ROBOT魂
XM-X2ex クロスボーンガンダムX2改
バンダイ ROBOT魂 SIDE MSシリーズ
定価:3990円(税込)
「キンケドゥゥ! 駄目じゃないか! 死んだヤツが出てきちゃ!
・・・お前は死んでなきゃあぁッ!!」
反乱
宇宙海賊【クロスボーン・バンガード】のメンバー、キンケドゥ・ナウとトビア・アロナクスの命懸けの潜入作戦により、敵の総統、クラックス・ドゥガチの居所が明らかとなり、海賊軍は木星帝国の一大拠点へと総攻撃を敢行した。
総力戦の末、海賊軍はドゥガチを追い詰める。が、時既に遅し。ドゥガチ本人は既に基地を脱出、地球へと向かっていた。基地で指揮を執っていたのはドゥガチの人格を完全にコピーした、バイオ脳だったのである。これを追撃すべく、海賊軍の母艦・マザーバンガードも地球へと針路を向ける!・・・しかし、先の総力戦は事実上の作戦失敗であった、という事もあり、艦内では皆が疲弊しきっていた。
そんな時、最悪の事態が艦内で起こる。海賊軍のメンバー、ザビーネ・シャルが、数名の同志と共に反乱を起こしたのである! 艦長であるベラ・ロナ、ドゥガチの娘、ベルナデット・ブリエット(本名:テテニス・ドゥガチ)を人質に取り、艦丸ごと帝国に投降を図るが、トビアの機転により失敗。クロスボーンガンダムX2に乗って脱出していったのであった・・・。
満身創痍の状態で地球圏へと辿り着いたマザーバンガードであったが、海賊を名乗っての行動があだとなり、逆賊として地球連邦軍によって包囲されてしまう。「相手が連邦軍では、戦う訳にもいかない」と、投降を決意するベラであったが、その決意をあざ笑うかのように、連邦の艦艇が何者かの攻撃を受けた! その攻撃を行ったのは、ザビーネが操縦するX2であった。
連邦軍艦長「あ、あれは・・・っ! ガンダムか!?」
ザビーネ「フ、フフフフ。フハッハッハッハッハ!!」
攻撃をしたのは奪われた機体だ、と言っても信じてくれるわけもなく、「海賊軍に反逆の意思があるのは明らか」であるとして、連邦軍の攻撃が開始される。また、これに協力するという形で、帝国軍も出撃してくる。かつてないピンチの中、クロスボーン・バンガードは生き延びる事ができるのか!?
『私の目的は、貴族主義の復活だ!』
宇宙世紀0133年からさかのぼる事10年前。キンケドゥことシーブック・アノーとザビーネはレジスタンスとコスモ・バビロニアに分かれて戦う敵同士であったが、宇宙海賊としてクロスボーンが復活した際には、エースパイロットの一人として、頼れる仲間の一人となった。
「『昨日の敵は今日の友。』そんなことがあるなんてなー。」と、トビアは呑気に感心していたが、実はそう単純な事ではなく、キンケドゥはザビーネの事を信用しきってはいない。実際にその通り、ザビーネは腹に一物抱えまくり、「貴族主義を復活させる」という目的の為に海賊軍に所属しているのであった。
貴族主義とは、「社会を統べるのに相応しい能力を持った【貴族】がそうでない【平民】を導いていく事こそがよりよい社会のあり方である」と、いう考え方である。ベラの祖父、マイッツァー・ロナはコスモ・バビロニアの創始者・貴族主義者らの指導者であったが、彼が女王に祭り上げようとしたベラ自身が貴族主義を完全否定。主義者らはバラバラとなり、以降は沈静化しつつあった。
ベラの父、鉄仮面―カロッゾ・ロナの非道な行いが元で、クロスボーンを離れたザビーネであったが、彼は貴族主義を捨てたわけではなかった。「かつては女王と呼ばれたベラが木星帝国を討てば、彼女自身の本心はどうあれ、その事実が人心を集め、各地で燻る貴族主義者を焚きつける事に繋がる」と考えていたのである。
木星帝国兵の、たった一人の支配者のために命をすら投げ出す姿に、貴族主義の目指した先を見たザビーネは、海賊軍が不利と見るやこれを見限り、木星帝国へと寝返った。コスモ・バビロニアとの違いは内に入り込んでから少しずつ変えれば良い、と、考えていたザビーネであったが、かつての仲間を裏切った男がそう簡単に信用されるわけもなく、帝国で激しい拷問を受けて人格が崩壊、いわゆるキ○ガイ化してしまったのであった。・・・完全に自業自得。仲間を裏切った、当然の報いというやつである。
寝返った黒いガンダム
クロスボーンガンダムX2は、主にキンケドゥが搭乗する一号機(X1)とほぼ同じ仕様で作られた二号機である。機体色をザビーネがかつて所属していた、旧クロスボーンの【黒の部隊】で乗っていたベルガ・ギロスと同じ黒系統のカラーで塗装され、頭部のアンテナもザビーネの好みでデザインを変えられた、彼専用の機体となっていた。
羽飾り状のアンテナは、ザビーネの趣味らしい
熱がこもるのを防ぐ為のフェイスオープンはお約束。
放熱ダクトの色まで真っ赤で、ちょっと怖いぞ!
