スーパーロボット超合金
電童・凰牙用データウェポンセット

バンダイ スーパーロボット超合金シリーズ

魂ウェブ商店限定

定価:3990円


スーパーロボット超合金 電童・凰牙用データウェポンセット
電子の聖獣、データウェポンがウェブ限定で登場!

まさに大漁・・・!
GEAR戦士 電童は、タービンと格闘アクションが主体のロボットであるが、スポンサーのバンダイ的にはそれだけでは華がないということで、電童専用の武器データウェポンも別売りで展開された。これは、動物をかたどっており、動物形態と武器形態に変身する。あくまでもデータを実体化しているにすぎないという設定から、動物形態と武器形態の変形ギミックは考えられておらず、ギアコマンダーから状況に応じた形で実体化される。

データウェポンは全部で6体が確認されている。劇中では馬・蛇・獅子・猪・龍・牛を象ったデータウェポンが存在している。データウェポンを入手することで電童・凰牙には特殊能力が付与されていき、強力な必殺技であるファイナルアタックが放てるようになるということで、GEARとガルファ(アルテア)は血眼になってデータウェポンを入手しようと努めていた。

このように、データウェポンは物語のキーとなる位置づけなのだが、スポンサーであるバンダイの商業的な都合をもろに受けてしまった。バンダイは電童本体とデータウェポンの両方を売り出したいということで、物語序盤からガンガン新しいデータウェポンが投入されていった。これは、番組が4月から放送される予定だったのが、10月に伸びてしまいクリスマス商戦に向けて駆け足で物語を展開しなければならないという制約が課せられたためである。本来の4月スタートならば、じっくりと電童の活躍とデータウェポンの入手過程を描く予定だったと番組制作スタッフは述べている。

こういった発売スケジュールの都合で、データウェポンは1クール目の終わりには互いの勢力が1話でデータウェポンをまとめて入手するという荒業を使用した。1クール目の終わりの時点で北斗はユニコーンドリルドラゴンフレアと契約を交わし、銀河はレオサークルガトリングボアと契約を交わした。また、敵勢力であるアルテアはバイパーウィップブルホーンを手に入れた。

このような無理な登場のさせ方がたたってしまい、データウェポンの間で目立つものと目立たないものという格差が出てしまった。この点はバンダイ的にも致命的な失敗で、電童が商業的に苦戦した要因としても考えられるだろう。

劇中ではデータウェポンは北斗と銀河の友達みたいな関係になり、ギアコマンダーから半透明な形で実体化し、彼らにつき従う。また、戦闘時はギアコマンダーからファイルロードされると完全な形で実体化し、電童と凰牙のサポートに回る。また、各データウェポンをギアコマンダーでインストールすれば電童と凰牙の武器となる。

過去の商品では、DXデータコマンド電童・凰牙に対応したデータウェポンが発売された。こちらは完成品ではなく組み立て式のプラモデルという形で発売され、電童の四肢に取り付け備え付けられたタービンの回転を利用して様々なギミックが付与された。しかし、DX版はおもちゃとしてのギミックを優先させたため、動物型のデータウェポンは発売されることはなかった。(注1)

動物型のデータウェポンは食玩や小型アクションフィギュアで展開された。まず、小型アクションフィギュアで代表的なのがメテオファイルシリーズである。これは電童・凰牙のアクションフィギュアの付属品と言う形で同梱されており、頭部を取り外して電童の武器にすることができる。ちなみに、このシリーズのデータウェポンはスーパーロボット超合金版とサイズがほぼ同じなため、このシリーズをつなぎの代用品として使用している人もいる。

また、ガチャポンで発売されたコレクションフィギュアシリーズであるリアルコレクションでは動物型のデータウェポンが発売され、一部の製品は同シリーズの電童と凰牙に取り付けることができるという代物だった。このほかにも、食玩シリーズのギアコマンダーロボシリーズやメテオアクションなどでも一部のデータウェポンが発売されている。

そして放送から十年経過した2011年にはバンダイはスーパーロボット超合金から電童と凰牙を発売した。過去のコラムでみたように、電童にはユニコーンドリルが、凰牙にはバイパーウィップが武器形態で付属しており両製品に取り付けることができる。残りの4体のデータウェポンが期待されていたが、発売からすぐの3月28日に魂ウェブ商店限定でのセット販売と言う形で予約が開始された。

