装着変身 仮面ライダーBLACK RX


バンダイ 装着変身シリーズ

定価2100円(税込)

牡牛座黄金聖闘士HUYU


仮面ライダーBLACK RX
本コラム初!仮面ライダー!!

光のオーロラ身に纏い、君は戦う人になれ
今から16年ほど前(注1)、幼稚園に入園したばかりだった俺はとあるヒーローに夢中だった。それが今回紹介する仮面ライダーBLACK RXであった。
仮面ライダーBLACK RXは、前作仮面ライダーBLACKの続編として1988年(昭和63年)から1989年(平成元年)にかけて放送された。放送期間中に昭和天皇が崩御したことで、年号が昭和から平成に変わってしまっているが、仮面ライダークウガ以降続く、いわゆる平成仮面ライダーシリーズには含まれず、最終回間際の話でRX のピンチに仮面ライダー1号から仮面ライダーZX(ゼクロス)までの先輩ライダー(注2)が駆けつけたという事から、昭和ライダーの集大成とされている。 逆に「RXの2段変身(注3)」、「決め技にキックではなく剣を使う」、「バイク以外のマシンに乗る(注4)」など、平成ライダーの原点とも言える試みがなされており、賛否両論分かれている。
まあ、この作品を見ていた当時、まだ幼かった俺にはそんな小難しい事はどうでもよく、ただひたすらカッコいいと思ったのであった。
注1:父上がビデオに録画していたので、後から観る事が可能だったのである。

注2:技の《仮面ライダー一号》、力の《仮面ライダー二号》、力と技の《仮面ライダーV3(ブイスリー)》、数々のアタッチメントで左腕を換装する《ライダーマン》、潜水能力を持つ《仮面ライダーX(エックス)》、野性の力を持つ《仮面ライダーアマゾン》、超電子の技を放つ《仮面ライダーストロンガー》、《大空を舞うスカイライダー》、五つの腕ファイブハンドと赤心少林拳の使い手《仮面ライダースーパー1》、パーフェクト・サイボーグ《仮面ライダーZX(ゼクロス)》の10人の先輩がいる。

注3:悲しみの感情が昂ぶる事でロボット的な外見を持ち、強固な防御力を誇るロボライダー、怒りの感情が昂ぶる事で自身の身体を液状化できるなどの能力を持つバイオライダーに変身する。平成仮面ライダーではお約束になっているフォームチェンジの原型である。

注4:RXはライドロンという車に乗ることがあるのだが、このことが「車に乗ったらライダーではなくドライバーではないのか」などと、批評されていたらしい。

太陽の子だ! RX
暗黒結社ゴルゴム(注5)との最後の戦いから半年、仮面ライダーBLACK=南光太郎は、叔父である佐原俊吉の元に身を寄せ、彼の経営する航空会社でヘリコプターパイロットの職を得て平和な日々を過ごしていた。だが、その平穏は長くは続かなかった・・・。

ある日、彼は光を発する3本の不思議な杭を目撃。杭を設置する怪人の目撃情報を得て調査を行う途中、怪魔界から現れたクライシス帝国(注6)の移動基地、クライシス要塞に拉致される。そこでクライシス軍司令官ジャーク将軍よりクライシス帝国の尖兵となり、地球の全人類を抹殺することを要求されるが、光太郎はこれを拒否。BLACKに変身して戦おうとするが、ジャーク将軍により変身機能を破壊された上に宇宙空間へと放逐されてしまう。だがこれにより、光太郎の命の源であるキングストーン[太陽の石]が太陽光線を浴びて進化、光太郎も新たな姿に生まれ変わったのだった。自らの体の変化に驚くRXの元にかつての相棒・バトルホッパーもアクロバッター(注7)として生まれ変わって駆けつける。
迫り来るクライシス帝国の刺客に対し、光太郎は名乗りを上げる。

