D-Arts エックス


バンダイ D-Arts ロックマンXシリーズ

ノーマルX 定価:3465円

フルアーマーX 定価:3675円


D-Arts エックス
往年の名作、ロックマンXシリーズがフルアクションフィギュアで登場!

極秘トップシークレットファイル #Rナンバーアール

人類がいまだかつてない恐怖を迎える時のため私は史上最高・最強の戦士レプリロイドを残す・・・

むろんこの世が平和であり、彼が無益で悲惨な戦いに巻き込まれぬことを私は期待する。
しかし、まことに残念ながらそうした争いが起こったとき、彼は最も必要とされる救世主になることだろう。

強力な特殊装備パワーアップパーツに加えて、私は彼に自らの考えうる最強の装備を備えさせた。
それは、彼にとって無敵に近い、「究極の武器」となるはずである。

それは・・・

(以下、年月を経ているため解読不能)

そして、世界は今"彼"を必要としている
Awakening(目覚め)
私が小学生のころのゲームというと、今のように携帯ゲームが主流というわけではなく、もっぱらスーパーファミコンでのアクションゲームが主体だった。このころは、ポケモンがまだ登場しておらず、任天堂のマリオやカプコンのロックマンなどが人気でゲームというとアクションゲームか、格闘ゲームという風潮だった。友達の家に集まってやるゲームと言えばこの手のゲームで、友達同士で情報を交換したり攻略本を読んだりして日々攻略に励んでいたものだった。

初代ファミコンよりもスペックが上がったスーパーファミコン用のアクションゲームとして人気を博したのが今回紹介する『ロックマンX』シリーズであろう。これは1993年12月にカプコンから発売されたロックマンシリーズのゲームで、22世紀の世界を舞台にプレイヤーはロックマンXを操作して強敵を打ち破っていくというもの。。

この時代は、ロボットがより人間に近くなりレプリロイドと呼ばれるようになったが、精密で複雑になった分エラーが起き、人間に危害を加えるレプリロイドも現れるようになった。そのように凶暴化したレプリロイドはイレギュラーと呼ばれ、レプリロイドによって組織されたイレギュラーハンターが処理する。しかし、ある時最強のイレギュラーハンター、Σ(シグマ)が反乱を起こし、特A級ハンターたちをひきつれて人類に宣戦布告を行った。そのΣの野望を食い止めるためにB級ハンターであるロックマンXが立ち上がるという筋書きである。

すでにファミコンで人気を作っていたロックマンシリーズだったが、このシリーズは頭身が低くポップな世界観でどちらかと言えば小学校低学年くらいが対象年齢だった。(注1)一方のXシリーズは、全体的に頭身が高くなり敵キャラクターも鋭角的な物となっている。媒体がスーパーファミコンになったことで表現の幅が大幅に広がったことを受けて、カプコンはより世界観をリアルでハードにする目論見だったのだろう。この要素が受け、本家ロックマンシリーズと並行してこのXシリーズも続編が続々とリリースされていった。初代Xは、2005年にPSPで『イレギュラーハンターX』という題名でリニューアルされ新たなモードも追加して発売された。

また、このころのゲームはコロコロコミックコミックボンボンといった雑誌で攻略漫画が連載され、漫画を読むとゲームの攻略のヒントになるというタイアップが行われていた。ロックマンシリーズはコミックボンボンが連載権を握っており、池原しげと氏が通常のロックマンシリーズを、岩本佳浩氏がXシリーズを担当していた。(注2)

X、参上!
イレギュラーハンターXの名において、お前を"処分"する!

池原氏のロックマンがゲームに忠実で典型的な攻略漫画だったのに対し、岩本氏のXは骨太の大河ドラマといったいでたちの熱い漫画であった。氏の独自の設定が盛り込まれ、Xはレプリロイドの中で唯一涙を流すことができるという設定が追加された。彼の優しさは、周囲のレプリロイドには甘さと映るが、Xは苦悩しながらも戦いの中で成長していく。

岩本版Xはとても児童誌に載っている漫画とは思えないほどの画力を誇り、1990年代後半のコミックボンボン黄金期の一翼を担った漫画である。その根強い人気から、連載から10年経った2005年に復刊ドットコムの復刻アンケートで見事上位を勝ち取り、全5巻で復刊された。この復刻版では、打ち切りにより未収録だった最終2話も追加されたうえに、描き下ろし部分も追加されたお得な漫画である。
注1 それでも、アクションゲームとしての難易度は非常に高く、幅広い年代に親しまれている。

