最小変形 轟龍

組み立て済み着色レジンキャストキット

定価:12600円(税込み)

原型:高島 肇

最小変形 轟龍
エースのジョー駆る最強のライバル機が最小変形に堂々登場!

登場!宿命のライバル
ロボットアニメも含めて、バトルものの漫画に必要なものは強力なライバルキャラであろう。『ドラゴンボール』で言うところのべジータや『遊戯王5D's』で言うところのジャック=アトラスなど、面白いバトル漫画には必ず主人公より実力が高いもしくは個性の強いキャラクターが必ず登場しているのである。勇者シリーズも例に漏れず、『勇者特急 マイトガイン』ではエースのジョーが旋風寺舞斗を幾度となく苦しめ、そして共闘した。今回は、最小変形マイトガインシリーズ真の最終回ということで、エースのジョーとその愛機、轟龍を紹介しよう!

エースのジョーは、本名を雷張(ライバル)ジョーで文字通り、旋風寺舞斗のライバルである。元々、軍に所属していた彼は、上官の命令に逆らい軍を脱走、裏の世界の住人となりハンターをしている。そこに、マイトガインの悪党の一人であるウォルフガング博士にマイトガイン抹殺を依頼される。両親を何者かに暗殺されており、以後正義の存在に懐疑的で幾度となく舞斗と戦うこととなる。

元軍属ということだけあり、生身での格闘も得意な上に、二枚目な風貌と緑川光氏の声もあり、この作品では強烈な人気を誇る絵に描いたようなライバルキャラクターである。

彼の乗る機体は、ウォルフガング博士が打倒マイトガインに燃えて作ったメカを彼から奪う形で使用している。最初に搭乗したメカは、破壊されてしまったが、その次からはウォルフガングの開発した赤いロボット、飛龍を使用した。この飛龍は、マイトガインと同等のスペックを持ち、マイトガインにはない飛行能力を持つ。この飛行能力が決め手となり、マイトガインを撃破にまで追い込んでいる。

しかし、この飛龍は二号メカであるマイトカイザーに破壊されてしまう。この時、ジョーは飛龍に搭載されていたスポーツカーで脱出したものの、やはり悔しさは拭い去れない。そこに手を差し伸べたのが、謎の人物エグゼブである。このときのエグゼブは、ウォルフガングと手を結んでおり、新たにマイトガインを打倒するためのメカを作らせていた。そのメカこそ、今回紹介する轟龍なのであった。エグゼブは轟龍をジョーに与え、ジョーは再びマイトガインと剣を交えることとなる。

サイバトロン破壊大帝 轟龍
さて、この今紹介した飛龍と轟龍にはある秘密がある。それは、金型流用商品であるということである。これは、バンダイなどもガンプラで同じメカの色違いを出して同じ金型で二度おいしい思いをしようとやっている商法なのだが、当時のタカラも勇者シリーズで同じ事をやっていたのである。この飛龍と轟龍は元々は『トランスフォーマーZ(ゾーン)』の主役キャラクターなのである。これは、1990年にOVA展開されたトランスフォーマーシリーズで、『勇者 エクスカイザー』の影で展開されていたトランスフォーマーなのである。

まず、飛龍は攻撃参謀 ソニックボンバーの金型流用品で白と黒を基調にしたソニックボンバーが赤くなったものである。元々、トランスフォーマーからの流用なせいでサイズが小さく、アニメではマイトガインと同じ大きさだったにも関わらず、玩具では身長差が2倍ほどあってパッとしなかった。

一方の轟龍はというと、トランスフォーマーZのサイバトロン総司令、ダイアトラスの金型流用品である。青と白を基調にしたダイアトラスのカラーリングを黒と白を基調にして、いかにも悪役っぽくしたものである。

勇者シリーズはたびたび敵メカを過去のトランスフォーマーから流用し、販売している。ただ単に色を変えただけなのでギミックは元のトランスフォーマーと同じなため、劇中では使用されないギミックももつことになる。

轟龍の前世であるダイアトラスには、電動ギミックが搭載されており足のキャタピラを利用してロボットモードのままで電動走行が可能になっている。また、戦車モードおよび基地モードにも変形することが出来る。更に、マイクロトランスフォーマー、スピーダーが付属しており、体内部に入れたり基地と絡ませて遊ぶことが可能になっている。