名乗りを上げる、BLACK RX
「俺は太陽の子! 仮面ライダーBLACK! RX!!」

かくして、南光太郎=仮面ライダーBLACK RXとクライシス帝国との戦いの火蓋は切って落とされたのだった。
注5:太古の昔より地球に存在する秘密組織。創世王(歴代ライダーにおける「大首領」的な存在)の後継者候補として、光太郎にキングストーン[太陽の石]を埋め込み、世紀王ブラックサンに改造した。
しかし、光太郎は脳を改造される前に脱出。仮面ライダーBLACKとしてゴルゴムとの戦いに挑むのだった。

注6:異次元世界である怪魔界に存在する帝国。文明の発展と共に環境破壊が進行、帝国の人民50億人を移住させるため、地球人の全滅を目論む。
最終話では怪魔界が地球と表裏一体の存在で、地球の環境が悪化したから怪魔界も悪化したという事実が明かされた。

注7:もとは暗黒結社ゴルゴムが世紀王のために作り上げたマシンで、光太郎がゴルゴムから脱出する際に奪ったマシン。生命体であり自己の意識を持つ。前作でBLACKを援護し自爆したが、RXへの進化に呼応し残骸から再生、進化を遂げた。
RXがロボライダー、バイオライダーに変身するのに応じてアクロホッパーも変身する能力を持つ。

生まれ変わった装着変身シリーズ
元々装着変身シリーズとは、2000年よりテレビ朝日系で放送された平成仮面ライダーシリーズの第一作である仮面ライダークウガの商品ラインナップの一つとして考案された物で、この時の商品名は装着変身仮面ライダークウガと言った。クウガは基本形態であるマイティフォームのほか、戦況、敵の能力に応じて様々な形態にフォームチェンジするライダーで、『装着変身』はこのクウガの各形態への変身を装甲パーツを替える事で再現したトイであった。また、装甲パーツや素体の一部に金属パーツが使用されている事から超合金の一種として扱われている。

その後、クウガの後番組である仮面ライダーアギト装着変身仮面ライダーアギトとして商品化。同じ頃、仮面ライダー一号等の昭和仮面ライダーも商品化されていたのだが、クウガと比べると売り上げが伸びず、装着変身シリーズは一時期途絶えてしまう。
しかし、中国などアジア地域では好評で、日本では商品化されなかったライダーが逆輸入され、好評を博する事もあった。それが原動力となり2004年からシリーズが再開。その時点で放送の終了していた仮面ライダー555(ファイズ)が商品化。以降龍騎、剣(ブレイド)等に登場するライダーを商品化し、仮面ライダー響鬼(ヒビキ)からはリアルタイムでシリーズを展開。昨年放送された仮面ライダーカブト、そして最新作の仮面ライダー電王と、平成仮面ライダーを中心にラインナップを構成している。
また、宇宙刑事ギャバンなど仮面ライダー以外の特撮作品からも商品化されている。
シリーズが再開されてから、仮面ライダー関連では平成ライダーしか商品化されてこなかったが、2006年10月に仮面ライダーBLACKが商品化。これに続いて11月に今回紹介する仮面ライダーBLACK RXが商品化されたのであった。

自宅には末の弟が祖父に買ってもらった装着変身 仮面ライダークウガ ライジングフォームセット(注8)があったのだが、平成仮面ライダーにはそんなに入れ込んでいなかったし、値段の高さから敬遠していたので、長い間装着変身シリーズには手をつけていなかった。
しかし、先日某関西資本の家電量販店で一個800円という大暴落価格で叩き売りされていたので思わず買ってしまったのであった。

