ROBOT魂 暁 量産型&暁 量産型可翔

バンダイ ROBOT魂(SIDE KMF)シリーズ

定価 各3360円

ROBOT魂 暁 量産型&暁 量産型可翔
黒の騎士団、後期主力KMFがROBOT魂に登場!

てめえらはゼロの親友、玉城真一郎様が相手・・・ぐああああああ!
当コードギアスシリーズのコラムではルルーシュやスザク、カレンといったメインキャラクターの紹介はよく行ってきたが、黒の騎士団側のサブキャラクター達の紹介を行ってこなかったので、今回は玉城真一郎を初めとする黒の騎士団の団員の紹介と、彼らの愛機である量産型の紹介を行う!

元々、黒の騎士団は扇要をリーダーとしたレジスタンスグループ、扇グループだった。ゼロが現れる前までは団員も少ない弱小グループであった。R2で生き残ったメンバーは、扇とカレン、玉城杉山そしてである。井上と吉田という人物もいたが、この二人はブラックリベリオンの際に戦死している。

特によく目立った行動を起こすのが玉城である。物語の位置づけでは愛すべきバカといったところで、一期のときは黒の騎士団の財務を担当しておきながら、新規団員の飲み代に使用したりしており、結構脚を引っ張っていた。性格も激情家で乱暴なところがある。

ゼロに最初は反目していたが、だんだんと彼の思想に同意するようになり、R2では勝手に彼の親友を名乗っていたりする。一方のゼロのほうはというと、玉城の能力を低いものとみなしており、超合衆国建国時には彼に内務掃拭賛助官という役職を与えている。この役職は、劇中では詳しく述べられていないが漢字から推察するに、掃除当番だろう・・・。

玉城はKMFでたびたび出撃しているが、登場するたびに撃破されている。1期のときは無頼を操縦していたが、ランスロットに事ある毎に撃破されているし、R2に入っても太平洋奇襲作戦の際には真っ先に操縦する輸送ヘリを撃墜され、輸送していた無頼に乗っていた南に怒られていた。更に、暁に乗るようになっても相変わらずの間抜けぶりで、ゼロ救出に向かったら当のゼロに気づかず、気づいた後も真っ先に撃破されていた。

最終決戦の際は、斑鳩のブリッジを紅蓮聖天八極式とともに守って見せたが、最後にスザクの乗るランスロットアルビオンにあっけなくやられてしまう。このとき、下半身を切られながらもアルビオンに攻撃し、アヴァロン突入の時間稼ぎに貢献はしてはいたが、アルビオンに止めを刺され、脱出したものの、それが彼の最後の活躍となってしまった。その後は病室で、何で自分ばかり馬鹿にされるのかと嘆いていた。・・・頑張れ、玉城!

玉城に比べると杉山と南はあまり目立った活躍はしていない。杉山は三番隊の隊長となり、中華連邦戦では部隊の指揮を取っていた。また、南は天子の姿を見て頬を赤らめており、ロリコンに設定されていた。そんな彼だったが、超合衆国建国後は斑鳩の艦長となり、的確な判断を下している。

主役ばかりに目が行きがちだが、サブキャラクターも特徴的なのがコードギアスの魅力だろう。

アンバランスな分売商法
これまでにも紹介したとおり、『R2』に入ってからの黒の騎士団の戦力は非常に強化され、強力なKMFが台頭してきた。まず、藤堂と四聖剣専用だった月下が強化され、藤堂には斬月が、四聖剣には暁 直参仕様がそれぞれ与えられた。特に藤堂の斬月はラウンズの機体とも互角に渡り合えるほどの性能を誇り、黒の騎士団の主力となっている。

そして、一般の量産型にも暁が採用された。これらの機体には、上で紹介した玉城や杉山が搭乗し、劇中でやられたり活躍したりしている。指揮機である直参仕様の暁は斬月と同じく鋭角的なフォルムであるのに対し、量産型の暁は非常に丸みを帯びたシンプルなラインとなっている。

ROBOT魂 暁 前 ROBOT魂 暁 後
刺々しいデザインの暁直参仕様のデザインから一転、量産機らしい姿となっている

直参仕様からは、主に肩口と頭部のデザインが一新されており非常に丸みを帯びたシンプルなデザインとなっている。「いかにもやられ役」といった雰囲気をかもし出しているのが量産機らしいところである。また、脚部のデザインが変更され装甲が追加されているのがポイントである。弱弱しいデザインにされているが、設定上ではこの暁は前身である月下よりも性能が上である。

