D-Arts アルティメットアーマー

バンダイ D-Arts ロックマンXシリーズ

定価:4725円(税込)

D-Arts アルティメットアーマー
エックス最強の強化アーマーがD-Artsで立体化!

Hidden Command(裏技)
スーパーファミコンの時代のゲームには必ずと言ってよいほど裏技が存在していた。裏技を利用すると、無限1UPができたり隠しキャラを出したりステータスを限界以上に伸ばすことができる。これはゲームのバグだったり、最初から隠しコマンドとして開発者が埋め込んだものだったりするのだが、インターネットが発達していない当時としては、この裏技を知っていることは一つのステータスであった。

SFCで登場した『ロックマンX』シリーズにも数多くの裏技が存在する。初代のロックマンXでは、すべてのパーツとライフアップ、すべてのボスを倒した状態でアーマーアルマージステージのボス部屋に7回いくと、カプセルが現れる。そのカプセルに入ると、カプコンの格闘ゲームである『ストリートファイター』の必殺技である波動拳が撃てるようになる。この波動拳は、ボスを一撃で破壊する威力を誇り、今風の言葉で言えばチートな技である。

X2でも同じストリートファイターの技である昇竜拳が放てるようになるし、X3ではゼロのビームサーベルやすべてのパーツの性能を引き上げるハイパーチップが手に入ったりする。このようにロックマンXシリーズにおける裏技は、エックスの性能を大幅に引き延ばす強化が行えるというものだった。

プラットフォームをセガサターンとプレイステーションに移したX4では通常の強化アーマーのほかにアルティメットアーマーと呼ばれる最強のアーマーが登場する。アルティメットアーマーは、これまでのアーマーと違い純粋な戦闘用のアーマーとして開発されたものである。そのため、戦闘能力は従来のアーマーを大幅に上回っている。特筆すべき点は、ギガアタックであるノヴァストライクを連射することができる点である。この技を放つには通常のアーマーではダメージを蓄積させていき、溜まったエネルギーを一度に放出して使う。そのため一度使ってしまえばエネルギーが溜まりきるまで使用することはできず、「最後の切り札」といった位置づけの技なのだが、アルティメットアーマーではその切り札を連射できてしまうわけである。

このアルティメットアーマーは、コミックボンボンや公式サイトでも取り上げられており、比較的認知度の高い裏技である。X4ではプレイヤー選択時にエックスにカーソルを合わせ×を2回、左キーを6回押した後L1とR2を押しながら決定ボタンを押せば出現する。(注1)このコマンドが成功するとエックスの関節部の色が青から紫に変化する。その状態で適当なステージのカプセルに入ればアルティメットアーマーがそろった状態で手に入るわけである。

アルティメットアーマーの装着
最初からすべてのパーツがそろった状態で出現するアルティメットアーマー
その威力は絶大
ロールオーバーで画像が変わります

こういった設定からか、このアルティメットアーマーはプレイステーションで発売されたX5、X6でも裏技として君臨する。X5では、Σステージ3に何の装甲も付けずにXで入り特定の場所に行けば手に入る。また、コマンドでも出現させることができ、プレイヤー選択画面でXにカーソルを合わせて上キーを2回、下キーを9回押せばオープニングステージからアルティメットアーマーを使用することができる。

X6ではタイトル画面でキーをゲームスタートに合わせ左キーを3回、右キーを1回押せばオープニングステージからアルティメットアーマーを使用することができる。この作品では、裏技でキャラクターを強化するとキャラクターの色が黒くなる。それゆえ、今作品のアルティメットアーマーは黒色である。

どのゲームにおいてもアルティメットアーマーの性能は折り紙付きで、このアーマーをまとってプレイすると攻略難度がぐっと落ちる。ゲーマーとしては面白くないが、単純にゲーム進行を楽しみたい人にとってはありがたいアーマーで、その性能からかどの作品を通しても人気の高いアーマーである。
注1 セガサターンではBボタンを2回押し、左キーを6回、そしてLRボタンを同時に押して決定すれば出現する。
Ultimate-Armor(究極装甲)
アルティメットアーマーは元々ロックマンX4が発売された時の初回限定版の特典製品であった。初回限定版では、当時ロックマンXシリーズを立体化していたメガアーマーのアルティメットアーマーが付属した。このシリーズはアーマーの着脱を再現したシリーズであり、アルティメットアーマーは単体で組み合わせることで飛行メカになる。このギミックはゲームでは再現されなかったが、公式で設定されており当時コミックボンボンで連載していた岩本氏の漫画でもアーマーの飛行形態が登場する。しかし、アーマーの着脱と合体ギミックを備えていたため、ずんぐりとした体形となっており今の目で見ると非常に厳しいできである。

