スーパーロボット超合金
ビッグボルフォッグ

バンダイ スーパーロボット超合金シリーズ

ビッグボルフォッグ 定価:4200円

ボルフォッグ&ビッグオーダールーム 定価:5040円(税込)


スーパーロボット超合金 ビッグボルフォッグ
GGG諜報部よりビッグボルフォッグがスーパーロボット超合金シリーズに登場!

激音忍者 ボルフォッグ
8年間の歴史を誇った勇者シリーズは、シリーズを重ねていくごとに新たなお約束が増えていった。その一つが忍者型のメカの登場である。これは『勇者警察 ジェイデッカー』に登場したシャドウ丸を皮切りに始まった伝統で、このシリーズ以後必ず1体は忍者をモチーフにしたメカが登場することになった。

勇者シリーズ最終作である『勇者王 ガオガイガー』でもこの忍者型メカが登場する。それが今回紹介するボルフォッグである。ボルフォッグはGGGの諜報部に所属するスパイ用に極秘開発されたメカで、その主任務は対ゾンダーのキーパーソンである天海護の護衛である。ゾンダーも護の浄解能力を危惧しており、物語序盤から付け狙うことが多々あった。そんな彼を影から救い続けていたのが、このボルフォッグなのである。

このボルフォッグはほかのシリーズならば、主役メカの位置づけにあるパトカーから変形するメカで、その立ち位置もほかのシリーズならば主人公の少年のパートナーに位置するようなおいしいポジションのキャラクターである。モチーフとなる車種もフェラーリ・F50で豪華なパトカーである。護に近い立ち位置にあることから、護に対しては甘い面がある上に、護衛で一日中彼を追いかけていることから、一部のファンからはショタフォッグと呼ばれていたりもする。

システムチェンジ
システムチェーンジ!ボルフォッグ!!
ロールオーバーで画像が変わります

しかし、忍者というモチーフでありながら、当のボルフォッグに与えられたギミックは派手な物がある。ボルフォッグのメルティングサイレンは、ゾンダーのバリアシステムを分解する機能を持つ。これは文字通りパトカーのサイレンを鳴らすことで放たれる技で、隠密専用のメカのはずなのにかなりやかましい。

このほか、忍者らしくホログラフィックを投影するプロジェクションビームや姿を消すことのできるホログラフィックカモフラージュを持つ。さらに、GGGの移動マシンであるガングルーガンドーベルと合体することで、ビッグボルフォッグにパワーアップすることもできる。攻撃力こそは、機動部隊のメカに劣るものの彼らにはない特殊能力を与えられているわけである。

発売当時のおもちゃは、ガングルーとガンドーベルとの合体ギミックはもちろん、ボルフォッグ側にはサウンドギミックが付与されており、パトカーのサイレンを鳴らすことが可能である。さらに、ビッグボルフォッグになった時に、腕パーツであるガングルーとガンドーベルを振り上げると、マシンガンを放つ音や剣戟の音がなるギミックもある。

これらのギミックが付与されているため、ボルフォッグ単体やビッグボルフォッグ時のプロポーションや可動範囲がいまいちなのだが、このたびバンダイが発売したスーパーロボット超合金シリーズでガオガイガーシリーズがブレイクしたこともあり、このシリーズでビッグボルフォッグが登場することとなった。また、合体前のボルフォッグも様々なオプションが付属して商品化された。それらを詳しく見ていこう。

三身一体!ビッグボルフォッグ
おもちゃでは「激音合体」という二つ名が付与されているビッグボルフォッグだが、劇中では「三身一体」の掛け声で合体する。ヘリコプターであるガングルーと白バイであるガンドーベルを呼び出し、ボルフォッグが変形し、両機が腕としてボルフォッグに合体する。

スーパーロボット超合金シリーズでは、ガオガイガーに合わせるためかこれまで発売されたメカは合体後の姿でしか発売されていない。しかし、ビッグボルフォッグは構造上腕パーツを取り外すことができ、合体シーンの途中から再現することが可能である。というわけで、ボルフォッグの合体シーンを見てみよう。

ボルフォッグ本体の変形は折りたたまれていた足パーツを展開し、車体ボンネットを倒すことで単体時とは別に新しい顔が出てくる仕組みとなっている。これにより、ロボット形態時は10メートルほどしかないボルフォッグが21メートルに巨大化する。

三身一体!
三身一体!
ロールオーバーで画像が変わります

変形したボルフォッグに腕に変形したガンドーベルとガングルーが合体する。

ガングルーの合体
ロールオーバーで画像が変わります

ガンドーベルの合体
ロールオーバーで画像が変わります

この時、ビークルモードの時は明らかに大きさが違うにも関わらず、ガングルーとガンドーベルは全く同じ大きさになり、ビッグボルフォッグの腕となる。これは二次元のウソだが、この突っ込みに対し米タニ監督は「ブラインシンクロンマキシマム」で同じ大きさになっていると他作品の設定を引き合いに出し切り抜けている。

