装着変身
仮面ライダー電王 ライナーフォーム

バンダイ 装着変身シリーズ

定価2675円(税込)


ライナーフォーム
「みんな、行くよ!!」

「毒を喰らわば、皿まで召し上がれ」をスローガンに、続けてきた電王コラムシリーズ。電王には他にもフォームチェンジがあって、まだまだ、皿まで召し上がってはいないのだが、一応は今回で最終回のつもりである。今回は電王の最強(?)フォーム、電王・ライナーフォームを紹介するぞ!

憑かず、離れず、電車斬り!
時の列車・ゼロライナーに招かれた野上良太郎は、桜井侑斗と契約するイマジン・デネブから、侑斗がゼロノスに変身する度に背負うリスク(注1)について話を聞かされる。『時の運行を守る』という使命の為に誰かが犠牲になる、その事実を知った良太郎はこれ以上侑斗を変身させないために、侑斗の手からゼロノスカードを奪い、走り去っていく。

一方デンライナー・食堂車では、以前の戦闘時に生じた異変−良太郎の身体に憑依したときに、その身体を上手く動かせなくなりピンチに陥った事−について、相談がなされていた。時の分岐点の先にある、彼らイマジンの未来と、良太郎達人間の未来は違う。この異変は良太郎が電王として戦う事で、未来が少しずつ変化している事の表れであった。

良太郎に憑依する4人のイマジン・モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスは、自分たちが良太郎に憑依しなくても戦えるように、準備を始める。

良太郎に追いついた侑斗は、カードを返すよう良太郎に迫る。しかし、桜井と侑斗が犠牲となる事に納得がいかない良太郎は、カードを返すことを頑なに拒否する。

その時、彼らの目の前で事件が起きる。高層ビルがまるで砂のように崩れて消滅したのだ。過去の時間で襲われた人、破壊された物は、現代では『存在し得ないもの』(注2)として消滅してしまう。過去で倒し損ねたイマジンが、暴れている所為で起きた事件だった。

侑斗は、『自分は犠牲になるために戦っているんじゃないし、犠牲になるつもりも無い。』と、良太郎を説得する。

『例えカードを全部使って、皆が侑斗のことを忘れても、僕は忘れない。』
説得に応じた良太郎はカードを侑斗に返すと、モモタロスを自分に憑依させ、電王・ソードフォームに変身。同じくゼロノス・アルタイルフォームに変身した侑斗と共に、イマジンを倒すため過去へと向かう。

ダブルで「変身」
良太郎&侑斗「「変身!」」

Sword Form(ソードフォーム)!
Altair Form(アルタイルフォーム)!

ロールオーバーで画像が変わります

過去へ降り立った二人の戦士と、イマジンの戦いが始まる。

俺、参上!&俺はかーなーり、強い!
モモタロス「俺、参上!」
侑斗「最初に言っておく!俺はかーなーり、やる気だ!!」

敵側も2体ということで、1対1に分かれてそれぞれ戦う電王とゼロノス。しかし、電王のほうは何故か動きが悪く、いつもの本調子が出ない。そのうえ、良太郎に憑依できなくなってしまったモモタロスが分離してしまい、プラットフォームへと戻ってしまう!

いつもの本調子が出ない電王
良太郎「あれ?モモタロス・・・、なんだかモモタロスの声が遠いよ!?」

モモタロス「ちっ!やっぱりか!!すまねぇ、良太郎。もうお前に憑いていられねぇ!!」


プラットフォームへと戻ってしまう電王
良太郎「そ、そんな・・・?」

ベルトにパスをかざし試みるが、変身する事が出来ない。モモタロスたちの不安が遂に現実のものとなってしまったのだった。

侑斗は自分の武器・ゼロガッシャーを良太郎に貸し、自分はイマジン・デネブと合体してベガフォームへと変身。なんとかこの場をしのごうとする。が、2体の敵イマジンの連携攻撃を正面から喰らい、デネブとの合体も解除してしまう。良太郎、侑斗、デネブの三人は絶体絶命の危機に直面する。

が、その三人の中で、まだ立ち上がる者がいた。良太郎である。

諦めない良太郎
侑斗「野上・・・!」

デネブ「よせ、野上!無茶だ・・・!」


良太郎「決めたんだ・・・。強くなるって・・・、決めたんだ・・・!」

2体の敵イマジンは良太郎にトドメを刺そうと、最後の攻撃を放とうとする。が、それをさえぎる様に、良太郎の目の前に、モモタロスたちが出現する。目の前に現れたモモタロスたちの光が一体となり、良太郎の手にケータロス(注3)が出現。それをバックルにセットすると、ケータロスのアンテナから光のレールが現れ、良太郎の手に新たな武器が現れる。

コレこそが、良太郎に憑けなくても、モモタロスたちが良太郎を手助けできるように作り出した新しい武器、デンカメンソードである!

