SDX サタンガンダム

発売元:バンダイ SDXシリーズ

定価:4935円(税込)


SDX サタンガンダム
「三種の神器さえ手に入れば、ラクロアの支配など容易い事・・・
それどころか、スダ・ドアカさえ、この手中に収めて見せる!!」

決戦〜勇者VS魔王・前編〜
三種の神器のうち、【力の盾】【炎の剣】を手に入れた騎士ガンダムは、さらわれたラクロア王国の姫、フラウ姫を助け出すため、ジオンの魔王・サタンガンダムの拠点・ドラゴン城に挑む。しかし、サタンガンダムの狡猾な罠にはまり、空中へ浮上したドラゴン城から放逐されてしまう。もう少しで地面と激突というその危機を救ったのは、僧侶ガンタンクと彼が連れて来た天馬・ホワイトベースであった。ホワイトベースの背の上で仲間との再会を喜ぶ騎士ガンダムは、再びドラゴン城へと挑む。

立ちはだかるジオンのモンスター軍団を仲間たちに任せ、騎士ガンダムはサタンガンダムとの一騎打ちに臨む!

サタンガンダムとの、一騎打ちだ!
サタンガンダム「三種の神器のうちの一つ、炎の剣は騎士ガンダム、力の盾はわしの手に・・・。

ぶつかり合う二つの神器
サタンガンダム「剣が強いか!? 盾が強いか!? 神器のやつも困ってるだろうぜ!」

騎士ガンダムの斬撃を力の盾で防いだサタンガンダムは、騎士ガンダムに対し魔法で攻撃を繰り出す!

サタンガンダムの攻撃!
サタンガンダム「ジオン魔法、電衝爆(でんしょうばく)!」

騎士ガンダム「ぐわぁっ!!」

一方、騎士アムロたち仲間は、モンスター軍団を退け、フラウ姫の救出に成功していた。かつてフラウ姫に変身した魔道士ララァに騙された経験から、また偽者ではないのか疑う戦士ガンキャノンであったが、今回は紛れも無く、フラウ姫本人であった。唯一魔法を使える僧侶ガンタンクは、城全体に漂う、異様な魔力を感じ取っていた。

サタンガンダムは騎士ガンダムに、再び魔法による攻撃を繰り出していた。

騎士ガンダムの疑問
サタンガンダム「もう一息だ! MS族の堅い装甲でも、同じところに打ち込まれれば、穴もあく!」

騎士ガンダム「サタンガンダムが魔法を・・・! おまえは何者なんだ!? サタンガンダム!」

『ガンダム一族は代々、騎士の一族。剣に優れた者はいても、魔法使いはいない!』 と言う騎士ガンダム。そんな騎士ガンダムに対し、サタンガンダムはさらに電撃を放つ。サタンガンダムは騎士ガンダムの懐から零れ落ちた石板を奪おうとする。

石板だ!
サタンガンダム「石板だ!」

石板を、渡すものか!
「騎士セイラが命懸けで守り抜いた石板を・・・渡すものか!」

仲間たちが命懸けで守り抜いた石板を渡すまいという一心で、騎士ガンダムはサタンガンダムに【炎の剣】を投げつける。が、サタンガンダムが持つ【力の盾】に弾かれてしまう。

弾かれる【炎の剣】
「馬鹿め! 【力の盾】があるのを忘れたか!」

ロールオーバーで画像が変わります

【炎の剣】を奪おうと、手を伸ばすサタンガンダムであったが、サタンガンダムが手を触れることを拒むかのごとく、剣が宙を舞い、激しい閃光を放つ!

炎の剣が放つ閃光
「うわぁーッ!?」

決着@
サタンガンダム「目・・・目が・・・! ナ、騎士ガンダムはどこだ!?」

騎士ガンダム「【炎の剣】は己の主を選ぶ! 主は・・・俺! 騎士ガンダムだ!」

高く飛び上がり、【炎の剣】をキャッチした騎士ガンダムは、剣をサタンガンダムの脳天に突き刺す!

脳天を貫かれるサタンガンダム
ズンッ!!

サタンガンダム、打破!!

この一撃で、サタンガンダムとの戦いに終止符が打たれた、かに見えたのだが・・・?