このトランスフォーマーの金型流用品であるということを、上手く劇中では利用している。まず、ウォルフガング博士は、飛龍にソニック、轟龍にアトラスと元ネタとなった商品にあやかった名前をつけていた。これをジョーがロボットを奪ったときに、勝手に自分で名前を漢字でつけたのである。

玩具のギミックも、劇中では効果的に演出として使われている。まず、ソニックボンバーとダイアトラスにはそれぞれマイクロトランスフォーマーが与えられていたのだが、このマイクロトランスフォーマーに当たる車をコクピットにしている。車がコクピットになっているため、ジョーは飛龍と轟龍をハンドルとレバーのみで操作しているのである。さすがに、この車が変形するということはなかったが、玩具の特性を良くつかんで劇中にフィードバックしているのが好印象である。また、轟龍については基地モードに変形できることを活かし、たった1カットのみだが基地モードが登場している。

極めつけは、エグゼブの轟龍へのコメントである。ダイアトラスは、余剰パーツの多いトランスフォーマーなのであるが、ドリルの付いた機首がロボットモードの頭になるため、ドリルを取り外さなければならない。OVAの変形シーンでは、しれっとごまかされている箇所だったのだが、マイトガイン本編ではそれを逆手に利用し、もともとの轟龍の頭部のデザインは、ドリルが付いたままのものだったのである。

しかし、そのデザインでは美意識に欠けるということでエグゼブはウォルフガングにドリルを取り外すように命じ、その結果頭部にドリルのないデザインになった。しかし、ウォルフガング側にもデザインについてこだわりがあったのか、ビークルモードの際は機首にドリルが付いたままとなっており、これが後で重大な伏線となっている。ちなみに、玩具でドリルが取り外せるということを利用して、轟龍は機首のドリルをミサイルとして使用したことがある。

王者の鼓動、今ここに列を成す!(アトラス違い)
轟龍は、金型流用製品としてマイトガインが放映されていたときに発売されたが、元のダイアトラスの欠点をそのまま引き継いだものとなってしまった。まず、電動走行が仇になってしまい足を曲げることは出来ない。更に、各形態を再現するとどうしても余剰パーツが出てしまう。特に、タンクモードに変形すると、大きな翼が余ってしまうのはいただけない。このタンクモードは、こういった問題があったためかマイトガイン劇中では使用されていない。

また、人気の割に立体物は勇者シリーズの性からか恵まれておらず、この最小変形版とDVD-BOX2巻付属のシーエムズコーポレーション製のアクションフィギュアのみとなっている。

スタジオハーフアイ側も轟龍のリリースは当初は予定していなかったのだが、高島氏が轟龍を気に入ったのと人気を受けて「黒祭り」という題目で、最小変形 ブラックマイトガインを皮切りに発売された。これらの商品は、キャラクターの特性上少数生産にとどまったようだが、今回中古店でこの最小変形 轟龍を見つけることが出来たので、即購入した運びである。

元ネタが正義の味方のサイバトロン総司令官であるだけに、轟龍のデザインは敵であるにも関わらず非常にヒロイックなものとなっている。また、轟龍はグレートマイトガインに匹敵する強力なライバルメカであるということで、最小変形 グレートマイトガインと並べて飾ることも視野に入っている。更に、「値段の安さ」 も今回は視野に入っており、マイトガインと同じ値段でグレートと並べられるボリュームの製品を出そうのがこの轟龍の主な課題である。

それでは、変形前の戦闘機形態を見てみよう。

戦闘機形態 前 戦闘機形態 後

戦闘機形態 真横
余計な変形ギミックがないために、綺麗にまとまった戦闘機形態

ダイアトラス時代の戦闘機形態は、戦車モードに変形する都合上キャタピラが非常に大きくなってしまっており印象が悪かった。最小変型のほうは、劇中のイメージを優先した形になっており、劇中の比較的薄いフォルムの戦闘機形態を維持している。、設定に対してはある程度忠実で機体裏はキャタピラ状のデザインがあしらわれている。

キャタピラ

最小変型版は、ジェット形態とロボット形態間のみの変形が再現されている。つまり、基地モードと戦車モードの変形を廃したおかげで、このようなアニメの劇中に近い飛行形態を再現できているのである。