このデータウェポンセットは7月25日に発送された。電童・凰牙と同じく、メカ作画総監督の重田智氏が全面的に監修し、劇中のイメージに近づいた仕様となっている。また、過去の製品では全く商品化されなかった物もセットで同梱されているお得な仕様となっている。それらを詳しく見ていこう。
注1 この後に発売された超獣王 輝刃は組み立てキットの方式を取りつつも動物形態から武器形態や飛行機形態へと変形するギミックを備えている。
レオサークルの勇気
データウェポンは重田氏の徹底監修の下、作られたこともあり非常に良い出来栄えとなっている。最近のバンダイの作成手法は、大まかにCADで形だしをした後、そのデータを重田氏に持っていき重田氏が細かいディティールなどの指定を行う方式を取っている。そして、その監修した内容を再度CADにとりこんで立体化しているため、手作業で作るよりも非常に精度が高い造形を作れる。重田氏の監修により、CADのデータよりもデータウェポンが小さくなりより劇中の比率に近づいている。

また、今回は予約受付終了後に塗装の変更があったことがメールで伝えられた。内訳は、訂正と言うよりかは魂ウェブ商店で掲載されている画像に細かい色が追加されたという旨の告知でどちらかといえばユーザーには喜ばしい内容だった。しかし、製品画像を見て買うかいないかを決める人が多いわけなのだから、今回は後だしじゃんけんみたいな形である。限定商品という再販が見込めない製品の性質上、極力最初の間に製品画像に近いものを掲載してほしかったところである。

各データウェポンは先の製品で付属したものと同じく、武器形態で発売された。まずは、銀河が初めて契約したレオサークルを見てみよう。

レオサークル 前 レオサークル 後
「勇気」の象徴であるデータウェポン
銀河の勇気ある行動を認めて契約を結ぶ

レオサークルは北斗のユニコーンドリルと同じく主役級の扱いを受け、重宝される。銀河はデータウェポンと契約を結ぶのが遅かったため、ほかの二人よりも非常にデータウェポンに愛着がある。レオサークルはおおらかでのんびり屋さんの性格で、しばしば銀河の家で半透明の形で実体化しており、ベランダで昼寝をしている。また、女の子好きであり銀河の妹である乙女や作中のアイドルユニットのC-Driveのユキちゃんと友達になったりもしている。インストールすると電童の右足に装着される。

レオドライブ、インストール!
銀河「レオドライブ、インストール!」
ロールオーバーで画像が変わります

レオサークル、インストール完了!
ロールオーバーで画像が変わります

細かい色分けが多いのがレオサークルの特徴だが、しっかりと塗装で再現されている。塗装の精度も高く、目の細い部分もしっかりと塗装されている。単体のギミックとしては、タテガミの円状のカッターが手動で回転するようになっている。脚への取り付けは専用の取り付けパーツを使って取り付ける。ただし、取り付けパーツは見栄えを重視してプラ製クリアパーツになっているので破損に気をつけよう。

レオサークルを脚に装備すると、レオのタテガミのカッターの威力が加わるのでキックを強化することができる。この状態のキックをレオ旋風脚と呼ぶ。電童の付属エフェクトを使えばこの技を再現することができる。

レオ旋風脚
レオサークルの回転刃により、強力なキック攻撃となる

レオサークルと契約を結ぶと、特殊能力ハイパースキャンが付与される。このハイパースキャンは隠れている敵を見つけることができる能力である。

ハイパースキャン!
ハイパースキャン!

レオサークルのファイナルアタックは、銀河の格闘術をベースにしている。コクピットの二人がハイキックを繰り出すと、レオサークルの円盤が回転し、光の輪を発射して敵を切り裂く。初使用時は、地球に迫りくる巨大隕石を一撃で破壊した。

レオサークル!
レオサークル!
ロールオーバーで画像が変わります

ファイナルアタック!
ファイナルアタック!
ロールオーバーで画像が変わります

主人公の一人である銀河が最初に契約したデータウェポンというだけあり、北斗が最初に契約したユニコーンドリルと同じく主役級の活躍が与えられている。また、劇中ではユニコーンドリルとレオサークルを同時に運用することもしばしばあった。

