ROBOT魂 斬月暁(直参仕様)

バンダイ ROBOT魂(SIDE KMF)シリーズ

定価 各3675円


ROBOT魂 斬月&暁(直参仕様)
新生黒の騎士団のエース機がROBOT魂に同時登場!

奇跡の軌跡ミラクルルーカス
黒の騎士団は、当初こそ弱小なレジスタンスグループだったものの、ゼロが合流し戦果を上げていくことで、各地のレジスタンスグループを吸収し、確実に勢力を伸ばしていった。特に、日本最大のレジスタンスグループだった日本解放戦線のメンバーが合流したことは大きい。
今回は彼らが二期で乗るようになったナイトメア、斬月暁(直参仕様)の紹介を行う!

日本解放戦線のメンバーの中で特に戦闘面での要は、藤堂鏡志郎である。彼は、ブリタニア軍の日本侵攻の際、ナイトメアフレームのない状況でブリタニアに勝利したことの有る名将である。この日本側の白星は厳島の奇跡と呼ばれ、彼が奇跡の藤堂と呼ばれるゆえんである。彼は、スザクの武術の師でもあり、指揮能力だけでなく戦闘能力も非常に高い。

日本解放戦線がブリタニア軍によって壊滅させられたあと、藤堂はブリタニア側に捕らえられてしまうが、ゼロによって救出され直属の部下である四聖剣とともに黒の騎士団に入団する。その手腕の高さから、団員たちからの信頼も厚く戦闘でのリーダー的な位置づけを確立している。

ブラックリベリオンの際に、再びブリタニア軍に拘束されてしまうが、ゼロによって他の団員たちとともに救出される。その際、ゼロの裏切りに対して憤る団員たちが割れてしまいかけたが、彼の「ゼロの力がなければブリタニアと戦えない」という一言で見事に分裂しかけた団員たちをまとめることに成功する。

藤堂の乗る新型ナイトメアの斬月は劇中での登場は遅く、9話からの登場となった。中華連邦の党首である、天子とブリタニアの第一皇子オデュッセウス=ウ=ブリタニアの婚姻の儀の妨害作戦に投入された。その際、スザクの乗るランスロット・コンクエスターと一戦交えている。

まず、要人達がまだ残っている朱禁城を背後に回した位置に立ち、高出力兵器であるハドロンブラスターを封じた。

朱禁城をバックにけん制する斬月
藤堂「撃てるかな?この位置取りで!」

スザク「く、朱禁城を・・・。」

これにより、得意の格闘戦に持ち込ませた藤堂は、斬月の剣に仕込まれたブースターを利用した奇襲攻撃である陰の太刀で、ランスロットのフロートを破壊することに成功する。

陰の太刀
藤堂「陰の太刀・・・」

スザク「フロートぐらいで!!」
ロールオーバーで画像が変わります

斬月は、登場から最終決戦まで使用され要所要所の戦いで戦果を上げている。まさに藤堂は黒の騎士団の要といえるであろう。

「行くぞ、ギルフォード!うおおおおおお!!」・・・という夢を見た
さて、登場の遅かった斬月であるがオープニングでは早々と登場していた。藤堂はギルフォードとライバル関係にあるということで、彼の乗る銀色のヴィンセントとトウキョウのゲットーで激突するという格好いい絵が放送され、期待を寄せたのだが・・・。

激突!斬月vsヴィンセント
宿命の対決!藤堂vsギルフォード!!

しかし、蓋を開けて本編が進行していくと、一切このような対決は実現しなかった。そもそも、黒の騎士団が中華連邦に戦いを移したことにより、ゲットーでの戦いというものは全くあるわけなく、当のギルフォードも全体的には出番が少なかったため、この対決はついぞ実現しなかった。

また、13話から新展開に移るということでオープニングが一新されたのだが、そこでの斬月単独の絵は、謎の空中に浮かぶ塔に突撃するものだった。

謎の塔に突っ込む斬月
ブースターフルスロットルで突っ込む斬月!