色分けであるが、最小変形マイトガインシリーズおなじみのシールが付属している。厄介なことに、翼の白い部分や腰や腕の赤い部分は全てシールを貼っての再現となっている。翼のシールの使用面積が大きいため、最近のガンプラに慣れてしまっている筆者には難しく感じた。塗装しようにも、元が黒いため、モデラースキルがないと塗装するわけにも行かないので、ここはおとなしくシールを使ったほうが得策だろう。ちなみに、先に翼の赤い部分については白い部分を貼ってから赤いシールを貼るようになっているので、順番を間違えないように。

敵メカの変形シーンということで、轟龍の変形シーンは主人公側のメカよりも短いバンクになっている。まず戦闘機形態の轟龍の下部から脚部パーツが、バルキリーのガウォークよろしく現れる。

飛来する轟龍

脚部が表れる図
ロールオーバーで画像が変わります

そして機首の根元部分にカメラのアングルがズームし、頭部が現れる。

頭部が現れる図
ロールオーバーで画像が変わります

そして、頭部が現れるといつの間にか他のパーツも変形完了しており、決めポーズを決めてロボットモードに変形完了する。

腕パーツが現れる図
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変形完了!
轟龍変形完了!
ロールオーバーで画像が変わります

このように、敵メカの変形ということで一部分をズームして他の箇所の変形をごまかすというなんとも煮えきれない変形バンクになっている。ただ、本家本元のダイアトラスの変形バンクは、翼が分離したり、機首のドリルが消えるのをごまかすためにやっぱりズームで頭の出現をごまかしていたりしており、二次元のウソだらけなのである。この轟龍のみならず一部の主役級の勇者メカの変形シーンも、現実的に不都合な部分があるとズームしてごまかすという手法を取っているので、機会があれば探してみれば良いだろう。

さて、最小変形版のギミックを詳しく見ていくと、こちらも割り切りの産物だということがよくわかる。最小変形側の変形は、まず機首から尾翼にかけての部分のカバーパーツを取り外すことから始まる。

余剰パーツ
ドリルの処理に困ったのか、大胆に余剰パーツを作っている

値段が安いにも関わらず、ビッグボリュームを誇るのは実はこの大幅な余剰パーツのおかげだったりする。このカバーの下に、頭部や胸部、そして脚部を折りたたんでしまっているので、アニメ劇中に近い戦闘機形態を実現できているわけである。

カバーパーツをはずした後は、上半身部分に当たるパーツを起こし、エンジン部に当たるパーツを上に起こす。

上半身を起こす図
ロールオーバーで画像が変わります

その後、胸パーツ部分を手前に倒し、クランクを使って移動させると胸パーツが完成する。

上半身の変形
ロールオーバーで画像が変わります

そして、脚部パーツの黄色い部分をスライドさせることで足が完成する。

脚部の変形
スライド変形することで膝カバーの厚みが変わるのがポイント
ロールオーバーで画像が変わります

轟龍を変形させていて面白いのがこの脚部パーツの変形である。ただ単に脚部にするだけでは面白くないということで、黄色い膝カバーをスライドさせることで脚の厚みが変わるようになっている。こうすることで、飛行ギミック時に脚の部分で厚ぼったくなるのを防いでいるわけである。

そして最後にエンジン部分を下にスライドさせ、手首を取り付ければ変形完了する。

腕の変形
ロールオーバーで画像が変わります

轟龍完成!

このように、あくまでグレートマイトガインと並べられるサイズの轟龍を安くで提供するということを前提に置いたつくりになっているので、変形ギミックは大幅な余剰パーツを残す変形になってしまっている。ただ、細かいギミックはやはりハーフアイのノウハウが生きているので、変形の楽しみは損なわれてはいない。

余剰パーツを大幅に出したおかげで、ロボット形態時のバランスはより設定画に近いものとなった。

轟龍 前 轟龍 後
タカラ製品よりもすっきりした形になった轟龍

変形の都合の悪い部分を余剰パーツにしたおかげで、タカラ製品よりもすっきりした轟龍を実現している。体の全体的バランスもアニメの設定に近いもので、マッシブな力強い印象を受ける。やや翼の位置が上過ぎるきがしないでもないが、翼の大きさもあいまって迫力のあるデザインに仕上がっている。