注2 池原氏も別冊の雑誌であるデラックスボンボンで『イレギュラーハンター ロックマンX』という漫画を別途連載していた。

Figuarize(フィギュア化)
バンダイは『ロックマンX』シリーズのゲームが発売されていた当時からいくつかフィギュアを展開していた。特に、メガアーマーシリーズはXのアーマーの交換ができる上に、サブキャラクターやゲームで登場するライドアーマーも展開されていたのである。10年以上前の商品であるため、今の目で見ると非常にきつい出来だが、アーマーをそろえていくプロセスや特殊武器使用時の色が変わった状態を再現できるものだった。また、ゲーム付属の限定版としてアルティメットアーマーも発売されており、ラインナップは非常に充実していた。

そして、2011年になりバンダイは我々20代が小学生〜中学生だった頃に人気のあったゲームソフトのキャラクターを発売しだした。ゲームキャラクターはデジタルの存在と言うことで、D-Artsと名付けられたブランドが新たに登場し、デジモンやメダロットといった今人気のゲームキャラクターよりは知名度が低いが人気のあるキャラクターをアクションフィギュアとして発売しだしたのである。

このブランドのキャラクターの一つとしてロックマンXが選ばれた。そもそもXは、2010年の魂フィーチャーズでS.H.Figuartsで商品化希望の上位に入ったこともあった。この結果を受けて商品化されたXは、改修を重ねてより幅広いアクションとゲーム中のエフェクトを再現できるパーツを引っ提げて2011年4月に発売されることとなった。Xの無限の可能性をうまく表現している商品を詳しく見てみよう。

D-Arts エックス 前 D-Arts エックス 後
初代ロックマンよりも頭身が高いロックマンX
外見年齢は14歳くらい

初代ロックマンよりも頭身が高いXは、アクションフィギュアにしやすい題材である。プロポーションはどちらかというとプレイステーションで発売されたロックマンX4のゲームグラフィックに近いものとなっている。ゲームやイラストのイメージを尊重して見事に立体化がなされているベストなプロポーションと言えるだろう。

Xの武器であるバスターは、腕パーツを差し替えることで再現することができる。このバスターは右腕にも左腕にも取り付けることができる。ということで、左腕をバスターに変形させている漫画版の再現も可能となっている。

バスターの変形
ロックマンX4のOPなどでは手首が引っ込んで下腕部がバスターに変形する
ロールオーバーで画像が変わります

バスターを構えたところ
このバスターを使用し、ゲーム中の敵を倒していく

バスターの銃口や足首の裏側、額のクリスタルパーツはすべてクリアレッドで再現されている。しかも、S.H.Figuartsの仮面ライダーの目の部分で使用された技術がフィートバックされており、クリアパーツの下のプラスチック部分が銀色で塗装されているため、質感も非常に良くなっている。

額

足裏 バスターの銃口
クリアパーツが使用部分は非常に見栄えが良い

可動範囲も非常に広く設計されている。試作段階では軸接続だった各関節は、肘・膝関節に引き出しタイプのU字型のパーツを使用することにより90度以上曲げることが可能となった。これにより、しゃがんでの射撃やダッシュの再現も可能となった。また、アクションさせたときの見栄えも重視されており、このU字型の関節パーツはカバーパーツで隠されている。動きに合わせてこのカバーパーツが露出するようになっているので、動かした時に関節が見えてしまうということはない。

しゃがんでの射撃
当たり前だが、メガアーマーシリーズよりもポージングの幅が広がっている
ゲームやアニメ内で見せる基本的なアクションはすべて再現できると言っても過言ではない

このほかに、左右の平手パーツと表情パーツが2種類付属している。デフォルトの通常顔に加えて、「叫び顔」と「歯を食いしばった顔」が用意されており、アクションに華を添えることができる。

X4のオープニングの流れ
X4のオープニングでチャージするXの動き
ロールオーバーで画像が変わります

ダッシュしながらバスターを構える図
叫び顔を使ってのアクション
表情が付くと臨場感が非常に増してよい

バンダイのアニメ系のアクションフィギュアは微妙に顔が似ていないことが多いのだが、本製品では表情パーツもデフォルトの顔もゲームでのXの顔に忠実に作られており、Xのイメージをまったく壊さない。バンダイの気合の入れ方がよくわかる。スタイリッシュでスマートなイメージのXに仕上がっており、かつてゲームをプレイしたファンならば、必須アイテムと言ってもよいだろう。