悪に堕ちたガンダム
近年のRPGなんかでは、物語の最後の敵といえば、【復讐等の諸事情により世界を滅ぼそうと企むキ○ガイ】や、【神クラスの敵、あるいは神そのもの】であったり、【人類の行いが引き金となって生まれた(復活した)人災的な何か】であるのがほとんどで、つまり、「主人公が必死に守ろうとする、人類にも反省すべき愚かしさがあるのさー♪」と諭す、小難しい意味を持つ敵が主流であったりする。

しかし、一昔前のRPGでは最後の敵といえば、【純粋に世界征服を企む、悪の化身(魔王)】というのがほとんどであった。今でも、『ドラゴンクエスト』なんかは割と悪の魔王が敵だったりするけど。

某大作RPG風に、【剣と魔法の世界】が舞台の『SDガンダム外伝』でも、その辺りは変わりなく、ジオンの魔王・サタンガンダムは、『〜外伝 ラクロアの勇者』における、ラスボス(最後のボスキャラ)であり、その目的は、ズバリ世界征服という、如何にもステレオタイプな魔王なのである。ジオン族にはジークジオンという盟主がおり、如何に魔王と呼ばれていようが、サタンガンダムの立ち位置はじつは中間管理職だったりするのだが・・・。

数多く存在するバトルもののマンガなんかでは、えてしてラスボスよりも中ボスの方が主人公とライバル的な関係でいたりして、作中での待遇が良かったりするもの。サタンガンダムもその例に漏れず、騎士ガンダムにとってはライバルともいえる存在なのである。

と、いうわけで、今回は騎士ガンダムのライバルである、SDX サタンガンダムを紹介しよう!

サタンガンダム正面 サタンガンダム背面
ボディ全体を覆うローブで着膨れしている感のあるサタンガンダム。

サタンガンダムの時は腰の尻尾は取り外すということらしいですが、
昔のSDガンダムのプラモデルでも尻尾はそのままだったので、これはこれでアリという方向でよろしくお願いします。

『外伝』の舞台、スダ・ドアカワールドでのガンダムとは、平和を愛するユニオン族の勇者の一族として伝説に語り継がれる存在であるのだが、サタンガンダムはユニオン族と敵対関係にあるジオン族の魔王。騎士ガンダムとは真逆の存在である。

SDX フルアーマー騎士ガンダムのコラムでも触れたとおり、本来、騎士ガンダムとサタンガンダムは、頑駄無真悪参ガンダムマークスリーという一人の武者頑駄無であった。真悪参がスダ・ドアカへと転移させられた際、神の一柱であるスペリオルドラゴンが現世に顕現するため、依代として彼の身体に憑依、騎士ガンダムとなった。

一方で身体を追い出された悪の心は、たまたま近くを取り掛かったドラゴンに憑依。衰弱しきっていたところを盟主・ジークジオンに操られ、サタンガンダムになったという設定である。騎士ガンダムとサタンガンダムはまさしく光と影、表裏一体の存在なのである。

SDガンダムならではの遊び心というわけで、表情を表す彩色済みの目のパーツが今回も複数付属する。今回はブリスターが収納ケース風になっていた騎士ガンダムの時とは違い、ランナーから切り離すようになっている。

何かを見つけ、目を逸らし、やっぱり驚くの図
交換用の目のパーツは、デフォルトで装着されているものを除き、サタンガンダム用が3個付属。

ロールオーバーで画像が変わります

サタンガンダム時に使用する表情を表す目のパーツは、デフォルトで装着されている、正面を向いている目以外に、左右を向いている目が各一個ずつ、驚いた表情の目が一個付属する。

SDXのウリの一つであるギミックとして、今回のサタンガンダムは真の姿へ変身させることが可能となっている。変身ギミックについては、以下に後述するとしよう。

決戦〜勇者VS魔王・後編〜
サタンガンダムを撃破した騎士ガンダムの元に、フラウ姫を救出した仲間たちが合流した。浮上したままのドラゴン城の真下に広がるのは火山脈。天馬・ホワイトベースがいなければ、帰ることは出来なかったと安堵する仲間たち。一行はラクロア王国へ帰ろうとするが、その時、騎士ガンダムは神器が消えている事に気が付いた。仮面をつけた騎士・シャアに、神器と石板が奪われていたのである! シャアはセイラに、石板のかけらを渡すように強要する。

血を分けた実の兄までもが世界征服の野望に囚われているという事にショックを受けるセイラ。その時、セイラの脚を何者かが掴んだ!

