聖闘士聖衣神話
水瓶座アクエリアスのカミュ
バンダイ 聖闘士聖衣神話シリーズ
定価:4200円(税込み)
APPENDIX定価:2310円(税込み)
絶対零度!
水と氷の魔術師が聖闘士聖衣神話に登場!!
聖域決戦の火蓋は切って落とされた!
沐浴前に、教皇アーレスに謁見するために
黄金聖闘士の立ちはだかる十二の宮を突破せよ!
急げ、腐女子テロリストゼロリ!
十番目の宮、磨羯宮をセイバーの乱入により辛くも突破したゼロリ
残る宮もあと2つ。
射手座サジタリアスのBPをまんまと出し抜き、リードしまくるゼロリの快進撃はどこまで続くのか!?
(冒頭のナレーション風。BGM「銀河戦争」を流しながら田中秀幸氏の声で読むべし!)
宝瓶宮の戦い!ゼロリvsカミュ?
コラム執筆者のBPより、メッセージがあります。
射手座サジタリアスのBP(射手座のロリ黄金聖闘士。聖闘士聖衣神話が増えすぎてしまい、放置している間にパッケージにカビが大量発生!やむなくカビにあてられた箱を処分した。以下、BP)「ネタがない、暇がない、やる気が出ないとか言っている間に現実の時間は前回のコラムから1年以上過ぎてしまいました。どうせ残り二人だし、なんとか終わらせようということで、黄金十二宮巡りのコラム再スタートです。今までは話に介入していましたが、今回からは適当に泳がせようと思っています。さてさて、あの二人はどうなることやら・・・。」
まじめにふまじめ怪傑ゼロリ(HUYU君の腐女子への寛容から生まれたイマジン!今日は2番目に好きなカミュの宮に入るのでご機嫌である。以下、ゼロリ)「なーんか、外の世界は1年以上経過しているような気がするんだけど、今10時間経過で合っているわよね?」
蟹座キャンサーのデスマスク(最弱の黄金聖闘士と目される蟹座の黄金聖闘士。筆者の気まぐれから、ゼロリにグラップラーのサーヴァントとして召喚されてしまう。以下、蟹)「中央の時計台を見ればわかるだろ!今、ちょうど磨羯宮の火が消えたところだ。なんだかんだで、後2時間しか時間がないということだな。」
ゼロリ「オーッホッホッホ!次の11番目の宮は私がサガ様に次いで愛しのアクエリアスのカミュが守る宮よ!絶対に私の手篭めにしてやるんだから!」
蟹「おいおい、奴は黄金聖闘士の中でも水と氷の魔術師と異名を取る実力者だ。いつものパターンでやられるだけだと思うがなあ・・・。」
ゼロリ「ああ、ついになんだかんだで宝瓶宮が見えてきたわ!あの後ろ姿は・・・」

ゼロリ「あれは間違いなく、アクエリアスのカミュ!!テンションが上がってまいりますた!そ〜れ、ルパ〜ンダ〜イブ!」
クルッ
ドンガラガッシャーン!
蟹「んん〜、1年以上ぶりのこのパターン・・・。やっぱりこうなるのは目に見えていたな。」
ゼロリ「何よ、誰なのよ、このおっさんは!?どっかの組長みたいなゴリラ顔じゃない」
水瓶座アクエリアスのカミュ「組長じゃない!僕は園長です!って何を言わせるか!!」
蟹「え〜と、一応ここで説明しておこう。この世界の聖闘士はすべて聖闘士聖衣神話なので、顔の出来がダイレクトに反映されるのである。カミュは初期の神話なので、顔の出来がゲフンゲフンなため、ゼロリが拒否反応を起こし、ダイブ中に墜落したというわけだ。」
これが水瓶座アクエリアスのカミュ・・・なのか?
