BRAVE合金 ゴッドライジンオー

ダイキャスト製変形合体フィギュア

BRAVE合金ゴッドライジンオーセットその3

シーエムズコーポレーション製

価格26500円(税込み)



ついにライジンオー最強形態が登場!

出た!超無敵合体!!
ライジンオーの話の展開形式であるが、物語り全体を通しては終盤を除いて1話完結の話ばかりが続く。五次元帝国がばら撒いたアークダーマは、人間たちが発する「迷惑」という言葉に反応し、人間たちが迷惑と思ったものをベースに邪悪獣に変化する。邪悪獣のバリエーションも排気ガスやゴミに始まり、先生、テスト、注射などといった子供が嫌いそうなもの、果てにはライジンオー、エルドランといった物まで種類は豊富。こうして現れた邪悪獣を倒していくという話で物語は進んでいく。

地球侵略の尖兵である五次元人、ベルゼブの失敗続きに業を煮やした五次元帝国皇帝ワルーサ皇帝は、ベルゼブにジャークサタンというロボットを授ける。これはライジンオーと互角の性能で、しばしばライジンオーを窮地に追い込んだ。さらに、このジャークサタンは邪悪獣と融合し、スーパー邪悪獣を生み出す能力まで備えていた。

激化する戦闘の中、第23話でライジンオーとバクリュウオーは合体を敢行し、新たな巨人ゴッドライジンオーが誕生する。このゴッドライジンオーは、グレートエクスカイザーの変形合体を参考にしたのか、バクリュウオーの分離がドラゴンカイザーにかなり近い。また、初登場のタイトルも「出た!超無敵合体!」とエクスカイザーのときのサブタイトルそのまま。TOMYが勇者シリーズをかなり意識していたのが如実にわかる事例であろう。

(合体後の整合性が)あやしいところ、教えてあげる
ゴッドライジンオーの商品展開であるが、主力はDX版に当たる「無敵合体ライジンオー」と「無敵変形バクリュウオー」が合体したものだろう。こちらは、ライジンオーやバクリュウオーともに単体ではすばらしいプロポーションなのだが、いざ合体すると、やはり当時のグレートエクスカイザーと同じくプロポーションが非常に厳しいものとなってしまった。

また、廉価版もなぜかDX版のプロポーションが元になっており、プロポーションが悪い。筆者も昔持っていたのだが、スタンダード版に当たる「無敵合金 ゴッドライジンオー」も同じ症状が出てしまっている。こちらは、ライジンオーの分離機構とバクリュウオーのドラゴン形態がオミットされているのだが、それでもデラックス版と変わらない形。さらにライジンオーでは破格の出来だった食頑のゴッドライジンオーも、2体への分離機構がないにも関わらず、同じプロポーションであった。こちらは色分けもまずいので、当時品ということを考慮に入れてもかなり出来がよろしくない。

ゴッドライジンオーがなぜこうもプロポーションが悪いのかというと、最大の要因は足首にある。この足首パーツは、バクリュウオーの足がブロック状に変形してゴッドライジンオーにくっつくのだが、この足が完全なブロックになってしまっているため、つま先がないのである。しかも、アニメ版のバンクを見ればわかるのだが、ブロック状の足首が合体しているにもかかわらず、画面が切り替わって最後のキメポーズになるときには普通のつま先に変形しているという二次元のウソがある。バクリュウオーの足が変形している割には、このつま先は異常に小さく、形も完全に変わってしまっているのが問題である。このおかげでこの足首部分だけをとれば、アニメどおりの変形だとロポーションが崩れてしまう大きな要因となってしまう。

また、ゴッドライジンオーの変形バンクを見ればわかるのだが、ライジンオーのときの翼がいつの間にか消えてしまっている。こちらは、旧トミー版のおもちゃでは羽がおりたたまって後ろに回しているのだが、そのせいでバクリュウオーの翼が背中に回らずに肩の上にくっついている。そのため、翼の角度が劇中とは異なる状態になっており、不自然な状態となっている。

また、シーエムズコーポレーションがBRAVE合金シリーズを展開する前に、ゴッドライジンオーのアクションフィギュアを発売していたが、このフィギュアも合体しないのに恐ろしいくらいに出来が悪い。プロポーションは、非変形なので文句はないのであるが、可動が問題であった。何と、太ももを横にしか開けないのでポーズが取りにくいのである。上半身は問題がないどころか、塩ビフィギュアなのに関節にクリックを採用していてかなりよいのだが、塗装の精度も悪い。このアクションフィギュアは、ヨドバシカメラなどでよく投売りされているのを見かける。

