ROBOT魂 ジンクスW(指揮官機)

バンダイ ROBOT魂(SIDE MS)シリーズ

定価:4200円(税込)

魂ウェブ商店限定

ROBOT魂 ジンクスW(指揮官機)
劇場版に登場した量産型MSが限定品で登場!

プラモデルが全く出ないのでは、心が腐ります
テレビシリーズの完結編として、2010年に上映された『劇場版 機動戦士 ガンダム00 - A wakening of the Trailblazer -』だったが、上映期間の少なさとテレビ放映をしていないということからか、プラモデルの展開が非常に少なかった。地球連邦側の新型機の登場は少なかった。テレビシリーズでは大量にプラモデルの展開を行っていたにもかかわらず、劇場版ではソレスタルビーイング側のガンダムとグラハムの乗るブレイブとそのバリエーションくらいしか商品が展開されなかったのである。

また、プラモデル以上に精力的にリリースを続けていた肝心のROBOT魂シリーズもダブルオークアンタとブレイブを一般で、流用で作れるダブルオーライザー(粒子貯蔵タンク型)とブレイブの一般仕様をを魂ウェブ限定でリリースしただけという寂しものだった。 バンダイとしては、テレビシリーズが終わってしまい勢いが落ちるだけのダブルオーよりも、ファースト世代が神のごとくあがめ、脂の乗った『ガンダムUC』のOVAシリーズに関連した商品を出したかった意図があったのだろう。2010年秋の主力商品はダブルオーではなくこのUCに逆転されていたのである。

そんな中、陰で立体化を熱望されていた量産機が存在した。その機体こそ、ジンクスの後継機であるジンクスWである。このジンクスWは軍縮下における連邦軍の次期主力MSという位置づけで、アロウズで使用されたアヘッドやイノベイドのガシリーズで培われた技術を流用して作られている。そのため、スペック上ではガンダムシリーズを上回る性能を誇り、さらに連邦側の量産機としては初めてトランザムシステムを使用することが可能な機体である。

劇中では、パトリック=コーラサワーアンドレイ=スミルノフが使用し、ELS侵攻の阻止に活躍した機体である。この二人が機体に搭乗していることにより、単なるやられ役ではなくそこそこの見せ場もあり、人気の機体であった。

ユーザーの意見の反映に定評のあるバンダイコレクターズ事業部が、重い腰を上げたのは完全に映画の展開が終わってしまった2011年8月のことである。メカデザインの海老川兼武の下、完全新規造形でROBOT魂シリーズで発売が決定した。残念ながら、上映から時間が1年近く経過しているため魂ウェブ商店限定となってしまったが、ROBOT魂シリーズらしい素晴らしい出来栄えとなっている。

作って見せる!ユーザーたちの求めたものを!
ジンクスWは、ジンクスの面影を残しながらも作りはよりガンダムに近いものとなっている。

ROBOT魂 ジンクスW(指揮官機) 前 ROBOT魂 ジンクスW(指揮官機) 後
肩にアヘッドの面影が残るジンクスW
バインダーが廃止され、よりシンプルな人型に近付いている

アヘッド系の技術が使用されていることにより、肩のスラスターがアヘッドのそれと非常に酷似している。それに合わせ、全体的なデザインもより人型に近づいている。また、ガ系の流れからか足首パーツは折りたたむことも可能となっている。また、ソレスタルビーイングへの感情が好転しだしたことにより、ガンダムのような形の角も頭部に採用されだしたのが特徴である。

頭部のアップ
頭部に角が追加され、ガンダムタイプに近づいている

劇中では、一般機のカラーリングは緑色、指揮官機のカラーリングは灰色と紫と差別化されている。また、指揮官機の武装はパイロットの意向で決定することができ、パトリックとアンドリュー機で違う武装が施されている。