Potentiality(潜在能力)
この出来の良い本体に加えて、エフェクトパーツを同時に使用すればさらにアクションに磨きがかかることになる。ここからは、D-Artsを使用して、ゲーム本編のアクションの紹介をしよう。

ゲームは、オープニングステージから始まる。このオープニングステージで物語の導入と基本的な操作の練習を行い、ステージのボスを倒すと、8つのステージを選ぶことが可能となる。PS以降ではオペレーションルームでステージの選択を行うようになっており、自分の好きなステージを遊ぶことができる。

オペレーションルームで待機するX
X4ではこんな格好でXが待機している絵が挿入されている

ゲームスタートは、Xが上空から降りてくるところからスタートする。漫画版では、戦闘機に載って移動したりそのまま自らの脚で移動していたりしていたが、ゲームでは青い光をまとって上空から降りてくる。ステージクリア時も同じく、青い光をまとって上空に帰って行くのである。ゲームハードの性能が大幅に向上したPS版では降りてくるときのモーションも追加されている。

ゲームスタート
PS版では、この動作の時に選択したアーマーを装着する
ロールオーバーで画像が変わります

Xの動作で一番特徴的なのはバスターの発射であろう。バスターはYボタン(PS以降では□ボタン)を押せば発射することができる。基本的にいくらでも撃つことができ、弾切れという概念はない。威力は小さいものの、連射が利き扱いやすい。また、ボタンを押しっぱなしにすることでバスターをチャージすることができ、威力を上げることができる。また、X4まではバスターは地形を貫通するので壁の向こうにいる敵にも攻撃できるという優れものだった。

製品にはノーマルショットと第1段階のチャージショットが付属している。ノーマルショット用のエフェクトパーツを使用することでバスターを連射しているところを再現できる。

バスターエフェクト バスターエフェクト
ノーマルショットは連射状態で再現

ゲーム中の黄色い弾を再現するために、エフェクトパーツはクリアイエローで再現されている。バスターに取り付ける場合は、バスターの銃口を専用の銃口に穴が開いたものと取り替えて、取り付ける。中が空洞になっているため、スタンドがなくても保持することができる。さらに、ジョイントでの接続になっているので、組み替えたり回転させたりすることでバスターの表情を変えることも可能となっている。

第一段階のチャージショットは、ノーマルバスターよりも威力が増しており、装甲の薄い敵ならそのまま貫通してほかの敵にも攻撃できる。また、チャージショット用のエフェクトパーツはクリアグリーンを使用したPVCでできている。こちらは、中が空洞となっているため大きさの割に軽く、取り付けてもフィギュア単体で保持することができる。(それでも長時間ディスプレイしたいのならば、スタンドを使ったほうが無難だが)

チャージショット
第一段階のチャージショットの割にかなり大きく造形されている

大きさ自体はこれがフルチャージショットだと言っても十分通じるくらいの大きさである。現に、発売直前に再びPS版のゲームをやっていた筆者にとってみれば、フルチャージショット=緑色の図式が成立しており、これがフルチャージショットだと勘違いしていた。PS版ではフルチャージショットを放つと、ボイスが追加される。

チャージショットを発射するところ
X「当たれぇぇ!」
X4の声優、伊藤健太郎氏で再生をお願いします
ロールオーバーで画像が変わります

十字キーで歩く、Bボタン(PS以降では×ボタン)でジャンプするといった基本的な操作はもちろんのこと、Xには壁蹴りという能力が付与されている。これは壁を蹴って上方向に移動できるという技で、漫画版では三角跳びと呼ばれており、特A級の一部にしかできない技とされている。この能力があるためか、Xは壁に張り付きながらずり落ちることも可能である。

壁につかまりながらバスターを連射する図
壁を使って上に登ったり、ボスの攻撃をかわすことが可能
もちろん、この状態からバスターも発射して攻撃できる
ロールオーバーで画像が変わります

本家ロックマンにはない移動手段として、Xにはダッシュが用意されている。ダッシュは十字キーを同じ方向に2回素早く押すか、Aボタン(PS以降では○ボタン)を押すことで発動する。通常の歩きよりも素早く、しかも背を低めて移動することができるため敵の攻撃をギリギリでかわすこともできる。

