聖闘士聖衣神話
牡羊座アリエスのムウ

バンダイ 聖闘士聖衣神話シリーズ

定価4200円(税込み)

牡羊座アリエスのムウ
ついに、黄金聖闘士がコラムシリーズにラインナップ!

アテナの宿命を知った沙織は
悪に染まった教皇アーレスを浄化すべく
星矢たち青銅聖闘士(ブロンズセイント)とともに聖域(サンクチュアリ)へ向かう

だが強力な結界に護られた教皇の間へたどり着くには
聖闘士最強を誇る黄金聖闘士(ゴールドセイント)たちによって守護される
黄道十二星座を象徴する十二の宮殿を抜けていくしかない

教皇の間へ向かう沙織に教皇の差し向けた刺客
白銀聖闘士(シルバーセイント)矢座(サジッタ)のトレミーが不意を付き黄金の矢を放つ!
黄金の矢は沙織を射抜き、ゆっくりと死へと誘うのだった。

黄金の矢は彼女の心臓を貫くまで十二時間
矢を抜くことが出来る唯一の人物教皇を沙織の元へと連れてこなければならないのだ!

急げ、アテナの聖闘士達!


(ゲーム版「聖闘士星矢 聖域十二宮編」ナレーションより。「激突する小宇宙」を流しながら、田中秀幸氏の声で読むべし。)

決戦!黄金十二宮
青銅聖闘士5人の紹介が全て終了したので、今回からは聖闘士星矢で下手をすれば主人公よりも大人気な黄金聖闘士(ゴールドセイント)の紹介に移る。12人もいる彼らのコレクションは困難を極めそうなので、自分の好きなキャラクターだけを紹介しようと思っていたが、なぜかすんなりと揃っていったので全員分紹介することとした。本コラムシリーズ最大級のシリーズとなりそうなので期待してほしい。

黄金聖闘士は、黄道一二星座を守護星とした聖闘士の中でも最強を誇る12人の聖闘士である。1980年代の星矢ブームを支えたといっても過言ではないのが、この黄金の聖闘士たちなのである。その圧倒的な強さと、きらびやかな黄金の鎧、そしてほとんどが美形ぞろいということで世のお姉さま方とチビッコたちの心を鷲づかみにした。

また、モチーフとなっている星座が誕生日でおなじみの黄道一二星座ということもあり、非常に身近に感じられたのも人気の理由の一つであろう。当時は、このアニメのせいで星座カーストなるものが存在し、自分の星座の聖闘士が強くて格好良くて活躍していればカーストの上、弱くてかませ犬だったり悪役立ったりすればすれば、カーストの下というような状況を引き起こしたという。自分の誕生星座がゴッコ遊びに影響しているわけで、当時の蟹座と魚座と牡牛座の小学生は苦労しただろう。

さて、筆者の星座は牡羊座である。十二宮の最初の宮も牡羊座というわけで、黄金聖闘士第1弾は牡羊座アリエスのムウの話である。

究極の小宇宙!セブンセンシズ
ムウは黄金聖闘士の中でも一足早く登場していた。銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)で破損したドラゴンとペガサスの聖衣を修復するため、ドラゴン紫龍はインドと中国の国境に位置するジャミールを訪れた。聖衣を修復できる唯一の存在がこのムウで、彼がいないと聖衣を再生させることは出来ない。

アリエスのムウ素体 前 アリエスのムウ 後
麻呂顔の青年
常に微笑を絶やさない

星矢たちには非常に協力的な存在で原作では白銀聖闘士からの攻撃からテレポーテーションで星矢たちを守ったり、サイコキネシスで聖衣を運んだりして彼らのピンチを救っている。十二宮戦いの直前では、老師と紫龍のピンチに黄金聖衣をまとって登場し、彼が牡羊座の黄金聖闘士であることが判明した。ここで彼は、老師たちに協力して聖域と戦うことを誓う。