この無茶とも言える合体に挑んだ、BRAVE合金ゴッドライジンオーではどのような解釈でこれを切り抜けたのか、それを見ていこう。

ゴッドライジンオー!超無敵合体!!
射手座サジタリアスのBP(射手座のロリ黄金聖闘士。最大の天敵は大きなクモで、特に毒グモに遭遇しないかいつも気にかけている臆病者。以下BP)「ついに最終回のBRAVE合金ライジンオーシリーズ。最終回はセット内容全部を合体させたゴッドライジンオーです」

ki-pa@ばいえるん@gattina(本コラムシリーズのカメラマン兼作業実行者。今回の撮影は熾烈を極め、二度とゴッドライジンオーを触りたくないと言い切った男。お疲れ様でした。以下ki-pa)「すごくかっこよくがったいしたすごくかっこいいせいぎのみかたろぼっとですね」

BP「何ですかその棒読みは。出だしからとっても不機嫌ですね。そのかっこいいせいぎのみかたのろぼっとですが、昔のおもちゃはどいつもこいつも格好悪いんですよ」

ki-pa「確かにアレは『おもちゃ』ではないですね。『ディスプレイモデル』ですよ。」

BP「では、恒例の合体シーンを見てみましょう。今回は映像資料が3種類ありましたが、フルバンクのものでお届けします。」

ki-pa一応合体します。とりあえず合体します。なんとか合体します。ゴッドライジンオーを表せといわれたらこうしかいえません。」

BP「もう何か疲れているのが目に見えてますね。それは置いておいて、まずはバクリュウドラゴンに乗ったライジンオーの絵です。この状態から『ゴッドライジンオー、超無敵合体』の掛け声で合体スタート。」

バクリュウオーに乗るライジンオーの図
ゴッドライジンオー!超無敵合体!!

ki-pa「残念ながら、バクリュウオーが致命的なまでにおすわり以外できませんので、ライジンオーにそれなりのポーズを取ってもらいました」

BP「バクリュウオーのコラムでやった改造のおかげで、デフォルトより安定して上に乗せることが出来ます。」

ki-pa「次に分離ですね。」

BP「次にバクリュウオーがパーツごとにばらけます。劇中ではバクリュウドラゴンが吼えながら分離しますが、その再現は出来ません・・・。」

バクリュウオーがバラける図
バクリュウオー分離

ki-pa「このとき、バクリュウオーの頭は余剰パーツにはならずにバクリュウキャノンにしまっておけます。また、普段は使わないゴッドライジンオーの手首などもバクリュウオーはガランドウなので普段は中に収納しておくとよいでしょう。」

BP「ここからバラけたパーツが合体します。まずは、腕のパーツがライジンオーの横で静止、足のパーツも変形します。」

胴体部分がライジンオー横で静止する図
ロールオーバーで画像が変わります

バクリュウオーの足が変形する図
ロールオーバーで画像が変わります

バクリュウオーの足が変形する図
ロールオーバーで画像が変わります

BP「各パーツが所定のポジションに付くと、ライジンオーにくっついていきます。まずは腕の合体。ここの部分の解釈は変わってますね」

ki-pa「そうですね、胴体が分裂して上下に合体してます。

BP「上下に分割したおかげで、可動が確保されました。合体時に腕を曲げるシーンの再現も出来ます。」

ガシッと胴体部が腕に合体する図

ガシッと胴体部が腕に合体する図
ライジンオーの関節をそのまま使うので、このシーンも再現
ロールオーバーで画像が変わります

BP「その次、ここが厄介な場所です。壊れやすい足のドッキング。」

ki-pa「ここは前回紹介した簡単な改修方法で何とかなります。」

BP「一応長いほうを先に入れて短いほうをはめるようにすれば確実に入ります。抜くときは逆に、短いほうから抜いて長いほうを抜くといいです。」

ガキンと下駄が同時に合体する図
バンクのこのシーンと最後のシーンを比べてみましょう
ロールオーバーで画像が変わります

BP「そしてその次、胸パーツです。ここは旧来のおもちゃだと、ライジンオーのエンブレムをはずしてバクリュウオーの背中パーツをつけます。そしてあまったエンブレムはゴッドライジンシールドにはめますが、今回はライジンオーのエンブレムのうえからそのまま新しい胸をはめ込みます。」