ゼロリ「うう・・・忘れていたわ。まさか、カミュ様までこの世界ではブの黄金聖闘士だったんんて・・・。」
カミュ「ブの戦士とはなんだ!顔の造形ごときでガタガタ言うもんではない。戦士たるもの、いかなる敵を相手にしても常にクールでいなければな!」
ゼロリ「なーにがクールに徹しろよ。そんな顔で言われても説得力のかけらもないわよ。ああ、もう私に残されているのはサガ様に会うという目標だけ!こんなブ男のいる部屋なんかいたくもないわ!」
カミュ「ここから逃げおおせるなどと思うなよ!くらえ、ダイヤモンドダスト!」
ゼロリ「おっと!ダイヤモンドダストごとき初歩の技など当たると思ったら大間違いよ!ふふ、この間盗んだこのディエンドライバーを使う時が来たようね!」
説明しよう!ディエンドライバーとは仮面ライダーディエンドに変身するためのアイテムである!いつゼロリがこれを盗んだのかは突っ込んではいけない!
ゼロリ「そ〜れ、変身!」
Kamen Ride! "DIEND"!!
仮面ライダーディエンド「じゃあね、ブ男聖闘士君!」
Attack Ride! Invisible!
カミュ「奴の姿が消えただと!?」
説明しなければなるまい。ディエンドはディエンドライバーにインビジブルのカードを差し込むことで姿を消すことができるのだ!
蟹「って、おい!この俺を置いていくのかぁぁっぁ!?」
カミュ「残ったのは貴様だけか、デスマスク?アテナに弓を引いた罰だ!この私が成敗してくれる!!」
蟹「ぎやあああああああああ!」
師の師と言えば師も同然(早口言葉で3回言ってみよう)
『聖闘士星矢』は漫画連載開始からわずか半年という驚異的なスピードでアニメ制作が決定された作品である。このことから、最初からメディアミックスが予定されていた作品であったと言える。最近では、アニメ化前提で漫画が始まるということは珍しいことではないが、アニメによるメディア展開が今ほど成熟していなかったため星矢の場合は非常に荒が目立ってしまった。
車田先生は大ゴマによる見開きを多用するため、ページ数の割になかなか話が進まない。それが故、アニメ化を進めてしまうとジャンプ紙面上では数週間かけて進んだ話が映像化してしまうとわずか1週間で終わることがざらにあるのである。故に、原作にアニメが追い付いてしまうという現象が多々起きる。そのため、原作と距離を置くためにオリジナルストーリーを展開したり、野球中継や特番をはさんだりしたりする。しかし、「アニメオリジナルの設定を作る」いうことは、うまく制作と原作者側が話をしておかないと設定の矛盾が生じてしまうのである。
その設定矛盾を受けまくったキャラクターがこの水瓶座アクエリアスのカミュである。原作では彼がキグナス氷河の師という設定だったのだが、アニメにおいてはクリスタル聖闘士がその位置づけであった。普通はアニメに気を遣って極力矛盾が出ないように配慮するものだが、車田先生はお構いなしにクリスタル聖闘士の存在を否定、カミュを氷河の師にしたのである。
それに割を食らったのがアニメ制作陣である。そこで設定的な矛盾を解消するために、クリスタル聖闘士の師はアクエリアスのカミュだということに変更し、師の師と言えば師も同然というまるで早口言葉の様な苦しいロジックを以てなんとかこの矛盾をクリアしたのであった。
車田先生は結構気まぐれに作品を作ることがあって、元々は蠍座スコーピオンのミロを氷河の師にしようと考え、わざわざシルエットまで出したのにもかかわらず、後になってカミュが師匠であると設定を変えたのであった。また、ビジュアル面でもアニメと原作では違い、アニメ版では濃い青だった髪の毛の色が、原作では赤色だったりもする。このように、アクエリアスのカミュは、アニメと漫画のメディアミックスのノウハウが今ほど確立されていない1980年代のよく言えばおおらか、悪く言えばおおざっぱな部分が色ごく出ているキャラクターなのである。
私のカミュがこんなにブスなわけがない
アクエリアスのカミュは黄金聖闘士の中でも屈指のイケメンな上にかなりの水と氷の魔術師と謳われるほどの実力者なため、お姉さま方の人気はかなり高い。それを表すよい例として、劇場で3番目に公開された『真紅の少年伝説』で登場した際、映画を見ていたお姉さま方が、周りの迷惑も顧みずフラッシュをたいてカミュを撮影したという逸話がある。携帯電話のモニターの小さな光でさえ、周りのお客様には迷惑になるので、よいこのみんなは真似しないようにね!