ザビーネの反乱の際、トビアは帝国の捕虜となるが、公開処刑のために使われたX2を強奪。機体のみを艦外に放出し、ガンダムに注目が集まっている隙にコアファイターにブースターを取り付け、脱出。マザーバンガードへと帰還を果たした
X2は後に回収され、失ったコックピット部分を復元され、X2改として甦ったのであった。
黒いボディと真っ赤な目が・・・おっとそれは別の人ですね。
バーニアが大型化されているが、これでパワーアップしているというわけではなく、木星帝国とクロスボーンガンダムの開発元であるサナリィとの間で技術力に差があったため、帝国軍の技術力でガンダムにかつてと同程度の出力を持たせるためには、バーニアを大型化せざるをえなかったと、いうのが実際である。重量が重くなっただけの、むしろ改悪である。
大型化したバーニアが、凶悪な印象を演出しております。
なお、コックピットブロックのコアファイター構造が復元できなかった為、脱出機構は失われている。
X2改になってからは、マントなんて装備してなかったと思いますが・・・?
ABC(アンチ・ビーム・コーティング)マントや、合体してビームライフル【ザンバスター】となるビームサーベル【ビームザンバー】とビームピストル【バスターガン】、ヒートダガーにビームサーベルなど、X1と共通規格の武装を多数装備している。
X同じ武装が多いので製品でもカラーリング以外の仕様はX-1と同じ
X2独自の武装として、旧クロスボーン所属時にも機体に装備されていた、ショットランサーを装備している。
ランスとして打突攻撃に用いたり、4門設置されているビーム砲で射撃を行ったり、
ランス部分を射出して攻撃したりする。
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機体は乗り換えても、使い慣れた武器の方が戦い易いという事なのだろう。
腕部にはビームシールドが装備されており、出力を調整する事で、敵と零距離に接近した時に使われる、ブランドマーカーにもなる。
先端がボールジョイントになっているので、ビームシールドに若干の角度をつけることが可能となっている。
シールドのジョイントを使うのは形からして無理があるので、
2個同時展開を再現したい場合は、X1から借りてくると良い。(写真はX1)
バスターランチャーはX2改となってから追加された武装で、木星帝国製の武器である。
なぜか某『狙い撃つぜぇッ!!』的ポーズ。
直撃すると戦艦も一撃で沈めるほどの威力を誇る。
ブランドマーカーやビームシールドはジョイントの形が同一なので、X1にも使い回しが利く。併せて買えば、武装やポージングのバリエーションが増えて面白い。
X2改では使用していないABCマントとショットランサーは、ノーマルのX2を意識しての付属物である事は明らかである。コレクター事業部は後発商品にノーマルのバインダーを付属し、X2を再現させるという腹積もりであるらしい。一部パーツを差替えて別商品、という販売形態にしないだけ、まだ良心的であると言える。・・・で、いつ発売するんでしょ?