ダッシュ
本家ロックマン以上のスピーディーなアクションを可能にするダッシュ
もちろんこの状態でもバスターを放つことができる

このダッシュとジャンプを組み合わせることで、ダッシュジャンプが可能となる。ダッシュの加速を助走に使っているため、通常のジャンプよりも遠く高く飛べるようになるのである。これは1作目では応用技的な扱いだったが、ダッシュが基本操作となったX2以降では基本技として扱われている。

ダッシュジャンプ
より高く遠い場所に移動するために使うダッシュジャンプ
ダッシュしながらジャンプすれば発動することができる
ロールオーバーで画像が変わります

グラフィックが向上したPS版以降のゲームではダッシュを使用すると残像が出るようになっている。ダッシュジャンプ時も同様で、残像を出しながら移動するシーンは非常に格好良い。また、残像が視覚的にダッシュジャンプを使用していることを示してくれるので、通常のジャンプと見分けがつくようになったのも大きい。

この基本アクションに加えて、各ステージに潜むボスを倒すとXはXバスター以外に特殊武器が使えるようになる。この特殊武器は従来のロックマンシリーズと同じく、各ボスの弱点武器になり武器を増やしていくとボスの攻略が楽になる。また、ステージ中の地形に作用するものもあり、アイテムの取得にかかせない物となっている。ただし、バスターと違って各特殊武器にはエネルギーゲージが用意されており、エネルギーがなくなるとその特殊武器を使用することはできなくなる。また、特殊武器を使用するときは、体の色が変化する。

Full-Armor(強化装甲)
Xは、ステージのどこかに隠されたカプセルに入ることで、アーマーを装着し能力を拡張させることができる。これはシリーズ通してのお約束となっており、Xの生みの親であるライト博士のメッセージとともにパーツを受領する。パーツはフット・アーム・ボディ・ヘッドの4つから構成されており、Xに装着されていく。装着すれば即座に使用することができるが、X5以降では、ウイルスの感染を防ぐためにすべてのパーツをそろえなければアーマーが装着されないようになっている。

岩本氏の漫画版でもこのパーツ装着が物語の鍵を握っている。ゲームにほぼ忠実に準じて、パーツがあるステージのボスと戦う前か後にパーツが装着されていく。このパーツ装着が物語では、Xの成長となっておりXが強くなるために欠かせないファクターとなっている。

D-Artsでもこのパーツを装着したXが発売された。2011年9月にロックマンX(フルアーマー )という名で発売され、アーマーを装着したXとして遊ぶことができる。また、ノーマルXと互換性があり、ノーマルXにパーツを装備させてパーツを集めている最中のXも再現できるというこだわりを見せている。

分解図
D-ArtsロックマンXシリーズ共通ギミックとして手足を取り外すことが可能
パーツ構成は全く同じ物を使用しているので、キャラクター間での互換性がある

今回商品化されたのは初代のゲームシリーズで装着したアーマーで、これまで人気の高さにもかかわらず商品化に恵まれなかった姿である。ここからは各アーマーの機能と装着プロセスを漫画版に準じて説明しよう。

まず、最初に装着したのはフットパーツである。このフットパーツはアイシーペンギーゴステージで入手することができる。一番簡単に入手できるパーツで、道なりにステージを進んでいけば途中で出会うことになり、装着しなければ次に進めないようになっている。漫画版でも同様に、ステージ道中であっけなく入手することができた。

フットパーツを装着するX
この人の"心"が伝わってくる
やさしく・・・あたたかい
生まれ変わるみたいだ

フットパーツ装着!
ダッシュが使用可能になるフットパーツ
必ず最初に取得しておきたいパーツである

フットパーツを装着すると、ダッシュが使用できるようになる。ほかのパーツを入手するにはこのフットパーツが必要不可欠となる。先に述べたダッシュジャンプを使用しなければ行けない場所にどのパーツも配置されているため、ゲームを始めた人は必ず最初にアイシーペンギーゴから攻略することになる。ちなみに、アイシーペンギーゴ自体は最弱のボスなので、非常に倒しやすい。

フィギュアでは、銀色のラインと金色のラインがそれぞれ塗装で再現されている。この塗装部分が非常にきれいで、高級感を醸し出し「パワーアップした」というイメージにぴったりである。

漫画版で続いて入手したのが、ボディーパーツである。これはスティングカメリーオステージで入手することができ、落石が起こる洞窟の上に潜んでいるRT-55Jを撃破すれば入手することができる。RT-55Jは頭部と上腕部以外にはバスターが効かない強敵である。

ボディーパーツ装着!
・・・だが一つ計算ミスがあったぜ・・・。
それは、俺のこの姿を見ればわかる!!