ユニコーンとレオの同時装備
このように同時に展開することも

また、ユニコーンとレオは後にパワーアップして融合することも可能となった。ユニコーンとレオは、まさに二人の象徴のデータウェポンと言ってもよい

もうあいつ一人で良いんじゃないかな?
レオサークルに続いて八面六臂の活躍をしているのがガトリングボアである。猪がモチーフのこのデータウェポンは、何気にリーダー格のデータウェポンである。

ガトリングボア 前 ガトリングボア 後
「創造」の象徴であるデータウェポン
データウェポンのまとめ役だが、直情的でおっちょこちょいな性格らしい

ほかのデータウェポンと比べて大型のため、胸に取り付けることとなる。取り付けは電童の肩にジョイントパーツを引っ掛ける形となっている。

ボアドライブ、インストール!
銀河「ボアドライブ、インストール!」
ロールオーバーで画像が変わります

決めポーズ
ロールオーバーで画像が変わります

過去の商品でも非常にプレイバリューが高く、BB弾を装填することでガトリング状の鼻からタービンの回転を受けてBB弾を連射する。今回はそのようなギミックはないものの、ガトリング部分が手動で回転する。また、グリップ部分が可動し付属の持ち手で握らせることもできる。

グリップを握ったところ 持ち手
ガトリングボア用の持ち手パーツで、ほかの武器も持たせることが可能となった

データウェポンの中でもリーダー格であるという位置づけから、能力自体も非常に高い。まず、電童に付与される能力であるクロックマネージャー対象物の時間を止めることができる。球体に取り込まれた敵は時間が止められ身動きが取れなくなり、そのままファイナルアタックで確実に命中させることができるようになる。往年のエルドランシリーズも必殺技の時は敵の動きを止めていたので、そのオマージュと見てもよいだろう。

クロックマネージャー
クロックマネージャー!
ロールオーバーで画像が変わります

ガトリングという性質上、飛び道具をほとんど持たない電童の射撃武器になる。ファイナルアタックを使用せずとも、雑兵程度ならばたやすく撃破することができるので、中距離〜遠距離射撃用の武器としても重宝される。

また、ファイナルアタックは非常に強力で無数の光の玉を対象物に連射する。クロックマネージャーと併用することで、文字通りの必殺の武器となる。

飛びあがる電童

ガトリングボア!
ガトリングボア!
ロールオーバーで画像が変わります

ファイナルアタック
ファイナルアタック!
ロールオーバーで画像が変わります

ガトリング乱射

このように、「もう、あいつ一人で良いんじゃないかな」という声が出るくらいに有能なデータウェポンのため、こぞって銀河は使用している。

決意の選択
レオとボアは銀河と契約したため、おもに電童が使用する。残りのブルホーンとドラゴンフレアは北斗と契約したため電童と凰牙が両方とも使うこととなり、ファイナルアタックのバンクは2パターン存在している。まず、北斗と契約したドラゴンフレアから見てみよう。

ドラゴンフレア 前 ドラゴンフレア 後
「慈愛」の象徴であるデータウェポン
ほかのデータウェポンと違い、前足が腕として使える

データウェポンは四足歩行の動物をかたどっているため前足が使えないが、このドラゴンフレアは翼で飛行するため前足を手の用に使用することができる。その器用さを利用して、電童のハイパーデンドーデンチをマニュアル交換したりと電童をバックアップする一面もある。また、愛嬌のある性格で北斗の発言にずっこけたりする一幕もあった。

ドラゴンフレアと契約を交わすとクラッシュレイが使用できるようになる。この技は額から食らいだされるビーム攻撃で、命中した相手の電子回路にダメージを与えることができる。この技は飛び道具を持たない電童・凰牙にとっては好都合な技で、けん制用に使用される。

クラッシュレイ(電童) クラッシュレイ(凰牙)
クラッシュレイ!