グレートマイトガインと並べることをコンセプトに上げているだけあって、その大きさは他の単体メカよりも大きい。

マイトガイン、マイトカイザーとの比較 グレートマイトガインとの比較
マイトガインよりも大きい轟龍
グレートマイトガインと並べても違和感のない大きさ

マイトガインの1.5倍ほどの大きさであるにもかかわらず、マイトガインよりも安い値段を実現しているのが驚くべきポイントである。もちろん、それは上記の割り切りの恩恵によるものが大きいが、リーズナブルな値段でここまで格好いい轟龍が手に入るわけで、喜ばしいことである。

武器は、ゴウリュウキャノンが付属している。これは普段右足に収納されている武器で、かなりの出力を誇るビームライフルである。

ゴウリュウキャノン
ダイアトラス時代から持っているビームライフル

更に、轟龍の下腕部は取り外すことができるようになっており、付属の真鍮線と合わせることでアームパンチを再現することが出来る。

アームパンチ
有線式のロケットパンチであるアームパンチ
最小変形では最終決戦時をイメージしたワイヤー式になっている
ロールオーバーで画像が変わります

アームパンチを取り外すには、左腕の場合は下腕部を右方向に回すようになっており、右腕部をはずす場合は反対の左方向にまわすようになっている。取り付けは溝に合わせて接続した後、逆方向に回して接続するようになっている。説明書では表記が逆になっており、訂正の紙が入っていて注意を促している。尚、ロケットパンチのために腕が外れてかつ固定もしっかりロック出来るようにするノウハウは、後の完全変形 グルンガスト完全変形 ダンクーガノヴァで更に磨きがかかっている。

私の買った最小変形轟龍には、ラッキーなことに通販特典が付属していた。まず、最小変形マイトガインシリーズではおなじみとなったアートボードは、メカ作画監督のまさひろ山根氏描き下ろしの絵と、ドガンテス迎撃時をイメージした背景のリバーシブル仕様となっている。

ディスプレイセット ディスプレイセット
裏面はマイトガンナーの背景と組み合わせることが可能

そして、アートボードがマイトガンナーと組み合わせられるということで、本体側もマイトガンナーと連動させることが出来る。轟龍側のエネルギーケーブルコネクターも付属し、マイトガンナー付属のコネクターと接続できるようになっている。

轟龍用の接続ケーブル マイトガンナーとあわせたところ
ドガンテスを二人で迎撃したシーンを再現可能!

また、飛行形態の轟龍を飾るためのディスプレイスタンドも付属している。

スタンド スタンドを使ったところ
キャタピラ部分を上に乗せる事でディスプレイするスタンド
斜め上に飛行しているようになる

このように、なかなか立体化の機会のない変形するライバルメカが低価格で手に入るということで、グレートマイトガインを購入した人は買って損のないキットとなっている。惜しむらしくは、再販される予定がない事であろう。というのも、スタジオハーフアイは完全変形 シュロウガを最後に完成品の販売を休息することを発表したのである。この発表により、過去の製品の事実上の絶版が発表されることになり、数々の名作が入手困難になりそうである。

景気等々が回復し、会社に体力が戻ったら完成品販売を再開するとのことなので、そのような方向に進んでくれるように祈りたい。

最後のクリスマス
マイトガインシリーズのコラム開始当初から指摘してきたように、『勇者特急 マイトガイン』の物語で重要な要素を占めるのがメタフィクションである。商品が出揃い、そろそろ番組が終了することになるときに、メタフィクションの要素が非常に大きくなることになる。というわけで、マイトガインシリーズの最終回を飾る本コラムは、物語終盤の話を紹介しよう。

轟龍をエグゼブから受け取ったジョーは、舞斗との決着を付けるべくグレートマイトガインと激突した。だが、エグゼブの罠によりジョーは轟龍ごとグレートマイトガインとともに自爆させられそうになる。しかし、ウォルフガングの機転により自爆装置は作動せず、これを機にジョーはエグゼブに反旗を翻す。

エグゼブの手から逃れたジョーは、エグゼブの背後関係をひそかに調べていた。エグゼブは、表向きは大企業であるTR(トレジャー・ロボッテック)社(注1)の社長であったが、裏の世界で暗躍していたのだった。