聖域に乗り込んだ星矢たちに白銀聖闘士矢座サジッタのトレミーが奇襲を仕掛けてきた。トレミーは白銀聖闘士の癖に星矢に瞬殺されるが、彼の放った黄金の矢は沙織の心臓に命中していた。
矢を抜くことが出来るのは、教皇のみ。その教皇を、12時間以内に連れてこなければ沙織は死に至ってしまうのである。教皇の間までは、最強を誇る黄金聖闘士が待ち受けており、彼らを倒さなければ次の宮に進めない。星矢たちは、4人のうち誰かが教皇の間にたどり着き、教皇を連れて来ることを誓い合うのであった。

第一の宮にたどり着いた星矢たちは、ムウと出会う。ムウは、これまでの戦いで傷ついた彼らの聖衣を修復し、黄金聖闘士に立ち向かおうとする彼らに小宇宙の究極はセブンセンシズであるというアドバイスを与えた。このセブンセンシズという概念であるが、五感や六感を超えた七感のことで、小宇宙の真髄である。黄金聖闘士はみなこのセブンセンシズに目覚めており、このおかげで絶大な戦闘能力を発揮できるのである。これに目覚めることができれば、青銅聖闘士でも黄金聖闘士と互角に渡り合えるというわけである。

星矢たちにセブンセンシズを説くムウの図
突き詰めていけば、究極の小宇宙の正体とは・・・
セブンセンシズ

尚、よく言われることであるがセブンセンシズ(Seven Sences)だと「七つの感覚」という意味であり、「第七感」の意味として使う場合はセブンスセンス(Seventh Sence)なので注意すること。

かくして、聖域十二宮での火蓋は切って落とされたのであった。

貴鬼、牡羊座の聖衣神話をアテナに届けてください。あれは良いものです!
通常、黄金聖闘士が製品化される場合は牡羊座の聖衣か、星矢が良く纏う射手座の聖衣からリリースされるのであるが、聖闘士聖衣神話シリーズにおいてはムウはかなり遅れて登場した。黄金聖闘士の中では8番目にリリースされたので、顔の造型や聖衣のつくりが非常に安定している。

まず、素体であるが1st素体を使用している。この素体は可動範囲は非常に狭いのだが、関節が少ない分ゴテゴテした黄金聖衣や冥衣をまとわせるにはうってつけの強度で、非常に安定した状態で飾ることが出来る。聖衣を装着してしまうと、必然的に可動範囲は狭まってしまうのでこれだけでも十分な可動範囲を誇っているのである。

可動範囲
可動範囲は狭い物の、強度は抜群

また、使用されるキャラクターごとに手足の長さが違う素体が使用されているので、体格差の違いを再現している。これは1st素体の利点で、これにより劇中に近い身長比率で並べることが出来る。

黄金聖衣のほうは、あらかじめ用意されている台座にパーツを張り合わせていくことでオブジェ形態を再現する。牡羊座の名のごとく、オブジェ形態は羊の姿をしている。

オブジェ形態(アニメ版) 前 オブジェ形態(アニメ版) 後
牡羊座の黄金聖衣のオブジェ形態
大きな角が特徴

牡羊座の聖衣は原作とアニメでデザインが違うのであるが、それも再現できるようになっている。

オブジェ形態(原作版) 前 オブジェ形態(原作版) 後
原作版のオブジェ形態
角が少々小型化され、筋が入っている

オブジェ形態の大きな違いは、顔の形にある。原作版の顔の部分はまさに羊そのものなのに対し、アニメ版は腰の前垂れパーツが顔となっている。原作版を再現すると、腰の前垂れパーツが余ってしまうのでアニメではデザインの変更を行ったものと思われる。

オブジェの顔(アニメ版) オブジェの顔(原作版)
原作とアニメで大きくデザインの違う羊の頭部

この角の筋の部分で回転するようになっており、角度をつけることが出来る。難点としては、片方のオブジェを組んでしまうと片方のパーツが余ってしまうことである。アニメ版を再現してしまうと、背中の羊はオブジェ形態のときにどこに行っているのか分からないし、原作版ではどこに腰アーマーを持ってくるのか不明である。