それだけの人気を誇るキャラクターであるが故、聖闘士聖衣神話シリーズでは獅子座レオのアイオリアの次、すなわち黄金聖闘士の中で2番目にリリースされたのであった。聖衣の構造もそんなに複雑ではないということでの抜擢だったと思われる。
水瓶を構える乙女の形をしたオブジェ形態
人型のため、立体的に無理がない
専用のオブジェ用フレームに各部アーマーを貼りつけていくと、水瓶を構えた乙女を模したオブジェ形態が完成する。劇中では下腕部パーツが変形し、水瓶になる設定になっているのだが物理的に無理があるため水瓶パーツの中に片方のアーマーを差し込んで水瓶の口になるようになっている。もう片方の下腕部パーツは聖衣を支える支柱に差し込みアーマーの中に隠れるようになっている。
オブジェ形態時の顔の造詣もぬかりはなく、非常にりりしい顔つきになっている。
オブジェをばらして素体にアーマーを装着していくとこのようになる。
水瓶座アクエリアスのカミュ全身画像
初期の作品なため、顔の造詣が厳しい
初期作品の特徴であるが劇中に比べて頭が大きく、また顔の造詣がやぼったいため、今の目で見ると非常に苦しいできである。髪の毛の造詣もゆるゆるで、こちらもまた苦しい。ポーズに支障が出ないように、後の長髪に関節軸が仕組まれており、プレイバリューを上げようという努力をしているが、これが逆にフィギュアとしては不自然である。
髪の毛の付け根と真ん中部分に可動軸が設けられている
ポーズに合わせて動かそうという意図だが、逆におもちゃっぽく不自然である
ロールオーバーで画像が変わります
対象年齢が高いこの手のフィギュアが多くある昨今では、おもちゃ的なギミックよりも緻密な造形が求められているため、余計なギミックと言える。また、後ろ髪に気を使っている割に横のもみあげ部分がPVCでできているため、横を向こうとするとこの部分が干渉してしまう。デザインの都合上、仕方がないとはいえポーズの幅が狭くなってしまうので残念である。
全体的な可動だが、カミュの必殺技がほぼ再現できる。必殺技を再現するために、様々な手首パーツが用意されており、素体用の握りこぶし、武器の持ち手、平手、握りこぶしと組み手が同梱されている。平手パーツはフリージングコフィンを再現するのにうってつけのパーツである。
氷の棺を作りだすフリージングコフィンを再現可能
この棺は黄金聖闘士の技を以てしても砕くことはできない
また、組手を使用することでオーロラエクスキューションも再現することができる。ただ、取り付けが非常にタイトなためドライヤーを用意して拳を温めて柔らかくし、片方ずつしっかりとはめていくようにしよう。
アクエリアスのカミュの必殺技のオーロラエクスキューションも再現可能!
さすがに、腕を真上に上げることはできません。
ロールオーバーで画像が変わります
劇中で見せたような腕を真上に上げたポーズは、残念ながら取らせることはできない。腕を組んだまま上げると、肩アーマーと大きな頭部が干渉してしまい、上の写真にある高さまでしか腕を上げることはできない。
オプションパーツとして、氷河の頭部パーツが付属している。カミュの頭の代わりにこの頭部を取り付けるか、別売りのキグナス氷河(新生)の頭部と交換することでアクエリアスの聖衣を装着した氷河を再現することができる。この氷河の髪の毛を取り外すことで、マスクパーツを取り付けることも可能である。
尚、最終青銅聖衣版の氷河の頭部パーツを付けると、頭部の造形はグンと良くなるものの、首の長さが足りず寸詰まった不自然なものとなってしまう。素体が違うため、アクエリアスの聖衣を装着すると逆にキツキツになってしまうので非常に苦しい。
今の目で見ると本当に苦しいところだらけであるが、出た当初は他社製品もそんなに出来の良いシリーズはほとんどなかったため、発売された当初はこれでも十分な出来なのであった。黄金聖闘士ブームに乗って、このカミュも発売されればあっという間に売り切れてしまう人気商品になったのであった。
私のカミュがこんなにロンパリ気味なわけがない
シリーズが進むにつれて造形の悪さが浮き彫りになってしまったため、造形の補正のためにAPPENDIXが発売されたのだった。APPENDIXではブラッシュアップされた顔の造形と、オーロラエクスキューションを放つ際のシーンを胸像で再現できることが売りとして発売された。
フィギュアでやると物理的に無理があるポーズを胸像で再現!