まず、コーラサワー機は両肩にGNシールドを搭載したダブルシールド仕様である。

コーラサワー機 前 コーラサワー機 後
両肩にシールドを装備できるのは、指揮官の特権だそうです

このGNシールドは、ガラッゾの技術を流用しており、強力なGNフィールドを発生させることができる。テレビシリーズ最終回で妻帯者になり、自分が死なないように配慮したのだろうか?武装は標準的なビームライフルを装備し、守りに特化した機体と言える。

商品では、GNシールドの展開を差し替えで再現している。

GNシールドの展開 GNシールドの展開
紫色の装甲部を差し替えることでGNフィールド発生装置の展開を再現
ロールオーバーで画像が変わります

GNシールドと肩の接続は単なる軸接続になっているため、GNシールドに表情を付けられないのが難点である。

肩の軸のアップ
肩の装甲をシールドと差し換えることでGNシールドを装備させる
ボールジョイントの接続ではないため、ポージングの際に邪魔になってしまう

また、GNシールドの裏側にはGNグレネードミサイルが装備されている。このミサイルはすべて取り外すことが可能である。

GNグレネードミサイル

一方のアンドリュー機は攻撃に特化した装備が施されている。

アンドリュー機 前 アンドリュー機 後
GNソードとGNロングビームライフルを装備したアンドリュー機
肩のスラスターに追加されているのは、増加粒子タンクである

アンドリュー機はジンクスUが使用していたGNソードを肩に装備している。ビームライフルも長距離射程用のロングライフルを使用している。市民を守るため、敵をせん滅するための「力」を本人は欲したのだろうか?GNソードは、もちろん肩から外して手に装備させることもできる。

GNソードを持ったところ

GNソードの刃はシルバーの塗装が施されており、鋭利な雰囲気を醸し出している。

このほか、共通の装備としてGNビームサーベルが2本用意されている。

GNビームサーベル
お約束のビームサーベルも2本付属
ちなみにビームサーベルは膝の内部に収納されているそうです

ビームライフルとGNソードは、専用のジョイントパーツを使うことで両腰にマウントすることも可能である。

両腰にマウントしたところ

腰にマウントするためのジョイントパーツがソード用とライフル用、それぞれ2個用意されている。どちらのジョイントもかなり小さいので紛失に注意したい。ちなみにGNソード用のジョイントの大きさは、シールドの穴と同じ大きさなため腰にGNシールドを装備させることもできる。同一の商品を複数買えば、自分専用のオリジナル装備のジンクスWも作ることができるというわけである。この発想は、ROBOT魂 ガンダムなどに採用されているハードポイントシステムの流れをくんでいると言ってもよいだろう。

複数買えばプレイバリューの広がる商品なのだが、いかんせんウェブ通販限定品というのがネックになっている。先にも述べたが、近頃のROBOT魂シリーズは、テレビシリーズの放映が終わってしまうと主人公機であっても限定品扱いになってしまう。しかも、受注期間は決まっているため、それを過ぎると再販されない限り手に入らなくなってしまう。商品自体の出来は非常に良いし、この手の複数買いで遊びの幅が広がる商品は極力一般流通に乗せてもらいたいものである。

Impregnability
未知の地球外金属生命体、通称ELSが木星から大量に出現し、地球を目指して進み始めた。これを受けて、地球連邦政府はELSを敵勢生命体と判断し、カティ=マネキン准将を指揮官に据え、ソレスタルビーイング号と連邦軍艦隊による絶対防衛線を敷いた。ELSは自らが触れた金属と同化するという特性があるため、MSは格闘戦ができない。そのため、射撃武器はビーム攻撃か、命中直前にミサイルが爆発する近接信管で攻撃しなければならなかった。

何とかELSは予想進路を変更せず、絶対防衛線上に近づいてきた。ここに、地球連邦軍とELSの大群との全面対決の火ぶたが切って落とされたのである。マネキンは、艦隊によるGNミサイルの一斉攻撃でELSに先制攻撃を加えるが、GNフィールドの特性を理解したELSによってミサイル攻撃は阻止されてしまう。艦隊に動揺が走る中、マネキンはソレスタルビーイング号の大型粒子砲発射準備とMSによる近接攻撃を命じた。