ki-pa「このパーツはライジンオーのふんどしパーツと、胸パーツの上部で接続しますので、ピンを折ってしまわない様に注意ですね。

BP「アニメ内ではモーフィングで勝手に変形していますので、こちらも対抗してコラージュで再現してみました。」

ki-pa「なんとかサイズが合ってくれたのでよかったですよ。」

胸のエンブレムがモーフィングで変化する図
ペイントとロールオーバーで簡単モーフィング
ロールオーバーで画像が変わります

BP「そして最後にバクリュウオーの冠をかぶせます。劇中では自分で頭にかぶっていたのが印象深いですね」

ki-paただ、ここはどこもロックされずにただ乗せるだけなので、すぐに取れちゃう仕様

BP「この部分の固定は煮込んでほしかったですね。ちょっと動かしただけではずれるなんて・・・。」

ki-pa「せめてライジンオーの頭部にそれとなくロック用の溝を掘ってほしかったところ。」

冠パーツを自分でかぶる図
腕の大きさの都合でアニメの高さに持っていけませんでした
ロールオーバーで画像が変わります

BP「さて、劇中では腕の合体時についているバクリュウオーの翼ですが、この商品ではどうなってますかね?最初の説明のとおり、 バンクではいつの間にかライジンオーの翼と取って代わってますが・・・」

ki-pa「一応、商品ではライジンオーの羽根にかぶせる形になってますが、そのせいで劇中同様に羽根を仕舞いこむことができなくなってます。しかも、外れやすいために、商品にはロック用の別パーツが付属されている仕様。」

BP「ちなみに劇中では、バクリュウオーのロボット形態のときと同じく逆三角形だった翼が展開して最後のキメです。」

ki-pa「これは出来ませんが、展開後のイメージだけは出来るようになってます。」

ゴッドライジンオー完成!
ゴッドライジンオー完成!

(整合性がおかしい)形を直す秘密の魔法
BP「合体バンクの再現の次は、各部のプロポーションを見てみましょう。全体的にはかなり合体している割にバランスが取れてますね。」

ki-pa「バランスは取れていますが、ライジンオー時よりも可動範囲が全身に渡って殺されています。これはかぶせ合体の宿命ですね。」

BP「一応、ライジンオーのときの関節は生きていますがね。同時期のMPグレートエクスカイザーではドラゴンカイザー時の腕を取り外すことが出来ました。これで、見栄えとプロポーションと可動を両立させようという意図があったんですが・・・。」

ki-pa「ライジンオーは合体イメージを重要視したようですね。それでも、プロポーションはいいですし、可動もなんとかいけてるんですが、これ、肩がちょっとしか動かない致命的な地雷がありまして・・・

BP「バクリュウオーの腕はお好みではずせるようにしても罰は当たらないと思うんですがね。その次、脚部を見てみましょう。ここは旧おもちゃのスタイルが破綻する一番の理由です。上にも書いたけど、つま先がなくて四角いブロックの上にライジンオーがのってるだけ!後のシーンでは都合よく形が変わっています。」

ki-pa「今回はスキー板のようにバクリュウオーを変形させてますね。アニメ劇中では勝手に足の形が変わって縮んでいたものをそれに近いもので再現してくれました。プロポーションとしては正解なのかもしれません。ライジンオーの足首関節だけでは無理があったんでしょうが。」

武器があれば、心弾む
BP「では、ゴッドライジンオーの必殺技を見てみましょう。基本的な技は、ライジンオーの技を強化したもので、ほぼ共通です。」

ki-pa「先ほども言ったように、肩の関節が動きませんので、劇中のような再現が出来ません」

BPハイパーゴッドフラッシュも、ゴッドライジンブーメランも放てません・・・。」

ki-pa「折りたたんだバクリュウオーの腕が羽根に干渉して腕が動かないので、そのあたりのポーズを取りたいなら、ここは折りたたんだバクリュウオーの腕を展開して無理矢理動かしましょう。

BP「ところで、ゴッドライジンオーになってから新しい技が追加されました。バクリュウオーのときのバクリュウキャノンが伸びてゴッドライジンオー用のキャノン砲になります。これで初期の必殺技のファイナルファイヤーを放ちます。」

ゴッドライジンバズーカ
ゴッドライジンバズーカ、セットオン!