肩アーマーを固定するために軟質パーツで出来た固定用補助パーツに肩アーマーをはめ込み、素体の肩に挟む形で固定する。同じ要領で聖闘士聖衣神話シリーズ側の素体にも肩アーマーをはめ込み、このポーズを再現することができるようになった。
右側の黄色いパーツに肩アーマーを取り付ける
胸像に腕を取り付けない場合は真ん中のパーツに肩アーマーをはめ込む
肩アーマーを取り外し、APPENDIXの肩アーマーを取りつけることで構えを再現
肩アーマーの干渉がなくなったため、ほぼ真上に拳を構えることができるようになった
表情パーツは通常の顔と叫び顔が付属する。腕パーツを取りつけないで胸像として飾ることも可能である。
本体には頭部パーツと下腕部パーツと手首を交換して取り付けることができる。こうすることにより、顔の造形が是正され、やや大きめだった手首が小さくなり内部の補助パーツを使うことで腕を延長することができる。
頭部が差し替わったことにより、おもちゃ然として不自然だった髪の毛がより自然に
また、顔の造形もグンと原作に近づき、より格好良くなった
ほかのAPPENDIX同様の効果が得られるのだが、カミュの場合目のプリントが少々ずれており、目線がまっすぐになっていないという欠点がある。遠くから見れば大丈夫なのだが、近くで見ると違和感を感じてしまう。
微妙に目線がずれているカミュのアイプリント
同じ造形で互換性もある冥衣版のカミュの目線は安定していたため、この点は非常に残念である。少々表情が変わってしまうが、どうしても気になる人は冥衣版のカミュの顔パーツを使用すればいいだろう。
難点がいくつかある物の、劇中のイケメンのカミュがAPPENDIXを使用すれば手に入る。カミュが好きな人は本体とともにぜひ押さえておきたい。
さらば、我が師よわが友よ!
双児宮での戦いで、双子座の黄金聖闘士のアナザーディメンションにより異次元空間へと飛ばされた氷河は、第7の宮である天秤宮に流れ着いた。そこで待ち受けていたのは、クリスタル聖闘士の師である水瓶座アクエリアスのカミュなのであった。カミュは孫弟子である氷河に容赦なく攻撃を仕掛けたのだった。
しかし氷河は師の師であるカミュに拳を向けることはできなかった。そんな氷河の甘さを断ち切るため、カミュは自らの小宇宙を利用してシベリアに沈む氷河の母が眠る船を海の底に沈めるのだった。大事な母を奪われた氷河は激昂し、ダイヤモンドダストを放った!
許さない、たとえ相手がだれであっても!
ダイヤモンドダストー!!
ロールオーバーで画像が変わります
しかし、初歩技にすぎない氷河のダイヤモンドダストはあっさりカミュにはじかれ、逆に強烈な冷気を氷河は受けてしまう。私的な感情のみで戦う氷河に対し、カミュは自らの必殺技であるオーロラエクスキューションを放ち、氷河を葬るのだった。オーロラエクスキューションの前に敗れた氷河をカミュは氷の棺の中に閉じ込めてしまう。
ロールオーバーで画像が変わります
その後、天秤宮にたどりついた星矢・紫龍・瞬に助け出された氷河は、ミロからカミュの意志を聞き闘志を奮い立たせた。そうしてついにカミュの待ち構える宝瓶宮にてカミュと相対したのだった。
氷河・・・なぜあのまま・・・。いや、もはや何も言うまい・・・。
師とも言うべきカミュに対し、自分のすべてをぶつける決意を決めた氷河。そんな氷河にカミュも全力を以て応じることを決意したのだった。氷河はダイヤモンドダストを繰り出した!
ダイヤモンドダストー!
天秤宮での戦いと同じく、カミュは氷河のダイヤモンドダストを片手で受け止めてしまう。
天秤宮でも言ったはずだ・・・。ダイヤモンドダストはクリスタル聖闘士を通じ私がお前に授けたもの。
ましてこの程度の冷気でこの私を倒せるか!