作中では、Xの追加装甲という位置づけでこれまで以上に防御力が増した。これにより、スティングカメリーオが繰り出した武装した動物たちの攻撃をはじき、スティングカメリーオも苦戦の末倒している。

スティングカメリーオを倒すX
カーテンコールはお前が主役だ!!

ゲーム中では受けるダメージが半減する機能が追加される。敵の攻撃を受けるとXはのけぞっていたが、ボディパーツを装着することで敵の攻撃を防御することができるようになったのである。

防御するX
ボディーパーツは敵からのダメージを半減する
敵の攻撃を避けるのに自信がない人は早めに取得しておこう

そして3番目に入手したのがヘッドパーツである。ヘッドパーツはストームイーグリードステージに配置されており、ダッシュジャンプして行ける高台の上のガスボンベの奥で入手することができる。漫画版では、イーグリードがXの力量を試すためにあえて悪役を演じ、彼を見事撃破したことで親友のゼロから「勲章」として受け取った。しかし、この戦いでイーグリードは命を落としてしまう。

ヘッドパーツ装着!
イグリード「素晴らしいじゃないか。」

X「イグリードさん、俺・・・。」

イグリード「男前だぜ、エックス。」
(漫画版に準拠して「イグリード」と表記しています)

ヘッドパーツの機能は、ヘッドクラッシュで特定のブロックを頭突きで壊すことができる。また、カメリーオステージの落石する洞窟地帯の落石をすべて防いでくれる。

ヘッドクラッシュ
特定のブロックを頭突きで壊すことができるヘッドクラッシュが追加
精密機械が集中する頭部を乱暴に使用するためか、後のシリーズでは使用されなくなった

ヘッドパーツの交換は、首ごと交換するようになっている。フルアーマー版のXでは、説明書で「手前に倒すように力を加えると外れやすい」と説明してくれているのだが、ノーマルXの首パーツが非常に外れにくい。理由は簡単で、フルアーマーXの首の接続部は取り外しを考慮に入れて大きめに作られているのだが、ノーマルXは元々首ごと交換する予定ではなかったのか、フルアーマー版に比べて小さくなっている。

首の接続部の比較

首パーツ自体は、PVCでできているのでドライヤーである程度温めて柔らかくすると外れやすくなる。取り外す際は、ドライヤーで温めたうえでフルアーマーと同じ要領で手前に力を加えれば取り外せる。とはいえ 、単純に頭部パーツ同士の交換にしてくれればありがたかった箇所である。

漫画版ではアームパーツを取得せずにこの姿のまま残りのボスを葬った。アームパーツ自体は、ヘッドパーツ入手後にバーニンナウマンダーステージに行けば入手することが可能だが、岩本版のXではヘッドパーツを取るより先にナウマンダーを撃破し、アームパーツを取ることはなかった。これは池原しげと版の『イレギュラーハンター ロックマンX』でも同様で、アームパーツを装着しないままフルアーマーXを名乗っていた。結局、池原版ではアームパーツを装着することなくデラックスボンボンの休刊(実質の廃刊)により打ち切りとなり、日の目を浴びることはなかった。

ゲーム本編では、アームパーツを装着しないままΣステージに突入すると最初のステージの中ボスとして登場するVAVAとの戦いの後に自爆したゼロから形見としてバスターを受け取ることになる。バスターはXのアイデンティティということで、ただ単にステージ中で手にするよりもドラマ性があったほうが良いと二人の作者は踏みアームパーツの取得を後回しにしたのだと考えられる。

打ち切りに合わなかった岩本版ではアームパーツをしっかりと取得している。最後のボスであるブーメルクワンガーを苦戦の末撃破したXは、目の前に現れたΣ城にバスターが壊れているにも関わらず潜入した。先に先輩で親友のゼロが拠点を攻撃していたが、VAVAによって拘束されていた。伝説のロックマンをたたきつぶすことに執着するVAVAは攻撃できないXに猛攻撃を仕掛けた。それを見かねたゼロは、渾身の力を振り絞り拘束から逃れ、VAVAのライドアーマーに組みつき、自爆した。