後に、この塔はシュナイゼルが建設させた超巨大空中要塞ダモクレスであることが明かされたが、黒の騎士団はこのとき、ゼロを見限りシュナイゼルと手を組んでいたので、オープニングのような対決構図は全くなかった。

このように、オープニングの映像で放送されたのに全く本編ではそれに準じたシーンが全くないことをオープニング詐欺と呼ぶ。ギアスでは、この斬月がオープニング詐欺を連発していたわけである。

やはり行けるな、このROBOT魂なら・・・
1期の頃、藤堂は黒い月下を使用していた。月下は紅蓮弐式の量産機的な位置づけのナイトメアだったが、彼の登場する月下は黒いカラーリングに、頭部に赤い毛髪が追加され、この毛髪パーツにより通信機能が強化されている。

そして、後継機の斬月はこの月下の雰囲気を見事に継承したもの・・・というよりも体はほとんど一緒なのである。

斬月 前 斬月 後
月下の頭部を変更して胸にプレート状のパーツを付ければそのまま斬月となる

胸の部分にプレート状のパーツが追加されている以外はボディの変更点はない。頭部パーツは、月下のときはのっぺりした印象を与えていたが、角が左右に追加されたことにより、より鋭角的なものとなっている。

武装は、胸部にスラッシュハーケンを装備し、肩口に内蔵式のバルカン砲が、頭部の角は展開することで輻射波動を利用した輻射障壁を展開する機構が追加された。更に、月下の時代から装備している制動刃吶喊衝角刀を引き継いでいる。この剣は、通常の回転刃刀よりも大型化されており、柄の部分にスラッシュハーケンが、刃の部分にブースターが装備されている。ランドスピナーで走行するときは、このブースターを使用して高い機動性を発揮することが可能。更に、剣を振り回すとき加速させることで、威力を上げたり急激な切り替えし攻撃を行ったりすることができる。

ブースターで加速する図
加速するときは、このようなポーズを取ります。

プラモデルの展開が薄かったため、斬月がプラモデルで商品化されることはなかった。番組終了後、B-CLUBから、プラモデルと同じスケールで組み立て式のガレージキットで発売されたことがあったが、ガレージキットの性質上非常に敷居の高いものとなっている。また、この製品には飛翔滑走翼が付いていないのも残念な点である。また、一番くじプレミアムの賞品としても立体化されたことがあったが、これは非可動式でしかもSDにデフォルメされたものだったのである。

しかし、これらが出る頃には新ブランド、ROBOT魂がアナウンスされており、斬月が発売されることは周知のものとなっていた。というわけで、いやがおうにも期待が集まっていたが、その期待を全く裏切ることはない、文句のないできばえとなっている。

ROBOT魂 斬月 前 ROBOT魂 斬月 後
飛翔滑走翼を標準装備したROBOT魂 斬月
劇中のイメージを完全再現!

紅蓮弐式や月下の流れを汲む黒の騎士団系のナイトメアの特徴をよく捉えて立体化されている。手の長さがブリタニア製のナイトメアと比べて長く、全身像は異形の人型となっている。プロポーションのほうは、設定画よりも劇中のイメージにあわせて造型されており、設定画と比べて手足が大型化されている。

可動範囲も幅広く設定されており、アクション性能は高い。頭部の髪の毛の接続パーツにも可動軸が設けられており、ポーズにあわせて表情をつけることが可能となっている。この髪の毛パーツが動きのアクセントになるので、上手く動かせば躍動感の有るポーズが楽しめる。このパーツは、奥まできっちり差し込まないと、ポロポロ取れてストレスとなるので注意しよう。

膝の関節パーツは二重構造となっており、これで劇中で見せた正座した状態も再現することが出来る。

正座状態
格納庫にいるときは、よくこのようなポーズを取っていました

武装は、制動刃吶喊衝角刀と肩口のバルカン砲が付属している。バルカン砲は、肩の装甲パーツを差し替えることで再現されている。

肩口のカバー バルカン砲
バルカン砲は差し替えで再現

制動刃吶喊衝角刀も見事なできばえなのだが、カラーリングに違和感があると感じる人がいると思う。というのも、制動刃吶喊衝角刀は刃の部分を回転させると、黒くなり劇中ではもっぱらこの状態だったのだが、製品版では色がそのままだからである。尚、柄の部分に内蔵されているスラッシュハーケンは再現されていない。

スラッシュハーケン
柄の赤い部分がスラッシュハーケンとなります

斬月が出た1週間後に、斬月のバリエーション機である暁(直参仕様)が発売された。こちらは、四聖剣や部隊の隊長クラスが使用するエース機専用機である。

暁(直参仕様) 前 暁(直参仕様) 後

暁のボディは完全に月下のボディそのものである。ということで、頭部パーツとカラーリングを変更してしまえば、簡単に月下が出せるわけである。頭に毛髪状のパーツがない以外は斬月とほとんど変化はない。この機体にも飛翔滑走翼が標準で付属している。

