S.H.Figuarts
仮面ライダーW サイクロンジョーカー

バンダイ S.H.Figuarts シリーズ

定価:2625円(税込)


仮面ライダーW CJ
「「俺たちは/僕たちは、二人で一人の仮面ライダーだ!」」

Wの検索/探偵は2人で1人
街のいたるところに風車が存在するエコの街・風都(ふうと)。この街と、ハードボイルドな生き様をこよなく愛する私立探偵の左 翔太郎(注1)のもとに亜樹子という少女、もとい女性が現れた。翔太郎の探偵の師匠・おやっさんこと鳴海 荘吉の娘であるという彼女は、土地の権利書を突き出して翔太郎に事務所から立ち退きを要求する。

その時、翔太郎の小学生時代の同級生・津村 真里菜が事務所に訪れる。職を失い突然失踪した恋人・戸川 陽介を探してほしいというのだ。「風都では誰にも涙を流してほしくない」―街を愛するからこそ、同様に街に生きる人間を愛する翔太郎は真里菜の願いを聞き入れ、捜査を開始する。

無理やり捜査に同行してきた亜樹子に頭を悩まされていると、かつて戸川が勤務していたデザイン会社・ウインドスケールのビルが陥没するという事故に出くわす。事故現場では大量のガスが発生した痕跡もあり、顔見知りの刑事・刃野によると、土台が高熱で溶かされたりしない限りはこうはならないという。また、同様の事故が最近、連続して発生しており、陥没しているのはいずれもウインドスケールの社屋。現場の痕跡と連続性から、これが事故ではなく[ドーパント]が関わっている事件であることを見抜く翔太郎であったが、街の人間ではない亜樹子には何のことだかさっぱり分からない。

翔太郎が事務所に待機している相棒・フィリップ(注2)に、ドーパントが使う能力の正体を調べさせようとしていると、そこにマグマドーパントが襲い掛かってきた! この襲撃を何とか回避する翔太郎であったが、恩人であるおやっさんの娘を、これ以上危険な目に合わせるわけにもいかない、と、亜樹子に故郷に帰るように諭す。が、その言葉にイラつき、亜樹子は1人、どこかへ走り去ってしまう。

翔太郎が事務所に戻ると、フィリップは亜樹子の言葉に刺激を受け、『たこ焼き』の検索の真っ最中だった。「翔太郎、君は知らないだろう?たこ焼きという食べ物を! 実に興味深い・・・!」―興味を引く言葉を見つけるとそれを調べ尽くすまでフィリップは止まらない。しょうがないので翔太郎は亜樹子に、街ではガイアメモリというアイテムが密かに流通しており、手に入れた者はドーパントという超人に変身してしまうのだという事件の内容を説明する。

一晩経ち、たこ焼きの検索を終えたフィリップに、翔太郎はウインドスケールに恨みを抱くマグマドーパント=戸川が、次に何処を狙うのか検索を始めさせる。地球の記憶とリンクする能力を持つ少年・フィリップは星の本棚にアクセスすることで、あらゆる事象を検索することが出来る。翔太郎から提示されたキーワードをもとに、戸川が次に襲う場所が判明する。現場に向かう翔太郎。それを見送るフィリップ。そんな彼に亜樹子は「行かないの?」と、問うが、フィリップは「行くさ。僕たちは2人で1人の探偵だもの。」と、意味深な言葉で返した。

翔太郎がウインドスケールを訪れると、目の前でマグマドーパントに変身した戸川に突如として襲撃される。

「止めてやるよ。俺が・・・いや、俺たちが。」 翔太郎がベルト状に変化したダブルドライバーを腰に装着すると、探偵事務所地下のガレージで本を読むフィリップの腰にも同じものが出現。フィリップが[サイクロン]のガイアメモリをベルトの右側のスロットに挿入すると、それが翔太郎の方のベルトへ転送される。続けて翔太郎が左側のスロットに[ジョーカー]のメモリを挿入すると、翔太郎の肉体が緑色の体と黒い体を併せ持つ、一人の超人・仮面ライダーW サイクロンジョーカーへと変身を遂げる!

変身!
翔太郎&フィリップ「「変身!!」」

サイクロンジョーカー!