ゼロの最後
ゼロ「なあ・・・エッ・・・クス
一緒に・・・連れて行ってくれよ・・・
お前の・・・作る懐かしい・・・未・・・来へ・・・。」

親友が命を落としたことにより、怒りに燃えるXがついに伝説のロックマンとして覚醒した。まばゆい光がXのアームパーツを包み込み彼のバスターはゼロのバスターと同じものに変化したのであった。

アームパーツ装着!
Σ「ついに・・・"その時"が」

アームパーツを装着したことで、Xのバスターの威力が大幅に強化された。VAVAの攻撃を受けながらも微動だにしないX。Xは自らの怒りを渾身の一撃に込める。

チャージするX
!?

イレギュラーがぁぁぁ!
X「イレギュラーがあぁっ!!!

VAVAおめーは最高の獲物だぜ!!ロックマァァァン!!

チャージショットを放つX
VAVA「X・・・お前は・・・サイコーの・・・。」
ロールオーバーで画像が変わります

Xのフルチャージショットの直撃を受けたVAVAは、装甲が吹き飛びボロボロの状態になりながらも、Xに攻撃を仕掛けようとした。しかし、Xは満身創痍のVAVAを容赦なくバスターで撃ち貫くのだった。
3段階目のチャージショットは8の字状にエネルギーの弾を打ち出すチャージショットである。何気なく、後に衝撃波が発生し近くにいる敵もその衝撃波で撃破することが可能となる。

デザイン自体はゼロのバスターと変わらない。しかし、D-Artsではゼロのバスターは銀色で塗装されており、Xのバスターはパールホワイトで成型されている。これにより、ゼロのバスターの装着時と通常のアームパーツとの差別化に成功している。

4つのパーツをすべて装着すると、青を基調としたボディから白を基調としたボディへと変化する。

フルアーマーX 前 フルアーマーX 後
白い強化装甲をまとったXの姿を見事に立体化
フットとヘッドの金色のラインが高級感を醸し出している

ノーマルXとの比較
肩が丸いノーマルXがアーマーを装着するとやや鋭角的になる
これでパワーアップしたことが視覚的にわかる

フルアーマーXにも同じくバスターのエフェクトパーツが付属している。まず、ノーマルXと同じく通常の3連射バスターのエフェクトパーツが付属している。しかし、同じ物を使いまわしているわけではなくパーツ構成が見直され、バスター単体でも取り付けることができるようになった。さらに、ノーマルXのエフェクトパーツと同時に使用すればバスターを5連射しているシーンを再現することができる。

バスター単発 バスター5連射
単体でもノーマルエックスと組み合わせても遊べるお得な仕様

3段階目のチャージショットは再現するのが難しかったのか、フルアーマーXには2段階目のチャージショットであるハイパーエックスブラスターが付属している。こちらはチャージショット以上の大きさと重さになったため、付属の簡易スタンドで支える仕様となっている。

ハイパーエックスブラスター
迫力のフルチャージショット!
フィギュア単体では支えられないため、スタンドも付属

また、表情パーツも叫び顔と歯を食いしばった顔の2つが付属している。ノーマルエックスの表情パーツを基本としながらも、目線の方向が違っている。これを利用することで、公式イラストのフルアーマーエックスのポーズを再現することが可能となっている。

パッケージ裏のフルアーマーX ゼロと並び立つフルアーマーX
目線の位置が違うので、ポージングの表情がさらに広がる

もちろん、表情パーツもノーマルXと互換性があるためノーマルXの表情パーツを使えば正面を向いた状態にすることも可能である。ノーマルとフルアーマーの二つの商品がそろうと、遊びの幅が大幅に広がる。ぜひ、二つともそろえて遊びたいところである。

今後のラインナップとしては魂FESTIVAL2011限定で岩本氏の漫画版のXが限定発売される予定である。氏の漫画に合わせてボディの色が変更となり、顔も漫画版の物に準拠したものが付属する。

また、筆者の希望としてはΣやVAVAなどの主要な敵キャラと、後のXシリーズのアーマーも出していただきたいところである。特に筆者はX4に登場するフォースアーマーとアルティメットアーマーがお気に入りなので、是非ともここまで出してほしいところ。また、ビームサーベルを持ったゼロのX2以降のバージョンも出していただきたいところである。出来としては文句なしのシリーズなので、今後もロックマンシリーズを充実させていってほしい。