ドラゴンドライブをインストールすると、電童(凰牙)の左足に装着される。製品ではドラゴンフレアの右半身を専用の差し替えパーツと交換する方式をとり、単体と装着時のベストな形状を実現している。

右半身を交換したところ
右半身が丸ごと差し替わるので、単体でも装着時でもベストなプロポーションになる

ドラゴンのシャープなひげパーツは軟質素材でできている。よって、シャープな割に破損の心配はないのだが、まれに曲がった状態で入っていた人もいたようである。そういう人はお湯を使って形を修正するとよい。

ドラゴンフレアをインストールすると、左足に装着される。装着時の決めポーズは電童には用意されていたが、凰牙には用意されていない。決めポーズは、左足に装着されたドラゴンフレアにかなりパースがかかっており、立体で再現するときに非常に無理が出るポーズである。

ドラゴンドライブ、インストール!
北斗「ドラゴンドライブ、インストール!」
ロールオーバーで画像が変わります

ドラゴンフレア、インストール完了!
一番撮影に苦労した決めポーズ
ロールオーバーで画像が変わります

過去の製品では、ドラゴンフレアの胸から円状のパーツを射出するギミックが搭載されていた。今回では、口の部分が開閉するようになっており、ファイナルアタックの再現ができる。せっかくなので、後期仕様の凰牙でファイナルアタックを放ってみよう。

ドラゴンドライブ、インストール!
北斗「ドラゴンドライブ、インストール!」
ロールオーバーで画像が変わります

ドラゴンフレア!
ドラゴンフレア!
ロールオーバーで画像が変わります

ファイナルアタック
ファイナルアタック!
ロールオーバーで画像が変わります

ファイナルアタックの火球発射時に、腕も一緒に下がるのだが腕の可動がないためそのシーンは再現できない。上の構造上別パーツにすれば再現できそうなものだったので、ついでに再現してくれるとありがたかったのだが。

突撃!ブルホーン
データウェポンの中で最も不遇な扱いを受けてしまったのが、このブルホーンである。ブルホーンは10話でアルテアと契約を結んだのだが、アルテアは11話でしばらくの間劇中から退場したのでその間の活躍が皆無なのである。

ブルホーン 前 ブルホーン 後
「知恵」の象徴のデータウェポン
アニメ展開の影響をもろに受けて影が薄くなってしまったデータウェポン

アルテアと契約を結んだバイパーウィップは時期が登場時期が早かったうえに、ファイナルアタックで電童を追い込むなどの活躍を見せた。また、装着シーンも専用のバンクと決めポーズが用意されている。

一方のブルホーンはファイナルアタックで電童にダメージを与えて中の銀河を負傷させるという実績を上げたものの、なかなか出番に恵まれていない。また、決めポーズまで含めた装着シーンのバンクは物語後半にさしかかった27話でようやく披露された。しかし、これもほかのデータウェポンと比べれば、どちらかと言うと取ってつけたようなバンクであり、いまいちパッとしない。

しかも、一番不遇なのは最終回で見せたデータウェポンのフル装備でブルホーンだけが装着されないという前代未聞の事態が起きてしまった。これは、電童のギミック上5体までしか装着できなかったために生じた現象で、後に発売されたDVDのパッケージイラストではブルホーンの裏にバイパーウィップを取りつけるという苦肉の策を用いてなんとかフル装備と相成った。このように、一気に全部登場させてしまった弊害を一番受けたのがこのブルホーンである。

製品作成担当者によると、このブルホーンの製作が一番困難を極めたらしい。重田氏の監修により、延長時の蛇腹部分、顔の造形、そして角の角度や大きさまでが細かく修正された。影が薄い割に一番手間がかかったようである。

過去の製品では首を伸縮をさせながら角パーツが連動して根元から可動するギミックを持っていた。本製品では、差し替えで伸縮ギミックを再現している。せっかくなので、装着バンクシーンを使って伸縮ギミックをお見せしよう。

ブルドライブ、インストール!
銀河「ブルドライブ、インストール!」
ロールオーバーで画像が変わります

ブルホーン、インストール完了!
ロールオーバーで画像が変わります

過去の製品では、角が連動して展開するギミックがあったが、今回のデータウェポンセットではそのギミックは付与されていない。おそらく、造形を優先させたかったのだと思われる。ブルホーンの角は、コストを浮かせるためかクリアパーツの上に銀塗装を施した形となっている。というわけで、取扱いには注意しよう。

アルテアが使用した時は、バイパーウィップと同時に使用することもあった。ブルホーンのファイナルアタックが加わったことで、電童のパワーにも劣らない力をアルテアは得たことになる。

