聖闘士聖衣神話
ドラゴン紫龍(最終青銅聖衣)
バンダイ 聖闘士聖衣神話シリーズ
定価3990円(税込み)
某店価格7880円

受け継いだのは、黄金の魂!
迫り来る冥闘士をなぎ払え、ドラゴン!!
冥界・・・。
冥王ハーデスが支配する死の世界。
光なき嘆きの世界に
大いなる希望を胸に秘め
地上の平和を求める少年たちが舞い降りた。
そう、彼らこそ!
(冒頭部ナレーションより。田中秀幸氏の声で読むべし!)
たとえ再版されたとしても、嘆くまい我が友よ
聖闘士聖衣神話シリーズのコラム第二弾は、ドラゴン紫龍(最終青銅聖衣)である。コラムを書く順番は、劇中の順番どおりに書いていが、実はこのドラゴン紫龍は一番最後に買った神話なのである。というのも、ドラゴン紫龍(最終)何回か再版されているはずなのだが、私が探している範囲の店ではどこも取り扱っていなかった。神話のおもちゃを定価で買える小さなおもちゃ屋さんも、近くにある中古ショップにも、最近出来た大手のおもちゃ屋にも展示こそされていたが、やっぱり置いていなかったのである。
ということで、少し遠出をして神戸方面のどこぞのホビーショップにて、定価の2倍で購入した。今回は、臨時収入があったので思い切ってみたのである。この店は、中古で買取っているせいか、定価の1.5倍〜2倍で置いている。普通はこういうところで買ってしまうと、後で再版されて泣きを見るのだが、他の青銅聖闘士が思っていた以上に早く、しかも安くで手に入ったので今回の出費はさほど痛くはなかった。
転売屋さんに足元を見られている気がしないでもない値段であったが、文句をたれてもしょうがないので製品の詳細を見ていこう。
おお、見える。この紫龍の見えぬ目には!
紫龍は、中国五老峰で修行を積んだ龍星座の聖闘士である。特徴は、黒い長髪で普段着は中華服を着ている。五老峰にて天秤座ライブラの童虎に師事し、青銅聖闘士の中でも高い実力を誇る。

紫龍の素体全身画
長い長髪が特徴
性格は実直で真面目、そして友情に厚い。その性格ゆえ、自分の命をも犠牲にし戦いに挑むのでかなりの重症を負う事も多い。特に、失明の回数が2回ある。1度目の失明は、白銀聖闘士ペルセウスのアルゴルとの戦いの時である。彼の持つメドゥサの盾の目を見たものは石にされるのであるが、目を閉じていてもその効力が発揮されてしまうということで、自ら目を潰しこの盾の効力を破った。
その代償は大きく、しばらくアニメでも紫龍の目を治そうと星矢たちは躍起になるのだが、治療法が見つからずにいた。視力を失っても修行で視力を他の感覚で補い、聖域(サンクチュアリ)における黄金聖闘士との戦いに参戦し、ハンデを感じさせずに戦いを勝ち進んでいった。尚、巨蟹宮において、キャンサーのデスマスクとの戦いで失っていた視力を回復させている。(注1)
しかし、その後も北欧編において神闘士イプシロン星アリオトのフェンリルとの戦いにおいて一時的に視力を失ったり、続くポセイドン編において七将軍の一人クリュサオルのクリシュナ
の技、マハローシニーを受けまたしても完全に視力を失ったりしており、目に関する負傷が多い。
このように、戦うたびに失明させられる紫龍であったが、作者の手違いかまるで目が見えているような描写がなされていることも多い。この作品を見る場合は細かいことを気にしだすとキリがないので、深く考えないようにしよう。
注1 デスマスクの戦いで黄泉比良坂に飛ばされたとき、そこにいる間だけは視力が回復した。どうやら、死後の世界では肉眼で物を見るのではない(本人談)ようで、ちゃっかりデスマスクを倒した後に視力が戻った。同じくハーデス編で冥界に来たときも視力が回復した。その後の天界編でも視力が健在だったので、失明しても冥界に行けば治療できるようである。
私、脱ぐと強いんです!
ドラゴン紫龍のパターンその2は、ピンチになると聖衣を脱ぐというものがある。これは初戦の星矢との戦いのときからのお決まりで、強敵とぶつかった場合必ず聖衣を脱ぎ捨てる。これはアニメ、マンガ、映画共通で毎回追い込まれると聖衣を脱ぎ捨て、上半身裸で戦うのだ。