その後、エックスシリーズはなかなか立体化に恵まれなかったのだが、2011年に入るとD-Artsシリーズでエックスやゼロが発売されていった。この勢いはとどまることを知らず、2013年4月には強化アーマーとしては2番目のアーマーとしてアルティメットアーマーが立体化されることがロックマンユニティで発表された。しかも、裏技の隠し要素であるにもかかわらず、一般販売で発売されることもアナウンスされた。過去のメガアーマーが限定商品だったことを考えると飛躍的な進歩である。

この商品化に際し、カプコン側で新規の設定が描き起こされ、バックパックの詳細なデザインや足の裏のディティールが追加された。こうして新たな設定が加えられたD-Arts アルティメットアーマーは2013年は8月31日に発売された。発売された製品は、これまで同様のクオリティになっている。その詳細を見ていこう。

まず、全身のプロポーションを見てみよう。

D-Arts アルティメットアーマー 前 D-Arts アルティメットアーマー 後
エックス最強のアーマーをクリアパーツで再現!

プロポーションは今までのD-Artsシリーズのそれを引き継いでいるので文句なしのできである。メガアーマーと違い、造形を重視しているため、アーマー単体での飛行形態への変形は再現されていない。その代わり、造形はぴか一でのできで各部のウイングパーツはシャープに造形されている。

D-Arts エックスとの比較

また、元々のエックスの顔の出来は劇中のイメージを完全再現していたため、アルティメットアーマーにおいても顔の造形のレベルは高い。

頭部の造形

これまでと同様、2種類の表情パーツが付属している。今回は目線が右上を向いた叫び顔と目線が左下を向いた通常顔が付属している。

表情パーツ
アルティメットアーマーのイメージイラストを再現するために必要な表情パーツが2つ付属
もちろん前のシリーズとも組み合わせて遊ぶこともできる

装甲はクリアブルーのクリアパーツで再現されており、内部機構を覗くことができる。

腕部内部機構 脚部内部機構
内部機構はシルバーで塗装されており、質感はばっちり

この内部機構もこの商品のために詳細なディティールが描き起こされている。ゲームの中ではクリアのアーマーにだということがわからなかったが、この点もほかのアーマーと一線を画す点であろう。

可動範囲はこれまでのシリーズと同じ素体を使っているため、ゲーム中の動きをほぼ全て再現することができる。ただし、この商品から手首パーツの接続軸が固定化されてしまっている。そのため、前のエックスと比べると手首の可動範囲が狭くなっているのが残念な点である。

手首の軸の比較
D-Arts フォルテと同じく手首の接続軸が固定化されてしまった

これまでの商品と同じく頭部・脚部・腕部は分解することが可能である。通常はすべてそろった状態でアルティメットアーマーが手に入るが、部分的にアルティメットアーマーを装備した状態も再現できる。

他のアーマーと違い、アルティメットアーマーにはバックパックが装備されている。このバックパックの中には翼が収納されており、翼を広げることでエックスは飛行能力を得る。本商品では、機首部分と翼パーツを取り付け、上下を逆にすることでバックパックを展開する。

飛行形態のバックパック
設定上では胸のパーツとバスターの翼がバックパックに集まる

イメージイラストの再現
背中のバックパックを使用すれば飛行することも可能
ただし、ゲーム中では飛行することはできない

この背中のバックパックで飛行できるという設定があるが、ゲーム中では飛行能力は再現されていない。その代わり、ノヴァストライクのときに背中のバックパックが展開される。バックパックのウイングがある分、通常アーマーのノヴァストライクよりも広範囲に攻撃することができるようになっている。

ノヴァストライク
飛行能力が再現されていない分、ノヴァストライクの連射ができるようになっている
ロールオーバーで画像が変わります

エックス最大の特徴であるバスターにはウイングパーツが追加されている。このウイングパーツは飛行形態時のときの翼パーツなのだが、本商品では造形とバランスを重視し、バスター用の翼パーツが付属している。

バスターパーツ側面 バスターパーツ前面
通常のアーマーよりもウイングパーツが追加されている分強力に見えるアルティメットアーマーのバスター

設定では、このアルティメットアーマーのバスターはエネルギーをブレード状に展開することができる。D-Arts恒例のエフェクトパーツはこのブレード状のバスターエフェクトが付属している。このエフェクトパーツを使えば、アルティメットアーマーのイメージイラストが完全再現できる。