月下 前 月下 後
強そうに見えるのは月下ですが、後発の強みで暁のほうがスペックは上

魂ウェブのROBOT魂日記を読むと量産型で活躍が地味だということと、デザインが元の暁と似ているようで大きくかけ離れているということから、当初は商品化する予定はなかったようである。ところが、担当者の田中氏がコードギアス大好きということと、量産メカ大好きということで何とか商品化にこぎつけたようであった。

ただし、商品の販売形態に少々疑問が残る。今回は、量産型ということで数を買ってほしいということで、中華連邦で戦ったときの陸戦仕様と、飛翔滑走翼を装備した暁 可翔を同時にリリースするという販売形式を取っていた。

暁 可翔 前 暁 可翔 後
飛翔滑走翼の量産が進み、物語後半では全ての暁に飛翔滑走翼が装備された

ここまでは納得の行くお話だったのだが、武器の付属にかなりの難があった。陸戦型には飛翔滑走翼が付かない代わりに、バズーカ砲、小刀、粘着輻射波動グレネードがとかなりの武器が付属している。武器が大きめに作られているのでかなりお得感がある。

陸戦型付属武器一覧
大型の武器が2つも付属でお得

しかし、可翔式のほうはというと飛翔滑走翼と暁直参仕様に付属したハンドガンだけしか付属しない。飛翔滑走翼自体は、紅蓮可翔式のものの色を変えただけのものに過ぎない。それにもかかわらず、陸戦型仕様と可翔式の値段は同じなのだった。

ボリューム的にお得なのは断然陸戦型で、可翔式のほうは飛翔滑走翼があるとはいえ武器の数が流用品だらけでボリューム不足が否めない。本体自体はどちらも同じなので、両方買って数をそろえてほしいというところだったのだろうが、それでも3000円オーバーという値段は高値である。店頭のほうでも、お得な陸戦型仕様が売れており、可翔式のほうは余っている現状が見受けられる。せめて、可翔式のほうにも小刀をつけるか、直参仕様に付属した回転刃刀を付属させてほしかったところである。

ただ、本体の出来はどちらも非常に良好である。直参仕様の暁よりも関節の渋みが増しており、ポージングがしやすくなっているのが良いポイントである。また、月下のときと同じコクピットの仕様になっているため、魂STAGEにそのまま接続させることが可能となっている。

魂ステージに接続したところ
魂ステージのジョイントにそのまま差し込むことが可能となったコクピット

陸戦型の暁にもジョイントが儲けられているが、空を飛ばないこの機体には無用のものである。カラーリングがほぼ同じなので、コクピットを暁直参仕様や斬月のものと交換しても良いだろう。

陸戦型の暁に付属する武器は、全て中華連邦での戦いに使用したものである。可動範囲は暁直参仕様と同じなので、劇中のポージングを取らせることが可能となっている。

抜刀! キャノン砲による砲撃
数をそろえて、中華連邦の激戦を再現しよう!

下腕部の形状はどちらも共通であるため、武装の交換も楽しめるようになっているのである。設定では粘着輻射グレーネードを装備している暁も存在しているが、こちらは別売りの暁直参仕様に装備させたいところである。

粘着輻射グレネード
グレネード弾は千葉や朝比奈がよく使用していた印象があるので、直参仕様に装備しよう!

暁直参仕様から回転刃刀を流用し、キャノン砲と飛翔滑走翼を装備させれば玉城仕様の暁も再現できるようになる。両方とも買えば、少なくとも2つの暁が手に入るので量産機という特性を楽しめる仕様となっている。これで値段をもう少し抑えてくれたらと思うと、悔やまれる商品である。

ここまで来ると、ヴィンセントの簡易量産型であるヴィンセント・ウォードがほしくなるところである。毒を食らわば皿までということではないが、こちらもリリースしてほしいところである。

過去 からの 刺客
量産型の暁は、中華連邦での戦い以降黒の騎士団の量産機として活躍する。今回は、中華連邦での戦いが終った直後の12話〜14話の模様をお届けしよう。この一連の話はルルーシュにとってはつらく、かつ物語の転換期でもある。