※ダブルドライバーのメモリ部分は商品では黒一色だったので塗装しております。塗装は自己責任で。

お約束のキメ台詞@
「「・・・さぁ、」」

お約束のキメ台詞A
「「お前の罪を数えろ!!」」

Wに変身すると、彼を中心に周囲の風車が逆回転するするほどの強風が吹き荒れる。・・・その頃事務所では、翔太郎のもとにガイアメモリとともに意識を飛ばしたフィリップが昏倒、亜樹子はその体を抱えて「私聞いてない!」と、慌てふためいていた・・・。
注1『左 翔太郎』:『仮面ライダーW』の主人公の一人。外に出て、足で手がかりを探すタイプの探偵。帽子をかぶり、コーヒーをたしなみ、また、事件の報告書はタイプライターで打つなど、ハードボイルドを気取った振る舞いを見せるが、それらは全てカッコだけ。心根の優しい彼をして人は言う。【ハーフボイルド(半熟)】と。ちなみにタイプライターで打っている報告書は、実はローマ字打ち。

注2『フィリップ』:『仮面ライダーW』のもう一人の主人公。翔太郎とは違い、事務所にいながらにして与えられた情報から真実にたどり着く、安楽椅子探偵的なポジション。・・・ただのヒキコモリともいうが。本編の始まる時系列から一年前。街で暗躍する謎の組織・ミュージアムに攫われていたが、鳴海 荘吉と翔太郎によって救出されている。そのときの戦いで荘吉は重傷を負い、ビルの倒壊により消息不明となっている。

入手困難過ぎでwww/後悔先に立たず
初見のアニメ・キャラクターにいきなり入れ込むのは、とても危険な事だと筆者は考える。初見の時に感じた気持ちの昂ぶりをずっと維持できるならそれで良いかもしれないが、なかなかそうはいかないもので、ストーリー中にひどい展開でもあればそこで失速してしまうし、最終話がヒドイ終わり方されると、グッズにつぎ込んできた金の無駄、ひいては、一年間、放送日を楽しみにしてきた時間の無駄ということになりかねない。

某ガンダム種運命のアレやコレ、某ギアス一期のアレやコレですっかりアニメ作品をリアルタイムで追いかけることに及び腰になってしまった筆者は、最近では一歩引いた位置から、某掲示板の反応や口コミから「面白そうだなー」と判断できるものだけを選ぶことにしていた。が! この方法には致命的な欠点があった。それはスタートラインが他人よりも遅れるため、グッズを欲しい!と思ってもなかなか手に入れにくい、と、いうことである。

前番組の最終話がアレだったおかげですっかり警戒対象となっていた『仮面ライダーW』であったが、身内は何かやたらと「面白いぜ!カッコいいぜ!!」とプッシュしてくるし、仕方ないので最終話直前の時期に第一話から追っかけて見てみると・・・、ナンダコレ、超面白いじゃねぇか!!

平成仮面ライダーシリーズでは何故か敬遠されてきた、【仮面ライダー】という名を本編に堂々と登場させ、また、主人公の一人である翔太郎はその名にある種のプライド(注3)を持っている。また、仲間を、街の人間を命がけで守ろうとする翔太郎の姿は、筆者が幼い頃に憧れた南 光太郎(仮面ライダーBLACK RX)のそれにかなりダブるものを感じさせる。・・・そういえば、翔太郎って名前は、光太郎になんとなく語感が似ているな・・・?

緑と黒の半分こ怪人という、奇抜な見た目から敬遠してしまっていたが、それ以外派手な装飾も少なく、大きな赤い複眼とマフラーという昭和仮面ライダーテイストなデザインがガッチリツボッたのであった!