冷気とはこのような物を言うのだ!!
ダイヤモンドダストをはじかれた氷河は、飛びあがりはじき返された冷気をかわそうとしたが、左足を凍らされてしまいその場に倒れこんでしまう。しかし、氷河は尚も立ちあがりカミュと戦おうとするのだった。
そんな氷河にカミュは、究極の冷気である絶対零度について説く。物質の原子運動が完全に停止する絶対零度を操るには氷河が究極の小宇宙、セブンセンシズに目覚める必要があるということ。また、黄金聖闘士のカミュですら絶対零度を作り出すことは不可能だという・・・。すなわち、氷河には絶対零度に到達するのは不可能だというのである。
そして再びカミュは、必殺技であるオーロラエクスキューションを放った!
氷河「あれは・・・あの構えは!?」
カミュ「オーロラエクスキューション!!」_
オーロラエクスキューションを受けた氷河は天秤宮の時と同じく吹き飛ばされてしまう。しかし、あの時とは違い氷河はカミュの技を受けながらも立ちあがろうとした。
カミュ「氷河、お前・・・オーロラエクスキューションを受けてなぜ!?」
氷河「師よ、聖闘士なら一度見た技は二度とは通用しない。そうでしょう?」
カミュ「!?」
ロールオーバーで画像が変わります
カミュの技に耐えきった氷河は、自身の技であるオーロラサンダーアタックを繰り出した。
オーロラサンダーアターック!!
ロールオーバーで画像が変わります
しかし、カミュは氷河のオーロラサンダーアタックもやすやすと跳ね返し、氷河を追い込んだ。
お前の攻撃がことごとく通用しないことがようやく理解できたか、氷河!
そう言うとカミュは倒れこんだ氷河を再び氷の棺の中に閉じ込めた。しかし、一度仲間たちによって氷の棺から救われてた経験のある氷河は、氷の中で小宇宙を燃やし、黄金聖闘士数人がかりでも破壊することのできないカミュのフリージングコフィンを砕いた!
氷河がフリージングコフィンを粉々に打ち砕いたことから、カミュは氷河の冷気が絶対零度に近づいていることに気付いたのだった。しかし、凍死寸前の体であるはずの氷河のどこにそのような力が残っているのか疑問もよぎる・・・。そんなとき、氷河は再び自身の冷気をカミュに対してはなった。
カミュよ、言ったはずだ・・・。たとえこの氷河の冷気が絶対零度に行かなくても・・・
あなたのくらいには高めてみせると!あなたを倒すと!!
当然、カミュも応戦するが、今回は氷河の冷気はカミュと互角の威力を持っていた!
氷河「でやああああああああ」
カミュ「これは・・・何!?冷気が氷河と私の間でくすぶっている・・・。
バカな!それでは氷河はこのカミュと同じ位までの冷気を放ったというのか!?」
ギリギリまで追い込まれているはずの氷河が黄金聖闘士のカミュと互角の冷気を放ったことに驚きを隠せないカミュ。しかし、カミュと同等の冷気を放つ氷河には勝算がないことをカミュは知っていた・・・。
見事だ、氷河!よくぞこのカミュの位にまで冷気を高めた!
しかし、残念ながらそれでも私を倒すことにはならない。聖衣にも凍結する温度がある!
カミュによると、青銅聖衣は-150度で凍りつく。これは永久氷壁の中から生まれたキグナスの聖衣でも例外ではない。青銅聖衣よりも位が上である白銀聖衣でさえ-200度以下の温度で凍りつくのだが、黄金聖衣は-273.15度、すなわち絶対零度でなければ凍結させることはできない。つまり、カミュが黄金聖衣をまとっている以上絶対零度にまで冷気を下げなければ氷河に勝ち目はないのである!
そして、カミュは氷河の様子に異変が起きていることに気付いた。
この男・・・私と互角に冷気を放ちながらすでに意識を失っている!
氷河は気絶しながらもカミュと互角の冷気を放っていた。しかし、カミュの冷気が氷河の冷気を押し返そうとしており、このままでは氷河は自分の放った冷気とカミュの冷気を一度に受けてしまう!気絶している氷河に星矢たちとの約束がよぎり、アテナの声が届いた。
すると、気絶していた氷河は意識を取り戻した!目を覚ました氷河は迫りくるカミュの冷気を受け止めた!