中華連邦の激戦は、ゼロの知略により天子と星刻を懐柔する形で決着を見た。これにより、ゼロ率いる黒の騎士団の勢力は中華連邦を取り込んだことにより飛躍的に増大することになる。だが、中華連邦の戦いでカレンと紅蓮可翔式がブリタニアの手に落ち、大勝利というわけではなかったのである・・・。

中華連邦の一件が済んだことで、ルルーシュは蜃気楼でトウキョウ租界に戻ってきた。ルルーシュがアッシュフォード学園を留守にしている間、ナナリーの世話役を務めていた日本人のメイド兼、最強のくのいちである咲世子にルルーシュの変装をさせ代役を務めさせていた。

しかし、天然な咲世子の性格から、学園内の複数の女性とデートの約束を取り付け、更にアクシデントからルルーシュに想いを寄せるシャーリー=フェネットキスをしてしまい、彼女と誤解が生じてしまった。

そんな彼女達を見たミレイは、自分の卒業イベントとしてキューピットの日を開催した。帽子の争奪戦を行い、帽子を取ったものは学園公認のカップルとなるという日だった。このイベントをクリアすることで、女性との関係を一掃しようとルルーシュはたくらみ、運動神経が超人クラスの咲世子にルルーシュに化けさせてイベントをこなしていった。

途中、ラウンズのアーニャモルドレッドで乱入するというアクシデントを退け、ルルーシュはシャーリーとめでたく学園公認のカップルとなったのであった。かくして、偽りの記憶を植えつけられているとはいえ、ルルーシュは学園でも幸せな生活を取り戻しつつあった。しかし、これが悲劇への序章だったのである・・・。

買い物に出かけたシャーリーは、突如として書き換えられた記憶を取り戻してしまう。その元凶となったのが、ルルーシュに浅からぬ因縁のあるジェレミア=ゴットバルトだった。彼は、ブラックリベリオンの際、ガウェインとともに海に沈んだはずだったのだが、V.V.によってジークフリートごと回収され、改造をより完璧なものにされていた。

そして、彼はギアスを破る能力であるギアスキャンセラーの力を手に入れていた。V.V.の命により、町に配置されたルルーシュの「手駒」を無力化するために無作為にギアスキャンセラーを使用してギアスを打ち消していたのである。そこにシャーリーが巻き込まれたことにより、皇帝によって書き換えられた記憶とルルーシュのギアスがキャンセルされ、ゼロがルルーシュであること父の死の元凶は、他でもないルルーシュであるという忌々しい記憶を思い出したのだった・・・。

その後、シャーリーは周囲の人間が自分が取り戻した記憶とは違うことに気づき、悪夢にうなされていた。何がウソで何が本当なのかわからない状態・・・。シャーリーは相談があると、ビルの屋上でスザクと待ち合わせをしていた。そこに、ルルーシュが現れる。自分が見た悪夢を見てシャーリーは取り乱し、ビルの上から落下しそうになる。

ビルから落ちかけたシャーリーを身を挺して守ろうと、ルルーシュは落ちていくシャーリーの手をつかんだ。その懸命なルルーシュの姿に、シャーリーはルルーシュを信じることにする。その場にいたスザクが二人を引き上げ、事なきを得た。自分と同じく、ルルーシュがウソと本当がわからない状態で一人で戦っていると気づいたシャーリーは彼を守ろうと決意したのであった。

その頃、アッシュフォード学園ではジェレミアが出現していた。彼を迎え撃つためにロロと咲世子が生身でジェレミアに戦いを挑んだが、ギアスキャンセラーの力の前にロロのギアスが通用せず返り討ちにされてしまう。ルルーシュがいるポイントを知ったジェレミアは、ショッピングモールへと向かった。

ジェレミアが出現したことをロロから知らされたルルーシュは、ジェレミアを誘い出した。スモークを作り出すことでテロが起きたと偽装し、その混乱にまぎれてルルーシュはジェレミアをある場所に誘い出そうとしていた・・・。

また、町の混乱を知ったスザクは、一緒にいたシャーリーを警官に預け事態収拾に努めていた。しかし、シャーリーはルルーシュを救い出そうと、火事場に入っていってしまう。途中で気絶していた警官から銃を奪い、現場の奥深く入り込んでいった・・・。