この二機が合体するとビッグボルフォッグが完成する。

ビッグボルフォッグ完成
ビッグボルフォッグ!
ロールオーバーで画像が変わります

全体的なプロポーションはアニメのスマートな体型を元に作られている。ダイキャストは、足首、太もも、腹などに使われており、肩と胸のパトライトの中身もしっかりと作りこまれている。これには同じくパトカーがモチーフのデカレンジャーロボで培われた技術が フィードバックされており、パトライト内部の底を銀色に塗ることでクリアレッドを引き立たせている。

スーパーロボット超合金 ビッグボルフォッグ 前 スーパーロボット超合金 ビッグボルフォッグ 後
タカラの製品よりもスマートになったビッグボルフォッグ

設定上の大きさは、21メートルとガオガイガーよりも小さいが、それを意識してかビッグボルフォッグは前に発売されたガオガイガーや超竜神よりも小さめに作られている。ただし、劇中比率と同じ比率にはできなかったためか、やや大きめの大きさになっている。

ガオガイガーとの比較

余計な合体ギミックがない分、可動範囲は広く取られており、合体完了時の腕組みも難なく取らせることができる。股関節にはスライドギミックが採用されており、引き延ばすことで足の可動を広げることができるようになっている。

股関節のスライドギミック
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しかし、上半身のパーツは前方向に倒す分には良いのだが、後に倒しにくいため胸を張ったポーズが苦手である。

取扱い上の注意としては、プラスチックで成型されているヘリコプターのローターの造形がシャープな分薄くなっており、取り付けたり取り外したりする際に折ってしまわないように気をつけよう。

最近のスーパーロボット超合金同様、ビッグボルフォッグには豊富なオプションパーツが付属している。これらのオプションパーツとポーズを組み合わせることで劇中のケレン味ある必殺技を再現することができる。

まず、ガングルーのローターは高速回転させることでムラサメソードという近接専用の武器となる。(注1)回転しているローターを敵にぶつけて切り裂く技である。

ムラサメソード
唸れ!ムラサメソード!!
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回転前 回転エフェクト
ローターを差し替えることで回転状態を再現可能

ガンドーベルが合体することで追加された右腕から繰り出される技が4000マグナムである。この技はガンドーベルのバイクのマフラーからガトリングを放つ技である。この技を再現するためにオレンジのクリアパーツでできた発射エフェクトが付属している。このパーツをマフラーの穴に取り付ければ4000マグナムを再現することができる。

4000マグナム
4000マグナム
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さらに、ボルフォッグ時に多用したジェットワッパーが手持ち武器として付属している。こちらはリード線が使用されており、手に持たせて自由に表情を付けることできる。また、手錠部分を開くことができるようになっている。

ジェットワッパー
ジェットワッパー!

手錠部分の開閉
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タカラの商品と違い、サウンドは出ないがメルティングサイレンも再現することができる。こちらは手首を指をまっすぐ伸ばした平手パーツと交換することで再現することが可能。また、指を2本立てた手首パーツも付属しているので組み合わせれば劇中の動きを再現することも可能。

メルティングサイレン
メルティングサイレン!
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ちなみに指を立てた手首は忍者の印の様なポーズを与えることができる。

忍者っぽいポーズ

このほか、ビッグボルフォッグにはミラーコーティングのミラー粒子を四方に飛ばして攻撃する大回転魔弾(注2)やミラーコーティングの中から分離して攻撃する分身殺法を使用する。これらの技は体全体を使ったり小型メカ状態に分離したりして繰り出す技なので、エフェクトパーツが用意されていないのが残念である。

これらの技は大体空中から繰り出されているので、魂ステージを使用することが求められる。股関節に取り付ける透明の魂ステージ対応ジョイントパーツも付属しているので、ポージングを大きく取らせたい人は魂ステージACT4を使用するようにしよう。

魂ステージを使用したところ

このように、スーパーロボット超合金では確実にガオガイガーのメカがそろいだしてきている。特にボルフォッグの場合は合体前よりも合体後の方が印象深かったりするので、合体前の単体メカでの発売も視野に入れてほしいものである。
注1 後にウルテクエンジンが装備された際にはムラサメブレードにパワーアップした。

注2 ウルテクエンジンを装備して以降は大回転大魔断にバージョンアップした。

なかなかやりますね・・・。こちらの要望を汲んで商品化してくれるとは・・・。
・・・ということを書いていたら、実際にバンダイは小型メカの商品化に着手し始めた。その第一弾に選ばれたのが劇中でも小型メカ状態の活躍の多いボルフォッグであった。この小型メカシリーズは、合体メカを扱ったシリーズとはナンバリングを一新し、GGG基地内にある勇者メカ専用の会議室であるビッグオーダールームを再現するためのパーツが付属するシリーズとなった。