アテナ「氷河、目を覚ますのです、氷河!」
ロールオーバーで画像が変わります
冷気により聖衣が凍結し、粉々になってしまったが、氷河はそのまま冷気をカミュへとはじき返した。
でやあああああああああ!
氷河に冷気をはじき返されたカミュは、その冷気の前に弾き飛ばされてしまう。
弾き飛ばされたカミュはすぐに立ち上がったが、ふと自分の聖衣の異変に気付いた。黄金聖衣のショルダーパーツが凍結していたのである。
こ・・・これは・・・バカな!黄金聖衣が凍りついている!?
カミュ「氷河は命燃え尽きようとする今、このカミュをもしのぐ絶対零度の冷気を身につけた!」
カミュは、氷河が自身の黄金聖衣を凍結させたことで絶対零度に目覚めたことを悟った。しかし、氷河が絶対零度に目覚めてさえもカミュは自身の勝利を確信していた。
しかし氷河よ、お前には何も残ってはいない!その絶対零度を活かす決め技がないのだ!
所詮はお前の負けということだ、氷河よ!
絶対零度に目覚めたものの、それを生かした決め技がなければ氷河は勝利をつかむことはできない。そう思ったカミュは、今度こそ氷河に引導を渡そうと、再びオーロラエクスキューションを放とうと構えた。
さあ、今度は確実に葬ってやるぞ!このオーロラエクスキューションでな!
ロールオーバーで画像が変わります
しかし、氷河もカミュと同じ体勢を取り、師の技であるオーロラエクスキューションを放とうとした!
カミュ「バカな!?あれは・・・オーロラエクスキューション!?」
カミュ「オーロラエクスキューションは冷気を無限大に発揮するカミュ際代の技!
一度や二度その身に受けたからと言ってやすやすと真似することはできん!それは身を以てわかるはずだ!!」
自分の技を模倣しようとする氷河に対し、カミュはオーロラエクスキューションを見舞った!氷河も同時にオーロラエクスキューションを放つ!!
受けろ、氷河!オーロラエクスキューションの真髄を!!
ロールオーバーで画像が変わります
とああああああああああ!
ロールオーバーで画像が変わります
二人の技は激しくぶつかり合い、宝瓶宮の中すべてをすさまじい冷気が覆った。
ロールオーバーで画像が変わります
宝瓶宮からあふれた冷気がひと振りの雪となって双魚宮を目指していた星矢たちのところに降ってきた。このことで、星矢たちは宝瓶宮での戦いが終わったことを知り、氷河の身を案じながらも振り向くことなく次の宮を目指し突き進んでいった。
一方、互いにオーロラエクスキューションをまともに浴びた二人は、真っ白に凍結していた。カミュは薄れ行く意識の中で氷河が自らの小宇宙を高め、オーロラエクスキューションを会得したことに喜びを感じていた。
見事だ・・・氷河よ・・・。この戦いの中でオーロラエクスキューションをその身に受けながら・・・
見事その技を自分のものとするとは!まさしくお前はこのカミュのすべてを受け継いだ!
氷河、お前は凍死寸前の生と死の間においてすべての感覚を失うその中で、絶対零度を身につけたのだ!!
それは師であるカミュの小宇宙をもはるかに超え究極の小宇宙、セブンセンシズに目覚めたのだ!
ここまでお前が成長できたのもお前が信じる物が正しかったからだ。
そして、できればその力をこれからも使わせてやりたい!お前をこの先も生かしてやりたい!!
だが、このカミュにもどうすることもできぬようだ
許せ・・・氷河・・・!
孫弟子の成長に満足しながら、カミュは息絶えた。そして氷河も・・・。
カミュ・・・あなたは自分の命をかけて俺を絶対零度まで導いてくれたのです。
あなたから受けた数々のことは決して忘れない!ありがとう、我が師・・・カミュ・・・。
そして・・・さようなら・・・
かくして宝瓶宮における絶対零度の対決は、双方の引き分けという形で幕を下ろしたのだった・・・。
その唯一の貴様の弱点を今から断ち切ってやるわ!(もどる)