デンカメンソード、出現!
良太郎「こ、これは・・・?」

モモタロスに促され、デンカメンソードにライダーパスをセットすると、デンライナーを象ったオーラライナーが出現。良太郎の身体を通り抜けていくと同時に、良太郎が新たな姿に変身を遂げる。新たな電王・ライナーフォームの誕生である!

デンカメンソードにライダーパスを差し込む
モモタロス「デンカメンソードにパスを差し込むんだ!」

良太郎「えっと・・・、こうかな。」


Liner Form(ライナーフォーム)!

変身、ライナーフォーム!
ロールオーバーで画像が変わります

変身、ライナーフォーム!
ロールオーバーで画像が変わります

変身、ライナーフォーム!

良太郎「うわぁぁぁーーーーっ!??」

参上、ライナーフォーム!

電王の新たな姿に、2体の敵イマジンはその強さを本能で感じ取る。

デンカメンソードを構えるの図
モモタロス「良太郎、必殺技だ!ビシッとをキメろよ!!」

良太郎「う、うん!やってみる!」

デンカメンソードのレバーを押し込む事で、切っ先から光のレールが出現。電王がその上に飛び乗り、敵に向かって突進していく!

必殺!電車斬り!!
良太郎「必殺技・・・、え〜と、う〜んと・・・、電車斬り!!

モモ、ウラ、キン、リュウ「「「「うぇ〜っ!?センスねぇ〜〜っ!!」」」」

ロールオーバーで画像が変わります

技名はともかくとして、電王の放つ新必殺技により、イマジンを撃退する事に成功する!

デンカメンソードを落とす電王
良太郎「重・・・。」

電王の新フォームの誕生と、勝利を祝い、デンライナー・食堂車ではパーティーが開かれる。車内に祝勝ムードが漂う中、デンライナーのオーナーはただ一人、新たな時間の分岐点の先にある虚空を見つめていた。

分岐点の先に待つ未来は、希望か、絶望か、それは誰にもわからない・・・。
注1『ゼロノスのリスク』:ゼロノスに変身するために使われるキーアイテム・ゼロノスカードは、変身する度に一枚ずつ消費される。消費されるごとに周囲の人間から《桜井侑斗》という人間に関する記憶が失われていき、カードを使い切るという事は、桜井の消滅を意味している。

注2『存在し得ないもの』:人や物が過去で時間で殺されたり破壊されたりすると、未来の時間でそれらが存在することが出来なくなり、消滅してしまう。消滅したそれらはイマジンを倒す事で、その人や物が存在したという事を覚えている人の記憶を足がかりに修復される。

注3『ケータロス』:劇場版『俺・誕生!』にて、強敵・ガオウを倒すため、別々の時間から3人の良太郎を連れてきて、それぞれにウラタロス、キンタロス、リュウタロスの3人のイマジンが憑依。モモタロスが憑依した良太郎とあわせて、4人の電王が集結、ガオウを倒した。・・・まではよかったのだが、後の良太郎がその戦いのことを全く覚えていなかったため、モモタロス以外の3人との関係性が希薄となり、消滅してしまう。
良太郎の『ずっと皆と繋がっていられたら・・・。』という願いを受け、消滅した三人の残り滓から具現化したのがケータロスである。
(ちなみに、3人とも後でちゃんと復活しました。)

決して最強というワケではない、最強フォーム
仮面ライダークウガから続く『平成仮面ライダーシリーズ』では大抵の場合、主人公のパワーアップは新フォーム(新しい姿)、の登場によって行われることが多い。なかでも、番組が終盤にさしかかる頃に登場する新フォームは、《最強フォーム》と言われ、高い人気を誇る。今回紹介する、電王・ライナーフォームも、一応は、《最強フォーム》といえる形態である。

が、ライナーフォームはあまり最強っぽくない、最強フォームなのであった。それと言うのも、ライナーフォームには『切り札っぽさ』が皆無だからである。

《最強フォーム》は平成仮面ライダーにとって、強敵が多くなってくる物語終盤に登場する、いわゆる切り札的な形態である。が、ライナーフォームはストーリー紹介でも触れている通り、イマジンが良太郎に憑依できなくなったから誕生した形態であり、強くなるために生み出された形態ではない。むしろ、良太郎に4人のイマジンが憑依して完成する、てんこ盛り・・・もとい、クライマックスフォームのほうが強そうに見えるのである。

また、良太郎自身の力で変身して戦うライナーフォームは、良太郎役の俳優・佐藤健の頼り無さそうな演技も相まって、イマイチ強そうに見えないのであった。・・・さすが、仮面ライダー史上、最弱の主人公と言うだけの事はある・・・。