ファイナルファイヤー!
ファイナルファイヤー!
見てのとおり、かなり苦しい角度になってしまっている


BP「手首は穴あきに換装して、キャノン両側にグリップをつけて両腕持ちさせられますが、これは失敗でしたね」

ki-pa「先にバズーカに手首をつけておいて、あとから腕にはめる方式にすれば何とか前に構えられます。これでも無理して腕をはめたんです・・・。これを綺麗なポーズでやらせたいのならば、本当に腕をはずせるようにしてほしかったものです。」

BP「ファイナルファイヤーでも専用の勝ち名乗りがあります。」

ゴッドライジンバズーカを担ぎまわす図
絶対無敵!

アニメではキャノンのパースと大きさがでたらめです。
ラーイジーンオー!!

BP「ファイナルファイヤーは5話程度邪悪獣を倒してきたけど、ジャークサタンが邪悪獣と融合してスーパー邪悪獣を生み出すようになってからは通用しなくなりました」

ki-pa「そこからハイパーサンダークラッシュの登場ですね。」

BP「勉君の見つけ出した新たなコマンドです。流れとしてはゴッドライジンシールドを腕に取り付けます。」

とどめだ!
ゴッドライジンシールド!
バクリュウシールドに黄色いパーツを取り付ける
旧シリーズではライジンオーの胸パーツだった部分

ki-pa「今回はシールドから剣が生えます。説明書では金色の刃を使うことになってるけど、劇中では銀色の刃を使います。これで敵の眼前で十字切りでとどめです。」

剣が実体化する図
ゴッドライジンソード!
ドラゴンの頭が残ってるのがマイナスポイント・・・
ロールオーバーで画像が変わります

BP「この技の再現のために、今回は1/100ストライクフリーダム犠牲になってもらおうと思います。」

ki-pa「期待を裏切りまくったという点ではスーパー邪悪獣並みに凶悪なやつですね。」

やめてよね。君がパワーアップした僕に勝てるわけないだろ。
スーパー邪悪獣1/100ストライクフリーダム!
モデラーとアニメファンの期待を大いに裏切った恐るべき敵

ki-pa「例によって重力波をシールドから放出して相手の動きを止めますね。」

重力波を照射する図

今度もまた動けない!
ロールオーバーで画像が変わります

BP「動きを止めたら剣に稲光が落ちます。これでエネルギーを貯めてハイパーサンダークラッシュを放ちます。」



この僕が二回もやられるなんて
ハイパーサンダークラッシュ!
ロールオーバーで画像が変わります

ki-pa「十字切りにされた相手は当然大爆発を起こします。」

バラバラバラ
大爆発したと思ってください

BP「そして、エルドランシリーズお約束の勝ち名乗りです。」

ki-pa「本当は着地するシーンがあるのですが、足首の大きさと可動の都合で再現できませんでした。残りの部分はただでさえ動かないゴッドライジンオーなので、このポーズには苦労しましたよ。」


絶対


無敵!


ラーイジーンオー!!

ロールオーバーで画像が変わります


(本体の)重心が後ろだぞ
ki-pa「ちょっと家にHGのサイコガンダムがあったので並べてみて大きさを比較してみました。何と、同じくらいの大きさですよ」


サイコガンダムとのツーショット
何と同じ大きさ!

BP「HGサイコガンダムさんはHGなのにPG並みの大きさを誇るということで定評があったのですが、ゴッドライジンオーのサイズがその程度というのがよくわかる対比図ですな。」

ki-pa「大きな羽がある分、ゴッドライジンオーのほうが凶悪ですがね。後ですね、重さに関してですが、ゴッドライジンオーの状態ですがね、凄く重いんです。めっちゃくちゃ重いんです。