「神器はわしの物・・・このサタンガンダムの物だ!」 サタンガンダムが生きていた事に、騎士ガンダムは驚きを隠せない。さらに、サタンガンダムが巨大化し、恐ろしい姿へと変身しはじめた!

羽・右
「あれしきの事で殺られるサタンガンダム・・・、」

羽・左
「いや!」

ブラックドラゴン、参上
ブラックドラゴン「ブラックドラゴンではないーっ!!」

騎士ガンダム「ブラックドラゴン!? サタンガンダムの真の姿か!」

騎士セイラを人質に取り、ブラックドラゴンは騎士ガンダムらに三種の神器を渡すよう脅迫する。

シャアから神器を取り戻した騎士ガンダムは、単身、ブラックドラゴンに戦いを挑もうとする。

セイラは俺が助ける!
「神器を返せ、シャア! セイラは俺が助ける!!」

だが、シャアはこれを制止。三種の神器が全て揃わなければ、ブラックドラゴンは倒せないのだと言う。最後の神器の手がかりである石板のかけらはセイラが持っており、神器を揃えることはかなわないのである。

と、思ったら、石板のかけらは騎士アムロが、セイラから預かっていた!

石板を揃えてくれ!
シャア「石板を揃えてくれ! 騎士ガンダム、【力の盾】と【炎の剣】の星を、石板に近づけるんだ!」

騎士ガンダム「何をする気だ・・・?」

シャアの言うとおりに、完成した石板に神器を近づけると、石板が三種の神器、最後の一つ・【霞の鎧】へと姿を変えた!

三種の神器・装着!
「騎士ガンダム、三種の神器装着! ブラックドラゴンと対決だ!」

神器に見惚れるブラックドラゴン
ブラックドラゴン「おお、鎧、盾、剣・・・! まさに三種の神器! ぞくぞくする美しさだ!!」

ホワイトベースの背に乗り、騎士ガンダムはブラックドラゴンに戦いを挑む。騎士ガンダムはセイラを助け出すため、ブラックドラゴンの左腕に狙いをつけるが、【炎の剣】がブラックドラゴンに弾かれてしまう! さらに、ブラックドラゴンのブリザードブレスを受け、騎士ガンダムは氷漬けにされてしまう! 僧侶ガンタンクによると、三種の神器が、真の力に目覚めていないのが、その原因なのだという。

騎士アムロは、石板の文字は嘘だったのか?と、石板に刻まれていた文字を呟く。その時、騎士ガンダムを封じ込めた氷に、僅かに亀裂が走った! その瞬間を見逃していなかったフラウ姫は、ある事に気が付き、アムロから石板の文字を聞き出すと、仲間たち全員に石板の文字を唱えるよう指示する!

騎士ガンダム、復活!
選ばれし者の許に・・・三つの星が集う時・・・大いなる力が・・・十の分身を・・・生むだろう!

ブラックドラゴン「な、なんだーッ!?」

フラウ姫「騎士ガンダムが、大いなる星に・・・! 石板の文字は、神器を目覚めさせる呪文だったんだわ!」

真の力に目覚めた神器が、騎士ガンダムを氷漬けから解放し、更なる変化を騎士ガンダムにもたらす!

10倍の大きさになった〜ッ!
ブラックドラゴン「騎士ガンダムが巨大に・・・! 10倍の大きさになった〜ッ!?」

巨大化した騎士ガンダムは、ブラックドラゴンの左腕を切り落とし、セイラを救出する。ブラックドラゴンはブリザードブレスで反撃を試みるが、力に目覚めた神器をまとう騎士ガンダムには通用しなかった!

力の差を見せ付ける騎士ガンダム
「無駄だ、ブラックドラゴン。お前も神器の言い伝えを聞いたことがあるだろう・・・。」

ブリザードブレスがはじかれた・・・!
騎士ガンダム「三種の神器を持つ者は、地を治める事も、覆す事も・・・」

ブラックドラゴン「ブリザードブレスが、跳ね返された・・・!」

騎士ガンダムはブラックドラゴンに対し、最後の一撃を放つ!

最後の一撃!
騎士ガンダム「星を動かすこともできる・・・と!