ブルホーンとバイパーウィップの同時装備
技の凰牙に力が加わった状態と言える

ブルホーンと契約すると、特殊能力であるオートプレッシャーが使えるようになる。この技は重力波を放って敵の動きを止めるのだが、ブルホーンのクロックマネージャーと効果が完全にかぶってしまっている。

オートプレッシャー
オートプレッシャー!
ロールオーバーで画像が変わります

ブルホーンは知恵の象徴という割には、ファイナルアタックは力押しの技である。ブルホーンのファイナルアタックはブルホーンを装着した腕で地面を殴って地面に亀裂を生じさせその亀裂から隆起した剣のような破片が飛び出てくるという技である。要は、『機動武闘伝 Gガンダム』に出てくるボルトガンダムガイアクラッシャーの様な技である。

ブルホーン!
ブルホーン!
ロールオーバーで画像が変わります

ファイナルアタック!
ファイナルアタック!
ロールオーバーで画像が変わります

電童と凰牙に付属しているデータウェポンと同時に使用することで、同時装着モードも再現することができる。過去の商品ではどうしてもブルホーンが余ってしまったが、DVDの同時装着モードを参考にしてバイパーウィップを裏側に接続するためのクリアパーツが付属している。このパーツをブルホーンに取り付けることで、バイパーウィップとブルホーンを同時に装着させることができる。

同時装着させたところ 同時装備の仕組み
かなりゴテゴテした同時装着モード
背中パーツのあの翼がそろえば完璧になる

取扱説明書ではバイパーウィップの首をはずさなければ同時に装着できないように書かれているが、ブルホーンの頭部は可動するようになっており、前に倒すことができる。このギミックは、取扱説明書を作る人間が気付かなかったのか、説明書に明記されていない。

ブルホーンの頭部を動かしたところ
陰で軸接続になっているブルの頭部パーツ
可動部が硬いため気付きにくい

このように、各データウェポンの造形はまったくもって申し分のない出来栄えとなっている。これを限定にしてしまったのが惜しいくらいで、一般販売で出してもらいたかったところ。電童と凰牙を入手した人はぜひとも合わせて購入しておきたいところである。

×乾燥器 ○換装機
データウェポンのほかに、この商品にはセルファイターワルキューレが付属している。これらはGEARが持つ電童のサポートメカで、劇中でもたびたび姿を現していたが、マスプロダクションで商品が発売されることはなかった。(注2)魂ウェブ商店限定とはいえ、このたびのデータウェポンセットで初めて立体化された。

セルファイターは、電童のハイパーデンドーデンチを運ぶ輸送戦闘機である。これはGEAR隊員の吉良国進が搭乗し、データウェポンとともに電童をサポートする。バッテリー駆動である電童はしばしば電池切れを起こし、窮地に陥っておりバッテリーが切れても即座に電池を交換できるようにするためにセルファイターは開発された。

セルファイター 前 セルファイター 後

セルファイター 横
電童のサポートメカであるセルファイターが商品化
ウイング両端に2本ずつ電池を搭載する

このセルファイターも重田氏が監修し、劇中の作画イメージを取り入れたデザインとなっている。そのため、各部がシャープに造形されており、非常に格好いい。また、電童と凰牙のバックパックの電池のモールドとセルファイターの電池部分のサイズが同じというこだわりも見せている。ただし、デンチ発射などのギミックは全くなく、ただ飾っておくだけである。電童とともにディスプレイして劇中のイメージを膨らませよう。

尚、機体下部に備え付けられた穴にスタンドを差し込むことでディスプレイすることができる。これは、魂STAGEに対応しているため、傾けたりして飾りたいときはこのスタンドを使うようにしよう。

そして、もうひとつのワルキューレはGEAR副指令であるベガが乗り込む戦闘バイクである。これは1話当初から使用されており、現場にはこのバイクに乗って駆け付ける。水上を走ることができ、セルファイターが登場してからはセルファイターにワルキューレを搭載し、セルファイターから発進もできるようになった。また、強力なミサイルも搭載しており小型のバイクながら、機獣とある程度渡り合う能力を持つ。