風にたなびくマフラー
ちゃ〜、ちゃらちゃっちゃっちゃ、ちゃら〜ら〜♪
と、OP風に。

当然の流れ的に、S.H.Figuartsが欲しくなるわけだが、どこに行っても売り切れである。Amazonは転売業者のナイス巣窟となっており、値段が釣り上がり過ぎで流石にハードルが高すぎる。こうなれば通販にはもはや頼れぬ。血反吐を吐くような思いで各地を這いずり回り、ようやく発見、入手に至った、という訳である。・・・もっとも、売っている店を発見するまでにかかった交通費+商品の値段で、転売屋にふっかけられた値段を超過していたりするのだが、過程を楽しめたんだから、別にイイだろう!と、逆ギレしておく。
注3『仮面ライダーのプライド』:作中において【仮面ライダー】という名は、バイクに乗って颯爽と現れる怪人・Wに、風都の人たちが都市伝説につけた名称。「その姿から、いつからか人々は彼をこう呼ぶようになった・・・」的な名前。翔太郎もフィリップも、この名前に強い愛着を持っているのだ。
『風』の記憶/『切り札』の記憶
仮面ライダーWはフィリップが持つサイクロンルナヒートの3つのソウルメモリと、翔太郎が持つジョーカートリガーメタルの3つのボディメモリのそれぞれの組み合わせによって3×3=9の姿に変身する。サイクロンジョーカーは『風の記憶』サイクロン、『切り札の記憶』ジョーカーのガイアメモリを変身ベルト・ダブルドライバーに挿入することで変身する姿でである。サイクロンメモリによるスピードの強化とジョーカーメモリによる運動能力の強化を備えた、バランスの良い形態の一つで、敵の能力の様子見にも用いられるWにおける基本フォームと言える姿である。

サイクロンジョーカー正面 サイクロンジョーカー背面
ぱっと見では敬遠してしまったが、第一話を見ると、「ヤダ、なにコレ。カッコイイ。」ってなもんである。

背中にたなびくマフラー・ウインディスタビライザーは風になびいた状態の物も付属する。

風になびくマフラー

・・・ちなみに、筆者のWCJは取り扱い方を間違ってしまったのか、ボールジョイントになっているマフラーの基部がブチ切れてしまったので、可動するように改造した。例によって、改造は自己責任で!・・・扱い方を間違えなければこんな事にもならなかった、と、思うんだけど。

ジョーカーメモリでは武器は装備しておらず、基本フォームらしく格闘で敵と相対する。サイクロンで強化されるスピードを活かす為か、蹴りを主体としたスタイルで戦うことが多い。

跳び蹴り
跳び蹴り、からの

ハイキック
ハイキック、で

回転蹴り
回転蹴り!(ONE PI○ACEのサ○ジみたいやな。)

手首パーツは握り拳を含め、[変身ポーズ用]、名乗りのポーズに使われる、[おま罪ハンド]、[平手]の左右4種、計8個付属する。

手首一覧
[おま罪ハンド]の形が優秀すぎて、他の手首の使いどころに困るという罠。

サイクロンジョーカーでは武器を用いないので、武器用の持ち手は付属しないのだが、その所為で、後続商品で少々残念なことに・・・

ダブルドライバーのメモリを右腰のマキシマムスロットに装填することで、マキシマムドライブと呼ばれる必殺技を使用することが出来る。マキシマムドライブの強烈な一撃によって、ドーパントの体からガイアメモリを摘出し、これを破壊するのである。

サイクロンジョーカーで用いられるマキシマムドライブは、ジョーカーメモリをスロットに装填して用いられる、ジョーカーエクストリーム! 中央の線で二つに分かれたWが連続で蹴りを放つという、若干どころか、かなり笑える必殺技である。なお、マキシマムドライブ時には二人の呼吸を合わせる必要性から、必殺技名を叫ぶ。最近では見られない、なかなかいい感じのノリである。


マキシマムドライブ
ジョーカー! マキシマムドライブ!
メモリが外れたりはしないので、雰囲気で・・・


「「ジョーカーエクストリーム!!」」
フィギュアーツは真っ二つに割れないので、雰囲気で・・・

ロールオーバーで画像が変わります

造形は素晴らしく、また、可動範囲も広いので、特に不満は無いのだが、間接部品の色が左右で黒に統一されているというのが残念に感じる点である。「コストを抑えるためには致し方なかった]という噂だが、どうなのやら? フィギュアーツは『小さな宝物』ってのがコンセプトの大人(大きいお友達向け)おもちゃなんだから、少しくらいコストが高くても、問題ないと思うんだけどなぁ。

「地獄の底まで、悪魔と相乗りしてくれ、翔太郎!」(ファングジョーカーのコラムへ。)

「お前が俺を相棒だと思ってくれている限り、俺だけ倒れるわけにはいかねぇんだ!」(サイクロンジョーカーエクストリームのコラムへ)

「行くぜ、俺。・・・変身!」(仮面ライダージョーカーのコラムへ)

「悪魔と相乗りする勇気、君にあるかな!?」(戻る)