装着変身 仮面ライダーBLACK

バンダイ 装着変身シリーズ

定価2100円(税込)


仮面ライダーBLACK
哀しき宿命を背負った、世紀王ブラックサン
もとい、仮面ライダーBLACK

南 光太郎は、暗黒結社ゴルゴムに改造人間に改造されたが、悲しみを乗り越え、人間の自由のために、人類の敵ゴルゴムに立ち向かう自由の戦士、仮面ライダーBLACKとなった!

(第1話ナレーションより by小林清志)

と、いう訳で、毒を喰らわば皿までとか、そういう意味ではないのだが、今回は前回紹介した仮面ライダーBLACK RX のパワーアップ前の姿、仮面ライダーBLACKについて紹介するぞ。
話が前後する部分が、あるかも知れんがな!

BLACK 変身!
幼い頃に両親を交通事故で亡くした南 光太郎は、父の友人・秋月教授に引き取られ、その息子・秋月 信彦と共に兄弟同然に育てられた。二人の19歳の誕生日を祝うパーティの日、二人は暗黒結社ゴルゴムによって拉致されてしまう。19年前の日食の日に生を受けた光太郎と信彦の二人は、ゴルゴムの支配者・創世王の後継者候補、世紀王として体内に世紀王の証であるキングストーンを埋め込まれ、改造人間にされてしまう。
しかし、記憶を奪うために洗脳が行われようとするその寸前、息子たちから記憶を奪わせまいとする秋月教授の乱入により、光太郎は脱出に成功する。しかし、信彦は脱出しようとした際に重傷を負い、取り残されてしまうのだった・・・。
その後、キャンプ場の跡地に呼び出された光太郎は秋月教授の口から、研究費を稼ぐためにゴルゴムに魂を売った事、光太郎の実父はゴルゴムの協力を拒んだから殺された事(注1)、そしてその目的は、人類を全て滅ぼし、怪人のみの世界を創る事など、ゴルゴムに関する事を聞かされる。しかし、その秘密を話した秋月教授はゴルゴムの放ったクモ怪人によって殺されてしまう。
父を殺された怒りから、光太郎は変身する!

変身1
変…

変身2
…身!!


名乗り
仮面ライダーBLACK!!
ロールオーバーで画像が変わります

クモ怪人の吐く糸に苦しめられながらも、果敢に立ち向かうBLACK!
ライダーパンチとライダーキックの連続攻撃でクモ男を撃破する。

ライダーパンチ ライダーキック
ライダーパンチッ! ライダーキィィック!!
クモがないから代わりにイカをふっ飛ばしました
ロールオーバーで画像が変わります

父の死を悲しむ信彦の妹・杏子と、信彦の彼女・紀田 克美。それを見た光太郎はゴルゴムと戦う事を決意する。
今ここに、暗黒結社ゴルゴムと、南 光太郎=仮面ライダーBLACKの戦いの火蓋が切って落とされたのであった。
注1『ゴルゴムの協力を拒んだから〜』:人類の誕生以前から存在する暗黒結社ゴルゴムは、人類を滅ぼし怪人のみの世界を創る事を目的としている。その為に優れた人物(大物政治家や有名な女優、大富豪など)をメンバーに引き込もうと狙っているのだ。
また、メンバーとなった人間たちも、ゴルゴム怪人の持つ長命に憧れ、自ら改造を望む者までいる。

時を越えろ! 空を翔けろ! この星のため!
『仮面ライダーBLACK』は、1987年(昭和62年)から1988年(昭和63年)にかけて放送された仮面ライダーシリーズの一つである。
この作品は『原点回帰』を目指して作られた作品で、世界観や設定などの一新が行われているのだという。そのため、作中に仮面ライダー一号などのいわゆる先輩仮面ライダーは登場しないようになっている。ただし、後番組である『仮面ライダーBLACK RX』には先輩仮面ライダー達が登場したため、『BLACK』の世界は「これまでの悪の組織が仮面ライダー達の活躍によって滅亡した、平和になった世界」と解釈する事も出来る。

また、BLACK自体も『原点回帰』を標榜するだけあって、特別な能力(注2)や武器は与えられておらず、怪人との戦闘はもっぱら体術と改造人間特有の超感覚、強化された身体を駆使したものになっている。

その一方で新基軸となるアイデアも盛り込まれている。一番目を引くのはやはりそのデザインではなかろうか。
仮面ライダーBLACKはそれ以前までの仮面ライダーとは違い、マフラーやグローブ、ブーツなどのライダースーツ的な意匠を廃し、強化皮膚や強化筋肉など、生物的な特徴がデザインに盛り込まれている。
これは設定にも言えることで、BLACK以前の仮面ライダーが機械を体内に埋め込む改造手術を受ける事で変身能力を得ているのに対し、BLACKは遺伝子・細胞レベルでの改造、キングストーンの体内への埋め込みなど、生物的もしくは怪奇的な改造を受ける事で変身能力を得ている。 なお、ゴルゴム怪人のデザインもモチーフとなった生物の特徴を前面に押し出したものになっている。