My Memory(筆者の思い出)
筆者が子ども時代だった時は、インターネットというものは存在せず、ゲームの攻略は口コミか雑誌や攻略本の情報たのみであった。友達の家に行って、友達のプレイを見たり、口コミで情報を得ながらゲームをクリアしていくのがこのころのゲームのだいご味だったと言えるだろう。というわけで、ここからは筆者がこのゲームをいかに遊んでいたかをD-Artsを使用して説明しよう。

まず、オープニングステージから順当にクリアしていくわけであるが、小学生のころの筆者はとかくゲームが下手であった。中古でソフトを手に入れたため、説明書がなく遊び方も全く分からなかったのである。敵は最初はマリオよろしく踏んで倒すものだと思い、ダメージを受けまくっていた。壁蹴りなんて持ってのほかである。

そうこうして遊んでいる間に、弟が攻略情報を友達からせしめてきた。このゲームのセーブ方法は、今のように進行状況を記録していく方式ではなく、ステージクリアやゲームオーバー時にパスワードが出るようになっている。このパスワードを記録して進行状況を出していく。しかし、このころのパスワードというのはいい加減なもので、普通にゲームを進行させただけではあり得ない状態も作れてしまうのである。

筆者たちが多用したパスワードは2222−2222−2221だった。こんな単純な数値では弾かれるのが普通のはずだが、なぜか通じてしまうのである。このパスワードを使うと、最初からフットパーツとアームパーツを装着した状態になる。先にも述べたように、アームパーツはヘッドパーツがなければ入手できないのだが、このパスワードを使うとなぜか最初から装備しているのである。

しかも、8大ボスの中で強敵であるアーマーアルマージランチャーオクトパルドが倒してある状態からゲームが始まる。特にアーマーアルマージの特殊武器であるローリングシールドのチャージショットはバリアを発生させ、敵の体当たりを防いでくれるのでゲーム初心者の筆者にとっては好都合なのであった。

このデータをもとに、またまた友達のうわさで聞きつけた応用スキル、ダッシュジャンプを使用してヘッドパーツを入手した。

苦労していきついた状態
ダッシュジャンプでヘッドパーツを入手した時は感動モノでした

このパスワードから始めたデータである程度ゲームの"コツ"を掴んだ筆者はオープニングステージからゲームを始めるようになった。筆者がプレイする場合は、必ずアイシーペンギーゴを先に撃破し、次にヘッドパーツを取るついでにストームイーグリードを倒したものだった。

フットパーツとヘッドパーツを取った状態
人によってはボディパーツを先に取ります

イーグリードのステージには、エネルギーを回復させるサブタンクが置いてあるのとXの体力を強化するライフアップパーツも比較的簡単に取れるということでのチョイスだった。ボスのストームイーグリードはストームトルネードや羽ばたきによる吹き飛ばしが怖いボスだが、フットパーツさえあれば吹き飛ばしに逆らうことができ、コツをつかめば弱点武器なしで倒すことができる。

この2体のボスを倒しておくと、ほかステージの攻略がぐっと楽になる。まず、ペンギーゴステージをクリアするとバーニンナウマンダーステージの炎がすべて凍りつき、移動可能となる。これでこのステージの攻略難度は下がる。また、ストームイーグリードを倒すとスパークマンドリラーステージの通電トラップが破壊されるため、これまた攻略難度が下がる。

しかも、ナウマンダーの弱点武器はイーグリードのストームトルネード、マンドリラーの弱点はペンギーゴのショットガンアイスであるため、どちらを攻めても「お得」なのだった。マンドリラーさえ倒してしまえばこちらのものである。マンドリラーの特殊武器のエレクトリックスパークは、Xバスターをはじいてしまうアーマーアルマージの弱点となっており、ここからは弱点武器順にボスを撃破していけば8大ボスはクリアできてしまうのだった。

このように、思考錯誤を繰り返しながらクリアしていき、このゲームをクリアするのにおよそ3カ月以上かかったと思う。情報が少なかった分、ゲームを長く遊ぶことができたわけである。ロックマンXシリーズは、マリオと並ぶ筆者のお気に入りゲームとなり、X6までプレイしたのだった。 今はインターネットで簡単にゲームの情報は手に入るが、こうやって時間をかけてゲームを遊ぶのも乙なものだと思う私は思う。時間が許せば、じっくりゲームを遊ぶのもよいと思うぞ。

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