BP「ライジンオーでさえダイキャストの塊だったのに、それにさらにダイキャストをくっつけましたからね・・・。」

ki-pa「しかも、バクリュウオーの足の極めて後部に足首がある上に、背中に大きな羽根を背負ってますので、必然的に重心が後ろに行っちゃいます。

BP「ということはすごくこけやすい・・・。」

ki-pa「そうです。種ガンダムよろしく後ろにこけやすいんです。

BP「飾るときは高いところに置いてはいけませんね・・・。」

強度と丈夫さ、これが肝心なの
BP「えー、ではこの商品の総評に入りたいと思います。まず、25000円プラス消費税出すべきか?」

ki-pa即答で出すべきではありません。今回の撮影をしてみてわかりましたが、この商品は正直言って二度と触りたくありません。

BP「やっぱり、バクリュウオーがすべての原因でしたね。やはり、この手の合体おもちゃに必要なのはギミック、プロポーションもさることながら、強度と頑丈さですね。大人向けといえどもこれはもろすぎます。」

ki-pa「そのための強度確保にダイキャスト比率を高めたんでしょうが、逆に重量がアダになりましたね。」

BP「ライジンオーを展開したのは、前に出ていたアクションフィギュアのリベンジなのかもしれませんが一部高得点で他が駄目駄目ということでリベンジならずということでした。春にはBRAVE合金でグレートバーンガーンが出るそうですが、ガオガイガーと違って数をこなせてないぶん、ゴッドライジンオーの二の轍を踏みそうで怖いですね。」

ki-pa「いろんな作品に手を出すからこうなるんでしょうね。 どの作品にも適用できる機構をちゃんと開発すべきですね。

BP「これからのエムズの課題ですね。基本的な物はいいので、後は煮込んでほしいものです」

出現!ジャーク帝国
基本的に1話完結方式の話を採用しているので、終盤への流れは非常にゆっくりなものであった。まず、第40話「ベルゼブ大接近」では、ベルゼブが地球防衛組の正体が、子供であったことに非常に憤りを感じていた。今まで相手にしていたのは子どもで、大の大人が負け続けていたのが許せなかったのだろう。

ということで、ライジンオーの基地を見つけようとベルゼブは躍起になっていたのだが、ついに地球人側にアークダーマの存在がばれてしまい、さらに町にあるアークダーマをほとんど回収され、破壊されてしまう。後の無いベルゼブは、ワルーサ皇帝に最後のチャンスということでジャークサタンをグレートジャークサタンにバージョンアップさせて、最後のチャンスを与える。

49話「出現!ジャーク帝国」では総力戦の開始ということで、ベルゼブの宇宙船間がジャークパワーで日昇町を持ち上げてしまう。当然、出動するゴッドライジンオーであったが、ジャークパワーのフィールド内ということでエネルギーの消費がいつも以上に激しくなっており、さらにパワーアップしたグレートジャークサタンに苦戦を強いられる。

ハイパーサンダークラッシュも防がれてしまったゴッドライジンオーは捨て身の攻撃で、グレートジャークサタンをフィールドの外にはじき出すが、同時にエネルギーが切れてしまい、小型ロボに分離してしまう。さらに、バクリュウオーも行動不能に陥ってしまった。

ここ御世がしに攻撃を仕掛けてくるベルゼブだったが、小型ロボットのとっさの連携プレイにより、グレートジャークソードをへし折られ、剣王がその剣をグレートジャークサタンに突き刺して、辛くも退ける。しかし、満身創痍の剣王たちにワルーサ皇帝が出現するのだった。エネルギーが完全に尽きて動けないライジンオー側は、ワルーサ皇帝のもう攻撃を受けるも、部下の失敗も許せなかったので、ベルゼブもまとめて攻撃をかけてきた。

何とか起死回生の手はないかと考える防衛組は、バクリュウオーの自然のエネルギーを吸収する力を使って、小型メカにエネルギーを分け与える作戦に出た。その作戦のためには、どうしてもバクリュウオーの修理が必要ということなので、クラスメイトの家のヘリコプターを利用して地上のバクリュウオーに合流する作戦を考案する。危険な作戦であったが、クラスメイト3人の仲間が危険を冒してまで必死に戦っているのだからということで、バクリュウオーの修理に向かうのだった。

防衛組の作戦に気づいたワルーサ皇帝は、尚も攻撃を仕掛けてくるも、ベルゼブと防衛隊の攻撃に気を取られバクリュウオーの修理を許してしまう。主題歌「ドリームシフト」をBGMに、バクリュウオーを懸命に修理する防衛組男子たちの姿に、小型メカの中の3人は涙する。

やっとのことで修理を終えたバクリュウオーは再起動し、自然のエネルギーを吸収し他のメカにエネルギーを分け与えた。ここにゴッドライジンオーが完全復活した!