逃走していたルルーシュは、ついにジェレミアにモノレールの駅で追いつかれてしまう。ジェレミアの執念に驚きながらも、ルルーシュは仕掛けていた仕掛けを発動させる。ルルーシュがスイッチを押すと、モノレールの車両からゲフィオンディスターバーがせり出し、ジェレミアの体の動きを封じ込めた。これは、来る第二次トウキョウ決戦に備えて、ルルーシュがひそかに仕掛けていたものだった。サイボーグと化したジェレミアは、その駆動にサクラダイトを使用しており、ゲフィオンフィールド内では身動きが取れなくなってしまったのだった。

しかし、ジェレミアは動けないはずの体を押して、ルルーシュに詰め寄った。そして、何故ルルーシュがゼロの仮面をまとい戦うのかをルルーシュに問いただした。ルルーシュは、ナナリーとマリアンヌの敵討ちが自分の目的であると彼に告げる。

それを聞いたジェレミアは、安堵の言葉を漏らした。実は、マリアンヌ暗殺事件の際、ジェレミアは軍属としての初仕事に従事していた。しかし、マリアンヌを守れなかったことが彼のしこりとなっていたのである。マリアンヌのためにルルーシュが戦っていることを知ったジェレミアは、満足した表情で力尽きようとしていたが、真相を知ったルルーシュはゲフィオンディスターバーの電源を切った。そして、ジェレミアに自分の下で仕えるように命じたのだった。

ジェレミアと和解したルルーシュは、ロロと合流しようとしていた。その途上で、彼は衝撃的なものを目撃してしまう。それは何者かに胸を撃たれて倒れていたシャーリーの姿だった。彼女は大量出血を起こし、死に掛けていた。ルルーシュは驚きながらもシャーリーを抱きかかえ、彼女の言葉に耳を傾ける。

彼女の言葉は、ルルーシュへの愛に満ち溢れていた。たとえ記憶を書き換えられても自分はルルーシュを愛していること。ルルーシュの力になりたいこと。父を殺されたことすらも許すこと・・・。彼女の言葉にルルーシュは涙を流し、「死ぬな」とギアスをかけた。ジェレミアに以前かけたギアスをキャンセルされているとはいえ、大量出血を起こした彼女は助かるはずもなく、静かに息を引き取った。マリアンヌ、ユーフェミア、ナナリーに続きまたしてもルルーシュは大切な女性を失ってしまったのである。

そんなルルーシュに近寄ってきたのがロロであった。実は、シャーリーを撃ったのはロロだったのである。彼は、シャーリーが銃を持って錯乱していたとルルーシュに告げたが、真相はロロに協力を求めたシャーリーの「ナナリーを助ける」という言葉に逆上し、ギアスを使ってシャーリーを自殺に見せかけて殺したのだった。

平静を装い、ロロの功績をたたえるルルーシュであったが本心のうちではロロに対する憎しみでいっぱいだった。そして、このような悲劇を二度と繰り返さないため、彼は全ての元凶たるギアスの根絶を決意するのだった・・・。

ギアス 狩り
ジェレミアとロロの協力により、ついにギアス嚮団の本拠地の場所を割り出したルルーシュは、嚮団殲滅作戦を敢行した。ルルーシュはジェレミアの定時連絡用の回線を使い、V.V.に連絡を取った。そして、トウキョウ決戦の際、ナナリーを連れ出しのがV.V.だと知ると怒りを露わにし、彼へ宣戦布告するのだった。

宣戦布告を聞いたV.V.は、ルルーシュが攻めてくる前に嚮団を抜け出そうとしていたが、彼の宣戦布告とともに大量の黒の騎士団のKMFが現れた。

嚮団内に攻めてくる暁
側近「嚮主V.V.、ナイトメアが・・・」

V.V.「何っ!?」

側近「黒の騎士団と思われます!!」

突入指揮を取るC.C.
C.C.「V.V.の現在位置は特定できた。全軍、ポイントα7を包囲!」

ルルーシュは敢えてジェレミアの定時回線を使ったことにより、通信の発信源をエリア11のアッシュフォード学園内と思わせ、V.V.の油断を誘っていた。しかし、実際は嚮団近くにすでに陣取っており、学園室内のハリボテを用意し、そこから通信を送っていたのだった。ハリボテがドリフのコントのように倒れると、その背後に現れたのはルルーシュの蜃気楼とロロのヴィンセント、そしてジェレミアのサザーランド可翔式だった。

ハリボテから現れた3機
V.V.「なるほど・・・。そういうことかい。」

ルルーシュ「ああ、少しの時間でよかった。
ほんの少しだけお前が油断すれば、
俺がまだエリア11にいると思い込み、脱出する時間が少し遅れるだけだ。
V.V.、裁きを下すのは俺だ!