本製品では、劇中比率に合わせて極小のワルキューレが付属する。

ワルキューレ
副指令であるベガが乗る専用バイク
予備のバイクが数十台ほど用意されているらしい

クリアパーツで造形されたワルキューレに塗装を施しただけのもので特にこれと言ったギミックは再現されていないが、塗装の精度が非常に高い。特にベガの顔のマスク部分と素肌の部分までしっかりと塗り分けられており、非常に気合いの入った塗装となっている。

この2機のサポートメカは全く商品化されなかった割に劇中では頻繁に登場していたため、今回の商品化はファンにとってはうれしいものである。セルファイターの宇宙用の強化型としてセルブースターがあるのだが、これも後の商品でフォローしてほしいところである。

武器形態のデータウェポンとこれらのサポートメカがそろったことにより、スーパーロボット超合金電童シリーズはかなり世界観が広がった。今後は、初期段階から試作品も展示された最強のデータウェポン、超獣王 輝刃データウェポンセット2という名目で魂FES2011で展示された。また、最後のデータウェポンであるフェニックスエールやGEARが独自開発した武器を装備したフルアーマー電童も商品化してほしいところである。
注2 DVDの予約特典としてメテオファイルシリーズ仕様のセルファイター、ベガ、ワルキューレがリリースされた。これは元々シリーズ第3弾として売り出される予定だったが、アニメイト限定配布された品となった。ただし、こちらは彩色されておらずクリアパーツ仕様であった。
攻防、力の限り!
1クール目の間は北斗と銀河がアルテアの駆る凰牙と何度となく衝突してデータウェポンの争奪戦を繰り広げる話が続く。アルテアの駆る凰牙は強力で、時に電童はアルテアに敗北を喫する時もあった。しかし、そこはヒーローもののお約束で、たとえ敗北しても強大なアルテアに立ち向かっていき、彼との戦いの中で二人は友情を深め成長していく。その様子をお届けしよう。

螺旋城からの脱出の際、データウェポンの一体であるユニコーンドリルを入手した電童であったが、騎士凰牙も新たなデータウェポンバイパーウィップを手に入れた。戦いに関しては北斗と銀河よりもアルテアの方が上を行き、二人はバイパーウィップの威力をまざまざと見せつけられてしまうのだった。バイパーウィップの牙にコクピットハッチの装甲を切り裂かれてしまい、恐怖を感じた銀河は戦意を喪失してしまう。

そんな中、新たなデータウェポン、レオサークルがショッピングセンターに出現した。それを察知したガルファは、機獣をショッピングセンターに出現させレオサークル捕獲に乗り出した。恐怖心から出撃命令を拒む銀河であったが、自分の母と妹がショッピングセンターにいることを知ると、机の引き出しに封印していたギアコマンダーを携え、電童で出撃した。

ユニコーンドリルを使用し電童が機獣と交戦しているさなかに、騎士凰牙が再び出現する。銀河は恐怖心を振り払いながら凰牙に立ち向かうも、戦闘スキルの高いアルテアは電童を追い詰めていく。凰牙は電童に止めを刺そうと、バイパーウィップを構えた。

バイパーウィップを構える凰牙
アルテア「レオサークルをいつまでもああしてはおけん。そろそろ決めさせてもらうぞ。」

銀河「来る!ファイナルアタックだ!」

しかし、電童の後ろには逃げ遅れた大勢の一般人がいた。その中には銀河の母親もいたのである。ファイナルアタックはファイヤーウォールでも防ぐことはできない。そんな状況にも関わらず、凰牙はファイナルアタックを放とうとした。

ファイナルアタックを放とうとする凰牙
アルテア「相変わらずバカなパイロットどもだな。だが、もう遅いわ!」

北斗「まずい、ファイナルアタックが来る!」
ロールオーバーで画像が変わります

モニター越しに自分の母を見ていた銀河は、落ち込んでいる自分に彼女が投げかけた言葉を思い出した。

気持ちの負けが本当の負けだよ!