クラス全員が一丸になった瞬間
ゴッドライジンオー完全復活!

ゴッドライジンオーは復活したものの、ワルーサ皇帝のパワーは圧倒的であった。ファイナルファイヤーは通用せず、逆にバズーカを破壊されてしまう。ゴッドハイパーフラッシュも防がれ、拉致が空かないということで、要塞を撃破しジャークパワーの照射を抑えようとした。しかし、皇帝に阻まれ、牙でつかまれてしまう。

このまま破壊されてしまうかというところで、部下の命を軽んじる皇帝に対して、怒りに燃えるベルゼブが割って入り、ゴッドライジンオーを助けて皇帝を攻撃する。そんなベルゼブだが、やはりワルーサ皇帝に捕らえられてしまう。しかし一瞬の隙を突いて反撃し、ゴッドライジンオーに勝機を与えた。ゴッドライジンオーのフルパワーで、ワルーサ皇帝を真っ二つにして、見事に勝利を収めたのだった。

僕らの夢は絶対無敵!
ライジンオーの最終回は、最初にしてシリーズ最高峰と評すものがいる。それは、子どもたちの心の成長、団結力を非情に丁寧に描いているというのが一因であろう。というわけで、その最終回の模様をレビューして見たい。

やっとの思いで、ワルーサを倒したゴッドライジンオーだったが、ベルゼブが再び攻撃を仕掛けてきた。ワルーサの呪縛は解けたものの、戦士の誇りをかけてゴッドライジンオーとの勝負に出たのであった。

無駄な争いをしたくない仁たちであったが、しぶしぶ応戦し、要塞の中でグレートジャークサタンを行動不能にする。力で敗れたベルゼブはジャークドリームを展開した。次の瞬間、意識を取り戻した吼児は、いつの間にか教室の中にいた。1学期の算数の授業中で、ライジンオーのことを全員が知らないと言う。パイロットのはずの仁たちすらもこの調子で、さらに、吼児のライジンブレスを取り上げようとし、吼児をいじめるのであった。

何とかその場を逃げ出した吼児であったが、自分が今まで見てきたものは夢だったのかと苦悩する。そんな彼の元に他の二人がやってきて、今までのことは「ジャーク帝国をだますために知らないふり」をしていたと言って、とある場所に連れて行く。しかし、それは「吼児を捕まえる芝居だった」と非情に振舞う。

精神的に追い詰められた吼児であったが、ライジンブレスが輝き、エルドランからメダルを託されたときのことを思い出す。そして、毅然とした態度で、追い詰める仁たちを振り払った。するとライジンブレスを持った本物の仁たちと合流し、悪夢を振り払ったのだった。ジャークドリームとは、ベルゼブが作り出した偽の世界で、仁たちの精神的に追い詰めてしまおうという目論見だったのである。

力でも心でも負けたベルゼブは、素直に負けを認め、自分たちには「心」がかけていて、それが敗因になったと認めたのであった。そんなベルゼブに、仁たちは手を差し伸べたのであった。正義の心に目覚めたベルゼブは、五次元世界に戻っていった。

戦いが終って一件落着と思われたのだが、今度は要塞が崩壊し始めた。まもなく爆発する要塞から脱出しようとするゴッドライジンオーであったが、行く手を巨大なアークダーマが立ちふさがった。その触手につかまったゴッドライジンオーであったが、その触手を振り払い、アークダーマを十字切りにするのであった。


俺たちは絶対無敵だ!

その刹那、要塞は大爆発を起こした。司令室の女性陣の中では、ゴッドライジンオーがやられてしまったという悲嘆の声が上がり、悲壮感が流れる。それを懸命に全員が否定しようとする中、爆炎の中から一つの光が・・・。ゴッドライジンオーは生きていた!絶望が歓喜の声に変わった瞬間であった。

このように、クラス全員の子どもが一丸となって成長していくという理想的な状態を見事に描きだしているのがライジンオーの特長であろう。特に、獣王パイロットの吼児はサブレギュラー的な位置づけであるが、軟弱な様子だったのが、戦いを通して仲間を信じ、困難に立ち向かえるようになったという点では、一番成長したキャラクターであろう。影の主人公と言っても過言ではなさそうだ。