良いじゃん、良いじゃん、スゲーじゃん?
ではここからは、肝心の装着変身について見ていこうと思う。まずは素体から見ていこう。

素体正面 素体背面
もはや紹介するまでも無く、広い可動範囲を誇る素体。

可動範囲に関しては、電王の各フォームに用いられた素体の金型流用であるので、文句無しの出来。
また、ライナーフォームの特徴とも言える、全身の模様も塗装によって再現されている。ただし、塗装の粗い箇所があったり、ラインの位置が合わない箇所があったりするのが残念なポイントである。

この素体に、付属のパーツを装着することで、電王・ライナーフォームを再現している。

素体&パーツ一式

ライナーフォーム正面 ライナーフォーム背面
全身の模様と、電仮面のデザインから、デンライナーをモチーフとしている事がわかる。

目立ちにくいヒンジの位置、腕の可動を妨げないように可動する肩アーマーなどは良いのだが、電仮面(デンカメン)をつけたときの頭が大き過ぎるのが残念なところである。

腰にはソードフォームと同じく、分離形態のデンガッシャーがホルスターと共に装着されているが、ライナーフォームはデンガッシャーを使用しないので、武器形態では付属しない。

武器はライナーフォームに変身する為に用いられるキーアイテムでもある、デンカメンソードが付属する。

デンカメンソード
電王が変身する4つのフォームの電仮面がシールド部分にあしらわれた、巨大な剣。

デンカメンソードはシールド部分が回転し、頂点の電仮面が示すイマジンと会話したり、その力を行使したりできる武器で、装着変身でもシールド部分の回転、モモ電仮面の展開が差し替えなしで再現されている。

モモソード→ウラロッド
ウラロッド

ウラロッド→キンアックス
キンアックス

キンアックス→リュウガン
リュウガン

リュウガン→モモソード
モモソード
ロールオーバーで画像が変わります。

また、ソードフォームと同様に付属している、ライダーパスを、設定どおりソードの峰にセットする事も出来る。

塗装が若干汚かったりして、少々割高感を感じるが、デンカメンソードなどは遊び甲斐もあるので、なかなか良い方だと思う。ギミックに関しては満点でも良いと思うんだが、ライナーフォームにはある意味最大の地雷があった。それは見た目である!

本編を見ていれば、良太郎の必死に戦う姿に心打たれたということもあり、すんなり受け入れることが出来るだろうが、おそらく本編未観賞の人には受け入れられないんじゃないだろうか?電車を前面に押し出したデザインもさることながら、顔が4つも付いた武器は、はじめて見る人にはそう簡単には受け入れられるデザインではあるまい。

実際、弟にライナーフォームを見せたところ、『かっこ悪い』と一撃で斬って捨てられてしまったからな。

『デザインはともかく、』と言わざるを得ないライナーフォームだが、本編を見れば見方が変わると思うので、まずは本編から見て欲しいと思うぞ。

春の特撮祭り!仮面ライダー電王 & BLACK & RX 〜君は刻(とき)の涙を見る・・・のか?〜後編
前回のあらすじ

クライシス帝国に取り入り、世界征服を目論む悪の仮面ライダー・シャドームーンは、宿敵・仮面ライダーBLACK RXを消滅させるため、時の列車・ボロライナーを乗っ取り、過去(1988年)へと飛んだ。RXにパワーアップする前の、BLACKならば倒せると考えたためである!

もしも仮面ライダーBLACKが過去で倒されてしまえば、歴史の流れが大きく変わってしまう可能性もある。果たして良太郎は、この未曾有の危機を回避する事が出来るのか!?

ちなみにこの話は、筆者の腐りかけの脳が生み出した『フィクションの中のフィクション』であるため、『仮面ライダー電王』、『仮面ライダーBLACK』、『仮面ライダーBLACK RX』、『Fate/stay night』とは一切関係は無い!!


1988年。親友であった秋月信彦(シャドームーン)を手にかけ、そして暗黒結社ゴルゴムを倒した南光太郎(仮面ライダーBLACK)は、戦いで心に負った傷を癒すため、放浪の旅を続けていた。

と、その目の前に、時空を越えてシャドームーンが現れる。2度と友を傷つけたくないと考えるあまり、変身する事をためらう光太郎であったが、シャドームーンに変身し、自分と戦う事を強要され、仮面ライダーBLACKに変身する!