ROBOT魂 暁(直参仕様) 前 ROBOT魂 暁(直参仕様) 後

フル装備状態

付属武器は、回転刃刀と腕のハンドガンである。回転刃刀は、INACTION!! OFFSHOOT 無頼改のものよりも、大型化され材質もPVCからABSに変更されている。

回転刃刀を持たせたところ 回転刃刀を持たせたところ

ハンドガンは、手首をはずしてリング状になっている箇所に腕を通せばよい仕様となっている。

ハンドガン

ボディ自体は斬月と共通なため、斬月に付属しているマシンガンパーツもそのまま装備させることが出来る。

暁はバンダイ的にはおいしい減価償却の材料となるということで今後も色々なバリエーション機が展開される予定である。まず、魂ウェブ商店では暁(C.C.専用機)が発売された。こちらはC.C.用にピンク色にカラーリングされたもので、新規武装としてバズーカ砲も付属している。

C.C.専用 暁 C.C.専用 暁
本編11話と14話に登場したピンク色の暁
カラーリングが変更され、キャノン砲が追加されている

また、新製品のバリエーション的に言うと、各部の形状を簡略化しすれば、一般機の暁を作ることが可能となるので、2009年春に開催された魂NATIONSで、参考出品ながら一般機の暁が発表された。その後、8月に暁量産型暁量産型可翔の2つに分けて発売されることがアナウンスされた。

また、前身である月下もプレミアムバンダイのウェブ通販で発売されることとなった。最初に、藤堂専用月下が発売された。こちらには、甲壱型腕と青い月下の頭部も付属し、別売りの暁(直参仕様)と合わせることで月下先行試作型を再現することが出来る。更に、この藤堂専用月下からコクピットブロックにスタンドに取り付けるためのジョイント穴が追加されている。

これに加えて、四聖剣の月下も発売された。こちらは4個セットの販売もされており、セットで購入した場合はパッケージを4つ収納できる特製収納BOXが付属する。

ROBOT魂 月下 前 ROBOT魂 月下 後
筆者は予算不足のため、藤堂専用月下はスルーしました
通常版の月下は藤堂機の月下の色を変えただけの商品となっております

こちらの月下は、7月に発売された藤堂専用月下の色を黒から灰色に変えただけの仕様である。よって、髪の毛パーツを取り付ける穴がそのまま残っている。

髪の毛パーツのジョイント
穴が開いたままなので、流用したことが丸わかり
このジョイントの穴くらい塞いでおいてほしかったものである

武装は、暁(直参仕様)に付属の回転刃刀と藤堂専用月下に付属したハンドガンが付属している。

回転刃刀 ハンドガン

先に暁が発売されたため、月下は通販限定商品になり価格も割高になってしまったことが少々残念である。 とはいえ、量産型暁とこの月下が揃ったことにより、黒の騎士団側の量産機はすべて立体化されたことになる。これは、プラモデルの時代には考えられなかった事態でROBOT魂さまさまといえるだろう。今後も、ブリタニア側の機体をそろえてほしいものである。

棄てられた 仮面
太平洋奇襲作戦でナナリーの奪還に失敗し、絶叫とともに船の外に放り出されたルルーシュは、カレンによって救出され、アッシュフォード学園の自室でロロに介抱されていた。ナナリーがエリア11総督として着任している模様をテレビで確認し、彼女の安全が保障されていることに安堵していたものの、その心境は複雑であった。

今まで、ナナリーのために、黒の騎士団を結成しブリタニアへ反逆を行っていたルルーシュであったが、ナナリーの意志と衝突することになってしまい、自分のしてきた行為やゼロとしての自分の存在意義について思い悩む。茫然自失の状態で町をさまようルルーシュ。そんな彼をカレンは叱咤するが、その思いは彼には伝わらない。

一方、エリア11に着任したナナリーは、着任式の場を借りて特区日本の設置を再び宣言する。ナナリーは、ユーフェミアの意思を継ぎエリア11を再びやさしく変えようとしていたのである。ブリタニア側は訝しがりながらも、ナナリーの計画を推進させていった。