昨今、学級崩壊やいじめの問題が問題視されているが、教育の現場では子どもたちが困難な目にあっても互いに手を取り合って、一緒に課題を解決していくというのが教育上、非常に必要な要素である。教員を目指している人は、1回見てみてもよいかもしれない。

みんなが地球防衛組
ライジンオーはエルドランシリーズの中でも一番の人気を誇り、次回作のガンバルガーが放映している中でOVAの展開も行われた。机上の設定では、もしもう1年ライジンオーが続いていたらという設定で、話が作られていて邪悪獣の設定やサブタイトルまで作られていたのである。その一部をドラマCDやOVAで再現したわけである。

テレビシリーズでは5年生だった彼らであるが、ガンバルガーの時間軸上では6年生で、ガンバルガーの放送中にもチラッと出てきたこともある。ワルーサ皇帝とベルゼブを退けた地球防衛組だったが、ワルーサ派の五次元人が未だに存在しており、三次元侵略をもくろんでいた。その悪の五次元人ゴクドーは、改心したベルゼブを閉じ込め、ファルゼブを利用し、ついに地球防衛組の基地を発見した。

その頃、地球防衛組は卒業間近で、卒業に当たっての作文をしていた。自分たちが卒業してしまうと、地球防衛組がなくなってしまうのではないかと、不安に駆られ、卒業と言う現実を見つめられないでいた。そんな折、ゴクドーが黒板の隙間から突如出現した。ゴクドーは、自分の能力で6年3組の児童の半数を教室に閉じ込め、学校にバリアを貼る。マリアは司令室を起動して、異物であるゴクドーを排除しようとしたが、ファルゼブにメダルを奪われ失敗する。

この未曾有の危機に、ある児童が、「メダルをくれただけで何もしてくれないエルドランはメイワク」と言い放つ。すると、近くにあったアークダーマが反応し、ワルドランを生み出した。この邪悪獣は、過去に倒した邪悪獣を生み出す特殊能力を持っており、さらに状況が悪化する。

ライジンオーが動かせないとどうにも出来ないので、仁たち助かった児童は、仲間を助けるために学校に再び侵入する、仁を除いてゴクドーにつかまってしまう。残った仁は体育館の上でゴクドーを迎え撃つが、窮地に陥る。そのとき、ベルゼブがゴクドーの背中の刺青に閉じ込められていると知ったマリアは仁にメダルを、ベルゼブに近づけるように指示を出し、一瞬の隙を突いてベルゼブを助け出した。

人質が解放されたファルゼブは、マリアにメダルを返した。司令室を起動した防衛組は形勢逆転!これを受けて、ゴクドーは自分のメカジャークルシファーを召喚する。ゴクドーと防衛組みの最後の戦いが始まった。

邪悪獣を盾に攻撃を仕掛けてくるジャークルシファーであったが、防衛組みの援護も合って劣勢に立たされる。そこで、ワルドランを含めたすべての邪悪獣と超次元融合し、グレーとジャークルシファーを生み出す。

圧倒的な力の前に苦戦を強いられるライジンオーとバクリュウオー。ついにグレートジャークルシファーにつかまってしまう。そこに、救出されたベルゼブがジャークサタンで応援に駆けつけた。解放されたライジンオーは、ゴッドライジンオーに合体し、ベルゼブとともにグレートジャークルシファーを宇宙で迎え撃つ。

ゴクドーは自身の戦艦を使って地球を真っ二つにしようとしていたが、力を合わせたゴッドライジンオーとジャークサタンの前にあっけなく敗れてしまう。かくして、OVA30分という尺の短さのせいか、あっけなく倒されてしまったのがなんともはや。何はともあれ、五次元人の再侵略は阻まれたのであった。

OVA専用の勝ち名乗り
絶対無敵!ラーイジーンオー!!

一件落着した後、ベルゼブはいまだ彼の世界に残る悪党と戦うため、五次元へと帰っていった。同時に、仁も卒業に寄せて自分と向き合う。最終的に、彼は卒業という現実を受け止めるものの、自分たちは永遠に地球防衛組みであるということを悟った。

かくして、エルドランシリーズ第一作目はOVAの完結を持って終了したのであった。

この星に生きるみんなが地球防衛組なんだ。(もどる)