にらみ合う両者
シャドームーン「さあ!私と戦え!!ブラックサン・・・。いや、仮面ライダーよっ!!」

BLACK「信彦・・・、いや、シャドームーン!これが俺の罪に対する罰ならば、俺は戦うしかないのか・・・!?」

時を越え、再び激突する二人の世紀王。本来ならば二人の力は互角のはずであったが、未来から来たシャドームーンは、二振りの魔剣・シャドーセイバーを駆使し、BLACKを圧倒する。シャドームーンがトドメを刺そうとした、その時であった。

俺、参上!
モモタロス「(自分の失敗を帳消しにするために)俺、参上!」

時を越え1988年に降り立った、電王・ソードフォームが駆けつける。

前回の出番があまりにも少なかった事で、フラストレーション溜まりまくりな電王・ソードフォームは、猛然とシャドームーンに立ち向かっていく。

ソードフォーム対シャドームーン
モモタロス「思ったとおりだ!侑斗の野郎、こんな面白い相手を独り占めにしてやがったのか!!」

シャドームーン「計画を邪魔された私は、不愉快なだけだがな!!」

シャドームーンの二刀流と、剣の扱いに長けた電王・ソードフォームの戦いは互角であった。だがしかし、BLACKに倒されたことを根に持つ創世王の怨念がシャドームーンに憑依してしまう。さらに、シャドームーンの放つ怪光線を浴びた電王は、モモタロスの憑依が離れ、変身が解除してしまう。

この再びのピンチを救ったのは、侑斗(ゼロノス)であった。

ゼロノス、参上!
侑斗「一人で良いって言うから任せてみたら、案の定こうなったか。」

良太郎「侑斗・・・。」

敵が二人に増えたにもかかわらず、創世王の憑依により強化されたシャドームーンは全く動じない。これに対し、侑斗も切り札を出す事にした。

自信満々な人々
シャドームーン「雑魚が一人から二人になっても、どうという事は無い!!」

侑斗「こんな事もあろうかと、特別なゲストをお連れしたぞ。」

良太郎「特別な・・・、」

シャドームーン「ゲストォ?」


今回のゲストその一 ゲストその二
RX「時を越えてまで悪巧みとは・・・。」

セイバー「つくづく救いようが有りませんね、シャドームーン!」

シャドームーン「貴様らか!?おのれぇ!」

良太郎も電王・ライナーフォームに変身し、ゼロノス、セイバー、RXとともに攻撃にかかるが、創世王の怨念が強大なバリアを生み出し、逆に弾き返されてしまう。

『シャドームーンを倒す手段はもう無いのか・・・?』皆が諦めかけたその時、仮面ライダーBLACKが立ち上がった。

立ち上がる戦士たち
RX「強大なバリアを突破するには、バラバラに攻撃してもダメだ!」

セイバー「波状攻撃でバリアを破り、ヤツにトドメの一撃を・・・!」

侑斗「しかし、上手くいくのか?」

BLACK「手段がこれしか残されていないというなら、やるしかない。」

良太郎「やりましょう!」

ゼロノスとセイバーを先頭に攻撃が繰り出されていく。

セイバー ゼロノス
セイバー「エクス・カリバァァァーーーッ!!」

侑斗「スプレンデッドエンドッ!!」


斬られるシャドームーン
シャドームーン「ぐおおお、バリアが破られたか!おのれぇぇ!!」

この攻撃によりバリアが破れ、間髪入れず、BLACKとRX、二人の仮面ライダーのキックが、そして、電王の必殺技が続く。

ダブルライダーキック
BLACK&RX「「ダブルライダァァーー・キィィィック!!」」

シャドームーン「ぐああああぁぁぁぁ〜〜〜〜!!」

侑斗「野上!今だ!!」

良太郎「うん!わかった!」


電車斬り
良太郎「電車斬りぃぃぃっ!!」

シャドームーン「ぐ、ぐぁわぁぁぁぁぁぁっ!!」

5人の戦士の共同戦線によって、強敵・シャドームーンは打ち破られた。そして、5人のうち、4人はもといた時代へと還っていく。

別れの時
BLACK「君達にとって過去の存在である俺は、君たちの正体を知らない方が良いんだろうね。」

RX「すまないが、そういうことらしい。」

セイバー「気にする事はありません。時が経てば、いずれは出会えます。」

良太郎「そうですよ。ね、侑斗。」

侑斗「何で、そこで俺に振るんだよ!」

5人の戦士によって確かにシャドームーンは倒された。だが、しかし、今だ多くの悪が、彼らを待ち受けているだろう。

真の平和をこの手につかみとるその日まで、正義の英雄たちよ、永遠なれ!!


ソードフォーム吼える
モモタロス「おい、主役であるはずの俺様の出番が少ないって、どういうことだよ!
俺はこんなオチ、認めねぇぇぇぞぉぉぉぉ!!」

良太郎「お疲れ様でしたー。」

侑斗「この後打ち上げだけど、セイバーさんも来るか?」

セイバー「いいですね、お供しましょう。」

モモタロス「ああ!置いて行かないで・・・!!」

ちゃんちゃん♪

「決めたんだ・・・。強くなるって、決めたんだ・・・。」(戻る)