俺はジオン族に壊された平和を、ラクロアに取り戻す!!」

最後の力を使い、騎士ガンダムから【炎の剣】を奪ったブラックドラゴンは、剣を刺したまま、火口へと落下していった。

剣を刺したまま落下するブラックドラゴン
ブラックドラゴン「このままでは、終わら・・・ぬ・・・」

騎士ガンダム「ほ、【炎の剣】を、刺したまま・・・」

苦しい戦いの果てに、ブラックドラゴンを倒した一行は、道中で身も心も鍛えなおすため、修行の旅に出ると言う騎士アムロと別れ、平和を取り戻したラクロア王国への帰路につく。だが、一行を待ち受けていたのは、【伝説の巨人】という何者かによって破壊し尽くされ、瓦礫の山と化したラクロアの城下であった・・・。

果たして【伝説の巨人】とは何者なのか? 騎士ガンダムの戦いは終わらない・・・。

〜to be continued?〜


サタンガンダム、恐怖の正体!
やっとの思いで倒したはずのボスキャラが、「フハハハッ! 私の真の力は、この程度ではないぞーッ!!」とばかりに、真の姿やら第二形態やらに変身するのは、RPGでは割とよくある話。そのお約束にのっとり、サタンガンダムも真の姿に変身する。

開くローブ
ローブが真ん中で開き、

ロールオーバーで画像が変わります

現れる尻尾
隠されていた尻尾が現れ、

ロールオーバーで画像が変わります

羽・右  羽・左
ローブが上下にスライドし、羽に変形。

ロールオーバーで画像が変わります

起き上がる肩アーマー
肩アーマーが起き上がり、

ロールオーバーで画像が変わります

開く頭
頭が開き、巨大化した脳(?)が姿を現す。

ロールオーバーで画像が変わります
(※ヘルメットは差し替えとなっています。)

目つきの変化
最後に目が赤くなり・・・。

ロールオーバーで画像が変わります
(※これも差し替えです。本当はヘルメットを差し替えるときに、一緒に交換します。)

ブラックドラゴン
ブラックドラゴンへと変身を完了する!

ブラックドラゴン正面 ブラックドラゴン背面
ローブの上下をスライドさせる事で、ちゃんと羽っぽく見せているところが素敵です。

何故に魔王の真の姿がドラゴンとなるのか、それはキャラのモチーフがドラゴンクエスト(T)のラスボスである、【りゅうおう】から来ているからだと思われる。『外伝』シリーズはたまに、キャラクターのモチーフをガンダム以外の作品から持ってくることもある。サタンガンダムは、その例の一つであるといえる。

魔王は主人公よりもガタイが大きいもの、というわけで、フルアーマー騎士ガンダムと並べると、割と大きさに差がある事に驚かされる。

大きさ比較
翼やヘルメットで大きく見えているというだけではなく、実際に騎士ガンダムより大きくなっている。

ブラックドラゴンの弱点と言われている胸の星は、カードダスや昔発売されていたBB戦士では六芒星となっていたのだが、宗教的な理由から、十字星が交差したデザインに改められている。本来のデザインである六芒星が欲しい場合は、BB戦士のサタンガンダムから移植すれば良いとの事だが、思いのほかしっかりと接着されているので、塗装が剥がれたりする恐れもあることから、あまり無理はしないほうがいいかもしれない。

ブラックドラゴン用の目は正面を向いたものと右を向いているものが付属。残念ながら左を向いているものは付属しない。

ブラックドラゴン・目
周りが赤くなっているだけでなく、トカゲみたいに瞳孔が縦に割れている。

剣は使わず、魔法で攻撃するサタンガンダム/ブラックドラゴンは杖を装備する。

ブラックドラゴンの杖
サタンガンダムに付属する武器。蛇(の様なもの)がまとわり付いているようなデザインの杖。

軟質樹脂製でグニャグニャなのが、少し気になります。持ち手は左右両手が付属するので、どちらにも持たせられます。

この杖はブラックドラゴンらドラゴン族に伝わる神器であるらしく、杖に込められた魔力を使えば肉体が滅びたブラックドラゴンも蘇生できるということで、『伝説の巨人』編ではこの杖を巡り争奪戦が繰り広げられたというシロモノである。

サタンガンダムとゆかりのあるキャラクターである、ドラゴンベビージム・ヘンソンJr'のフィギュアも付属。

サタンガンダムの息子(?)とよその子
右:ドラゴンベビー

左:ジム・ヘンソンJr'

ドラゴンベビーはカードダスやコミックボンボンのマンガ版ではブラックドラゴンの息子として描かれているが、OVA版では「騎士ガンダムに胸の星を貫かれ、一時的に力を失った姿」として描かれている。騎士ガンダムとの戦いを経て、魂は戦士ガンキャノンの身体に憑依し、肉体は力を失いドラゴンベビーとして再生した、というのが本来の設定であるらしい。魂を失い、蘇生した肉体に別の魂が宿った事で、サタンガンダムの事を父上と呼んでいるのである。