そんなエグゼブを背後から操っていたのは、謎の存在ブラック・ノワールであった。ブラックノワールはエグゼブを自らの尖兵として洗脳し、巨大な悪として様々な事件を起こしていた。ジョーの父親である宍戸博士や、舞斗の両親を葬り去った元凶は何者でもないブラックノワールだったのである。そして、ブラック・ノワールはある恐ろしい計画を考えていたのであった。

父の敵とエグゼブのたくらみを知ったジョーは、クリスマスパーティーを楽しんでいた旋風寺邸に轟龍で現れ、エグゼブたちの計画を伝えるのであった・・・。

しかし、ジョーが勇者特急隊を訪れたときには時すでに遅く、ブラック・ノワールのクリスマス・オペレーション(注2)が発動した。これにより、世界各国の主要都市にブラック・ノワールの率いるロボット軍団が出現し、侵攻を開始したのであった。各国のロボットでは、ブラック・ノワールの率いるロボット軍団に歯が立たず瞬く間に世界はブラック・ノワールの手に落ちつつあった。

勇者特急隊は、ブラック・ノワール軍に敢然と立ち向かったが、ブラック・ノワールの操る全てのロボット軍団には、自己再生能力が備わっていた。これは、ブラック・ノワールの魔のオーラによるもので、雑魚の歩兵ロボットですら、撃破したとしても再生するので、数と回復力で圧倒的に劣る勇者特急隊は撤退を余儀なくされてしまったのであった。

注1 勇者特急隊に使用されている超AIを開発した大企業。トレジャーつまり、宝ということから、モチーフはスポンサーのタカラである。敵も味方も起源は同じというメタフィクションである。

注2 これは年末商戦のメタフィクションである。クリスマスというと、玩具業界にとっては最大のビジネスチャンスであり、そこに最終決戦という一番盛り上がる話を持って来ることで商品を買わせるという目的がある。

絶望からの脱出
撤退した勇者特急隊は、敵の魔のオーラを解析し始めた。だが、具体的解決策が見つからず途方にくれていたのであった。一方、ウォルフガング博士は魔のオーラの解析にいち早く成功し、魔のオーラに対抗するための装置を作り上げていた。装置を作り上げたウォルフガングは、部下にその装置と設計図を勇者特急隊に届けるよう命じ、自身はエグゼブのところに乗り込んだ。

勇者特急隊にクリスマスオペレーションの存在を知らせたジョーは、エグゼブの部屋に乗り込み彼を抹殺しようと試みたが、逆に返り討ちにされてしまい、洗脳装置に入れられてしまう。ジョーが洗脳されかけたときに、ウォルフガング博士が現れ、ジョーを救い出した。装置のおかげでブラック・ノワールに手傷を負わせることには成功したが、ウォルフガング博士はエグゼブに銃で撃たれてしまい、そのまま床の吹き抜けの下に落下して行ってしまったのだった・・・。

一方の勇者特急隊は、パープル率いる魔のロボット軍団に攻撃を仕掛けていた。しかし、何の具体的な対抗策を見出せていない勇者特急隊はまたしても追い詰められ、ついにガードダイバーとバトルボンバーを撃破されてしまう。

怒りに燃えた舞斗は自暴自棄になりグレートマイトガインを特攻させる。その様子をモニター越しに見ていたサリーが祈りを発すると、奇跡が起った。魔のオーラが消失し、今まで倒せなかったロボットが撃破できたのである。舞斗はグレートマイトガイン・パーフェクトモードでパープル率いるロボット軍団を消失させ、何とか勝利することが出来たのだった。

嵐を呼ぶ最終回
勇者特急隊がパープルの艦隊を何とか撃破した頃、ヌーベル=トキオでは新たな異変が起っていた。TR社の本社ビルの地下から、巨大な要塞が出現したのである。この要塞こそ、ブラック・ノワールとエグゼブの本拠地であり、敵の拠点がヌーベル=トキオに存在することに驚愕を隠しえない勇者特急隊であった。

そんな頃、ウォルフガングに使われた部下達が勇者特急隊に魔のオーラに対抗するための装置を届けていた。この装置は、人間なら誰でも発生させているというイノセント=ウェーブを増幅させるものである。ウォルフガング博士は、ロボットが撃破されているときにこのイノセント=ウェーブが大きく発せられていることを看破し、増幅装置をいち早く完成させていたのであった。