ブレード状のエフェクトパーツ
設定上のバスターの形態をエフェクトパーツで再現
ちなみにゲームではこの形態になりません

イメージイラストの再
現
表情パーツと組み合わせれば攻略本などで掲載されているバスター発射シーンも再現することが可能

ちなみに、ゲームでのアルティメットアーマーのフルチャージショットはプラズマチャージショットである。これは、通常形態のエックスのフルチャージショットよりも大きな弾を撃つことができ、敵に当たるとプラズマを3つまで残す。このプラズマに敵が触れると敵はダメージを受ける。ゲームをやっている人間からすると、アルティメットアーマーのショット=プラズマチャージショットなのだが、残念ながらプラズマチャージショットのエフェクトは本商品に付属していない。

他の機能は通常の強化アーマーと同じである。X4ではヘッドパーツが特殊武器のエネルギー消費を軽減させ、通常のショットならばエネルギーを消費することなく発射できるようになる。この機能はあまりにも強すぎるためか、X5以降ではエネルギー消費を軽減する程度に留められている。

フットパーツは、X2以降の伝統であるエアダッシュを可能にし、さらに空中で一定時間ホバリングできるようになる。

ホバリング
滞空時間が縮まってしまうが、ホバリング状態での移動も可能

このようにこれまでのD-ArtsロックマンXシリーズの例にもれず、アルティメットアーマーはかなりの出来栄えで立体化されている。プラズマチャージショットなどのエフェクトは、魂ウェブ限定などでX6の黒いアーマーを出す時などで是非とも補完してほしいものである。また、X4の通常強化アーマーであるフォースアーマーやX2〜X3、X5以降の強化アーマーも是非とも商品化してほしいものである。

Ikaros(イカロス)
コミックボンボンで連載されていた岩本佳浩氏の漫画版でもアルティメットアーマーは出現する。ロックマンX4は岩本版のドラマチックなストーリーをかなり意識し、ゲームの中にも取り入れたという背景があり、その影響を受けてX4のコミカライズも導入部で2話分割くという力の入れようだった。しかし、コミックボンボンの中では人気上位だったロックマンXの漫画は編集部の方針変更のために打ち切りの憂き目に遭ってしまう。アルティメットアーマーはその駆け足展開の中で登場したのだが、そのストーリーは子ども向けとは思えないほど鬱なものである。その様子を見てみよう。

三度Σの脅威から地球を救ったXは、Σとの戦いの中で行方不明になってしまう。Σの要塞の残骸の中にはXの強化アーマーのみが残されていただけであった。

そんな中、海上に謎の無人島が出現し、その島から大量のイレギュラーが発生した。X不在の中、Dr.ケインによって修理されたゼロは、自分の部隊を率いてレプリロイドのみで組織された軍隊レプリフォースと謎の無人島の攻略任務にあたった。

レプリフォースとの共同作戦により、島は見る見るうちに制圧されていく。しかし、そんな中島から封印されていたはずのエネルギー発生装置AX-10が出現した。制御困難なため封印されたこの装置が発動してしまうと、地上はすべて焼きつくされてしまう。

未曾有の危機のが迫る中、レプリフォースの部隊の一人が敢然とAX-10に向かっていった。その防火アーマーを装備したそのレプリロイドは特A級ハンターの一部にしかできない三角蹴りを駆使してAX-10の中への進入を試みる。その様子を見ていたゼロは、一つの結論に達した。ゼロもまたAX-10に突っ込み、自分のバスターの回路を犠牲にしてまで渾身のアースクラッシュを放った。

内部に侵入を果たした謎のレプリロイドは、ついにAX-10の心臓部にたどりつく。内部の護衛メカニロイドを撃破したそのレプリロイドは防火アーマーを解除、中から現れたのは行方不明になったエックスであった。エックスはフルチャージショットで心臓部を破壊、AX-10を完全に破壊した。

こうして鮮烈に復活を果たしたエックスはイレギュラーハンターと合流する。部隊に新たなメンバーであるダブルを加え、エックスは新たな脅威に立ち向かっていくのだった。

Strength(力)
AX-10を破壊した後、エックス帰還の祝賀パーティーが執り行われていた。そのパーティーの中、巨大メカニロイドが都市を襲う!エックスとゼロは現場に急行し、その巨大メカニロイドを撃破した。街を襲ったメカニロイドの残骸から、先の作戦で共同戦線を張ったレプリフォースのパーツが発見され、レプリフォースに疑いがかけられた。