敵がわざわざ聖衣を脱がしてくれることもあります
ロールオーバーで画像が変わります
聖衣がなければ戦闘力が落ちてしまうのだが、紫龍の場合はあえて逆境に身をおき、小宇宙を燃やしている。(注2)しかし、毎回毎回脱ぎたがるので単なる露出狂ではないかという噂も聞こえてくるのだが・・・。
その事ある毎に脱ぎ捨てられるドラゴンの聖衣は、中国五老峰の滝の底に眠っていた。紫龍が廬山昇龍覇を会得し、大滝を逆流させたことで入手した。
聖闘士聖衣神話シリーズで商品化されているのは、黄金聖闘士の血によって修復された新生青銅聖衣と、アテナの血によってよみがえった最終青銅聖衣である。新生との大きな違いの一つは、オブジェ形態にあるといえよう。新生のときのオブジェ形態は、龍の形をした置物のようなものだったが、最終青銅聖衣では龍の全身に変化している。

オブジェ形態
龍の置物から龍の全身になった
聖衣神話においては、台座に各パーツをはめ込んで行きオブジェ形態を再現している。どのパーツも安定して固定されるが、一番下の台座にはパーツを乗せる感じで固定されないので注意。また、台座のメッキの定着率が低くメッキがはがれやすい。取り扱いには十分気をつけたい。
星矢と同じく、素体は2nd素体を使用している。顔の造型や大きさも、前のものよりもはるかに劇中のそれに近くなり、長髪も完全再現している。新生のときは可動する髪が採用されていたが、今回は一体成型で造型の美しさを優先させたものとなっている。また、首の軸にも取り付ける髪の毛を用意し、ボリュームを出している。

実際に取り付けたところ
動かしたときに取れやすいのが難点
実際に聖衣を取り付けると、このような形になる。
ドラゴン紫龍全身画像
右腕のアーマーがドラゴンの顔になったのがポイント
ヘッドギアと腰の周りのアーマー以外はすべてダイキャストを使用し、重量感も抜群である。難点としては、腰のパーツの前の部分が取れやすい点だろうか。これらの部分は遊んでいるとポロポロ取れてくるので結構ストレスがたまる。解決策としては、瞬間接着剤などで少しだけ軸を太らせておくとよいだろう。
また、ヘッドギアの取り付けも前髪に引っ掛けて取り付けなければならないので、少々取り付けにくい。角が細くて長い上に、角パーツも外れやすくなっている。なので力を入れすぎて、ヘッドギアを壊さないように。
先にも述べたように、紫龍はよく失明し、目を閉じているシーンが多いのだが、それを再現するために別枠の顔パーツが付属する。目を閉じた状態の顔は、天秤座ライブラの童虎を買えば付属するが、こちらは造型が悲惨だった。(注3)また、新生青銅聖衣のヘッドギアも付属する。

