアチェーンを受け止めたアフロディーテは、瞬に止めを刺そうと黒バラを使った技、ピラニアンローズを放った。

黒バラで攻撃に転じるアフロディーテ
アフロディーテ「受けろ、黒バラの恐怖を!!
舞えよ、黒バラ!ピラニアンローズ!!

チェーンが砕かれる図
「無数の黒バラがスクエアチェーンを取り巻いていく・・・。まるでチェーンをすべて飲み込むように・・・。」
ロールオーバーで画像が変わります

吹き飛ばされる瞬
「バカな!?僕のスクエアチェーンがすべて消し飛ぶとは・・・一体あの黒バラは!?」

アフロディーテの黒バラ、ピラニアンローズは香気で徐々に相手の命を削っていくロイヤルデモンローズとは違い、即座に相手を攻撃する攻撃用のバラである。その黒バラはすべての物を粉々に粉砕してしまうのである。アフロディーテは尚もピラニアンローズで瞬を攻撃した。その攻撃に対し、瞬は再びローリングディフェンスを敷いた

ローリングディフェンスを敷く瞬
「守ってくれ、サークルチェーンよ!ローリングディフェンス!

しかし、ピラニアンローズは瞬の鉄壁の防御を誇るローリングディフェンスすら噛み砕いてしまった。

破られたローリングディフェンス
「サークルチェーンまでが消し飛んだ!?」

アフロディーテ「これで君は攻めることも守ることもできなくなった」

両腕のチェーンを砕かれ完全に無防備になってしまった瞬にアフロディーテは止めを刺そうとピラニアンローズを投げつけた。その攻撃は、瞬の聖衣を無残にも粉々に打ち砕いてしまう!

ピラニアンローズを放つアフロディーテ
アフロディーテさあ、望み通り死を見舞ってやるぞ!

うわああああああああ!

ロールオーバーで画像が変わります

余裕のアフロディーテ
アフロディーテ「これで十二宮を侵そうとした青銅聖闘士5人がすべて死に絶えた。教皇もほっとされたことだろう。」

瞬を倒したと思ったアフロディーテはその場を立ち去ろうとした。しかし、聖衣を砕かれ瀕死の状態にもかかわらず、尚も瞬は立ちあがった。

立ちあがろうとする瞬
アフロディーテ「まだ死にきれぬか。もはや君には何も残されていない・・・。」

しかし、立ちあがろうとする瞬の小宇宙は以前にもまして大きくなっていた。その様子を見たアフロディーテは驚きを隠せなかった。

瞬の小宇宙に驚くアフロディーテ
アフロディーテ「コ・・・小宇宙・・・!?バカな・・・。アンドロメダからとてつもない小宇宙を感じる・・・。
すでに頼みのチェーンを失ったこの男に一体何があるのだというのだ!?」

「アルビオレ先生・・・今こそ僕の本当の力を・・・。」

瞬はこれまで自分の生身の拳を奮ったことは一度もなかった。それは自分の拳が他人を傷つけるのが嫌で、自らの真の実力を常に隠してきたのだった。しかし、聖衣もチェーンも砕かれたことでついに瞬は隠された真の力を発揮することを決意した。瞬の周りを猛烈な突風が取り巻き、その気流はアフロディーテを吹き飛ばした!

ネビュラストリーム!
今こそ受けろ、アフロディーテよ!このアンドロメダ瞬の真の力を!ネビュラストリーム!!

アフロディーテ「何!?体の自由が利かない!?」

瞬の細腕から繰り出されたネビュラストリームは見事にアフロディーテを捉え、アフロディーテを頭から落下させた。ネビュラストリームによりアフロディーテは身動きが取れなくなり、気流に吹き飛ばされてしまったのである。アフロディーテに一撃を加えた後も、アフロディーテノ周囲を気流が取り巻いていた。

アフロディーテの周りを取り巻くストリーム
アフロディーテ「ストリームが・・・。私の周りを空気が渦となってストリームを巻き起こしている!?」

そのストリームによってアフロディーテは思うように身動きが取れないでいた。倒れていた瞬はゆっくりと立ち上がり、尚も瀕死の体でアフロディーテに相対し続けた。瞬は、アフロディーテに星矢を助けアルビオレの霊に詫びを入れるのなら助けると申し出るが、アフロディーテは当然ながら聞かない。そんな瞬に対し、アフロディーテはバラブラッディローズを向けた。