イレギュラーハンターはレプリフォースに武装解除を迫ったが、軍人の誇りを持つレプリフォースは武装解除を拒否。さらにレプリフォース総司令官のジェネラルはレプリフォースの独立を宣言し、イレギュラーハンターに宣戦布告を行うのだった。この独立宣言を受け、イレギュラーハンターはレプリフォースすべてをイレギュラーと断定、討伐作戦に乗り出した。レプリフォースに友人のカーネルがいるゼロはこのハンター司令部の判断に納得がいかず、イレギュラーハンターを離反、単独行動を取るのだった。ゼロを欠いた中、エックスはレプリフォース討伐の任に当たる。

エックスはカギキラジャングルでレプリフォースの隠密部隊長であるウェブスパイダスを、閉鎖された研究所で暴走する謎のイレギュラースプリットマシュラームを撃破した。エックスは続いて、氷に閉ざされた地域に存在する基地を預かるフロスト・キバトドスの討伐に乗り出した。

ゲーム版ではそんなに強くないボスであるキバトドスであったが、漫画版のキバトドスはかなりの強敵として描かれており、エックスと行動を共にしていたフローズンバッファリオを完全に破壊してしまう。バッファリオを殺されたエックスは、そのショックと今までのボスを倒してきた罪悪感から精神に異常をきたし始めていた。

エックスはフル装備のライドアーマーで再度キバトドスに挑む。ライドアーマーは破壊されたものの、備え付けられた高純度エネルギータンクを利用し、キバトドスを丸焼きにしたエックスだったが、キバトドスは倒れなかった。キバトドスはエックスを捕まえたが、エックスの窮地に総司令官のジェネラルが現れ、キバトドスを一撃で吹き飛ばしてしまう。軍の命令と規律をを守らず、残虐な行為に及んでいたキバトドスを総司令官自らが粛清したのだった。

そのジェネラルの圧倒的な力の前に、エックスは自らのバスターを砕き、行方をくらませてしまう。

Running(疾走)
一方、単独行動をとっていたゼロはレプリフォースの幹部レプリロイド、ジェットスティングレンを倒していた。しかし、スティングレンとの戦いで重傷を負ったゼロは、カーネルの妹レプリロイドであるアイリスに救助されていた。ゼロはアイリス達レジスタンスと行動を共にし、サイバー空間でサイバークジャッカーを撃破する。しかし、その戦いに巻き込まれたアイリスはクジャッカーのコンピューターウィルスに冒されてしまう。

彼女の命を救うため、レプリフォースの補給列車をゼロは急襲する。その輸送列車を預かるスラッシュビストレオが彼女を救うためのワクチンプログラムを持っていたのだった。ゼロは輸送列車の猛攻を傷を負いながらもかいくぐっていく。

ゼロが輸送列車を進む中、ビストレオの前に究極のアーマー、アルティメットアーマーをまとったエックスが現れた。エックスはカギキラジャングルに隠されていたカプセルに入り、Dr.ライトからアルティメットアーマーを入手したのだった。しかし、ライトは力を求めるエックスに警告を出していた。

アルティメットアーマーをまとったエックス
Dr.ライト「そのアーマーは未完成じゃ。その絶大な力は敵とともに己も死に導きかねん
できることなら使用せんで欲しい。諸刃の剣となる可能性を秘めた危険なものじゃ!」

Dr.ライトのその言葉の通り、アルティメットアーマーの威力は絶大だった。エックスはアルティメットアーマーの力でビストレオを一瞬にして粉砕、かけつけたゼロの前には粉々になったビストレオの残骸が広がっていただけであった。

ゼロの前に現れたエックスは、レプリフォースの旗を燃やしながらゼロに語りかける。

鬼の表情をしたエックス
俺の邪魔をするのなら君でも殺すよ。

そう言い残すとエックスはアルティメットアーマーの飛行能力でその場を飛び去って行った。普段の優しい穏やかなエックスからは想像できないその発言にゼロはショックを受ける。

ここまでが、当時の単行本に収録された話である。この辺りで漫画の打ち切りが決まったのか、この続きの2話分は当時の単行本に収録されなかった。コミックボンボンの単行本ではよくある現象なのだが、一時は人気を誇ったはずの漫画であるにもかかわらず急な編集部の路線変更によりしまらない終わりとなってしまった。しかも、この段階で8大ボスの内、2体を残していたが、この2体のボスはたった1コマ残骸をさらすだけの登場に終わった上に、Σも倒さずに俺たちの戦いはこれからだエンドに終わってしまった。なんとも駆け足な展開に当時の読者は閉口したものだった。