まず、ボルフォッグは大きさわずか9.5cmで造形されている。これはビッグボルフォッグとサイズ差を合わせたらしく、実際に並べてみるとパワーアップ後との縮尺がよくわかる。

スーパーロボット超合金 ボルフォッグ 前 スーパーロボット超合金 ボルフォッグ 後
初の合体前の小型ロボに選ばれたボルフォッグ
小型ながら、ボルフォッグの特徴を見事に抑えた細かい造形をしている

ビッグボルフォッグとの比較 ガオガイガーとの比較

通常の商品よりも小型であるにもかかわらずボルフォッグの細かいディティールやプロポーションを再現できている。顔の造形も非常に小さいにもかかわらずボルフォッグの特徴を押さえているし、目の部分もしっかり塗装が施されている。

顔のアップ
劇中のボルフォッグの顔をこの大きさにして忠実に再現している

関節部はすべてダイキャストを使用しているため、小型化による強度の低下は見られず小型であるにもかかわらず肩関節の引き出しや膝関節の二重化を実現しており、幅広い可動範囲を誇っている。この可動範囲を利用し、上にあるように腕組みのポーズがビッグボルフォッグ以上に決まる。

可動範囲 腕組み
関節部はダイキャスト製のボールジョイントを使用し、強度を確保している

さすがに変形させることは不可能だが、アクション面が充実するように武器であるシルバームーンが二つと二つのシルバームーンが合体したシルバークロスが付属している。さらに、これらを持たせてアクションさせたときにより迫力が出るように叫び顔が付属している。これらを組み合わせることで実際にアニメ劇中での動きを再現することが可能。

シルバームーン
シルバームーン!
ロールオーバーで画像が変わります

シルバークロス!
シルバークロス!
ロールオーバーで画像が変わります

シルバークロスを投げる図
はあっ!
ロールオーバーで画像が変わります

ロボット本体はその小ささにかかわらず密度の濃いアクションフィギュアとして仕上がっているが、それではさびしいということでボルフォッグがよく座っていた司令官用の椅子も用意されている。ボルフォッグは勇者メカであるにもかかわらず、その処理能力の高さから多次元諜報潜水艦やディビジョン艦スサノオを務めている。その際に使用していた座席を再現しているわけである。当然、この座席の上にボルフォッグを座らせることも可能。

司令官席 前 司令官席 後

座っているところ
このように座席に座って司令官を務めたり、敵の分析を行ったりしている

オプションの手首にオイルボトルを持った手首が付属しているので、この座席に座らせて一服しているボルフォッグという一幕も再現することができる。

オイルで一服
オイルを飲んで一休みするなど、どこか人間臭さがある勇者メカ

また、この司令官席は裏返してビッグオーダールームの中心に据え付けることができる。

ビッグオーダールームとの接続

GGGの勇者メカは作戦がない時はハンガーに鎮座しているのではなく、実際に部屋の中で生活を営んでいる。また、作戦会議も人間と実際に話し合いの場を持っており、彼らの居住ブロック兼会議室がビッグオーダールームなのである。これはGGG基地の地下80mに建設されており、中心には円形のロボット用テーブルが備え付けられている。この商品にはそのテーブルの1/4が付属している。

ビッグオーダールームテーブル 前 ビッグオーダールームテーブル 後
作戦会議を行う時の勇者メカ用のテーブルを再現!
これと合わせると作戦会議や彼らの生活の一幕も再現できる

他の勇者メカよりもサイズが小さいボルフォッグは椅子の上に立って会議に参加している。この時の座席も当然用意されており、オーダールームの地面のジョイントの好きな場所に取り付けることができる。

ボルフォッグと組み合わせたところ ボルフォッグと組み合わせたところ
サイズが小さいボルフォッグにとっては椅子ではなく高さを合わせるための土台みたいなものですね

この座席は、スライドさせることができるので高さの調整も簡単である。

高さ調節
ロールオーバーで画像が変わります

スーパーロボット超合金では、コンセプトの一つとして「基地遊び」というものが元々含まれていた。マジンガーZなどの整備ハンガーを再現しようという向きだったのだろうが、コストや置き場所の問題からなかなか実現できないでいたが、小型メカとの分売によりようやく日の目を浴びてきたようである。

この後の小型メカの展開として、2013年4月に氷竜と炎竜のセットが発売される予定である。また、6月には魂ウェブ商店限定販売で風龍と雷龍のセットが発売される予定である。これらのセットにもビッグオーダールームの1/4が付属しているので小型メカを買いそろえていくとビッグオーダールームの全景が再現できるよう。是非、ほかの小型メカも買いそろえていきたいところである。

ファイナルフュージョン!(スーパーロボット超合金 ガオガイガーのコラムへ)

シンメトリカル・ドッキング!(スーパーロボット超合金 超竜神&撃龍神のコラムへ)

あなたたちの敗因は戦力計算の甘さにあるようです。(もどる)