ウォルフガングから得た増幅装置をグレートマイトガインに取り付け、残った者は設計図を元に新たな増幅装置の開発を急いでいた。それと並行して、イノセント=ウェーブを強く放つ人間も探し始めた。

世界の命運を背負い、グレートマイトガインはブラック・ノワールの要塞に向けて飛び立つのだった。

出撃するグレートマイトガインとマイトガンナー
舞斗「ガイン、ガンナー!これが最後の戦いになるかもしれない!」

マイトガンナー「わかってるって!」

ガイン「必ず勝ってみせるさ!」

舞斗・・・グレートマイトガイン、発進!!

その頃、要塞付近では脱出したジョーが轟龍で孤軍奮闘していた。しかし、さすがの轟龍でも魔のオーラで再生するロボット軍団の前ではなすすべもなく、ついに追い詰められてしまう。しかし、そのジョーのピンチにイノセントウェーブ増幅装置を携えたグレートマイトガインが駆けつけたのだった。増幅装置のおかげで、グレートマイトガインはブラック・ノワールのロボット軍団を次々に撃破していった。

ロボット軍団を迎撃するグレートマイトガイン
舞斗「お前達の弱点は、すでにわかっている!」

グレートマイトガインに助けられたジョーは、柄にもなくマイトガインと共闘を申し込んだ。

グレートマイトガインと共闘する轟龍
ジョー「ウォルフガングのマシーンか?」

舞斗「そうだ!エースのジョー、さすがは不死身の男!よくぞ、ここまで生きていたな!!」

ジョー「フンっ!危うく三途の川を渡りかけたがな!」

舞斗「ジョー、今日のところは共同戦線だ!!」

ジョー「良いだろう、勝負は親父の敵を討ってからだ!」

グレートマイトガインと轟龍のタッグの前に、ロボット軍団はなすすべもなく撃破されていった。魔のオーラの力が無効化されていれば、この2機にかなう敵はいようはずもない!

アームパンチ
ジョー「魔のオーラの力さえなくなれば!!」
ロールオーバーで画像が変わります

ロボットの発進口を発見した轟龍とグレートマイトガインは、そこから要塞内部に突入しようとした。しかし、発進口に突入した2人の前に、エグゼブの駆る巨大ロボットインペリアルが待ち構えていたのだった!

驚く二人
ジョー「何ッ!?」

舞斗「バカなっ!?」
ロールオーバーで画像が変わります

インペリアル代役、BRAVE合金ジェネシックガオガイガー
エグゼブ「二人とも、よく来たな。だが、これ以上ブラック・ノワール様には一歩も近づけさせん!」

インペリアルは、グレートマイトガインと轟龍の何倍もの体躯を誇り、圧倒的パワーで空中に対比した轟龍を叩き落してしまう。グレートマイトガインに搭載された増幅装置ではインペリアルの魔のオーラを貫くことは不可能で、グレートマイトガインもインペリアルの圧倒的パワーに苦戦を強いられた。

それでも、舞斗は渾身の力でインペリアルをのけぞらせ、一瞬の隙を作ることに成功した。その隙を突いて、マイトガンナーとグレートマイトガインは合体し、パーフェクトキャノンでとどめを刺そうとした。

パーフェクトキャノン、発射!
舞斗パーフェクトキャノン、発射!
ロールオーバーで画像が変わります

しかし、インペリアルの放った高出力ビームの前にパーフェクトキャノンが押し戻されてしまい、マイトガンナーが破壊されてしまう!

破壊されるマイトガンナー
マイトガンナー「ぬおおおおおおお!」

舞斗「マイトガンナー!!」

マイトガンナー舞斗おおおおおお!