続々と黒の騎士団のKMFが施設内に突入していった。ルルーシュは、自らの直轄部隊である零番隊を投入し、ギアス嚮団を壊滅させる気でいたのである。しかし、施設内の研究員は非武装だったため、一方的に暁のガトリングガンの餌食となり逃げ惑うのみであった。それは、戦闘と呼べるようなものではなく、一方的な虐殺だった・・・。

 突入するヴィンセント 虐殺を行う暁

ルルーシュが総攻撃を行ってきたことを受けて、V.V.は側近に研究データを運び出すよう命じ、自ら出撃することを決意するのだった・・・。

その頃、施設に突入した零番隊の団員達は、施設が武装しておらず全く無抵抗なことに疑問を感じ始め出していた。それは、カレンの代理を務める零番隊副隊長、木下も同じ思いだった。

疑問を感じる団員
団員「木下副隊長、何か変です!ここは本当にブリタニア軍の施設なんですか?」

混乱する木下
木下「た・・・確かに反撃が一つもない。ここにいるのは、武装していない連中ばかりだ!」

しかし、怒りに燃えるルルーシュはあくまでも施設の殲滅を団員達に命じた。迷う団員達をルルーシュは一喝する。

団員達を一喝するルルーシュ
ルルーシュ「疑わしきは罰せよ!」

木下「でも・・・!」

ルルーシュ「ブリタニアは、中華連邦の内通者と結託しこの場所で死なない兵士を研究、実験している!
そのような生命への冒涜は許してはならない!」

ルルーシュは、彼らしからぬ無理な理由付けで施設の虐殺を正当化し、V.V.をあぶりだそうとしていた。V.V.を見つけ次第、かつてC.C.が封印されていた高圧力ケースに彼を閉じ込める算段だったのである。

黒の騎士団の襲撃から逃げ惑う研究員の一団の中に、バトレーらがいた。彼はジェレミアを改造した張本人だったが、V.V.によってここに連れてこられ、ジェレミアの最終調整をさせられていたのだった。彼らはギアスの謎を探っていたコーネリアを見つけ出そうとしていたが、無差別に破壊を行う暁の銃弾の餌食になってしまう。いき絶え絶えの彼の視線に入ったのは、かつてクロヴィスに命じられ捕獲したC.C.であった。彼女を見たバトレーは、クロヴィスに謝罪しながらC.C.に関わったことを後悔し、息を引き取った。

混乱の最中、ささやかな抵抗を試みる者たちがいた。団員の一人がふとコクピットハッチを開けると、足元に子供達が立っていた。不思議そうに子供達を見ると、一人の子どもが指を指し指示を出すようなそぶりを見せた。すると、彼の手が自分の意志に反して勝手に動き出したのである。

コクピットを閉める団員
団員「何だ?手・・・手が・・・!」
ロールオーバーで画像が変わります

彼の手は言うことを聞かず、ついにコクピットのレバーに手をやり友軍をガトリングで攻撃し出した!

友軍を攻撃する暁
団員「おい・・・お前・・・」

団員「違う・・・!俺じゃない!!」

実は、この施設にいた子供達はギアス研究のための被験者達であった。そのうちの一人が使用したギアスにより、団員の体はその子どもに操られてしまい、仲間を攻撃してしまったのだった。

そんなところに、ロロのヴィンセントが瞬間移動して現れた。その様子を見て、子供たちはロロが施設に戻ってきたことに気づいた。

瞬間移動で現れるロロのヴィンセント
子供A「ギアス・・・?」

子供B「この力って・・・」

子供C「ロロおにいちゃん?」

ロロ「ああ、元気にしていましたか?」
ロールオーバーで画像が変わります

ロロは、彼らに優しそうに声をかけたが、自身のギアスを使い彼らの体感時間を止めた。すると、容赦なくヴィンセントのMVSを彼らに振るったのだった・・・。

MVSを子供に振るうロロ

その様子を見ていた団員は、ロロが嚮団出身であることに気づいてしまった。

ロロの正体に気づいた団員
団員「新入り・・・ロロとか言ったか?お前もここの・・・」

そんな彼の口を封じるため、ロロは容赦なく彼のコクピットにMVSを突き刺した!