さて、ここまで読んだ諸氏の中には、「何で王になる怪人のモチーフがバッタやねん! もっと強い動物だっているだろうが!!」と、至極当然の疑問を抱く人もいるだろう。その理由について、自分なりに考えてみた。
その理由はやはり、『原点回帰』の一言に尽きるだろう。「仮面ライダー一号がバッタの怪人(注3)であったのだから、BLACKもバッタの怪人になったのだ。」と、いうわけだ。それ以外には何も言えまい。
注2『特殊な能力』:仮面ライダー一号・二号以降の仮面ライダーは、これらとの差別化を図るため、様々な特殊能力を持たされていた。
ここに数例を挙げておく。
深海潜航能力を持つ仮面ライダーX、電気の技を用いる仮面ライダーストロンガー、重力を制御できる仮面ライダースーパー1などなど。
平成仮面ライダーの多くが特殊能力を持っているのも、結局は一号・二号との差別化なんだろうと思われる。

注3『仮面ライダー一号がバッタの怪人〜』:石ノ森 章太郎氏は当初、仮面ライダーを「自然の象徴」、改造技術を用いる悪の組織を「歪んだ物質文明の象徴」として、自然VS物質文明という構図を作った。ここで「自然の象徴」として子供にとって身近な自然である昆虫が、さらにいくつかの候補からバッタが選ばれたのだった。

仮面ライダーBLACKのひみつ!!
さて、ここからは仮面ライダーBLACKの能力について見ていこう。
仮面ライダーBLACKは、南 光太郎が体内に埋め込まれたキングストーン[太陽の石]の力で変身する。

素体前面 素体背面
一応、本人そっくりと言えなくもない顔をした素体

光太郎が変身ポーズを取る事で、腹部のキングストーン周辺の細胞がベルトの形を形成し、身体が緑色に発光。バッタ人間(注4)の姿になり、その身体を強化皮膚リプラスフォームが包む事で変身を完了する。この時、変身に使われたエネルギーが蒸気となって関節から噴出する。
で、これが変身後の姿となる。

BLACK前面 BLACK背面
変身してみました

身長 198.7cm、体重 87kg、ジャンプ力は一跳び30m、水中でも10分間なら活動が可能になっている。
赤く輝く両眼マルチアイは望遠や広視界、暗視の能力を有し、500m先の囁き声も聞き逃さない超絶地獄耳センシティブイヤーと組み合わせて敵の動きを見抜く際などに使われる。
また、額のアンテナや、額中央のセンサーで危険を事前に察知する事も出来る。

各関節に見られる茶色い部分は強化筋肉フィルブローンが露出している部分。フィルブローンの働きによって常人の30倍の筋力を発揮する。
腹部に埋め込まれたキングストーンをエネルギー源とするBLACKは、「ライダーパンチ→ライダーキック」の連続攻撃を必殺技としてゴルゴム怪人を打ち倒す。この時、キングストーンのエネルギーが拳や足先に集中され、赤く発光。威力を増大させているぞ。

ライダーチョップ
ライダーチョォォップ!!

ライダーパンチ
ライダーパンチッ!!

ライダーキック
ライダーキィィックッ!!

ライダーチョップは直径100mmの鉄棒を切断、ライダーパンチはバズーカ砲並みの威力があり、ライダーキックは厚さ30pの鉄板も貫くぞ。
また、エネルギーを一点に集中させるバイタルチャージや、技を放つ際のジャンプ中の動作に屈伸を加える事で威力を増大させる事も出来る。

バイタルチャージ
エネルギー充填中

他にも身体の黄色と赤のラインから蓄積されたエネルギーを放出するパワーストライプスや、ベルトからキングストーンのエネルギーを放出するキングストーンフラッシュなどの技を持つぞ。

キングストーンフラッシュ
キングストーンフラッシュ!!

ま、キングストーンフラッシュはよく効果がわからんのだがね。目潰しか?
一ついえることは、『仮面ライダーBLACK』の番組がゴールデンタイムに放送されていたら、ポケモンショック(注5)と同じコトを引き起こしていたかも知れないということだな。
注4『バッタ人間』:作中の第1話でバッタ人間の姿をした光太郎が、シルエットのみだが登場する。そのシルエットは石ノ森 章太郎氏の描くコミック版『仮面ライダーBlack』に登場する光太郎が変身した姿に似ている。

注5『ポケモンショック』:1997年12月16日にテレビ東京系列で放送されたアニメ『ポケットモンスター』第38話「でんのうせんしポリゴン」を視た視聴者の一部が、吐き気、眩暈など不快な症状を訴え病院に搬送された事件。
『仮面ライダーBLACK』でも技を出すシーンで画面をチカチカさせるので、もしもこの番組がゴールデンタイムであったならば、同じ事が起こっていたかもしれないのである。

世紀王として、最強の力を与えられた仮面ライダーBLACKの前に敵はない!
果たして光太郎はゴルゴムの野望を阻止できるのか?
負けるな! 仮面ライダーBLACK!!


俺は太陽の子! 仮面ライダーBLACK! RX!!(仮面ライダーBLACK RXのコラムへ)

俺は戦う…。人類の自由のために!!(戻る)