その言葉を思い出した銀河は、決意を固めユニコーンドリルを構えた。

ユニコーンドリルを構える電童
北斗「銀河・・・君・・・?」

銀河「こっちもファイナルアタックだ!」

北斗「ええっ!?」

銀河「こっちのファイナルアタックで、あっちのをぶっ飛ばすんだ!」

母の言葉を思い出し、覚悟を決めた銀河の決断であった。それをくみ取った北斗はユニコーンドリルのファイナルアタックをインストールした。しかし、バイパーウィップのファイナルアタックを相殺するには真正面に攻撃を繰り出さなければならない。二人の間に緊張が走る。

ファイナルアタックを放とうとする電童
アルテア「真っ向勝負のつもりか?笑止!!」

銀河「来おおおおいっ!

電童と凰牙は一斉にファイナルアタックを繰り出した!

バイパーウィップ、ファイナルアタック!
バイパーウィップ、ファイナルアタック!!

ユニコーンドリル、ファイナルアタック!
ユニコーンドリル、ファイナルアタック!!

ロールオーバーで画像が変わります

二つのファイナルアタックの威力がせめぎ合った。しかし、わずかにユニコーンドリルのファイナルアタックの威力が大きく、アルテアは技を中断しファイナルアタックを避けた。そのファイナルアタックを後にいた機獣がまともに食らってしまい、機獣は爆発四散した。そして、その様子を見届けたレオサークルはいずこかへ去っていった。それに合わせて、凰牙とガルファは撤退した。

凰牙になんとか打ち勝ったことで、銀河は自分の自信を取り戻したのだった・・・。

決戦!電童対凰牙
凰牙を撃退した後も、たびたびデータウェポンが現れたのだがガルファ、GEAR双方ともに捕獲できずにいた。そんな折、GEARアメリカから北斗と銀河と同年代の天才少女エリス=ウィラメットが派遣された。エリスは銀河たちと同じ学校に通うこととなった。エリスが仲間となったころ、銀河はレオサークルとようやく契約を結ぶことができた。

エリスは、GEARアメリカでデータウェポンの研究を担当していたが、ふとしたミスからユニコーンドリルとレオサークルの契約を解除してしまう。一方、アルテア側も電童をし止めるために機獣より強力な機士を6体派遣し、データウェポンのない電童を追い詰めた。

防衛軍の作戦により何とか難を逃れた電童は、失ったユニコーンとレオを含めた残りのデータウェポンをまとめて入手する作戦を立案する。エリスは、GEAR本部周辺にデータウェポンが出現することに気付き、その原因を特定した。データウェポンはGEAR内部にあるコンピューター、メテオの動力源であるメテオキューブに引き寄せられていたのである。メテオキューブは、17年前に電童とともにもたらされた物質で一つはメテオの動力源として使用されており、もうひとつは研究で消失、そして残った最後の一つをこのデータウェポン捕獲作戦に使用することにしたのであった。

アルテアからの挑戦を受けた電童はメテオキューブを持って指定されたポイントに出撃した。時間を稼ぎながら機士6体を相手にする電童。電童の戦いぶりから、データウェポンを失っていることにアルテアは気付きファイナルアタックで一気にけりをつけようとしたが、それより一瞬早く電童はメテオキューブを解放した。

解放されたメテオキューブに残りのデータウェポンが引き寄せられた。何とかユニコーンとレオをファイルセーブしなおした二人は、残りのデータウェポンも捕獲しようと動きだした。その様子を見たアルテアも機士らに命じてデータウェポンを追い回す。

機士たちに追い回されているデータウェポンを助けたことで、電童はガトリングボアとドラゴンフレアをファイルセーブすることに成功した。勢いづいた二人は、ブルホーンもセーブしてしまおうと凰牙にレオサークルのファイナルアタックを仕掛けた。・・・が、機士の1体が盾となり凰牙への攻撃に失敗してしまう。そして、アルテア側もブルホーンのセーブに成功し、そのままブルホーンのファイナルアタックで電童を攻撃した。

ブルホーンをセーブしたアルテア
アルテア「楽しいゲームだったが、最後に笑うのは私のようだな・・・。」

ブルホーン!
ブルホーン!
ロールオーバーで画像が変わります

ファイナルアタック!
ファイナルアタック!
ロールオーバーで画像が変わります

脚部のタービンでファイナルアタックをかわしたが、銀河のコクピット部分に攻撃がかすれてしまう。その衝撃で銀河が負傷し、気絶してしまう。北斗はユニコーンドリルで凰牙を攻撃して活路を開き、上空へと退避した。何とか凰牙から逃げ出した電童だったが、機士の攻撃を受け海中へと沈んでしまうのだった。