その頃、スザクは黒の騎士団を討伐するために海上の軍備を結集させていた。黒の騎士団の潜水艦を擁するタンカーを発見したスザクは、大量の艦隊を率いてタンカーに攻撃を開始。黒の騎士団は、潜水艦で海中に潜ろうとするが、大量の水中用KMFポートマンUと魚雷を投入し、黒の騎士団を追い詰める。

夜になって、ルルーシュはアッシュフォード学園に戻った。修学旅行で誰もいないはずの学園だったが、突然屋上から花火が上がる。不思議に思い屋上へ行った彼を、アッシュフォード学園の生徒会メンバーであるミレイリヴァルシャーリーが温かく迎える。彼らはルルーシュのいない修学旅行には参加しなかったのである。

シャルルに偽りの記憶を植えつけられているとはいえ、その友情はそのまま残っていた。そして、ルルーシュは自分の戦いがナナリーのためだけのものではないということに気づく。これに気づいたルルーシュは立ち直り、ロロとともに劣勢である黒の騎士団たちの下へ向かった。

その頃、魚雷の攻撃を大量に受けていた潜水艦は窮地に陥っていた。そんな時、立ち直ったルルーシュから連絡が入る。彼は、潜水艦を指定したポイントに誘導、スラッシュハーケン状のアンカーで船体を固定させ魚雷を発射させた。魚雷が向かった先はメタンハイドレードの採掘場であった。メタンハイドレードに、魚雷が引火し大量の空気が発生。その泡の影響で、ブリタニア側の船およびポートマンUは転覆、もしくは撃沈されてしまった。

甚大な損害を出してしまったスザクの下に、飛翔滑走翼を装備したヴィンセントの手のひらに乗ってルルーシュは突っ込んでいった。攻撃を加えようとするスザクに、ゼロは黒の騎士団の特区日本の参加を表明するのだった・・・。

百万 の キセキ
特区日本に参加することを表明したゼロは、スザクらを撤退させることに成功した。黒の騎士団と合流したゼロに対して、黒の騎士団の団員たちは特区日本に参加する真意を問いただす。そんな彼らにゼロは、「民族とは何なのか」と問う・・・。

特区日本の計画を打ち出したナナリーだったが、日本人たちの反応は冷ややかなものであった。ユーフェミアの虐殺という大きなトラウマを抱えた日本人にとって、それは当然な反応であった。

そんな中、ゼロはブリタニア側に秘密会談を持ちかけた。ゼロは、特区日本に参加する人員を100万人動員する代わりに、自分を国外追放するように持ち掛ける。つまり、ゼロはこの機会に日本から、一人だけ逃げ出そうとしているのである。スザクは、ゼロを見逃さなければならなくなることに深く迷いを感じる。

そして、特区日本の落成式がやってきた。黒の騎士団は、約束どおりに100万人の人員をシズオカゲットーに動員させた。前回のように、ブリタニア軍暴動が起きないように限界体勢で臨んでいた。そして、式の中で約束どおりにゼロの国外追放の宣言を行う。

その宣言と同時に、ゼロが式に備え付けられた映像画面に現れる。再び現れたゼロは、式に参加していたスザクに対して再び「民族とは何か」を問う。スザクが出した答えは、「」であった。たとえ、土地を奪われようとも「民族としての自覚」さえあれば、民族は瓦解することはないと考えたのである。

その答えを受け、群集の中にまぎれていた黒の騎士団団員が、スモークを炊いた。100万人の群集が煙幕の中に隠れ、ブリタニア側に緊張が走る。

煙が晴れると、姿を現したのはなんと100万人のゼロだった。そう、ルルーシュは一人だけ国外逃亡を図ろうとしていたわけではなく、ゼロを「記号化」することで100万人まとめて国外に逃亡させようと考え出したのである。

ブリタニア側は、ゼロの正体がわからない以上手を出すことは出来ず、結局スザクは苦渋の末黒の騎士団のゼロの逃亡を許可する。この作戦は、スザクの性格を把握していたルルーシュだからこそ取れた作戦であった。

結局、100万人のゼロとともに用意していた島型の輸送船で黒の騎士団は中華連邦へと逃げおおせた。事前に中華連邦と取引を行っていた黒の騎士団と100万人の蓬莱島を貸与された。インド軍区からの協力もあり、斬月や暁などの大量のナイトメアフレームと巨大戦艦斑鳩を入手した黒の騎士団は戦いの舞台を中華連邦へと移すことになる・・・。

抜刀!(ROBOT魂 暁 量産型&暁 量産型可翔 のコラムへ)

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