出撃するアンドレイ
アンドレイ「戦力差はざっと1万対1・・・。状況は最悪だ。
しかし、守ってみせる!父と母の求めたものを!!」

ソレスタルビーイング号から放たれた超大型粒子砲が衛星型ELSを貫いた。その攻撃を契機に、地球連邦軍はELSに総攻撃を仕掛ける。

攻撃を仕掛けるコーラサワー
コーラサワー「うおおおおおお!やられるか!死んでも帰るんだよ、大佐の下に!!」

地球連邦軍のジンクスWの特性を理解したELSは、結合してジンクスWに擬態した。擬態したことで、ELSはジンクスWと同等の武装と性能を得て、連邦軍に攻撃を仕掛けていったのだった。さらに、巡洋艦を取りこんだELSは巡洋艦にも擬態し連邦軍を追い込んでいく。 思わぬ事態で劣勢に追い込まれたマネキン准将は、再びソレスタルビーイング号の大型粒子砲を放つが、衛星型ELSはGNフィールドを展開し粒子ビームを完全に防いでしまう。かくして、ELSは地球連邦軍の攻撃や兵器を学習し、地球連邦軍の戦力を確実に削いでいった。

この戦闘状況に、ソレスタルビーイングとソルブレイブス隊が参戦するが、地球連邦政府の損害は短時間の間に30%に達した。さらに、ELSはソレスタルビーイング号の大型粒子砲に取りつき、融合を始めた。この状況を受けて、マネキン准将は大型粒子砲ブロックを放棄、地球連邦政府は切り札を失ってしまう。

戦闘が長期化するにつれ、ジンクスWで迎撃に出たアンドレイも消耗し始めていた。ELSを攻撃した際、右腕に融合されかかりGNソードで右腕を切断。そのまま、トランザムを発動し大型ELSに突っ込んでいった。

トランザムを発動するアンドレイ

ELSに融合される覚悟で大型ELSにGNソードを奮い、表面を傷つけていく。アンドレイはGNソードをELSに突きたてたが、それが仇になり機体をELSに取り込まれそうになる。それを受け、トランザム状態で疑似太陽炉を暴走させ、自爆した。

自爆するアンドレイ
アンドレイ私は市民を守る、連邦軍の軍人だあああああああ!

アンドレイは自分の命と引き換えに、大型ELSを撃破した。亡き父と母の意志を継ぎ、市民を守ることを決意した軍人の最後であった。

一方、かつて不死身と呼ばれたコーラサワーのジンクスもELSに侵されていた。コーラサワーは自分の死を覚悟し、最後の通信をマネキンに送った。

ELSに取り込まれるコーラサワー
コーラサワー「いやあ、ドジりました。幸せすぎて不死身じゃなくなっちゃったみたいです・・・。」

マネキン「今すぐ脱出しろ!」

コーラサワー「それが無理なんです・・・。でも、タダじゃ死にませんよ!こいつだけでも道連れにして・・・!!」

先に逝ったアンドレイがそうしたように、コーラサワーもトランザムを発動させ疑似太陽炉を暴走させようとした。しかし、その時コーラサワー機に取りついたELSを一筋の閃光が貫いた!機体は爆発四散したものの、コーラサワーはまたしても生き延びることに成功するのだった。

放り出されるコーラサワー
コーラサワー「お・・・おああああああああ!」

コーラサワーを助けたのは、刹那の駆るダブルオークアンタだった!

ダブルオークアンタ、参上!
ロックオン「来たのか!」

ハレルヤ「おせえんだよ!」

グラハム「待ちかねたぞ、少年!!」

戦場を駆けるダブルオークアンタは、この戦況を変えることができるのか!?この続きは、ダブルオークアンタのコラムで!

私は市民を守る、連邦軍の軍人だあああああああ!(もどる)