団員の口を封じるロロ
ロロ「もう関係はありません。僕は、兄さんについて行きさえすれば!」

ルルーシュの研究施設への攻撃は着々と進み、徐々にV.V.のいるポイントまで攻撃の手がたどり着こうとしていた。更に、ルルーシュはシャーリーを殺害したロロを葬るためのもう一つの計画を立てていたのだった。

ロロ抹殺を企てるルルーシュ
ルルーシュ「ふはははは。V.V.を追い詰めた以上、後はロロの機体に仕掛けた爆弾を作動させるだけ。
シャーリーへの弔いとしてロロの命をささげる、償わせてやる!

シャーリーの敵討ちで頭がいっぱいのルルーシュの前に、V.V.が操縦するあの大型KMF、ジークフリートが現れた!

ジークフリート出現!
ルルーシュ「何!?」

C.C.「ジークフリート!?」

驚くルルーシュにV.V.はジークフリートに備え付けられた大型ハーケンで攻撃を仕掛けた。ルルーシュは、蜃気楼の絶対守護領域を展開しジークフリートの攻撃を防いだ。

ハーケンで攻撃するジークフリート
ルルーシュ「意外だな、V.V.!観察者が当事者になるとは!!」

V.V.「少しは好きだったんだけどね、ルルーシュ!君はシャルルに似ているから・・・。」

V.V.の狙いがC.C.であること知っていたルルーシュは、C.C.の乗る暁を下がらせた。地上にいた暁がジークフリートを包囲し、ジェレミアとロロも駆けつけた。V.V.はジェレミアの乗るサザーランド可翔式とヴィンセントを見ると、二人が裏切ったことを理解したのだった。

駆けつけたロロ
ジェレミア「そこまでだ、V.V.!」

ロロ「もう、降伏してください!」

V.V.「何を言っているんだい?裏切り者達が!」

ジェレミアらが駆けつけると、ルルーシュは全軍にジークフリートを攻撃するよう命じた。

攻撃を仕掛ける黒の騎士団
ルルーシュ「V.V.、お前をそこから引きずり出す!全軍、攻撃開始!!

ジェレミア「Yes, your majesty!」

しかし、ジークフリートの電磁装甲は健在で、全ての攻撃がジークフリートにはじかれてしまう。V.V.は巨体を生かした回転体当たり攻撃で次々と黒の騎士団の暁を撃破していく。その様子を見たジェレミアは、怒りの声を上げた。

怒りに燃えるジェレミア
ジェレミア「それは、我が忠義のためにあるべき機体だ!!」

V.V.「ジェレミア、君はゼロを恨んでいたよね?」

ジェレミア「然り。これで皇族への忠義も果たせなくなったと考えたからな!
されど、仕えるべき主がゼロであったなら、マリアンヌ様のためにも!!

V.V.「お前まで、その名前を口にするか!!」

ジェレミアの放った「マリアンヌ」という言葉にV.V.はひどく激昂し、攻撃の手を強化した。大型ハーケンがジェレミアのサザーランドの左足を破壊した。

ルルーシュは、ロロにジークフリートに何とか取り付くよう命じた。ロロはギアスがV.V.に自分のギアスが通じないことをルルーシュに教えたが、ルルーシュは取り付くだけでよいと命じた。そうすると、ロロはその命令に忠実に従った。

ジークフリートに取り付こうとするロロ
ロロ「やってみせる!兄さんのためにも!!」

V.V.「今度はロロかな?君は僕にウソを付いたんだね。僕にギアスは効かないって知っているくせに。」

V.V.は迫り来るヴィンセントに大型ハーケンを見舞った。しかし、ロロはたくみにジークフリートの攻撃を避け、MVSを破壊されながらも、ニードルブレイザーで大型ハーケンを破壊した。

ニードルブレイザーでハーケンを破壊するロロ
V.V.「へえ〜。」
ロールオーバーで画像が変わります

ギアスも使わずに、巧みな操縦技術を見せるロロに対して、V.V.はある重大な秘密をロロに告げた。

ロロのギアスの秘密
ロロ「取り付くだけなら!」

V.V.「君はね、失敗作だったんだよ。ギアスを使っている間は自分の心臓も止まってしまうんだって。
いつ死んでもおかしくない欠陥品さ!