碧き惑星に沈む
連邦軍と帝国軍、双方から挟み撃ちを受ける危機的状況下で、ベラはマザーバンガードを放棄、自爆させ敵が眼をくらませている隙に各員を脱出カプセルで逃がすという、苦渋の決断を下す。
連邦軍の量産型ガンダムF91部隊を退けたクロスボーンガンダムX1(キンケドゥ)の前に現れたのは、アンチ・クロスボーンガンダム・MSを操縦する死の旋風隊(注1)であった。しかし、彼らはキンケドゥを一箇所に足止めすると、ビームでかく乱、撤退という不可解な行動を見せた。
後から続けて現れたのは、クロスボーンガンダムX2改(ザビーネ)であった!
ザビーネ「ク、ククク。そういう約束なのだよ。貴様だけは私の獲物だとね!」
キンケドゥ「ザ、ザビーネッ!」
母艦が自爆するまでのタイムリミットが迫る中、ザビーネのX2改がX1に襲いかかる!
ザビーネ「どうした、キンケドゥ? 押されているぞ!
シミュレーションでは7対3で私の方が勝っていたぞ!」
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キンケドゥ「もうセンサーが、限界だ!」
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F91との戦いでヴェスバーをビームザンバーで受け止めた際に、ビームの熱でX1のセンサー系はショートしかかっていた。X2改のビームサーベルを振り払い、距離を開くと、キンケドゥは自らコックピットハッチのカバーを排除。コアファイターのコックピットをむき出しの状態で、なおもザビーネに挑んでいく。
ザビーネ「ほう・・・」
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その様子に、ザビーネはコックピット内で歪んだ笑みを浮かべていた・・・。
「コスモ・バビロニアを抜け出そうと決めた時、キンケドゥがいなかったら、彼が受け止めてくれなかったら、私には居場所がなかった・・・だから!」―その頃、マザーバンガード艦内では、ベラが部下の制止も聞かずに予備のコアファイターに搭乗。キンケドゥを守りたい一心で、単身、戦闘宙域へと飛び出していった。
ザビーネは、繰り出す一撃の全てにキンケドゥへの怨念の全てを込めていた。
ザビーネ「キンケドゥ! 貴様さえ、貴様さえいなければ!」
「ベラ様が! 貴様などに心惹かれたりしなければ、こんな事にはならなかったのだ!」
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ザビーネ「ただの平民である者に惹かれたりせねば、貴族主義を捨てたりも、されなかったのだ!」
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ザビーネ「貴様が私の夢を、貴族社会を潰したのだ・・・!」
キンケドゥ「しまった!」
ザビーネ「罪を償え! キンケドゥッ!!」
トドメとばかりにX1にサーベルを突きつけるザビーネ。と、そこに、ベラのコアファイターが援護に駆けつける! これに対し、ザビーネのX2改はサーベルを投擲。まったく意に介さずといった体で追い払う。
ザビーネ「邪魔だ!」
ベラ「ああぁぁっ!?」
「ベラーッ!!」
キンケドゥの気が逸れたその一瞬を、ザビーネは見逃しはしなかった。瞬時に間合いに飛び込むと、X2改のサーベルがX1のコックピットを貫いた!
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ギンッ!
ズンッ!
ブチィッ!!
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「キンケドゥッ!!」―思わず悲鳴を上げるベラ。ザビーネは非情にも、X1を蹴り飛ばす。
「フハハハハハッ! さようなら、キンケドゥッ!!」
そこへクロスボーンガンダムX3(トビア)が駆けつけるが、キンケドゥさえ倒せば用はない、ということなのか、X2改はその脇をすり抜け、逃げていった。
「キンケドゥさんッ!!」
「キンケドゥ! キンケドゥ! こたえてキンケドゥ・・・お願い、返事をして! キンケドゥ! 死なないで、キンケドゥ!
シーブーックッ!!!」
声の限りに男の名を呼び続けるベラであったが、返事はなく、彼の機体は力なく、重力の井戸の底へと吸い込まれていった・・・
ベラはトビア、ベルナデットと共に、マザーバンガードに搭載されていた大気圏突入用カプセルで地表へ降り立つ。散り散りになってしまった仲間たち。トビアたちの運命は? そしてキンケドゥは、生きているのか、本当に死んでしまったのか!?
尊き者に仕えるのは我が喜び。なにとぞ我が力、存分にお使いください!(戻る)