Fate(運命)
この話の続きは、2005年にブッキングから単行本が復刻されて初めて収録された。しかも、岩本氏直々に15ページの描き下ろしの追加ページが施され、残骸をさらすだけに終わったストームフクロウルマグマードドラグーンの戦いが描かれた。

フクロウルに圧倒的な力で追い込み、容赦なく止めを刺したエックスの前に、ドラグーンが現れた。ドラグーンはエックスとの真剣勝負を望んでおり、アルティメットアーマーのエックスと互角の戦いを繰り広げていた。ドラグーンはエックスの戦いを「怯え」と断じ、必殺技であるノヴァストライクも受け止めてしまう。

彼の言葉に一時的に正気を取り戻したエックスは、涙を流しながらフルチャージショットを放つ。そのチャージショットはドラグーンの攻撃をかき消し、ドラグーンの体を真っ二つに砕いた。

チャージショットを放つエックス
エックス「ドラ・・・グーン!!」

マグマードドラグーン「天は我につかの間の伝説を与えたかっ!!」
ロールオーバーで画像が変わります

こうして、レプリフォースの主要隊長を撃破したエックスはその場にへたり込んでしまう。その目には涙が浮かんでいた。

フクロウルの部隊のコンピューターからレプリフォースの本拠地の場所を突き止めたエックスは宇宙空間に建設中の最終兵器、デスフラワーに向かった。地上に攻撃するためにデスフラワー内部ではエネルギーの充電が始まっていたが、エックスはアルティメットアーマーの力でジェネラルを下した。

アルティメットアーマーをまとっているとはいえ、強敵であるジェネラルとの戦いでダメージを負っていたエックスの前に謎のレプリロイドが現れた。目の前に現れたそのレプリロイドをエックスは見境なく攻撃する。そんな彼を前に、そのレプリロイドの顔がエックスの部隊の隊員であるダブルの物に変化した。その姿に動揺したエックスは、ダブルの攻撃を受けてしまう。

ダブルは嘲笑いながらエックスに真実を打ち明けた。これまでのレプリフォースとの戦いは、4度復活を果たしたΣが影で糸を引いて勃発した戦いであった。Σは人類抹殺のために、レプリフォースに濡れ衣を着せジェネラルに革命をそそのかせたのであった。そして、ダブルはエックスの「優しさ」という弱点をつくために送り込まれたスパイだったのである。

真実を知ったエックスは目に涙を浮かびながら渾身のノヴァストライクを放った。その威力は軽々とダブルの流体金属を引き裂いた。

ノヴァストライクを放つエックス
ダブル「なんだ・・・このパワーは・・・。俺の体が・・・引き・・・裂かれた・・・?」

引き裂かれたダブルの体から、こぼれおちたコアパーツをエックスはバスターで連射する。そんな折、ボロボロになっていたジェネラルが目を覚まし、怒りを押さえられないエックスを抱きとめた。ジェネラルに抱きしめられたエックスは、気持ちが落ち着いていき暴走を止めた。

ジェネラルはエックスに敬礼をすると、デスフラワーの中心部へと向かい自爆、デスフラワーのデスシード砲の発射を身を呈して防いだ。その爆発の閃光に巻き込まれる中、エックスは自分の過ちを悔いていた。

「バカだな俺・・・全然成長していないよ・・・。何度も同じあやまちをしてこれからも繰り返すのかな?・・・そんなのは嫌だ!同じ過ちを繰り返すなんて!!だから決着を付けよう・・・あいつと一緒に・・・。」

閃光を浴びてエックスのアルティメットアーマーはエックスの心の浄化を表すかのようにフォースアーマーに変化していく。正気を取り戻したエックスは、デスフラワーに同じく潜入していたゼロと合流、二人でΣに立ち向かうことを決意し漫画版の『ロックマンX』シリーズは完結したのだった。

懐かしい未来への扉をみんなの力で開きに!!

新しいイカロス神話は太陽を落としてしまうのさ・・・。(D-Arts エックスのコラムへ)

あの時!あいつのために泣けなかったんだよ!!(D-Arts ゼロのコラムへ)

自分の部下を殺す奴が最期には命乞いまでした・・・。みっとも無い。(もどる)