心眼状態
こちらの顔の造型も抜かりはない

頭関連のパーツ
顔パーツに髪の毛を装着することで表情を変えることができる
このように、新生のときよりも顔周りの造型が圧倒的に進歩しているのは評価したい。新生のときは、髪の毛に可動範囲を設けることで、劇中のように髪の毛を逆立てさせたり出来たが、非常に不自然になっていた。しかし、最終青銅においては可動こそしないものの髪の毛が自然なものとなっている。ここが、初期の頃との違いで初期の神話では聖衣の造型に力が入っていたが、最終聖衣付近から造型とアクション性にも力が入れだしてきた。この手のこだわりが、長期人気の秘訣だろう。
注2 その際に、背中に龍の刺青が浮き上がる。尚、APPENDIX ドラゴン紫龍(私服)の素体にはこの刺青が再現されている。
注3 ヘルメット状のライブラの聖衣を装着させる都合上、ヘルメットを脱いだときの髪の毛がのっぺりしている上に、顔の造型もよろしくない。尚、星矢のときはサジタリアスの聖衣のマスクが付属していたが、本商品には付属していない。
ドラゴン!無敵の拳と盾
ドラゴンの聖衣の特徴としては、盾が付属する。このドラゴンの盾は、88星座の中で最高の硬度を誇るそうだが、毎回毎回破壊され、役に立った試しがあまりない。しかも、天秤座の聖衣にもシールドが存在するので、こちらのほうが硬度がありそうなものだが・・・。

ドラゴンの盾
エクスカリバーに叩ききられたり、黄金の槍に貫かれたりしてよく壊された最強の盾
製品では、ダイキャストで作られているので実際に強度はありそうなものである。ちなみに、設定では取り外してフリスビーのように使えるとの事だが、本製品では再現されていない。
他の青銅聖闘士同様に、幅広い可動範囲を誇っている。肩アーマーと背中アーマーは軟質パーツのドラゴンの腕で繋がっていて可動するようになっているため、廬山昇龍覇他の技が見事に決まる。というわけで、聖闘士聖衣神話で再現する彼の技を見てみよう。
ドラゴン紫龍がよく使う必殺技は廬山昇龍覇である。これは、先にも述べた廬山の大滝をも逆流させるほどの威力を誇る。この技は、アッパーだったり右ストレートだったりするが、基本的に龍の形をした衝撃波で相手にダメージを与える。

ドラゴン最大の奥義!
廬山昇龍覇!!
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基本的に紫龍は廬山昇龍覇しか使わないので、最大の奥義という割りには、よく破られていた。また、この技を放つ際に無意識に左拳が1/1000秒の間下がってしまうのが弱点である。このような弱点を持っている分、決まるときは決まるので、基本的な威力は申し分ないようである。
ポセイドン編に入ったときに、クリシュナとの戦いで新たに披露したのが廬山龍飛翔である。こちらは、同じく龍の形をした衝撃波とともに相手に突撃する技なのだが、あまり使用されなかった。

廬山龍飛翔!
ハーデス編に入ると、廬山昇龍覇の発展型である廬山百龍覇を会得した。その名のとおり、廬山昇龍覇の連射型で、百龍の牙がすべての敵を打ち倒す。この技は、エリシオンに向かう際に遭遇した冥闘士三人に放ち、これらを退けた。製品では、廬山百龍覇を再現するための平手パーツが付属する。

廬山百龍覇!!
ロールオーバーで画像が変わります
このほかに、紫龍には廬山亢龍覇という奥の手がある。これは、敵を羽交い絞めにして天高くともに飛び立ち燃え尽きるという最期の大技である。こちらは、山羊座カプリコーンのシュラとの戦いで使用した。尚、この技は禁じ手なので画像の掲載はしないでおく。
聖剣(エクスカリバー)!右腕に宿るシュラの魂
このほかにも、紫龍にはシュラとの戦いで会得した魂の技が存在する。それがエクスカリバーである。これは紫龍の命がけの戦いに心を打たれたシュラが、燃え尽きる間際に紫龍の右腕(注4)に宿らせた技で、何者をも切り裂く大いなる威力を誇る。ポセイドン編でクリシュナに追い込まれたときに使用し、黄金の槍を破壊した。さらに、クリシュナの生命点を切り裂き、これを撃破した。
聖闘士聖衣神話でも、これを再現するための手刀パーツが付属している。というわけで、今回はエクスカリバーつながりのお約束ということで、セイバーと対決させてみた!
シャドームーンとの戦いの後、一時的にせよ洗脳され闇に染まったことを悔いたセイバーは、修行のために中国五老峰を訪れドラゴン紫龍に決闘を申し込んだ。自らが信じるエクスカリバーと同じ名の技を持つ紫龍との戦いに打ち勝ち、更なる高みに行こうと決意したのである。