一方のジム・ヘンソンJr'は、ラクロア王国にお住まいの、ジム・ヘンソン一家の長男坊。ジム・ヘンソン一家は、先祖は『聖機兵物語』編に登場した【聖機兵 ガンレックス】の最初の操手(パイロット)・インディアで、『伝説の巨人』編では崩壊したラクロアを逃れ、砂漠を彷徨っていたら騎士ガンダムに助けられたり、また、Jr'は騎士ガンダムにあこがれ、後に騎士アムロが団長を務めるラクロア騎士団に入隊するなど、なにげに騎士ガンダムや、物語本編と関係が深いキャラクターの一人である。

ジム・ヘンソンJr'がなぜ靴下を手に持っているのか、その理由は以下に後述するとしよう。

相変わらず単価は高いが、それに見合うだけの満足感があるSDXシリーズ。今回もなかなか満足のいく、濃い内容だったと思う。

フルアーマー騎士ガンダムとサタンガンダムを買っちまったら、次はコイツも買うしか!ってわけで、次回発売のコマンドガンダムはスルーして、その次に発売されるスペリオルドラゴンにも期待したいと思う! また、さらにこの次には騎士ガンダムの最終形態・バーサル騎士ガンダムも発売されるという。こうなってくると、対するサタンガンダム側も最終形態であるネオブラックドラゴンが発売されるのか、興味が尽きないところである。・・・いや〜、ドップリはまっちまったモンだなぁ〜・・・。

ラクロアの勇者・外伝〜ジム・ヘンソンJr'の大冒険?〜
今とは違う時代。スダ・ドアカワールドと呼ばれる世界。この世界の平和は魔王の軍勢の侵攻により、今や風前の灯ともいえる惨状であった。その魔手は、ラクロア王国にまで及ぼうとしていた。

国の大人たちは、いつ魔王がやってくるかと、怯えるばかり。しかし、ここに小さな勇者がいたのです!

ジム・ヘンソンJr'
「サンタガンダムかぁ、どんな人なんだろう・・・。」

・・・その、なんと言いますか、この少年。魔王の名前、タンガンダムを、ンタガンダムと、聞き間違えていたのでした・・・。

そんな間違いに気付くことも無く、少年はサンタクロースのプレゼントをもらうための靴下を持ち、旅に出ます。野を越え、山を越え、谷を越え、遂に少年は魔王の城へと辿り着きました。

城内では魔王親子がなにやら悪巧みをしている最中でした。

親子の団欒?
サタンガンダム「ベビーよ、クリスマスのプレゼントは何が欲しい?」

ドラゴンベビー「んーっとね、ラクロアおうこくのはんぶんがほしい!!」

サタンガンダム「流石は我が子。よーし、パパ頑張っちゃうぞ♪」

と、そこへ、一人の少年がやってきます。

魔王と少年
ジム「ねぇねぇ! おじさん、サンタさんなんでしょ!」

サタンガンダム「へ!?」

ジム「だって、みんな言ってたよ。『サンタガンダムが来る』って!」

サタンガンダム「わ、私はサタンガンダムだ!!」

魔王は、自分が【世界の支配を企む、邪悪な魔王】である事を、少年にもわかりやすいよう、懇切丁寧に説明しますが、少年は全く信用してくれません。

業を煮やした魔王は、真の姿・恐ろしいドラゴンの姿へと変身して驚かせてやろうと企みますが、

魔王と少年A
ジム「すごいや、おじさん! ドラゴンにも変身できるんだね!!」

ブラックドラゴン「えー・・・。」

少年は全く動じません。それどころか、いっそう尊敬されているような気が・・・。

観念した魔王は、少年と【クリスマスには必ず少年の家に行く】と約束します。少年は満足して帰っていきました。

魔王と少年〜別れ〜
ジム「おじさーん! バイバーイ!!」

ブラックドラゴン(ヤレヤレ、やっと帰ったか・・・。)

少年は魔王との約束を信じて、ずっとその日を待ち続けていましたが、魔王が再び少年と会うことはありませんでした。魔王は少年が帰ったその後に、勇者によって倒されてしまったのでした・・・。

めでたし、めでたし?

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