ブラッディローズを向けるアフロディーテ
アフロディーテ「甘いぞ、アンドロメダ!この程度のストリームで勝ったつもりなのか?私の自由は完全には奪われてはいない」

「何・・・?」

アフロディーテ「君にはもはやこの白バラを撃つ以外なさそうだ・・・。」

「何・・・?」

アフロディーテ「この白バラはブラッディローズ・・・。
私の手から離れた瞬間に君の心臓に突き刺さる。何者であろうとかわすことはできない。
そしてこの白バラが君の血をすべて吸いつくし、真紅に変わった時・・・君は死ぬ・・・。

アフロディーテは白バラを放とうとしたが、瞬はストリームをさらに強大なものにした。それにより、アフロディーテは白バラを放つことができず、再び吹き飛ばされてしまう。瞬はアフロディーテに尚も悔い改めるように言う。しかし、アフロディーテは瞬の言うことを聞かずにこのように言い放った。

力こそが正義だ!
アフロディーテ最後だから教えてやろう!良いか、力こそが正義なのだ!!
そして勝利した者こそ絶対なのだ!!


力が正義だって!?

ここに来てアフロディーテはキャンサーのデスマスクと同類だということが明かされてしまった。力を持ち、聖域を治める教皇こそが絶対的な正義であり、弱者は強者の意のままに従えば良いという己の信念を明かしたのだった。その言葉を聞いた瞬は怒りをあらわにした。

怒りをあらわにする瞬
違う!そんな理屈は、どこか間違っている!!

アフロディーテこれまでだ!所詮君の様な小僧にはわかるまい!
さあ、この白バラを受けて今度こそ本当に死んでもらうぞ、アンドロメダ!!

アフロディーテは強大になったストリームを破りさらに攻撃に出ようとしていた。尚もアフロディーテを制止する瞬・・・。しかし、アフロディーテはブラッディローズを瞬の心臓めがけて投げつけた。

ブラッディローズを投げつけるアフロディーテ
アフロディーテ
死ね、アンドロメダ!受けよ、ブラッディローズ!!!!
ロールオーバーで画像が変わります

ネビュラを爆発させる瞬
爆発しろ、ネビュラよ!!

アフロディーテが白バラを投げつけた瞬間、瞬はネビュラを爆発させた。しかし、白バラはまっすぐ瞬の心臓めがけて飛んでいき、瞬の胸に突き刺さった。瞬は最後の瞬間に、自分の最強技、ネビュラストームを放った。

心臓に突き刺さる白バラ
うぐっ!

ネビュラストーム!
ネビュラストーム!!!!

アフロディーテ何!?ぬあああああああああああっ!!!!!
ロールオーバーで画像が変わります

瞬の放った気流が嵐に変わり、アフロディーテを完膚なきまでに吹き飛ばした。その威力は黄金聖衣をまとっているはずのアフロディーテに瀕死の重傷を負わせるほどの威力だったのである。

息絶えるアフロディーテ
アフロディーテ「あ・・・あ・・・き・・・気流が・・・あ・・・嵐に・・・。まさかこれほどの拳が撃てるとは・・・。
このアフロディーテに勝るとも劣らない小宇宙・・・。見事だ・・・アンドロメダ・・・。
だが、間もなく君も滅びる・・・。」

瀕死の重傷を負ったアフロディーテは間もなく息を引き取った。彼が死亡した後、彼の周囲に無数のバラが咲き乱れた。そして、ブラッディローズを受けた瞬の命もまた燃え尽きようとしていた。

立ちつくす瞬
「兄さん・・・。僕は約束通り最後まで男らしく戦ったよ・・・。アルビオレ先生の仇も取った!
星矢・・・助けに行けなくてごめんね。でも君ならきっとやってくれるはずだ!」

みるみるうちに白いバラは瞬の血液を吸って真紅に染まっていく・・・。瞬はアフロディーテとともに倒れ込んだのだった。

アフロディーテとともに倒れる瞬
「僕は紫龍や氷河や兄さんの待っているところへ行くよ・・・。
こんな僕でもアテナやみんなのために少しは役に立てたかなあ・・・?
さようなら・・・星矢・・・!

最後の宮、双魚宮の戦いは命をかけた瞬の攻撃で相討ちに終わった・・・。一方の星矢は教皇の間に続くバラの香気で息も絶え絶えになっている。火時計の火は間もなく最後の火が消えようとしていた。

立て、星矢!!

兄さん・・・。僕は約束通り最後まで男らしく戦ったよ・・・。(もどる)