エクスカリバー対決!ドラゴン紫龍vsセイバー!!
老師から、アーサー王のサーバントであるセイバーの話を聞いていた紫龍は、風王結界の秘密を知っていた。そこで、見えない剣に対抗するため、自ら目を閉じ心眼状態となった。

紫龍「以前、老師から聞いたことがある。
アーサー王の化身であるセイバーは、風の鞘で剣を不可視の状態にすることが出来ると。
ならば、視覚を断ち小宇宙で剣の存在を察知するしかない!」
ドラゴン紫龍は、先手を取り廬山昇龍覇を放ったものの、セイバーによってかわされてしまう。
紫龍「ドラゴン最大の奥義!廬山昇龍覇!!」
セイバー「その程度の技など、この私に通用しません!!」
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廬山昇龍覇をかわしたセイバーは、無防備のドラゴンに対して風王結界を解放し反撃した。
セイバー「爆ぜよ、風王結界!
エクスカリバー!!」
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勝利を確信したセイバーであったが、吹き飛ばされた紫龍は体勢を立て直し着地した。

紫龍「聞きしに勝る風の鞘の威力。聖衣がなければやられていただろう・・・。
ならば!!」
窮地に立たされた紫龍は、いつものごとく聖衣を脱ぎ捨てた!!
紫龍「フンッ!」
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聖衣を脱ぎ捨てた紫龍は、自らの小宇宙を完全燃焼させエクスカリバーの体勢をとる。

セイバー「自分の身を守る聖衣を脱ぎ捨ててどうする気ですか!?」
紫龍「道具に頼るようでは、真の小宇宙は発揮されん!
窮地にあってこそ、小宇宙は燃え上がるのだっ!!」
ついに二つのエクスカリバーがぶつかり合うときが来た。

紫龍「行くぞ、セイバー。これが黄金聖闘士から授かった俺の魂のエクスカリバーだ!!」
セイバー「手刀ごときが、この私のエクスカリバーにかなうわけありません!!」
二つのエクスカリバーがぶつかり、衝撃が走る。そして、セイバーの放ったエクスカリバーの威力は紫龍のエクスカリバーの威力によって切り裂かれ、破れてしまう。

紫龍「エクスカリバー!!!!」
セイバー「そんな馬鹿な・・・!手刀で、この私のエクスカリバーがはじかれるなんて・・・。」
ロールオーバーで画像が変わります
紫龍は、急所をはずしセイバーを生かした。そして、セイバーに敗因を教える。
紫龍「自らの宝具に頼り切った戦い方では、心に甘えができる!
そのような心では真の小宇宙を宿すことはできない!
道具に慢心することなく、小宇宙を燃やし切ったものが戦いに勝利するのだ!
小宇宙は心を燃やすものだ!!」
セイバー「小宇宙を燃やす・・・。心を燃やす・・・!!」
自らの宝具、エクスカリバーに頼り切っていたことに気づいたセイバーは、自らの小宇宙を燃やした戦い方を学ぶことを決意し、修行のため五老峰を後にした。
尚、紫龍との戦いを経て、セイバーも窮地に立たされると鎧を脱ぎだす癖が付いてしまったのは言うまでもない・・・。
ちゃんちゃん♪(←!?)
注4 ハーデス冥界編後章6話において紫龍がシュラの回想をするのだが、そこでシュラが「お前の左腕にはエクスカリバーが宿っている」と世迷いごとを言い、その脚本を書いた脚本家にファンが激怒した。エクスカリバーが宿っているのは右腕だああああ!!
小宇宙は、心を燃やすものだ!!(もどる)