最強の武器すら失ってしまったグレートマイトガインに対抗する手段は全くなく、逃げ惑うことしか出来なかった。しかし、グレートマイトガインはついにインペリアルに追いつかれてしまい、その手に握り締められてしまう。インペリアルの握力の前に、グレートマイトガインの装甲は無残にもひしゃげていく。

追い詰められるグレートマイトガイン
エグゼブ「まるで手の中の玩具だな。だが、この玩具もお払い箱だ!!」

このような、終了間際の番組の玩具というメタフィクションを利用した台詞をつぶやきながら、エグゼブはグレートマイトガインをビルにたたきつけた。そして、背中から剣を抜きグレートマイトガインに止めを刺そうとした。

満身創痍のグレートマイトガイン
ガイン「舞斗ぉ・・・」

舞斗「ガイン、この世に悪の栄えた試しはない!勝利を信じるんだ・・。」

満身創痍になりながらも、勝利をあきらめない舞斗らに非情にも剣を振り上げたエグゼブ!しかし、そのときジェット形態に変形した轟龍がインペリアルに向かって攻撃を仕掛けた!

特攻する轟龍
ジョー「エグゼブ、親父の敵だ!!」

舞斗「ジョー!!」

インペリアルの攻撃にも構わず、轟龍はコクピットのあるインペリアルの腹部に轟龍を突っ込ませていった。この捨て身の攻撃にさすがのインペリアルの装甲も耐えられず、ドリルが中に居るエグゼブを貫いた!!

エグゼブの最期
エグゼブだから・・・ドリルは取れと言ったのだ・・・。

轟龍を作らせたときに、はずすように指示したドリル・・・。それが、彼の命を奪うことになろうとは皮肉なものである。この長大な伏線を利用した「だから、ドリルは取れと言ったのだ。」という台詞は、マイトガインの中でも屈指の名台詞となっている。

ジョーの生存を信じ、舞斗は再び要塞に向かった。インペリアルとの戦闘で破損の著しいカイザーパーツを強制的に排除し、素のマイトガインの状態で要塞付近に居る敵ロボットを粉砕しつつ、舞斗は要塞の中に突入させたのだった・・・。

その頃のマイトステーションでは、イノセントウェーブを強く放つ人材が見つからないでいた。マイトステーション内ほぼ全員が検査を受けたものの、誰一人として顕著な数値を示した人間は居なかった。一同があきらめかけていたその頃、コーヒーを入れにサリーが司令室に入って来た。まだサリーのデータを取っていなかったということで、ためしにデータを取ってみたところ常人の100倍のイノセントウェーブが出ていることが判明した。これまで窮地に陥っていたマイトガインを救っていたのは、まさしく彼女の祈りのためだったのである。

要塞に突入したマイトガインは、ついにブラック・ノワールのもとにたどり着いた。ブラック・ノワールは、スクリーンに映し出された二次元の存在で、その姿に突入したマイトガインは驚くのだった。

ブラック・ノワールの部屋に突入するマイトガイン
マイトガイン「何っ!?」

ブラック・ノワール「よく来たな、旋風寺舞斗・・・。」

舞斗「ブラック・ノワール・・・。」

ブラック・ノワール「お前が来るのはわかっていた・・・。」

ブラック・ノワールは、念力でマイトガインを壁に貼り付けにし、攻撃を仕掛けてきた。ブラック・ノワールの念力の前に、身動き一つ取れないマイトガイン!貼り付けにされながらも、舞斗はブラック・ノワールにその正体を問いただした。それに応えるかのように、ブラック・ノワールは念力を解除し、自らの衝撃的な正体を明かすのだった!

正体を明かすブラック・ノワール
ブラック・ノワール「そんなに知りたくば、教えてやろう。私は次元を超えてやってきた三次元人だ!

舞斗「三次元人・・・?」

ブラック・ノワール「そう・・・。この二次元世界の支配者、神と言ってもいい。

ブラック・ノワールが発した言葉は、当人にもアニメ視聴者にとってもあらゆる意味であまりにも衝撃的であった。つまり、ブラック・ノワールの正体は三次元人、つまり現実世界の人間のことだったからである。更に、ブラック・ノワールはこのように続ける。

衝撃の真実!
舞斗「何故だ?何のためにこの世界を支配しようとしている!?」

ブラック・ノワール「しようとしているのではない、すでに支配している!何のためだと・・・?
もちろん楽しむためさ!我々はお前達二次元を使って、ゲームをしていたのさ!