そろそろこの商品の出来について言及していこうと思う。まずは素体からみていこう。

素体 正面 素体 背面
変身前の顔が付いているが、微妙なのでこのままで飾る人はいないんだろうね・・・。

先に発売されたBLACK同様、新素体が使用されているので、可動の方はかなり良好になっている。もっとも、まともな比較対象を持っていないのでよくわからんのだが。
可動箇所は首、肩、二の腕、肘、手首、指、腰、股関節、太股、膝、足首と、全身18箇所が可動するようになっている。この内、肘と膝は二重関節。首、肩、腰、股関節、足首はボールジョイント接続されているので、可動箇所はかなり広くなっているぞ。
膝から下にはダイキャストが使用されている。
後ろから見ると各部のネジが丸見えだが、これはこの手のフィギュアのお約束なので、気にしても仕方あるまい。

お次は装甲パーツの装着状態を見ていこう。と、いう訳で・・・、

変、身!!

RX 正面 RX 背面
変身してみました。

頭部は変身前のモノと差し替えになっているが、おかげで変身後も普通に頭を動かす事が可能になっている。クウガのときは素体の頭に直接マスクを被せていたから、首を回すとマスクだけが回るという事もあったのだ。
触角(アンテナ)は軟質素材で出来ているので、折れたりする心配はない。ただ、本編の映像と比べると若干頭が長くなっているような印象を受ける。
胴体に取り付けるアーマーは前後で二分割になっている。クウガなどの旧シリーズであったら脇の部分にアーマーの可動部が露出してしまうところだが、RXでは素体の背中を窪ませ、また、軸部分を内側に設置する事で目立たなくさせる事に成功している。

胴体アーマー
これもBLACKから導入された新機構ですな。

肩アーマーは素体の肩部のジョイントに取り付けるようになっており、可動するようになっているので四十肩にはならないぞ。
変身ベルトは何かイマイチだったのでウェーブのHアイズでディテールアップしてみた。
最後に紹介するのがRXの必殺武器、光の剣リボルケインだ。

リボルケイン
発光状態(ブルーで塗装されている方)と通常状態(シルバーで塗装されている方)の2本が付属する

リボルケインはRXが変身ベルトに手をかざすと出現する。RXは必殺技リボルクラッシュの一突きで、迫り来る多くの敵を倒したのだ。
BGMとしてOPテーマの『仮面ライダーBLACK RX』が流れたりして、もう最高にカッコいいぞ!!

リボルクラッシュ其の一
ベルトから出現したリボルケインを抜き放ち、敵に向かって飛びかかる

リボルクラッシュ其の二
その勢いのまま敵に突き刺す! 刺し傷から火花を散らし敵が苦しむ。

リボルクラッシュ其の三
苦しみながら爆発する敵をバックにポーズを決める。

俺の記憶が正しければ、リボルケインは発光状態でしか使っていなかったような気がする。通常状態の方って付いている意味があるんだろうか?
それとも、刀身の部分を切り取ってベルトから取り出すシーンでも再現しろとでも言うのだろうか?

塗装はかなり芸の細かい域に達しており、かなり好印象。 ただし、本体の色がグレーっぽいのが気に食わないという人もいるようだが、俺はこんなものでも良いと思っているぞ。
俺としてはRXと同じ新素体を用いてこれからもドンドン昭和ライダーを商品化していって欲しいと思う。
特に仮面ライダーZX(注9)なんて商品化してくれたらもう最高なのだがな・・・。
注8:仮面ライダークウガの番組後半から登場する、クウガが雷の力を得てさらに強化された形態。基本形態であるマイティフォームに加え、それぞれの他の形態もライジングフォームによって強化される形態が存在するため、クウガは平成仮面ライダーの中で最もフォームチェンジの数が多いライダーとなった。

注9:10人目の仮面ライダー・・・なのだが、テレビでは放映されず、発表当時は専ら子供向け雑誌専門だったらしいという不遇なライダー。
しかし近年では村枝賢一氏の描くコミックス『仮面ライダーSPIRITS』(講談社刊)で主人公を張るなどしており、今最も熱い仮面ライダーの一人である。

太陽の力で甦れ! 光の王子(もどる)