自分のギアスの大きな弱点を知らされたロロは驚きながらもヴィンセントをジークフリートに取り付かせようとした。しかし、ジークフリートのハーケンのワイヤーが脚部を破壊してしまう。それでも尚、ロロは破壊された脚部をパージしジークフリートに向かった。

脚部を破壊されるヴィンセント
ロロ「まだ・・・!パージすれば!!」

V.V.「へえ〜。」

そして、命じられたとおりジークフリートに取り付くことに成功した。

ジークフリートに取り付いたロロ
ロロ「出来たよ、兄さん!」

しかし、ジークフリートの装甲がスライドし、中から電磁場発生装置が出現した。そこから、電流がロロのヴィンセントを襲う。その様子を見ていたルルーシュは、計画していた通りにヴィンセントの起爆装置に手をかけた。

ヴィンセントを破壊しようとするルルーシュ
ルルーシュ「よくやってくれた、ロロ。では、ここでお前とは・・・。」

そのとき、地上から何者かがジークフリートの電磁場発生装置に攻撃を仕掛けてきた。その衝撃でロロのヴィンセントはジークフリートから離れてしまう。ロロを殺害する計画を実行に移せなかったことに、ルルーシュは舌打ちする。

地上からの攻撃の手は、ジークフリートの弱点を知っていた攻撃であった。攻撃を仕掛けていた主は、V.V.に捕らわれていたコーネリアだった。コーネリアは、乗り捨てられた暁を改造し、転がっていたありったけの火器を搭載させ、ジークフリートに攻撃を仕掛けていたのだった。

暁から攻撃するコーネリア
コーネリア「V.V.と言ったか・・・?この私を脆弱にして惰弱と侮ったな!」

コーネリアが施設にいたことに驚きながら、ルルーシュは装甲が破損したジークフリートに止めを刺すべくゼロビームを構えた。そして、コーネリアと蜃気楼のゼロビームがジークフリートに止めを刺した。

最後の攻撃を仕掛ける蜃気楼
コーネリア「ユフィの仇・・・そこで滅せよ!」

ルルーシュ&コーネリア「「ギアスの・・・源!!」」
ロールオーバーで画像が変わります

さしものジークフリートも、この攻撃には耐え切れずついに墜落してしまう。落下していくジークフリートの中でV.V.は泣きながら「呪われた皇子め!」とルルーシュへの呪詛の言葉を吐いたのだった。

ジークフリートは、コーネリアの暁に向かってまっさかさまに落ちていった。そのコーネリアの危機を救うべく、ジェレミアは単身でコーネリアを抱きかかえ、彼女を間一髪のところで救い出した。かくして、ルルーシュたちを苦しめたジークフリートは大爆発し、最後を迎えた。

ジークフリートが大爆発を起こしている頃、地下ではV.V.の側近達が脱出を図っていた。黄昏の扉を使用し、一気にEU方面へと脱出を図っていた一堂の前に、C.C.の暁がキャノン砲を構えて現れた。そして、C.C.は涙を流しながらキャノン砲のトリガーを引き、脱出しようとしていた側近達を葬った。

側近を葬るC.C.
C.C.「すまない。これはお前達を放置した私の罪だ。だから、ギアスの系譜はここで終らせる。
それが、おそらく私とルルーシュの・・・。

ジークフリートのコクピットから、V.V.がいないことに気づいたルルーシュは、黒の騎士団に命じてV.V.を探させた。V.V.は、ルルーシュへの怒りを抱きかかえながら、奥の部屋の黄昏の扉に這い蹲って行った。すると、黄昏の扉が開いており、そこにはブリタニア皇帝シャルルが待ち構えていた。シャルルを見たV.V.は安堵の息を漏らしたが、シャルルの表情はどこかあきれた様子だった・・・。

V.V.の生体反応を確認したルルーシュは、蜃気楼をそのポイントへと向かわせた。すると、神根島で自分が遭遇したのと同じ現象が蜃気楼を襲った。次の瞬間、ルルーシュは蜃気楼から降りており、神殿のような場所に立っていた。そして、目の前にはにくき敵、皇帝シャルルが待ち構えていた。

ここに、ルルーシュとシャルルの因縁の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた・・・。

我が息子、ルルーシュよ!時は来た・・・購いの時が!!(もどる)