舞斗「そんな・・・。この戦いはゲームだというのか!?」

ブラック・ノワール「そう。お前達はただのゲームの駒だ!」

ブラック・ノワールは、このように舞斗たち二次元人、つまりアニメのキャラクターは、アニメというゲームの駒に過ぎないことをストレートにそのまま表現してしまった。そう、この『勇者特急 マイトガイン』という作品こそ、大いなるメタフィクションの産物であり、ブラック・ノワールが現実世界の我々の体現者だったわけである。(注3)

舞斗は自分達がゲームの駒ではないとあくまでも主張するが、ブラック・ノワールの念力の前にまたしても壁に貼り付けにされてしまう。更に、ブラック・ノワールはハッピーエンドは飽きたということで念力のパワーを強め、マイトガインに止めを刺そうとしていた。マイトガインの装甲がどんどん砕け散っていった。マスクパーツも破壊されてしまい、コクピットがむき出しになってしまったマイトガイン!

万事休すかと思われたそのとき、要塞に近づくものがあった。それは、マイトステーションが変形した大列車フォートレスであった。大列車フォートレスの甲板上には増幅装置を携えたサリーが祈りを掲げていた。そのまばゆいイノセントウェーブは、ブラック・ノワールの魔のオーラを無力化し、マイトガインを解放したのだった。

マイトガインは、最後の力を振り絞りブラック・ノワールに攻撃を繰り出した!

今だ、ガイン!
舞斗今だ、ガイン!残る力を振り絞れ!!

マイトガイン「了解!

マイトガインは、もう一方の鞘から二本目の動輪剣を抜き、2つの動輪剣を文字通り、動輪のようにつなぎ合わせた!

動輪剣をつなぎ合わせる図
マイトガイン「動輪剣!

そして、バーニアと動輪剣のエネルギーを全開にしてブラック・ノワールを切りつけたのだった!!

突っ込むマイトガイン
舞斗正義の力ぁぁぁぁ!!
ロールオーバーで画像が変わります

バーニア全開!
マイトガイン「ぬおおおおおおっ!!

ブラック・ノワールを切り裂く図
マイトガイン「てえええぇぇぇぇいっっっ!
ロールオーバーで画像が変わります

連結された動輪剣は見事にブラック・ノワールを切り裂き、ブラック・ノワールは断末魔の叫びをあげた。

切り裂かれたブラック・ノワール
ブラック・ノワールあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
そうか、この私もただのゲームの駒だったか・・・。『巨大な悪』という名前の・・・。

ブラック・ノワールは断末魔を上げながら、爆発しその衝撃で要塞も大爆発を起こした。当然、マイトステーションのメンバーは舞斗の安否を心配した。そして、爆発の炎の中かからボロボロになりながらもガインがマイトステーションをめがけてブースターを吹かしていた。その腕の中には、舞斗の姿があった!

マイトステーションの甲板に不時着したガインは舞斗をゆっくりと下ろす。大きな笑顔でガインにサムズアップを送った。そして彼の目の前には、勝利に貢献したサリーの姿があった。サリーが駆け寄り、舞斗が彼女を抱きとめ、二人は抱き合った。

かくして、戦いは終わりヌーベル=トキオに平和が戻った。ヌーベル=トキオの面々は日常の平和を取り戻しそれぞれの生活を楽しんでいた。また、凶弾に倒れたウォルフガング博士も一命を取り留めており、部下達と再会していた。さらに、破壊されたボンバーズ、ダイバーズ、マイトガンナーも修理も進められていた。

そして、舞斗とサリーは結婚し、結婚式を挙げていた。マイトウイングで飛び立とうとしている中、舞斗が下を見やると木陰には顔の傷が増えたエースのジョーがサインを送っていた。ジョーもまた、不死身の男の名の通り奇跡的に一命を取り留めていたのである。

マイトウイングが上空に飛び立っていき、花嫁と花婿の笑顔で物語りは幕を下ろすのでった・・・。

最小変形マイトガインシリーズ

注3 そもそもマイトガインの監督である高松信司氏のペンネームは、握乃 手紗貴(あくの てさき)なのだった。このことから、ブラック・ノワールを高松監督自身としたメタフィクションが成立し、舞斗たちに自らを倒させるという筋書きになるわけである。このメタフィクションは当時、賛否両論の物議をかもし出し、監督自身も後に「若気の至り」と評しているとの事・・・。
俺は死なん、この手でお前を倒すまではな・・・。(もどる)