実際に聖衣を装着するとこのようになる。

牡羊座アリエスのムウ 前 牡羊座アリエスのムウ 後
アリエスのムウ全身画像
肩の大きな角が特徴

デザイン的な特徴は肩の大きな角である。これは背中側に取り付けることになっており、可動軸で回転できる、腕の可動を極力妨げないようになっている。聖衣の装着自体も非常にスムーズに出来、安定したつくりである。難点としては背中の羊の顔が髪の毛と干渉してしまい取れやすい点である。どの道髪の毛に隠れて見えなくなる部分なので取ってしまったほうがよいだろう。

背中パーツ
この部分が取れやすくてイライラの元

マスクをかぶる場合は、髪の毛パーツを取り外しその上からヘルメットを取り付けることになっている。これはアルデバランやシャカなどと同じ仕組みで、彼ら同様ムウもズラを普段はかぶっているわけである。

マスクを取る時の頭の状態 ヘルメットをかぶった状態

顔の造型も後期になって発売されただけあって非常に良い出来である。長髪部分は軸で接続されていて下の部分が回転するようになっている。ただ、長髪キャラクターの宿命か、頭パーツの回転が制限されるのが難点である。

長髪パーツ
特徴的な角と髪の毛が干渉して首が回らない

オプションパーツの原作版の角を取り付けることも出来る。これを取り付けたときは、角が小さくなるので首の回転が少しできるようになる。

原作版の角を取り付けたところ
首を回転させたい人は原作版を使いましょう

オプションパーツとして、聖衣を修復するときのノミと金槌が付属している。この道具を使ってムウは聖衣を修復しているので必須パーツである。これはダイキャスト製で質感も抜群である。

ムウの工具 マスクを修復中のムウ
このパーツで聖衣修復シーンも再現できる

このように、シリーズ後半にリリースされただけあり非常に安定したつくりである。惜しむらしくは手首パーツのバリエーションが少ないが、2月に発売予定のAPPENDIXには新規造型の表情の付いた顔と、ディティールアップパーツと手首が付属するとの事なので、更にクオリティをあげることが出来る。

天かける黄金の羊のごとく、常に優雅な微笑を絶やさなかったムウが初めて牙を剥くのか!?
テレビアニメ版におけるムウの出番は主に聖衣の修復とアドバイスだけで、戦闘シーンは全くなかった。判明している技もテレポーテーションとテレキネシスだけで、戦闘面においては非常に影の薄い黄金聖闘士であった。

しかし、ハーデス編に入ると主人公である星矢を差し置いて八面六臂の活躍をする。ハーデス十二宮編では、よみがえったデスマスクとアフロディーテを一人で退けた。更に、正規の冥闘士である地妖星パピヨンのミューと壮絶なサイコキネシス戦を繰り広げ、これを撃破している。

そんなムウの技であるが、非常に多彩である。まず、防御技として使用するのがクリスタルウォールである。これは、自分の前に目に見えない壁を作り出し、相手の技をまるで鏡のように跳ね返す技である。

クリスタルウォール
クリスタルウォール!
ロールオーバーで画像が変わります

これを応用した技がクリスタルネットで、クモの巣状にクリスタルを展開することで相手の動きを封じる技である。こちらはパピヨンのミューとの戦いで使用され、フェアリーとパピヨンの動きを封じ、とどめに持っていった。

ムウの必殺の一つは、スターライトエクスティンクションである。両腕からまばゆい光を放ち、相手を消滅させてしまう大技である。これは忠告を聞かない星矢に対して放ったのが初出で、デスマスクとアフロディーテ曰く無数の星の光の中に飲み込まれたように星矢が消えたとの事である。

スターライトエクスティンクション
スターライトエクスティンクション!
ロールオーバーで画像が変わります

そして、彼の放つ光速拳がスターダストレボリューションである。こちらは、無数の光の弾を相手にぶつける技で、師であるシオン同様、多用している。

スターダストレボリューション
スターダストレボリューション!
ロールオーバーで画像が変わります

ムウの技のポーズ自体は簡単なのだが、光の弾が飛んだりする都合上フィギュアでこれを再現するのは不可能である。今回は、画像編集を取り入れて劇中の演出に近づけてみた。

黄金聖闘士のコラムは、このような画像編集を行いながら劇中の再現をしていくので期待してほしい!

さあ、時間がない!急ぐのです!!(もどる)