海中へと沈んだ電童は、GEARの援護により凰牙の魔の手から脱した。負傷した銀河はGEARで治療を受け意識を取り戻す。データウェポンを4体入手したとはいえ、ファイナルアタックを撃てるのは一度きり。一度ファイナルアタックを使ってしまうと、ハイパーデンドーデンチが切れてしまい、電童は戦闘能力を失ってしまう。

有効な手だてが見つからないまま、再び凰牙が攻撃を仕掛けてきた。GEARは電童の発射口に凰牙と機士を誘い込み、ユニコーンドリルのファイナルアタックでまとめて撃破する作戦を立案した。電童がおとりになり、機士たちを予定のポイントに誘い込んだ。そしてもくろみ通り、ユニコーンドリルのファイナルアタックを放ち、内部に誘い込まれた機士をまとめてせん滅することに成功した。

しかし、1機だけ破壊を免れた機体がいた。そして、凰牙もエネルギーが切れた電童に襲いかかってきた。電童に止めを刺そうとした凰牙だったが、突然ビーム攻撃を受けてしまう。そのビームは、吉良国駆るセルファイターからの攻撃だった。

驚く凰牙
アルテア「何!?」

セルファイター参上!
吉良国「銀河君、北斗君、遅くなってすまん!」
ロールオーバーで画像が変わります

電童のピンチを救った吉良国は二人にあるスイッチを押すように指示を出した。言われるまま銀河はスイッチを押してみると、電童の電池が射出された。電源を失った電童は、当然ながら垂直落下する。

落下する電童
北斗「うわわわあ!」

銀河「何やらせんだよ、おっさん!?」

吉良国は電童に照準をセットすると、予備のハイパーデンドウデンチをセルファイターから射出した。

ハイパーデンドウデンチ、シュート
吉良国「ハイパーデンドウデンチ、シュート!!」
ロールオーバーで画像が変わります

電池を受け取る電童
ロールオーバーで画像が変わります

エネルギーが戻った電童
北斗「エネルギーが・・・」

銀河「・・・戻ったぞ!」

セルファイターは、GEARが開発していた空中電池換装機であった。電童の電池切れの弱点を補うために開発されたマシンで、これにより電童はエネルギー切れを心配する必要がなくなった。エネルギーを回復させた電童は即座に反撃に出た。持ち前の格闘能力で機士に攻撃を仕掛け、ひるんだところをガトリングボアのファイナルアタックをぶち込んだ。

ガトリングボア!
ガトリングボア!
ロールオーバーで画像が変わります

ファイナルアタック
ファイナルアタック!
ロールオーバーで画像が変わります

ガトリング乱射

ガトリングボアの攻撃を受けて、機士は爆発四散した。吉良国は再び電池を射出し、電童のエネルギー回復をした。

スペアデンチ、シュート
吉良国「スペアデンチ、シュート!!」
ロールオーバーで画像が変わります

スペア電池を受け取った電童は、凰牙に止めを刺すべくドラゴンフレアをインストールし、そのままドラゴンフレアのファイナルアタックを放った。

ドラゴンフレア!
ドラゴンフレア!
ロールオーバーで画像が変わります

ファイナルアタック
ファイナルアタック!

アルテア図に乗るなああああああっっっっっ!
ロールオーバーで画像が変わります

初めて窮地に陥り、感情を爆発させたアルテア。そんな折、突然彼の中で何かがよぎり、頭を抱えて苦しみ出した。

頭を抱えて苦しむ凰牙
アルテア「ぐああああああああっ!」

ドラゴンフレアのファイナルアタックが直撃するその瞬間、動きの止まった凰牙を巨大な緑色の物体が回収した。その物体は、ガルファから派遣された巨大戦艦、アルデバランだった。皇帝の命により、記憶が戻りかけたアルテアを回収しに来たのである。凰牙を収容すると、アルデバランはいずこかへと去っていった。

セルファイターと新たに入手したデータウェポンにより、強敵の凰牙を打ち破った電童。しかし、ガルファの攻撃が終わったわけではない。しかし、大きな戦いを終え電童は悠然と帰還していくのだった。

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「さあ、帰ろう!」「おう!」(もどる)